(禁手化なしで)どうやって戦えばいいんだ!!   作:赤いUFO

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”血”戦前夜は誤字ではありません。


9話:血戦前夜

「滅却師?」

 

「あぁ。さっき、禁手化に至って戻ってきた者が言っていた。滅却師と名乗る一団と戦闘になり、禁手には至ったが重傷で戻ってきた」

 

「生き延びていたのか」

 

 ゲオルグからの報告を聞きながら曹操は意外そうに目を丸くする。

 

 滅却師。

 かつては冥界に多大な被害を与えた部族だが、近年ではマイナーな。数ある小さな退魔の集団の1つでしかない。

 曹操も以前顔を合わせたシャルバが話題に出さなければ名前すら聞かなかっただろう。

 彼らの生存を聞いて曹操は残念そうに目を瞑る。

 

「惜しいな」

 

「何がだ?」

 

「彼らの持つノウハウがさ。小さな退魔の部族とはいえ、受け継がれた技術と知識はきっと俺たちがこれから超常の存在と戦うのに役立ったはずだ。是非教えを乞いたかった」

 

 世代を越えて研鑽されて受け継がれたノウハウは決して軽んじられる物ではない。

 曹操は自分たちが弱っちい人間だと知っているからこそそうしたノウハウも手に入れたかった。

 

「彼ら滅却師は禍の団への復讐心から行動しているようだ。こちらに引き込むのは不可能だろう」

 

 ゲオルグの断言に曹操は残念そうに息を吐く。

 

「分かっている。だから巡り合わせの悪さを嘆いているのさ、彼らとは、禍の団と合流する前に会ってみたかったとね。それよりゲオルグ。報告はそれだけじゃないんだろ?」

 

「あぁ、他には――――」

 

 次の報告を始めるゲオルグに曹操は今聞いた滅却師のことを頭の隅に置いて新しい情報に耳を傾けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 兵藤家に敵の侵入を許したことで急遽リアスたちは拠点を駒王学園に移した。

 慣れ親しんだと云うのもあるが、ここ最近町中で起きている騒ぎで駒王学園を含む多くの学校が休校扱いとなっていることも学園に移動した理由の1つだ。

 オカ研の部室では手狭なため、生徒会室で話し合うことになった。

 つい先日卒業したばかりの高等部に足を踏み入れ懐かしさに浸る余裕もなく、リアスは右腕を失ったヴァーリたちに話しかけた。

 

「久しぶりね、と言うほどではないけど。貴方たちの協力を歓迎するわ。今は少しでも戦力が欲しいの」

 

 ヴァーリは右腕を失い、顔半分に火傷を残していた。アーシアがいたなら火傷の治療も可能だったろうが。

 

「挨拶はいい。それよりも黒歌はやはり……」

 

「えぇ。渡された駒から検出された魔力の質からもアレが黒歌を転生悪魔にしたときに使われた僧侶の駒で間違いないわ」

 

「そう、か……」

 

 ヴァーリたちは目を閉じてそれぞれ黙祷している。同じチームに所属し、同性だったルフェイなど、涙を流して手を組んでいる。

 そんな中でヴァーリは質問を続けた。

 

「塔城小猫はどうしている?」

 

「旧校舎の一室で休んでいるわ。今は戻ってきたレイヴェルが傍にいる」

 

 今は虚ろな表情で黒歌の悪魔の駒を眺めている。

 戻ってきたレイヴェルが傍にいて、馬鹿な考えを起こさせないように面倒を見てもらっていた。

 そこでリアスは話を変える。

 

「ヴァーリ、その腕は……」

 

「戦っているんだ。こういうこともある。それよりすまない。敵を逃がしてしまった」

 

「それは、仕方ないわ。こちらも間に合わなくてごめんなさい」

 

 腕を失ったことを特に気にした様子もないヴァーリにリアスはどういうべきか迷った。

 リアスやソーナがそれぞれ現場に到着した際には既に敵の姿はなく、負傷した彼らの手当と拠点を移すことを優先した。

 アーサーが口を挟む。

 

