東方鍛冶録   作:苦労バラン

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今回で紅魔郷変は終わりです。
主人公が絡まない異変の時はこの程度で終わりますが、萃夢想や風神録、地霊殿と輝針城辺りでは、主人公が関わるのでお話が長くなる予定なので、暫くは彼女の過ごす日常をお楽しみ下さい。
今回は前回の最後に出てきた人の視点です。



紅霧異変終

???視点

妖怪山の麓には、少しばかり大きな湖がある。

そんなにたいした大きさではないが、昼間になると霧が発生し来る者の視界を遮る。里の人間がこの湖を訪れることが少ないのは、霧に紛れた妖怪に喰われないようにするからである。

そんな湖の湖畔に立つ人影、頭には編み笠を被っておりその顔を見ることは出来ない。

「、、、スペルカードか、、」

彼が視線を向けているのは、湖の真ん中にある半壊した赤い屋敷。その赤い屋敷の名は紅魔館、幻想郷中を赤い霧で覆い尽くした今回の異変の黒幕が住む屋敷である。

今の屋敷の姿は、異変解決に来た博霊の巫女が暴れた事により、ボロボロである。

「随分甘ちょろっくなったもんだなぁ?スキマの妖怪?」

そう問いかける彼の背後、突然なにもなかったその場にリボンが出てきたと思うと、まるで、ファスナーを開くように空間が開いた。その開いた空間の中は沢山の目玉が浮かぶ不気味な空間だった。

「甘ちょろっくなったですか、まぁ、あなた方の様な古い妖怪達からすればそう見えるようね。」

その空間、スキマから現れた一人の人物、金色の髪を持ちどことなく胡散臭い雰囲気を漂わせる彼女は幻想郷でも実力者の一人である。妖怪の賢者八雲紫である。

「相変わらず胡散臭い奴だな貴様は。」

「あらあら、私が胡散臭いのなら、あなたは今や忘れ去られた鬼ではないのかしら。」

、、、一見世間話様な感じを出しているが、両者共強い殺気を向けており並大抵の妖精や妖怪がこの場に居たら気絶するほどの物である。

「ふ、俺達鬼が忘れ去られたか、やはり、貴様は容赦なく殺したくなるよ。」

鬼、嘗ての幻想郷では一番恐れられていた種族であり、今の幻想郷にはいない者達である。

「俺達は消えたわけじゃない、ただ単に人に愛想が尽きただけだ。その証拠に今の人は弱い いや、人だけではなく最近の妖怪達もか。」

「随分手厳しいのね。」

「当たり前だ。貴様の考案した遊びを戦いとして受け入れた連中等俺達の足元にも及ばん。そもそも戦いとは殺し合いだ、殺し合いもせず、ただ美しさを求めるだけなど弱者の考えだ! 」

その瞬間、彼から途轍もない妖気が溢れる。その妖気に押されたのか、少しばかり身を引く紫、

「、、、お言葉だけど、今の幻想郷では貴方達の考えだとこの地に住む者達の破滅を迎えることになるだから私はスペルカードルールを考案為たのよ。」

「フ、ククク」

「何が可笑しいのかしら。」

彼が含み笑いをしたのが気にくわないのか不愉快感に顔が歪む。

「この地の者達の破滅ねぇ、それがどうした?」

とても不思議そうに紫に尋ねる編み笠の人物、その問いに驚く紫

「!?この地に住む妖怪全員が死ぬことになるのよ!?その意味が分かって「嗚呼、分かって居るぞ」なら私の行った意味も分かって居るはず」

その問いに関して面白そうに嗤う彼

「ククク、俺達は妖怪、人に恐れられ生まれた存在。存在意義はそれだ。人に恐れなくなったらそれは妖怪として死んだも当然だ。」

その回答にたいして彼をにらみつける紫、不意にその顔がにやける。

「あらそうなら、人里近くで鍛冶屋をやってる貴方の弟子はもう死んだも当然と「俺の弟子に関わろうとするな!!殺すぞ!」!?」

紫が弟子と言ったとたんに彼の殺気が膨れ上がる。そしてその殺気で彼の被っていた編み笠が飛んでいき彼の素顔が見える。顔の右側を髪で隠し左目はまるで地獄の炎のような色をしている。そして、彼の右腕にはいつの間にか赤黒い炎が纏われている。その炎を見た紫は即座にスキマの中に身を引いた。

ボォォォォ!!!

先程まで彼女がいた場所を赤黒い炎が燃やすその炎は正しく地獄の業火に匹敵する者である。

「、、、その炎で焼かれたら私もただじゃ済まないわね、先程の発言撤回させてもらうは。貴方の弟子にも手出しはしないはだからその炎仕舞ってもらえるかしら?」

別のスキマから出てきて余裕そうに言う紫、実際は余裕はなく現に彼の操る炎、紅蓮が燃やした所は今も燃えている。

「フン」

右腕に纏っていた炎を消す、それを視てほっと息を撫で下ろす紫。

「さすがは地獄の炎に匹敵する炎である紅蓮を操る紅蓮鬼、その猛威を振るえば幻想郷中の誰にも負けることはないでしょう。せいぜい敵対為たくないところですわ。」

「フン、俺がそうそう此を使う訳がないだろう、分かったのならとっとと消えろ。」

彼、異な嘗ての幻想郷で最も恐れられた事でも神格の者と同様の力を手に入れた鬼神紅蓮鬼はそう言うとその場から歩き去る。

「ええ、そうさせてもらうわ、貴方とは敵対し無くないから。」

そう言ってスキマの中に去る紫辺りは未だ燃やし続ける炎の音しか為なくなった。




はい、と言うことで東方鍛冶録紅霧異変編は終了でごさいます。
まあ、構成の段階ではもう一話あったんですが、無しになりました。その時絡ませようと為たキャラもいたのですが、そのキャラ達は風神録辺りで絡ませようかと、
ここからは紅霧異変編で出てきた原作キャラちょっこっと解説しますはい、名前が出てきてないキャラは本文中に出てきた用語のまま解説します。
・犬走椛 
 妖怪山に住む原作キャラの一人で本来初登場は風神録なのですが、今回は友人である赤芽に預けていた刀を取りに来ました。真面目で面倒見がとてもいいです。今作のオリキャラと恋人関係なのですが、彼氏の方はまだ出てきません!
・赤髪の少しばかりひねくれたろくろ首の友人
 東方輝針城をプレイした方や東方のキャラをある程度知っている方は分かると思いますがあの人です、人里に赤芽が来ている時は面倒見てます。
・八雲紫
 幻想郷の妖怪の賢者であり、原作では相当な実力者である。人ですが、今作のでは彼女より強いのが色々といますのでぶっちゃけそんな強くない。
取りあえず、出てきた原作キャラはこの程度ですかね。
そして、今話にて、名前は出ませんでしたが赤芽の師匠が出てきました。ぶっちゃけ言えば彼は紫の事が大嫌いです。普段、出会い頭に殺しに行きますから。
それでは長話しもここまでにして、次回東方鍛冶録春冬異変編お楽しみに!

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