作者の事情により執筆することが出来なくて遅くなりました。
また、アニメの最新話がOAされてから更新しようと思っていたので、遅くなったというのもあります。
今話にて、5話の内容と相違点が出ています。修正するまで暫しお待ち下さい
ガッツリネタバレしていますので、お気をつけください!!!!!
また、ゴブスレ君の性格が改変していることを伝えたかったのですが、オカシイ所もあると思いますので、ご注意ください
穏やかな日々。それは、突然壊される。ある朝、日課である牧場周辺の見回りをしていると、泥と汚物に塗れたいくつもの足跡を見つけた。
直ぐに幼馴染に逃げろと告げた。ゴブリンが来るからと。そんな俺の様子を訝しんだのか俺に、君なら倒せるのではないかと問いかける。その質問は正しく、同時に間違いだ。例え100匹を超える大群であろうが、洞窟の中等の奴らの巣の中でなら殺し切る。しかし、何の遮蔽物もない文字通り実力が全ての場所で、そんな大軍を相手にすることは不可能だ。普段と明らかに違う俺の様子に彼女が動揺する。そんな彼女に、敵がどういう存在かを手短に告げ逃げることを促すしかない。10年前と同じように何もできない己を憎んでいると、鹿野が小さく「良し」と呟いた。逃げることを決めたのだと思えば、口から出てきたのは謝罪で自分は逃げないという。俺が残るから自分も残るのだと。どうなるか伝え不安を煽るように脅しても彼女は首を縦に振らない。何故かと考えれば、彼女の口から答えが出る。二回目は嫌だと、俺の帰ってくる場所がなくなるからと。俺たちの故郷は既になく、ここが俺と彼女の故郷なのだと考えているのだろう。その通りだ。姉は神殿に入り、気軽に出かけることなどできない。ギルドでも孤立している俺に気軽に話しかけてくる相手も多くない。そんな俺にとってここはもう故郷だといって差し支えない場所になっていた。
彼女が謝罪と共に我儘を言っている自覚はあると伝えてくる。それがどうした?そんな貌をさせてしまったのはどこのどいつだ?手が足りない?なら用意する。力がない?有る者に応援を頼む。やれるだけの事はやってやる。それで彼女の表情が和らぐのなら!
姉の事が蘇る「女の子は守ってあげなくちゃダメ!」と。そんな俺に吐き捨てるように掛けられる言葉。10年間彼女を育ててきた牧場主が俺に伝えてくる。「あの娘は、良い子だ」と。「良い子に、育ってくれたんだ」と。最後に泣かすなと言われた。本当は冒険者である俺にそんなこと言いたくなかったに違いない。それでも意を決して伝えてきた牧場主に嘘偽りを吐くことなどできようはずもない。本当は任せて下さいと言いたかった。だが、俺に一人で何とかする力がないことは俺が一番よく分かっている。それ故に「努力します」としか言えない自分に葛藤しながらギルドを目指す。あの夜に言われたこと。どうしようもないなら胸の内を全て吐き出して助けを乞う。今がその時だろう!?
