モンハン世界に転生したので祖龍様に結婚を申し込んでみました。   作:彼岸沙華

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第十話 奈落より怨嗟を込めて 

〖チョコマカチョコマカト!シカシ、何時マデモツカナ?〗

 

そう言いながらオストガロアは両腕を骨の地面に叩きつけながら移動する。

片方には全体的に白く青色の鋭い突起物が付いている骨を装備している。

それは帯電していて、地面に叩きつける度水色の水晶の様なものをばら撒く。

ばら撒かれた水晶は同じく帯電しており、しばらくしたら放電すると同時に爆発する。

 

あぶねえ。

あともう少し当たるところだった。

それにしてもキツイな。

奴の言う通り何時までもつか、一発でも貰ったらそれだけで一気に分が悪くなる。

 

「せい!」

 

奴が触腕を叩きつけて来るのと同時にラウンドフォースを放つ。

 

〖ギャアアアアアアアアア〗

 

やっと壊せた。

ラギアクルスの背電殻を改造したやつ、本当に厄介だったんだよね。

あと、どれぐらいストックがあるのやら。

もう出さないでくれることを願います。

追撃をかけ纏う骨もぶっ壊す。

 

〖イギィ!死ネエ!〗

 

奴がペイントビームを撃ってくると同時に顔面へ駆け込む。

 

〖フザケルナア!〗

 

そして、奴の顔を容赦なく攻撃する。

切りが付いたところで離れるとその直後にこちらを押しつぶそうと頭突きを繰り出した。

 

叩きつけをさけ触腕に攻撃する。

 

〖小癪ナ!〗

 

こちらとの距離を開け無事だった方の触腕を地面に突っ込み、直ぐに焦げ茶色の塊、たしかウラガンキンのアゴだったかな。素直にうべい。

もう片方の触腕も《でいのばるど》の骨を武装しているでござる。

ウラガンキンの骨は叩きつける度に振動が発生し、足が取られそのままつぶされそうになる。

ディノバルドの骨は前回同様叩きつける度に発火し周辺が炎に包まれる。

これはこれでめんどくさいな。

致命的な致命傷を食らわないように立ち回り攻撃を重ねていく。

オストガロアはディノバルドの骨をしまい触腕を地面に潜らせ、シャガルマガランの地雷のようにペンキビームを撃ち出してくる。

撃つ直前足元が青色になるので注意していればそれ程脅威でもない。

しかし、音があまりしないのでギリギリまで気付かないということが割とある。

と言うか、怒り状態長くないですか?

そんなに俺が憎いのか。

おかげさまで、音爆弾がいらない子になっちゃてるんですが。

 

「やべ」

 

かわし損ねた叩きつけを咄嗟に盾で受けたが、片手剣の盾はお世辞にも良いとは言えない性能。

大きく後退する。

 

それを見てチャンスだと思ったのかオストガロアは青ビームを撃ち、止めとばかりに主任(ウラガンキン)のアゴで押しつぶそうとしてくる。

 

「うおおおおおお」

 

全力でダイブ!

 

〖フン、運ノイイ奴メ〗

 

あ、あっぶねえ。

あともう少しでぺちゃんこになるところだった。

 

その後もオストガロアは攻撃の手を緩めずこちらは余り攻撃が出来ていなかった。

直接、攻撃は食らっていないもののかすったり、当たりかけたりして結構危ない。

 

〖フハハハハハ、モウ終ワリナノカ?ハハハハハ〗

 

くそう。調子に乗りやがって。

いや、まあ、気持ちはわかるけどさ。

 

オストガロアが触腕を叩きつけをしてきたのに合わせて攻撃する。

 

〖ギャアアアアアアアア〗

 

けど、調子に乗った分痛い目に合ってもらうぜ。

 

オストガロアが触腕の骨を破壊され怯んでいる隙にもう片方の触腕に、

 

「ラウンドフォース!」

 

〖イギイイイイイイイ〗

 

両触腕が壊れ、バランスを崩し転倒してさらけ出された弱点をブレイドダンスで切り刻む。

 

〖アガアアアアアアアア〗

 

痛みによりもだえるオストガロア。

正直ざまあみろと言いたい気分だが、

 