「こちらもあと一歩まで追い詰めましたが増援によりの一瞬の隙を突かれて撤退を許してしまいました」

 

 影から突如矢が放たれ、回避した一瞬で追いつめた滅却師2人を回収されてしまった。

 ソーナが質問する。

 

「これから貴方たちはどうするつもりですか?」

 

「もちろんそちらに協力するつもりだ。向こうがオーフィスを狙っている上に禍の団の復讐を目的としているなら知らぬ存ぜぬを決め込むわけにはいかないだろう。それに今、もう1つ理由が出来た」

 

 増えた理由というのは黒歌のことだろう。

 少し考える素振りを見せてソーナがリアスに進言する。

 

「リアス。もうこれ以上の、特に一般の犠牲は出すべきではないと思ってます」

 

「それは、分かってるわ。だからこうして対策を考えて」

 

「私は、緊急対策措置を取るべきだと思います」

 

「!?」

 

 ソーナの進言にリアスは顔を強張らせた。

 聞いたことのない言葉に一誠が質問する。

 

「あの……緊急避難措置って?」

 

「去年からコカビエルを始め、多くの強大な存在がこの駒王町に訪れて戦闘になりました。今までは一般人の被害は抑えられてきましたがもしものことを考えて町の住民を冥界のシトリー家とグレモリー家に保護させる転移術がこの町に用意されています。どうしても町への被害が大きいと判断した際に使用するようにと」

 

「町の住民をどうやって転移させるんですか?」

 

「眠らせて、転移させます。その後、両家から記憶処置を施し、事件が終われば町に戻します」

 

 祐斗の質問に答えると一誠が立ち上がる。

 

「そ、そんな手があるならなんで今まで!!」

 

 確かに町の住民を強制的に冥界へ移動させるのは大変なことだろうが、命には代えられない。

 そう考える一誠にリアスが説明した。

 

「緊急の名の通り、これは本当に最後の手段なの。コレを発動した場合、私たちはこの町の管理者としての地位を追われることになるわね」

 

「な、なんで!?」

 

 匙の驚きにソーナが答える。

 

「当然でしょう、匙。今回が今までのような超常の存在ならともかく、今回の相手は言ってしまえば多少特殊な力を備えただけの人間です。シトリーとグレモリーを批判したい者からすれば格好の醜聞でしょうし」

 

「でもそれは!アイツらがあんな見境なしな行動を取るなんて誰にも!?」

 

「結果が全てです。相手が予想外の行動を取ったから対応が遅れました、なんて言い訳にもなりません。だからこそ、これ以上の犠牲を出さない手を打つべきだと思います。決定権はリアス。貴女に有るけれど、どうでしょう?」

 

 皆の視線がリアスに集まる。

 リアスは息を吐いてから告げた。

 

「ソーナの言うとおり駒王町の人たちを冥界に転移させましょう。後々問題を考えると頭が痛いけど、今はそれが最善だと思う」

 

 リアスの決定に皆が頷くが、祐斗が質問する。

 

「彼らが一度、ヘラクレスを殺すために冥界に現れてますよね?今度もそうなる可能性は……」

 

 祐斗の質問にリアスが首を振った。

 

「それも大丈夫よ。ここにはオーフィスとリリスがいる。滅却師の目的があの子達である以上、戦力を分散させている余裕はないわ。それにわざわざ冥界まで赴いて一般の人たちを殺す理由もない」

 

「ヴァーリどんたちもいるしね」

 

 デュリオが意見を付け足す。

 

「今夜、深夜2時を持って町の人たちを冥界に移動させます。ここまでしたからには、絶対に滅却師たちを止めるわよ!いいわね!!」

 

『はい!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――つ!?」

 

「大丈夫よ、ターニャ」

 

 上半身裸でベッドで寝かされ、傷の痛みに呻いている彼女の傷口にマヌエラの指が触れる。

 すると、斬られた体の傷は瞬き間に傷痕もなく塞がり、斬り落とされた腕は新しく生えてきた。

 治療を終えると血の気が引いていたターニャの顔に赤みが戻り、表情も大分楽なモノへと変わる。

 