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すまん。聞いてくれ
―彼の静かな言葉が喧噪の中であっても響く
頼みがある
―今まで彼がそんなことを言ってきたことは一度もない。いつも一人でゴブリン退治をするだけ。そんな奴がいきなり頼みがあるという。ざわめきが起きないはずがない
そんなざわめきを無視して彼らに話しかける。名前を知る者、知らぬ者。だが、全員の顔は分かる
ゴブリンの群れがくる。町はずれの牧場にだ。数は恐らく100を下回ることはないだろう。そして、時期は恐らく今夜。更にロードもいると思われる。洞窟の中でなく、野戦となると手が足りない、力が足りない。故に
手伝って欲しい
―淡々と状況を説明した彼が最後に感情をこめて頭を下げた。
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今まで関わってこなかった俺がいきなりこんなことを言い出せば困惑するだろう。実際、何人かの冒険者はノリ気ではなかった。だが、辺境最強と言われる槍使いがここは冒険者ギルドで自分たちは冒険者だといい、依頼と報酬の提示を求めてきた。周りの冒険者も口々に同意する。それに対しての返答は決まっていた
「全てだ。俺の持つ物全てが報酬だ」
あの場所を、故郷を守ることが出来るなら全てを失ってもいい。そう考えていたが、槍使いが受付嬢を俺にくれるのか?と聞いてきた。何故そんなことを俺に聞くのだろうか?彼女は俺の物ではないのは分かり切っていると思うのだが・・・。しかし、この言葉から間違った解釈をされる可能性もある。故に、俺の裁量で自由にすることが出来る物全てが報酬だと言い切ろうとすれば、槍使いが「俺が死ねと言ったらどうする」と聞いてきた。その質問は予想していた。今までの俺ならそれでもいいと考えただろう。だが、先程まで話していた彼女の顔が頭をよぎる。俺が死んだら彼女はどうなる?牧場主にも泣かすなと言われたのだならば答えは一つしかない。
「いや、それはできない。俺が死ぬとなくかもしれない者がいる。泣かすなと言われた。なにより、俺自身がその者の泣いている姿を見たくない。笑っていてほしい。だから、俺の命は俺の裁量で決めることはできない」
ありのままを伝える。その言葉に本気かと問われれば本気だと即答する。その答えを聞いた槍使いは頭を掻きむしりながら、俺に一杯奢れと言ってきた。それがゴブリン退治の報酬だと。その言葉を皮切りに、共にゴブリン退治を行ったエルフが自分も協力すると言ってきてくれた。報酬は冒険一回だと。俺が生きていたら引き受けると答えればそんなこと言わなくいいと呆れられたが、エルフがドワーフ、リザードマンにも問いかける。ドワーフは報酬に酒樽をよこせといい、冒険に着いて行っていいかエルフに問えば、エルフは当然だと応える。同じパーティなのだからと。その言葉はずっとソロでやってきた俺には少し衝撃的だった。仲間というものと一番縁がないと思っていた俺に仲間ができたのだとぼんやりと考えていれば、リザードマンが友人の頼みだ行かない訳にはいかない。と言ってきた。ただし、報酬が貰えるというのならチーズが欲しいと言われたので、あのチーズは狙われている牧場で作られていると応える。更に槍使いと組んでいる魔女も手を貸してくれるという。これで6人。他の冒険者は手を上げないが、ダメ元で頼み込んでいるのだ。銀等級の冒険者二人が手を貸してくれるのであれば心強い。そう納得しようとした矢先、俺の担当をしている受付嬢がギルドからもゴブリン一匹につき金貨一枚の報酬を出すという依頼を持ってきてくれた。それを聞けば他の者も立ち上がる。意外だったのは、彼又は彼女らの俺に対する評価で、良く思われていないのだろうと決めつけていたが、俺の評価はこのギルドの中ではそこまで悪いものではなかったらしい。ギルドの名物、風物詩、珍品とまで言われる始末だったが・・・。
彼らの怒号を聞きながら、奔走してくれたのであろ顔に汗を浮かび上がらせている受付嬢に顔を向ければ、笑顔で返事をされた。それに対し、感謝を込めて頭を下げる。5年間ゴブリン退治しかやらなかった俺にずっと付き合ってくれて、緊急時に奔走してくれる。今頭を下げないでいつ下げろというのだ。その様子見て笑いながら良かったですねと俺に声をかけてくる神官娘。そんな彼女に一つ頼みを伝え、ゴブリン退治に向かう。俺がこれまでに蓄えてきた知識を共に向かう冒険者に伝えながら・・・。