〖アア、アアア。ヨクモ、ヨクモ、ヨクモ、ヨクモ、ヨクモ、ヨクモ、ヨクモ!〗

 

世界が幻想的で恐ろしいものへと変わる。

 

〖貴様アー!許サナイ許サナイ許サナイ許サナイ許サナイ許サナイ許サナイ許サナイ〗

 

そして、そこには先ほどとは違う、より一層不気味な雰囲気のオストガロアがいた。

頭の上にある骨の内側の部分は虹色に点滅し、口は赤く、紅く、見たものを深淵に引きずり込むような 輝きを放ち、赤黒い稲妻がオストガロアに走る。

 

【挿絵表示】

 

 

とうとう来たか!

 

オストガロアは今までと違い青い絵具の様なビームではなく、《深紅の、龍属性のビーム》を撃ってきた。

 

〖ガアアアアアアアアアアアアアアア!〗

 

怒りで我を忘れ、狂ったようにビームを撃ちまくる。

しかし、本能的かそれともああ見えて冷静な部分があるのか俺を狙って正確な狙撃をしてくる。

さらに、一発一発が食らえばただでは済まない。

本当にシャレにならないことになっている。

 

「うおっ!あぶねえなぁ」

 

ただ狙い撃ちしてくるだけじゃなくて目の前を薙ぎ払ってくる。

間一髪で回避に成功するも、攻撃できる隙がない。

無駄にヌルヌルと動き回るし、ビームを乱射してくるので思うように近づけない。

これじゃあ、《あれ》を止められないじゃないか。

くそ、もう手遅れか!

 

色が代わる代わる点滅していたのが紅一色になる。

赤黒い稲妻が勢いをましてさらに走る。

 

 

 

オストガロアはバックステップのような動きでこちらとの距離を離す。

 

〖死ネエエエエエエエエエエ!〗

 

そう叫ぶと同時に奴の口元には空間が歪んで見える程の龍属性エネルギー。

両触腕で自身をささえるような体制。

 

〖コレデ、終ワリダアアアアアアアアアア!〗

 

今まで溜まった怒りを全てぶつけるかのように龍属性のビームを放つ。

これまでの攻撃の全てが児戯に等しいと思わせるような。

正に必殺の一撃。

 

エリアの端から薙ぎ払い徐々に徐々にこちらに向かってくる。

触れたら即死、原形が残ればいい方。

ゲーム内では色々な方法で回避できたんだがな。

 

じりじと追い詰められていく。

すぐ後ろには死を喚ぶ紅閃。

何も考えず全力逃亡。

 

「あああああああああああああ」

 

なりふり構わず《足場の外回りにある。水場》にダイブ。

入ったところで、直ぐにビームが通過する。

ギリギリのところで助かった。

 

「うおおおおおおおお、溺れる!」

 

あぶねえ、あともう少しでおばれ死ぬところだった。

 

〖アアアアアアア!何故ダ?何故ダ?何故ダ?何故ダ?何故ダ?何故ダ?何故ダ?何故ダ?何故ダ?

何故、死ナナイ!何故、死ナナイ!〗

 

そう発狂しながら、もう一度チャージに入るオストガロア。

 

〖アアアアアア!今度コソ、今度コソ。アアアアアアアアア!死ヲ、死ヲ!〗

 

完全に冷静さを失ったのか、めちゃくちゃにビームを撃ちまくる。

回数こそ多いものの狙いが定まっていない攻撃が当たるはずがない。

 

〖アアアアアアアアアアアアアアアアアア!〗

 

しかし、次こそ止めないとやばいな。

避けれるかもしれんが溺死はやだぞ。

 

〖アアアアアアアアアアアア!〗

 

と言うかさっきからうるさいな。

 

「少しは黙ってろ!」

 

これでも食らって大人しくしやがれ!

 

混 沌 の 刃 薬

 

駆け出すと共に刃に付けた薬を勢いよく摩擦で着火。

そのまま、力一杯一閃。

顔面にクリーンヒット。

 

〖ギャアアアアアアアア!〗

 

怯んだ隙に、

二、三撃入れ、

 

「これはおまけだ。受け取りな。

せい!」

 

ラウンドフォース!

