東方鍛冶録   作:苦労バラン

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どうも、緊急事態宣言が解除されても相変わらず外にあまり出ない苦労バランです。今話以降の話はいつ出来るか未定なのであしからず。
では、どうぞ


宗教戦争異変 エピローグ

幻想郷で厭世感が蔓延して数日後、あっちこっちで行われていた宗教家同士の戦いは当初は大盛況を見せていたが博霊の巫女が黒幕を退治して数日が経った頃その賑わいは陰りを見せていた。

博霊神社では毎日のように能楽が行われており、異変の黒幕である秦こころの精神が安定しているためか彼程騒がれていた厭世感に関する話は薄れ始め人々の興味は神社で行われている能楽の方に行くのはさほど時間がかからなかった。そんなさなか里から少し離れた雑木林の中に存在する家屋の中で赤毛の少女 赤芽は以前近くで出会った青年花緑から預かっていた刀を改めて見ていた。鍛治氏である彼女だが研ぎ師と為ても実力はあり基本的に友人限定であるがボロボロな刀を打ち直したり研ぎ直したりすることもある。ただ研ぎの方はかなり繊細な作業に成るため研ぐ前に一度物の状態を見て確認する必要がある。

(うーん、刃の状態としてはあまり良くないなあ、結構ひびが入っちゃてるしあっちこっち刃が刃こぼれ起こしちゃってるし、此は研ぎ直すより打ち直すか、それか新しく刀を作った方が速いかもしれないなぁ。うーん、あまり研ぐのは上手くないんだよなぁ、師匠と違って)

一通り唸りながら刀を見ていた赤芽だがそのあまりにも刀の状態の悪さに頭を抱えざる得なかった。何せ預かった刀はそもそも保存状態が良くなかったのかかなり刃が劣化為てる上に血を拭き取らず放置したのか空気に触れ錆びた血が刃全体に付いており所々ひびが入り刃こぼれも起こしている。今まで師の元で色んな刀を見てきていた赤芽であるがここまで状態が酷い刀は初めてだった。これ程まで状態が酷いと打ち直すに為ても研ぎ直すに為ても刃自体が耐えられず修復するどころか折れるか砕けてしまう可能性が有るのだ。

「、、、あの人には悪いけど此は僕の手には負えないかも。一旦師匠の所に持ってくのも手かな」

自身の師である刃ならばこれ程までにボロボロな刀でも直すことは可能だろうと思いつつ見ていた刀を慎重に鞘に収める。よく見れば鞘の方もボロボロであり鞘口の部分は黒く成った血らしきものが付着している。

鞘に収めた刀をこれまた慎重に近くの棚に置いた。彼程までボロボロだと鞘に入れていてもある程度の衝撃を受けたら簡単に砕けてしまうからだ。

「さーてとあの刀は後で師匠の所に持っていくとしてどうしようかな。」

体を伸ばしつつ鍛冶スペースから居住スペースの方に行くと。

「あ、姉様お疲れ様」

其処には机に和菓子とお茶を置いている夜兎がいた。以前赤芽が大怪我して以降、夜兎は率先して家事などを遣るように成った。それなりに家事は仕込まれていたのか最初は少し覚束なかったが今では1人である程度は出来てしまうほどである。

「お、何か甘い匂い、お団子かな?。」

「うん、里で美味しいって評判のお団子屋さんの.前にお使い行ったときに買った」

「へー、じゃあ一緒に食べようか」

「うん!」

その後2人は団子を堪能した後ノンビリ喋りながら過ごした。こうして宗教戦争異変は緩やかに収束していった。ただ幻想郷で厭世感が蔓延していたときに、幻想郷のあちらこちらで血塗れの妖怪の惨殺死体が発見されたという不穏な空気を遺して。




東方心綺楼のこと少ししか触れてねぇー。
どうも前回の投稿から軽く10日過ぎてどうにか投稿した苦労バランです。自粛中に書く時間あったなと現在反省しております。また東京は少しコロナが増えてきましたね。作者は東京に近い県に住んでるので割と心配してます。
くらい話はさておきそれではまた次回をお楽しみに。

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