「終わったわ、どう?」

 

「問題ないよ。あんがと、マヌエラ姉さん」

 

「あまり、心配をかけないでね?」

 

 戻った腕の感触を確かめているターニャの抱き締める。

 

「ごめん。次は気を付けるから……」

 

「さ、夕食にしましょうか。みんな、お腹を空かせて待ってるわ」

 

 数回頭を撫でた後にマヌエラはターニャから体を離した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー!?それ俺が食べようと思ってたのに!?」

 

「早い者勝ちでしょう」

 

「つーかお前食い過ぎなんだよ!なんでひとりだけ3人分は食ってんの!?」

 

「シャルロッテが大食いなのは今更じゃねぇか。食われる方が悪い」

 

「ドミニク。本を読みながら食べるのやめろ。それにその本、僕のだろ」

 

「あぁ、そうだな」

 

 それぞれ会話しながら食事をする滅却師たちの光景にアーシアは戸惑っていた。

 

「はい、アーシア」

 

「あ、ありがとうございます。カミラちゃん」

 

 料理を皿に盛りつけてくれたカミラに礼を言って食べると美味しい、口が動く。

 

「でしょう?マヌエラ姉さまは料理上手なのよ」

 

 ニコニコと笑いながら自分の分も食べ始めるカミラ。

 アーシアは滅却師たちを見る。

 復讐のために駒王町で力を振りかざした彼らは今、どこにでもある騒がしいが和やかな食事風景があった。

 その光景が、本当に彼らが駒王町を襲っていた人たちなのかと疑問を抱かせる。

 食事もある程度終えてからマヌエラが話始めた。

 

「あちら側も、これ以上民間の犠牲を出さないために一般の人たちを冥界へと避難させるはずよ。だから、これ以上周りの被害は考慮せずに互いに力を振るえる」

 

 滅却師たちが最初、この町で非道な行いをしてきた理由の1つに少しでも早く一般人を避難させることも含まれている。その為に敢えてこちらは無関係な人間を巻き込むような行動を取ってきた。

 本当に大規模な戦闘になればそれこそ町の住民が全滅しかねない。

 結界を張ってあっても容易く破壊し、外側にいる者たちを殺すだろう。

 

「こちらも無傷では済まなかったけど。最大の目的である無限の龍神。それを討つチャンスがようやく回ってきた。他にも禍の団の構成員が集まってきて。私たちの故郷の仇を討つため。あともう少しよ。必ず、目的を遂げましょう」

 

 そういうマヌエラに滅却師側が表情を引き締める。

 その光景を見ながらアーシアはどこか胸が締め付けられる思いだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 食事を終えて逸早く休むことを言ってアーシアを連れて周りから離れたカミラ。

 

「あの……良かったんですか?皆と居なくて」

 

「疲れちゃったもの。それよりどうだった?私の家族は」

 

「はい。皆さん、とても気さくな方で、その……」

 

「こんな戦いを仕掛けるようには見えなかった?」

 

「……はい」

 

 アーシアにも何人かが話しかけてきた。話しているうちに、どうしてこんな戦いが起こったのか考えてしまう。

 どうにか、丸く収める方法はないのかと。

 

 その悩みが伝わったのか。カミラはアーシアに顔を近づけて、顔を覗き込んでくる。

 

「アーシア。良いことを教えてあげる。私たちのこれまでの道筋を。この町での戦いは、最初っから――――」

 

 人差し指を唇に当てて教えられた”真実”それを聞き終えて、アーシアは目から涙が溢れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リアスとソーナは一室に入って2人で向かい合っていた。

 無言だった2人だが、口を開いたのはソーナからだった。

 

「……翼紗が、殺されました」

 

「……」

 

 ソーナの独白にリアスは何も言わない。いや、言えない。

 溜め込んでいたものを少しずつ吐き出すようにソーナが呟く。

 

「本心を、言えば……オーフィスさんたちを向こうに渡してしまえば良いのではないかと思ってるんです」

 

「ソーナ……」

 

