東方鍛冶録   作:苦労バラン

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取りあえず、当分はお話ができ次第投稿します。


紅霧異変弐

数時間後、

鍛冶屋前には泣き止んだ赤芽ととても疲れている様子の椛の姿があった。

「ハァ、ハァ、ハァ、やっと泣き止んだ」

「そういえば、何で椛はここに要るんだっけ?」

椛が来た用件を完全に忘れたらしく不思議そうに首を傾げる。

「、、、何ですぐに忘れるのかなー!この鳥頭!!」「痛い痛いほっぺ引っ張んないでーー後僕は鳥じゃないよー」(T_T)

「そう言う事を言ってるんじゃない!!」

傍目から見たら完全にコントをしてるようにしか見えない光景である。赤芽のほっぺを引っ張っている椛の耳は彼女の今現在の彼女の心の中を表しているように逆立っている。

一通り満足したのか、ほっぺから手を離す。

「私が来たのは、預けていた私の刀を取りに来ると預けた時に念入りに云った筈なんだけどなー。」( -_-)ジッ

「アハハハハ、そうだったそうだった、いやー、泣いたらすっかり忘れてたよーアッハハハ」(^-^;)

「ワライゴトジャナイカラネ?」

「ごめんなさい」(´・ω・`)

今朝起きた時にはちゃんと覚えていた筈なのだか、先程椛の刀を研ぐのに必要な材料を集めるときの大変さを思い出して大泣きしたときに以前合ったときに念入りに言われたことがすっかり頭の中から抜け落ちたようである。

「取りあえず、刀は研ぎ終わってるからちょっと待ってて~」

そう言って家の中に入ってく赤芽、動く度に彼女の後頭部の髪が犬の尻尾のように跳ねる。

「フ」

その様子を微笑ましく思いつつ、こっそり口角が上がる。なんやかんやで長いつきあいに成るが、この少しばかり天然な友人は何処か抜けてるのだ。

「ほーい、お待たせ~って、?何か面白い事でもあった?。」

どうやら、刀を持って出てきた友人に口角が上がってるのがばれたらしい。

「いや、別に何でも無いよ。」 

赤芽から刀を受け取った彼女はその場で鞘から刀を抜く、鞘から抜かれたその刀は綺麗に研がれておりとても綺麗だった。

「( ̄ー+ ̄)フッどうだ!前より綺麗に研げたからなとても堅い物や乱暴に使わなきゃそうそう又ボロボロにはならないよ。」

自慢げに語る友人、その顔を見ると、何故か頭をなでなでしたくなる。

「取りあえず、今日の用はこれで終わりでしょう?なら、用が済んだら帰れ。」

「フゥ、悪いが用件はもう一つ有るんだ。」

「やだ、帰れ。」

ガシィ「ハイハイ家に入ろうしない、少しばかり他の連中の武器も見て欲しいだけだから。」

椛の用件が済んだと思い彼女帰らせようと為たが、彼女のもう一つの用件を聞く前に家に入ろうする赤芽、入る前に椛に捕まったが。

「厭だよ!、何で僕が山の哨戒天狗達の武器を見なきゃならないのさ!?、僕は刀鍛冶であって武器鍛冶師じゃないぞ!?」

案の定、とてつもなく、彼女からすれば面倒な用件だった。

そもそも哨戒天狗とは、妖怪山に住んでる天狗達の中でも下っ端辺りの連中であり、友人である白狼天狗の犬走椛も哨戒天狗の一員である。

何故赤芽が哨戒天狗達の武器を見る事になるのかというと、

以前とある用事で妖怪山に行った際、たまたま椛と合いその時の彼女の刀を見て妖怪山中にある天狗の里で研ぎ直しをしたのを見られており、哨戒天狗達からは腕の良い鍛冶師として慕われいるのだ。

「まあ、良いじゃないか、他の奴らはとても腕が良いって誉めてたよ?それに、研ぎ直すんじゃなくてただ見て欲しいだけだからね?、終わったら団子奢るからね?」

完全に交渉に出している品が子供向けなのだが、

(うぅ~別に腕が良いって褒められるのは満更でもないけどさ~こうなるんだったら、あの時家に持ち帰ればよかったような気がするよ~)

腕を組み椛と同行するか悩む赤芽

(良いか?アホ弟子、鍛冶師と云うのはな別に有名にならなくても良いんだ。誰か自分の作品を見てその作品を認めてくれる人がいるなら、そこからが一人前の鍛冶師だ。)

(って師匠は言ってたな。)

目の前には、少しばかり期待した目で此方を見る友人、「ハァ、分かったよ、視るだけだからなぁ。」

「そうか!それは良かった、では早く行こうか。」

そう言いながら赤芽の手を引く椛さすがにその様子に疑問を覚えたようだ。

「いやいや、任務は良いのか?、こんな異常事態なのに。」

「嗚呼、この霧の発生源ははもう分かってるから問題ないと言うのが大天狗様達の見解だ、そもそも哨戒任務中だったらここには来ないよ。」

「それはそうか。」

疑問も解決為たため鍛冶屋の扉の鍵をかける、どうやら、今日は二度寝は無理なようだ。

そのまま赤と白の真反対の髪色の少女達は妖怪山の方に歩いて行った、近くでこっそり覗く影に気づかず。

「、、、相変わらずか、アホ弟子」

その影はすぐに姿を消した。




はい、どうも苦労バランです。
今回は少しばかりお話が進みました。この後赤芽は哨戒天狗達に囲まれやっぱ来るじゃなかったと後悔する羽目になり、気づいたら空も元の色に戻ってたというので、紅霧異変は終わります。つまり後一話で紅霧異変編は終わりです、まぁ、紅霧編では、彼女の知り合いが関わらないのでこんな終わりになります。
次回は最後にちょっとだけ出てきた人の視点です。
まだ誰かは判明させませんが、本文中の台詞を見て最初に投稿した設定集を見たら分かるかもしれません。
それでは、次回もノンビリお待ち下さい。

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