東方鍛冶録   作:苦労バラン

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今回は少しばかり刃と赤芽の過去話になります。
色々と重い話になるのでご注意下さい。
ではどうぞ
キャラ崩壊注意


閑話
閑話 紅蓮鬼と名無しの少女


縁側にて一人月見酒をしている刃、先程まで愛弟子である赤芽を泣かせたことで妻子から説教されていたのだ。

あの後入ってきたコンガラに色々言われ後から入って来た夜兎には冷たい目で見られるといった父親としては相当きつい目にあった今頃夜兎と赤芽は同じ部屋でぐっすり寝ていることだろう。

「、、、何かようか?コンガラ」

彼の後、襖が開きそこには酒瓶を持ったコンガラがいた。

「いやなにお前に聞きたいことがあってな、 お前が赤芽を慰めてる時に言ってた「あの時拾わなきゃ良かった」っと言うことはどういう意味だ?。」

その事を聴かれた刃の顔はしかめっ面になる。

「何の話だがわから「お前が嘘をつくときは必ずしかめっ面になることぐらい長い付き合いだから分かるぞ」っち」

そう言いつつ彼の隣に座るコンガラ、彼が話すまで逃がす気はないようだ、2人が何も言わず酒を飲んで数分後不意に刃がため息をつく。

「、、、俺が話すまで寝ないつもりか?。」

「ああ、寝ないさ、旦那に隠し事されるのは色々と気が晴れないからな。」

再び溜息をついたその顔は面倒くさそうな相手をしている顔である。

「はぁ、わーたよ話すよ。あいつを見つけたのはまだ人里が今の場所に移転する前の時だ。」

 回想

その当時まだ他の鬼の頭領として率いていた俺はある時人里と村を行き来する人間がある道で妖怪に襲われるという話を聞いた。その話を為ていた男の話では夜ある村と里を結ぶ道を歩いていると近くの林から唸り声が聞こえたと思うと行き成り赤い目をした妖怪に襲われたそうだ。其奴は必死に抵抗して命からがら逃げ出せたらしいが他にも襲われた人間はいてな?。襲われた人間の中には殺されて無残にも体中のあちこちが欠けた状態の死体が翌日見付かった奴もいてな、まあ其奴は喰われたんだろうな。

その話を聞いた俺は新参者が好き勝手に暴れてるのかと思って少しお灸を据えてやろうと思ったのさ。

あん?お灸を添えてやろうと思った理由?。そんなもん簡単さ、あまり新参者が好き勝手やったらこっちから為たら面白くなかったし、其れにその事を俺達の生にされたら溜まったもんじゃないからな。

さて、話に戻ろうか、そう思った俺は直ぐに行動を起こした。その襲われたという場所に向かってその新参者を待ち伏せたのさ、どんな奴か顔を拝んでおきたかったこともあるしな、そして夜に成って其奴は現れたのさ。

月明かりが少し周囲を照らす中薄暗い林の影から唸り声が聞こえてきてどんな獣が出て来ると思いきや出て来たのは猪の革を被った一人の子供だったから少し拍子抜けしたがな。

ああ、何となく察しが着いてるかもしれないがその人を襲ってたのがバカ弟子さ、まあ当時は名前が無い只の人食い妖怪だったがな。しかもその時は喰った人間の返り血やらが付いてたし身なりは汚かったから女子だとは気づかなかったな。

その後向こうからすれば何時も道理格好の餌にしか見えてなかったんだろう、鋭く伸びた爪で襲いかかってきたがその伸ばしてた手を掴んで投げ飛ばした時は軽く驚いてたな。まあその後も何度も何度も襲いかかってくるから返り討ちに為てその時はそのまま殺そうとしたんだがな少し気が代わって連れて帰ることに為たのさ。

うん?。何で気が変わったかって?。殺そうとしたときに其奴が言ったのさ、拙い声で死にたくないってな。其れにその時浮かべた表情は完全に何でこうなったか理解していない幼子の顔だったのさ。其れを見ちまったから俺の中である考えが浮かんだのさ。此奴は何も知らない子供だとな。

 回想終

「その考えが浮かんじまったらもう俺は其奴を殺せなく成ってな。このまま放置してもまた人間を襲って最終的に退治される。流石に其れは後味が悪くなりそうだから連れて帰ってある程度常識なんかを教えてやるかと思って連れて帰ったのさ。後はまあ名前のないバカ弟子に名前を与えてやって色々と教えた。」

語り終わった刃は一息つくと酒を飲んだ。その話を黙って聞いていたコンガラは。

「あの子にそんな過去が。なあ?1つ聞いても良いか?」

「、、、何だ?」

「あの子に親はいなかったのか?。あの子は生まれたときぐらい親はいたはずだろ?」

「さぁな。バカ弟子に文字やら言葉を教えたときに聞いたがあいつ自身気付いたらあの雑木林の中にいて、人を襲ってたのは元々の妖怪の本能からだろうな。」

「そうか」

話を聞いていた中で疑問に思った事の返答を聞いて少し納得した様子のコンガラ。昼間みた赤芽が何やら怯えていたのは、何物でも無い只の人食い妖怪だった頃の自分に戻ることが怖かったからだろう。そう納得した。

其れを横目で見ていた刃は感づかれないように酒を飲みつつこの間の異変の際のことを思い出す。

(、、、此で一応納得したか、しかし何でバカ弟子はこの間あんな状態に成ったんだ?。少なくとも自我らしきものは有ったから本能に飲まれたとかではないな。しかも最後のあの呪い、どう考えても強烈な負の感情を植え付けるものだが一体何処で呪われたんだか。)

お互い別のことを考えつつ夫婦で月見酒を堪能した二人。翌日話を聞き赤芽が親の愛情を知らないことを知ったコンガラは彼女の事も夜兎と同じく娘のように扱うように為た。赤芽は当初少し困惑し師に助けを求めたが目線で諦めろと諭されたため暫く慣れない扱いに翻弄為れることに成った。

 

 




どうも最近蓄膿症で喉の異物感がとれない苦労バランです。取り敢えず、前回の刃の言ったことの意味を分かるように赤芽の過去を少しばかり出しました。ちょっとキャラ崩壊が^^;
補足しておくと、元々赤芽の名前は彼女の実の名ではなく刃がつけた名前です。
では次回から東方原作に戻ります。次回ものんびりお待ち下さいそれでは。
感想や意見もお待ちしております
Ps2020年5月23日に改めて読んで内容を一新為ました。前の内容が好きだった方には申し訳ございません。此からも東方鍛冶録をよろしくお願いします。

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