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結果は言うまでもなく俺たちの勝利で終わった。とはいえ、何人かの冒険者は生きて帰って来なかったらしい。彼らの名前は分からずとも、顔は覚えている。彼らは俺を怨んで死んだのだろうか?そう考えてしまう自分がいることに驚く。自分では自覚していないが、長年このギルドに所属している内に俺にも人並み(と言うと言いすぎかもしれないが)も感情を持つようになっていたのだと自覚する。
感傷に浸りながらもロードを倒した賞金としてもらった金貨を神官娘の掌に握らせていると、彼女が話しかけてきた。感謝と女の子に無理をさせるなと注意をされたが他愛ない会話があの場所と彼女を守れたという実感を与えてくれる。
それが何故だか嬉しくて口元が緩むのであった・・・。
最も、姉への報告でまた説教をされたので後味は大分悪くなってしまったのだが・・・
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牧場防衛線が終わり手伝ってくれたパーティの報酬を果たす日々。エルフの冒険に付き合いゴブリンを狩る。ドワーフ曰く、俺に合わせてなるべくゴブリンが居そうな遺跡を選んでくれたらしい。そんなエルフの気遣いに少し嬉しいと思う自分がいる。冒険が終われば、姉の報告の後牧場に戻る。戻れば彼女が絡んできて、流暢とは言えない俺との会話を楽しんでいるように思う。そんな日常を過ごしていると、ある日冒険者の昇給審査の立会人を頼まれた。ゴブリンではないのでギルドを後にしようとすれば、世話になっている受付嬢の残念そうな声が後ろ髪を引く。前回あれだけ尽力してもらったのだからその恩を返す意味でもその依頼を受けた。結果として俺は立ち会っただけであったが、受付嬢にとってはそうではなかったらしく、感謝の言葉を向けられた。だからなのか退室する前に受付嬢にまた立会人が必要なら声を掛けろと言ってしまった。もちろんその事に不満がある訳でない。ただ、今までゴブリン退治のみを生きる目的として行動してきた俺の感情に確かな変化が生じていることに俺自身が困惑しているのだ。
2階から1階に降りると丁度俺宛にゴブリン退治の依頼が来ていた。そのことをパーティに伝え相談をすれば俺の相談は2択を迫っているだけだと苦言を呈される。それでも付き合ってくれる辺り気の良い連中なのだと思う。
依頼の内容は水の町に出没するゴブリン退治。依頼主は至高神の大司教。下水道にいるゴブリンを退治することが依頼であったが、ただのゴブリンではなくチャンピオンが率いる群れで教育された痕跡があった。最初の遭遇では、失敗を犯し俺だけでなくパーティ全体の落命の可能性すらあった。今までは独り故に失敗も成功も己だけのものだったが、今はそうもいかない。己の失敗が仲間の命すら危険に晒す。改めて実感させられた・・・。
三度目に下水道に潜った際に、エルフに禁止されていなかった爆破を試したがこれもエルフ的に禁止らしい。更に、一度撃退したチャンピオンとの再戦を終え、依頼主である大司教に問い質せば全て知ってのことだったという。その理由は、ゴブリンの恐ろしさを知る女なら当然持っている恐怖からだった。大司教が俺に求めたのは理解であったが、俺はそれを見ていた側だ。理解することなどできようはずもない。更に言えば、俺と姉はあの男に助けられた。大司教の悲痛な思いに軽々しく同意などできない。だが、俺と姉が救われたように、俺もまたゴブリンに怯えている者を救いたい。俺は世界を救わないしゴブリンを殺すことしかしない。しかし、ゴブリンに怯える人だけなら俺でも救うことができるかもしれない。だからだろう。去り際に震えている大司教に向けて「ゴブリンが出たなら、俺を呼べ。ゴブリンは、俺が殺してやる」と告げた。夢の中でも?という質問が来たが、その答えは決まっている。
「俺は、ゴブリンスレイヤーだからな」
―背を向けて歩きながら言い放ったため、大司教が最後に何事か言っていたが聞き取れなかったが、大した問題はないだろう。
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大司教からの依頼を終え、季節も巡る。恵みの秋。豊穣を願い、恵みに感謝し、収穫を祝う。辺境の町でも祭りをやるのは毎年の恒例だ。去年までは、一人でゴブリン退治を行い、帰ってくれば彼女の手伝いで牧場の納入品を作るだけだったが、今年は何故か祭りの日に、彼女ともう一人。受付嬢と祭りを回ることになった。午前中は幼馴染と、午後は受付嬢と回るのだが、ギルドで受付嬢から誘われて承諾すれば全身に鋭い視線が突き刺さる。帰り道に彼女からの誘いを承諾すれば今度は、牧場主から言いようのない無言の圧力を感じる。だが、今までと同じように祭りを迎えていれば感じることのなかったものだ。それだけ、俺の周りは変化したということだと無理やり自分を納得させた。