 親友の言葉に困惑した様子を見せるリアス。

 

「これ以上、あの子たちが傷つくくらいなら、素直にオーフィスさんとリリスさんを渡してこの町から出て行ってもらえたらって。最初からそうすれば良かったのではないかって考えてるんです」

 

 ソーナとて眷属を殺した滅却師たちに怒りを覚えていない訳ではない。しかしそれ以上にこの戦いで眷属を失いたくないという気持ちが強かった。あの翼紗の凄惨な死体を見て。

 

「私を、恨んでる?」

 

 最初の交渉で大人しくオーフィスたちを引き渡さなかったリアスを。

 しかしそれにソーナは首を横に振った。

 

「きっと私がその場にいても交渉結果はそう変わらなかったでしょう。彼らが、禍の団を目標にしている限り」

 

 言ってしまえばオーフィスたちは最大目標であっても目的の1つでしかない。

 冥界には、禍の団と関わりのあった悪魔たちが多くいる。

 スポンサーという形にせよ、捕縛されたにせよ。

 そして彼らが元禍の団を襲ったときに最も被害を被るのは冥界の一般市民だ。だから、リアスたちはどのみち彼らの要求を跳ね除け、ここで決着を着けるしかなかった。

 

 

「でも、考えてしまうんです。どうすれば犠牲が出なかったのかと……」

 

 手が震えている。きっと涙を流すのを必死に堪えているのだろう。

 そんな親友に何も言えずにいるとその教室に入ってきた者が居た。

 

「ヴァレリー……」

 

 現れたのはギャスパーの幼馴染のヴァレリーだった。

 泣き腫らした顔で、睡眠もほとんど取っていないのだろう。その目には隈が出来ている。

 

「リアスさん、お願いがあります。私もこの戦いに加えてください。聖杯の力を使えば治療くらいは出来ます」

 

「それは、有難いけど……」

 

 いいの?と視線で訊くと小さく頷く。

 アーシアが今向こう側な以上、治癒役は何人いても足りない。フェニックスの涙も片手で数える程しか入手できなかった。

 

「今は、何かしていないと潰れてしまいそうで。それに、せめてギャスパーの家族のために何かしたいんです」

 

 きっと彼女の中にも黒い感情が渦巻いているのだろう。それでもそれを何とか抑え込んで自分たちを死なせたくないと戦場に立とうとしている。

 強い女性だとリアスは思った。

 

「ありがとう、ヴァレリー」

 

 リアスはそう言って頭を下げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アザゼルは以前、滅却師について調べていた時期があるらしい。神の子を見張る者に居た頃に研究資料を見たことがある」

 

「本当か!?」

 

 ヴァーリの言葉に一誠が驚きの声を上げた。

 

「俺たちが生まれるずっと前の話だがな。シェムハザに連絡を入れてその資料をこちらに送って貰えるようにここに来る前に連絡をいれた。間に合うかどうかは、判らないが」

 

 なにせどれだけ前かも分からない資料だ。探すだけでも一苦労だし、本当に役立つかは未知数だ。それでも、情報が多いに越したことはないが。

 

「オーフィスはどうしている?」

 

「……ここに連れてきてからもリリスと一緒にずっと壊された虹龍の卵の見てる。クソッ!アイツら!絶対に許さねぇ」

 

 壁を叩く一誠にヴァーリが呟く。

 

「自業自得、と言えばそれまでだが」

 

 その言葉が信じられないとばかりにヴァーリを見る。

 

「オーフィスや俺たちが禍の団に居たのは事実だ。その所為で各地で被害が出たのも。今回の件がなくとも、いずれこの流れは出来上がっていたのかもしれない。それが想像以上に早かっただけで」

 

「ヴァーリ!!オーフィスが狙われるのは仕方ないって言うのかよ!」

 

「そういう見方は出来るというだけさ。どちらにせよ俺は戦うだけだ。黒歌の件もある。容赦をする理由はない」

 

 それだけ言うと残った左腕をひらひらと動かして校舎の奥へと消えて行った。

 

 ヴァーリと入れ替わるようにリアスが現れる。

 

