モンハン世界に転生したので祖龍様に結婚を申し込んでみました。   作:彼岸沙華

16 / 26
第十六話 閑話 記憶浮かぶは、夜の色

ドアを蹴り破ろうとするが、ドアに足が当たりそうになる直前で止める。

 

そういえば、あいつ今クエストでいないんだったけな。

確か数日留守にするからアネモネ世話頼むっていわれたな。

はあ、しょうがないか。断ったけど、ここまで来ちまったし。

 

確か、土乾いてたら水やるんだったっけな?

 

よし、乾いてないな。

 

 

「さて、どうしようか」

 

完全にあいつに昼飯たかるきだったからな。

朝昼晩、集会酒場はなあ。

自分で作るか。

 

そう思い、家に帰ろうと歩き出したときに。

 

 

「お?そこにいるのは、シセラスじゃないの?」

 

誰かに話しかけられた。

後ろを振り向くとそこには

 

「ボタンさんか、こんなところで会うなんて偶然だな」

 

相変わらず、荷物一杯持ってるな。

また仕入れかなんかの帰りか?

そう思って見ているとあることに気付く。

 

「フェンネルの野郎は?」

 

「フェンネルだったら先に店に帰したよ」

 

「ふーん」

 

残念だったなフェンネル。

帰ってから飲む、ココアがうまくなりそうだ。

 

 

「ということは、あいつになんか用でもあんのか?」

 

あいつとはもちろんシャゲのことだ。

 

「これを頼まれてたんだけどね」

 

そう言って荷物から本を一冊取り出す。

 

「これは?」

 

「シャゲに『仕入れのついででいいから、各地の伝承とかあったら集めてください』って頼まれてね。

それで、仕入れ先にいい本が在ったから貰ってきたんだけど……どうやら、タイミングが悪かったみたいだね」

 

「ああ、何日か、帰って来ない。ちなみに、旅立ったのは今朝だ」

 

「ほんっとに、タイミングが悪いね。そういことなら、はい!」

 

そういうとボタンさんは元気よくこちらに本を差し出してきた。

 

「どういうことだ?俺は買わんぞ」

 

「前金はシャゲから貰ってるし、そもそもこんなことでお金はもらわなくてもよかったんだけどねえ」

 

「なるほど。でも、これの説明にはなってないんじゃないか?」

 

「本人がいないからね。しょうがないだろう?」

 

どうやら、あいつが帰ってくるまで俺に預かれという事らしい。

 

「はあ、わかったよ」

 

「ありがとね。もし、内容が気になったら遠慮なく読みな」

 

「それは、あんたが決めていい事じゃねえだろ」

 

入手したのはボタンさんでも、これはあいつのもんだろ。

 

「シセラスなら、勝手に読んでもシャゲは怒らないだろう」

 

「確かにな」

 

「それにもし怒られた私のせいにしな」

 

「当たり前だ」

 

そんときは全力で免罪符を切らせてもらう。

 

「それじゃあ。ボタンのよろず屋をよろしくね」

 

そう言ってこちらに手を振りながら去っていった。

 

それにしても、

 

「各地の伝承ねぇ」

 

ラオシャンロンのクエストの後からこんな風に資料読み漁ったりするようになったけど、ほんとに何したいんだろうね。あいつは。

 

 

「どこの伝承なのかな?」

 

そう言いながら本を見る。

俺だって別に読書が嫌いなわけではないし、この手のやつもあいつに付き合わされて読んだりしたからな。

 

題名らしきものは何も書かれていない。

今更だが少し古臭く手触りもいいほうじゃない。

 

確かに、いかにもって感じの本だな。

 

何が書かれているのかなと期待しながら、読み始める。

 

しかし、少し読んだところでページをめくる手が止まる。

 

「これは……」

 

天空山にまつわる…………、

 

 

「チッ。最悪だな」

 

せっかくココアがうまくなるかと思ったのによ。

 

思わず本を叩きつけそうになったが、こらえる。

 

これはあいつのものとはいえ、預かっているものだからな。

 

 

「ほんと、嫌なことを思い出させやがって」

 

 

そのとき、突然風が強く吹いた。

 

「はあ、こんなことずっと考えてても仕方ないか」

 

そう、無理やり自分に言い聞かせる。

 

 

「帰ったら。ココアでも飲むか」

 

いつもよりまずくなったココアでも飲まないよりはましだ。

 

そう思いながら再び帰路に就くのだった。

 

 

 

 

 

 




ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
まあ、とてつもなく拙い作品ですが。楽しんでいただけたでしょうか。
どうも作者の彼岸沙華です。

今回は今までにないくらい短いです。はい。

ちなみに、この話はこのままだとどう頑張っても圧倒的に1章が0章より話数が少なくなりそうだったので書いただけで、別にシセラスの人気があまりにもなかったからショックで書いたとかはありません。はい。

サブタイトルはいいのが思いつかなかったのでこうなりました。
後で、いいのが思いついたら変えます。

それでは最後にミラルーツ様万歳‼

3/24:追記 サブタイトル変えました。でも、これでよかった気がしません。
ああ、ネーミングセンスが欲しい。

なんか、アンケート機能見つけたので0章で出てきたキャラの中で好きなキャラを聞きます。もしかしたら、この結果で話が変わるかも。と言っても回答制限の都合上全員は無理だったのでとりあえず適当に選んだきゃらだけです。

  • 神さま
  • ボタンさん
  • シセラス
  • オストガロア
  • フェンネルさん

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。