祭り当日、いつもと同じ服装だと思っていた幼馴染が蒼いドレスを身に纏い俺に手を振ってくる。見慣れた格好ではない彼女に一瞬なんと声を掛ければいいのか悩むが、素直に似合っていると告げると、照れくさそうに笑いながら「ありがとう」と返事を返される。何とも言えない気恥ずかしさを誤魔化すために先導を切るが、それが照れ隠しだと見破られているのだろう。いつもよりご機嫌な幼馴染と祭りを回った。途中、以前相談された新米冒険者と、銀等級のパーティに所属している二人組みから幼馴染に、祭りの出し物に手をこまねいていると相談され、俺に手本を見せてほしいときた。特に問題がある訳でもないからやってみせると、男陣からもっと詳しく教えてくれと請われたが、練習するしかないと伝えると再度チャレンジしていた。そんな俺たちを見ていたであろう彼女の顔は笑顔だったという。
幼馴染から「受付さんによろしくね」と言われ、別れた後、約束の場所に向かえばそこにはいつものギルドの制服ではなく私服を着ている受付嬢の姿があった。約束の時間に少し遅れたことを指摘され謝ることしか出来なかったが、時間が勿体ないと思ったのか先導しながら俺に声を掛ける。本来なら同じ言葉を別の女性に掛けることは、誠意に欠けることだろうが、生憎そういったこととは無縁で生きてきた身だ。気の利く言葉など用意できるものでもない故に、その服似合ってると告げた。俺がそんな言葉を掛けるとは思っていなかったのか、数舜ぽかんとしていたが、直ぐに笑顔に戻った。その後は、午前とは別の場所を回ったが、祭りの最中でもゴブリンがどこに隠れられるか、どうやって始末するか考えながら行動してしまう。我ながら、切り替えも出来ず、気の利かない男だと思うが安心することなどできない。そんな折、受付嬢が見せたい場所があると俺を連れてきたのはギルドの職員のみが立ち入ることのできる部屋で、そこからの景色を見せてくれた。それは、祭りの参加者が死者を追悼するために拵えた灯篭を空に浮かべている状況だった。死者は帰れただろうか?と言葉か口から出れば、きっと帰れたと思うと肯定された。安心できましたか?と問われれば、その答えに安心することなどできないと応えてしまう。どれだけ策を練っても、準備をしても手に入るのは勝算だけで勝利ではない。そう伝えると、、俺の行動は神様のお墨付きだと言ってくれた。
お互いに無言になったが、嫌な沈黙ではなく、空に浮かぶ明かりを静かに見送りながら鑑賞に浸っていた・・・。
―――――――――――――――――
楽しい時間であるからこそ、その中に悪意とは潜むものである。以前、俺が立ち合いをした昇給審査で降格処分を言い渡されたレーアの斥候が復讐として不意打ちをしてきた。まともにやり合えば、一緒にいる受付嬢も危険に晒すと考え、死んだふりからの不意打ち返しを行ったのだが、受付嬢に要らぬ心配をかけしまったらしい・・・。
「ヒック、グス・・・。死んじゃったのかと、思ったんですよ・・・!?」
「む・・・・。すまん」
「謝る、くらいなら、グス、しないでください・・・!」
「・・・・善処しよう」
どうしてか、最近俺の周りにいる人が泣いたり、苦しんでいる様を見るのが心苦しい。そんな葛藤を心の隅に追いやりながら、未だに泣き続けている受付嬢に応える。十中八九祭りの時を狙って襲撃を掛けてきた存在がいる。そいつを対処するために、ギルドを出ようとするが、受付嬢は腰が抜けたのか立ち上がれないでいた。それでも、卓に手を掛けながら懸命にギルド役員としての職務を全うしようとしている受付嬢に
「・・・また。また、機会があるのなら声を掛けろ。時間があれば付き合う」
と伝えると
「っ!はい!その時はちゃんとエスコートしてくださいね?」
まだ足は震えていたが、冗談交じりに返してくれた。その様子を確認しギルドを後にし、黒幕に対しての策を移動しながら練る。途中パーティとも合流し手短に策を伝え、町の外に出た。
黒幕を討つために一度牧場に戻れば、まだ明かりが着いていた。幼馴染が声を掛けてきたので朝には戻ること。朝食はシチューが食べたい事を伝え、用心しろと言い残してパーティと合流すべく行動する。頭には、泣きながら俺を見送る受付嬢と心配そうに俺を見る幼馴染。彼女たちの不安な様子に苛立ち、そんな顔をさせた黒幕への怒りが湧き出る。全ての手を使って討つことを決意しながら、戦場へと舞い戻った。