 

〖イギャアアアアアアアアアアアア!〗

 

ダウンし、地に伏せるオストガロア。

 

〖死ネ死ネ死ネ死ネ死ネ死ネ死ネ死ネ死ネ死ネ死ネ死ネ〗

 

背中に登り虹色に弱点の部分に全力を込めて

 

「これで終わりだ!ブレイドダンス!」

 

舞うように切り刻む。

 

〖ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!〗

 

叫び、その様子は正に七転八倒。

そのまま俺は振り落とされた。

 

〖アア、死ネ死ネ死ネ。嫌ダ嫌ダ嫌ダアアアア!〗

 

突然、オストガロアの口元に凄まじい龍属性のエネルギーが、

しかし、頭部の骨の内側は不安定に点滅し、もうまともな状態だとは思えない。

 

〖死ニタクナイ死ニタクナイ死ニタクナイ。アアアアアアアアアアアアアア!〗

 

先程とは比べ物にならないくらい、溜められた龍属性のエネルギー。

 

〖死ヌノナラ貴様モ道ズレニイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!〗

 

そう言いながら撃ち出してくるが、狙いを付けれる余裕はないらしく、明後日の方向に、そして反動故かそのまま天井をぶち抜く。

 

〖イヤダ、イヤダ、ナンデ?な、ん……〗

 

もう動かなくなったオストガロアを見つめて。

 

「はあ、後味悪いな」

 

やはり、自分と同じよう、

ではないけど言葉を話すものを倒すっていうのはな。

まあ、ろくなこと話してないけど。

それに、

 

「割と好きだったんだよな」

 

これは、まだゲームと現実の区別がついてないってことなのかな。

 

静かに目を閉じ祈るように手を組む。

 

「こいつに倒されて恨んでる奴がいるかもしれない。けど今だけは、少し祈らせてくれ。

もし、オストガロアに来世があるとしたなら、誰も傷つけることもなく、傷つくこともなく。

幸せになりますように」

 

こんなことを祈るなんて自分でも頭おかしいっておもうよな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれからしばらく経った。

調査団は負傷者こそいたものの死者はゼロ人でどうにか最悪の事態は防げたって感じかな。

まあ、ハッピーエンドだな。

と言いたいところだが、一つだけ不可解な事が起こったのだ。

 

オストガロアの死体の行方不明

 

あれは死んだふりで実は生きていたそんな可能性を考えたのだがそれはあり得ないと断言する。

ちゃんとはぎ取ったし、そもそも死んだふりをする余力あれば、あそこまで発狂しない。

仮にあれが演技であれば。

俺が気を抜いて油断したところを狙うはずだ。

 

まあ、とりあえず現状は要警戒と言ったところだ。

ちゃんと剥ぎ取り素材は提出したので討伐が認められ表向きには危機は去ったことになっているが。

不安は尽きないな。

 

考え事はここらで終わり。

今からクエストだからな気合い入れていくぞ。

しかも、タダのクエストではない特殊許可クエストである。

 

さて、翼を早めに壊せるように作戦を練っとかないとな。

それじゃあ、

 

「一狩行きますか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
まあ、とてつもなく拙い作品ですが。楽しんでいただけたでしょうか。
どうも作者の彼岸沙華です。
遅くなってすみません。
その割にあまり長くないというね。
とりあえず、普通に忙しくてまとまった時間があまりとれなかったのと、
モンハン4をやってたのと新天地で狩猟を始めたりその他ゲームで遊んでたのと
時間があるときにやる気が起きず。
時間が無い時にやる気がでるとか言うよくわかんないののせいです。
ごめんなさい。
ちなみにオストガロアの挿絵を描きましたが遅れた理由にはなりません。
ただ約一日がつぶれただけですので。
一番大変だったのが描くことよりも参考資料を探すことだったのですが。
まじで、最初検索した時絶望しかけました。

それから、この小説内でオストガロアはゲームとは違う行動をしているのでそこら辺を理解していただけたらなーと。

あと、小説用のTwitterアカウント作りました。
小説関係での質問を受け付けているのでよかったらしてみてください。
https://twitter.com/X57LZBg5umYZ7ev

それでは最後にミラルーツ様万歳‼

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