「イッセー。どうしたの、こんなところで」

 

「ちょっと、ヴァーリとさ……リアスは?」

 

「情報待ちかしら。住民を眠らせるにせよどこから眠らせて送れば安全か使い魔に調べさせているから」

 

「そっか」

 

 確かにいきなり全員眠らせて冥界に送っても町も冥界も大変なことになるだろうなと思い至る。

 そこで一誠はリアスに質問した。

 

「リアスはさ、滅却師たちのことをどう思う……?」

 

 質問にリアスは少し目を閉じて答えを口にした。

 

「はっきり言って迷惑ね。人の町にやって来て好き勝手暴れられて。でもこうも思うわ。もし私がイッセーや皆を殺されたらどうしただろうって」

 

 決まっている。どんな手を使ってでも同じ目に、いや、それ以上に苦しめたくなるだろう。

 今でもギャスパーを殺した滅却師たちを自らの滅びの魔力で滅ぼしてやりたくて仕方がない。

 それでもまだ復讐の炎に心を焦がしてないのは、自分のやるべきことを見ているからだ。

 そう話すリアス。

 

 そこで、別の者がこの場に現れた。

 

「イッセー、リアスちゃん」

 

「父さん。母さん……」

 

「俺たちはこのまま、リアスちゃんの実家に行けるんだよな」

 

「はい。話はもう通してありますので。直接グレモリー家に送って。父と母が手厚く迎えてくれるはずです」

 

「まさか海外の前に冥界なんてところに行けるとは思わなかったわ。人生、何がどうなるか分からないわね」

 

 他の一般人と違い、兵藤夫妻と匙の家族やルフェイ。そして戦闘に参加できる状態でないベンニーアはリアスたちの実家に直接送ることとなっている。

 兵藤夫妻も自分たちもここに残って何か手伝いたいのだろう。しかし、出来ることがないと理解しているからこそ、反論せずに了承してくれた。

 

「今回はこのようなことに巻き込んでしまい、申し訳ありません」

 

 リアスが謝罪すると兵藤父が手をヒラヒラさせる。

 

「何を言うんだ。別にリアスちゃんたちが悪いわけじゃないだろう。気にする事じゃないさ」

 

「ですが……」

 

「どんな理由があっても向こうが襲ってきていて、リアスさんたちが私たちを守ろうと動いてくれている。私たちにはそれだけで充分だわ」

 

「そうだな。もしかしたら今回の事でリアスちゃんたちを責める人も居るかもしれないが、俺たちはこれからどんなことがあっても皆の味方でいようって決めた。だから、謝らないでくれよ」

 

 そう言ってくれる兵藤夫妻にリアスが目頭が熱くなった。

 いつでも味方だと。そう言ってくれることがどれだけの心が楽になるか。

 

「ありがとう、ございます……」

 

 そう言ってリアスは頭を下げる。

 自分がどれだけ良縁に恵まれているのかを実感しながら。

 

 そこで兵藤父が一誠を羽交い絞めした。

 

「暗い顔すんなよ!アーシアちゃんを助けるんだろ!そんな顔してちゃ、助けに行っても拒否されちまうぞ!絶対にアーシアちゃんも連れ戻せよ!出来なかったら勘当するからな!」

 

「分かってるよ!!アーシアは必ず助けるさ!!」

 

「あぁ、頑張れよ!」

 

 そう言って兵藤父は息子の背中を叩いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜が明けて、住民の居なくなった駒王町。

 表に出ていたマヌエラは広い公園の中心でひとり、太陽を見上げていた。

 

「ここからよ。ここから、余分なものは交わらない。お前を必ず絶望の崖に落とし、存在したことすら後悔させる。貴女を愛し、守ろうとする全てを、私たちが蹂躙する」

 

 マヌエラの足下の影が広がる。

 駒王町の景色が、全て別の物へと塗り替えられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




兵藤夫妻も最初は死亡予定キャラだった。でもいつの間にかフラグが消えてた。

次回から戦闘ばかりになります。


戦線離脱メンバーにルフェイを追加しました。
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