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夜の内に討つことはできたが、その後の後始末に時間を取られ牧場に戻ったのは昼頃だった。朝には戻ると約束し朝食のリクエストまで出したのに時間を守れなかった俺にお冠むりの幼馴染のチクチクとささる小言を流し睡眠をとる。目が覚めたのは、既に日も落ちた夜であった。彼女が耳掃除をしてあげると言ってきて、強引に彼女の膝に頭を乗せさせられ、月明りを頼りに耳掃除をされる。静かな時間に心が安らぐのを感じ、再び眠気に襲われる。耳掃除が終わり、彼女がもう寝ようかと告げ帰っていくのを見送りながら、空を見上げていると、後ろから声を掛けられた。以前と同じように柵に腰かけながら、生きる伝説が言葉を掛けてくる。
―闇人の計画を潰したんだって?君の活躍は下手な武勇伝よりもよほど勇者している
力もある。手札も多かった。しかしゴブリン共のほうが面倒だった。そう答えれば愉快そうに笑う。それから、襲撃されたことを聞かれ、俺が死んだら姉にどう伝えればいいか分からないと言っていたが、姉はこの男の事を知っているということか・・・。
秋の夜は冷える。会話を早く終わらせようと話の核心をつけば、男の雰囲気が変わり忠告をしに来たと言われた
曰く、自分の命にどれだけの価値があると思う?と
―「少なくとも君が死んでしまったかもしれないと泣きながら告げた女がいる。君のゴブリン退治で命を救われた少女がいる。君の活躍で心が救われた淑女・・・?淑女かあれ?まぁいい便宜上淑女としておこう。君に興味を持っているエルフがいる。君の事を常に心配している姉がいる。そして、君の帰る場所になろうと背伸びを続けている女の子がいる。これだけで君の命は自分だけでなく5人の女に対して意味を持つ。
それだけじゃない。君がいなくなれば助からない人がたくさんいる」
要領を得ない説明に軽く苛立ち核心を問えば、
―もう少し周りを見ろと言いたいんだ。いつまでも君の周りにいる人が生きているとは限らない。結婚や冒険で命を落とすこともあるだろう。そんな時君はどうする?いつものようにゴブリンを退治するのか?それを・・・独りではなく仲間と冒険をすることを経験した君は耐えられるか?
と返される。言い返そうとするが、言葉が出てこない。
―無理だ。断言するよ。君はもう一時1人で冒険をすることはあっても、独りに戻ることなどできない。何故なら、確かな温かさというものを君は知ってしまったからね。
人は孤独には耐えられない・・・
そんなことは良く分かっているつもりだ!故郷が無くなった時も、目の前で村人が殺されるのを見ていた時も、牧場を守るために助力を求めた同僚が生きて帰って来なかった時も!そんなものはとうに自覚している!だが、それでも・・・!言葉が出て来ず、言い返せたのは、どうすればいい!?と絞り出せた一言のみ。それに対し、もっと周りの存在に関心を持って、感情を解放しろと言われる。それと同時に感情は以前よりも豊かになっているとも指摘された。チャンピオンからに一撃で死にかけた俺が、「リザレクション」で息を吹き返したのは、幼馴染やパーティ、周りの人を思い出しから。牧場を守るために助力を求めたのは、彼女を守りたかったから。と告げられれば、もう言葉も出てこなかった。
最後に、俺のこれからをしっかり考えるように言われた。その言葉は、もう顔を思い出すこともできない父親と同じような温かさを持っていて、同時に俺の思考を乱すものでもあったが、しっかりと頷き理解を示す。しかし、
―しっかり考えなよ?君のこれからを。そして、彼女たちとのこれからを。時間はあるようでないものだ。知らない内に結婚話が持ち込まれて、冒険から帰ってきたらどこかに嫁いでいたっていうのもあり得ない話じゃない。そんな時に後悔しても遅いんだ
という言葉が俺の頭から離れることはその日なかった。同時に、冒険者として戦えなくなる、つまりは、ゴブリンを殺せなくなった時、俺が進む道はどうなるのだろうと考えるようになった・・・。
過去最多文字数です。
そして、結婚エンドまでに終えておきたい全チャプターが終わったのでいよいよラストスパートです!
また、お時間頂きますが、できるだけ良いモノになるよう努力します!
※注意事項
次話からは、所謂パラレルワールド設定となりますので多少本文や原作と乖離すると思われます。許してください