人類はある日、地球を捨てた。当然ながらその惑星に感謝を示して住み続ける者は居たが、大半が月と火星に移ったという。

 大きな引越しで問題となったのは多大な資源の入手先、火星と月には何も無い。それからは崩れかけた廃棄ビルを月と火星と地球が醜く奪い合った。


 長い年月が経ち、そんな事をする必要が無くなった月は地球人を"ノット"と呼び捨てて惑星一つを破壊できる兵器を生み出した。

 物語は主人公が痴漢免罪で捕まる所から回り始める。




 元々はアーマード・コアをこっそりリスペクトしつつ完全オリジナルとして書いていたロボット(アーマードライブ-月面廃墟-)

 しかし、三日坊主の自分はプロローグで戦闘シーンを書き終えたあたりで満足してしまったのだった……。

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プロローグ

 

 人は愚かにも過去に感謝しながら虚しい事をする事がある。

 

 現に今、地球の東京都のシンボルだったソレに4体の人型作業用兵器が群がっていた。薄汚れた装甲を持つふてぶてしい機体、ある意味カモフラージュのよう。

 

 いい場所を見つけたと、彼らは自らを収めれる大きさの袋を取り出した。時代の欠片はホイホイとそこに投げ込まれていく。

 

 

 

 崩れたビル、タワーの鉄筋。高速道路の切れ端なんて"地球を捨てた者(彼ら)"から見ればお宝でしかない。

 

 それは今持ち主が今も見張っている大切な資源とも言う。

 

 

『とるな』

 

 辺りに痺れるようなノイズが走った。

 

 

「なんだ、今の」

 

「きのせいじゃねえか?」

 

「だよな――」

 

 

 

 異質な存在に気づかない彼らの上に、何かが突然"墜落"した。同時に辺りのゴミで粉塵が舞い上がる。

 

 

 

 近くにいた1名は衝撃で転がされただけで済んだ。故に知っている、墜落点には仲間が居ることを。

 

「な、なんだ!?」

 

「アルファが……!」

 

 砂煙の中、確かに彼らは目撃する。青白く発光する異質な人型兵器を。

 

 それは墜落ではなく、着地だったという事。粉々に潰されたアルファという機体を踏み台にして。

 

 

 

 

『気のせいじゃない』またノイズが走った。

 

 

 

 

「あ、れは……」

 

 

「早く構えろ!」

 

 図太い声がチームを落ち着かせた、彼らは使うことが無いと思っていた腰の武器を手にする。ロケットを担ぐ機体や自動小銃までバラバラだ。

 

 

 

 銃撃を気にも止めない青の機体は、背中に積まれたブースターで吹かす。高速で距離を詰めるソレに走る事しか出来ない作業用ロボットでは逃げ切ることが出来ない。

 

「うっうわぁぁぁあ!!」

 

「ベータ機!」

 

 興奮状態から乱射される小銃はカスリもしない。すれ違いざまに散弾のような物を叩き込まれたベータ機は、電気ノイズをバラ撒いて膝を着いた。

 

 破壊まではしない、あくまで宝にするつもりのようだった。

 

 

「くっ速い……!」

 

 一番遠くに居るロケットを担いだ機体が片膝を下ろし、短距離スコープを頭部のモノアイに擦り合わせる。あの速すぎる高機動型を命中させるには仲間を狙った時しかない。

 

 隊長の彼はイレギュラーに経験を当てはめ、そう考えた。

 

 

 次に青い光が向かったのは新人の少年パイロットを乗せた機体だった。ぎこちない構えとは裏腹に、傷だらけのピストルは引き金を待っている。

 

 ただのピストルではない、小型榴弾を乗せたカンプピストルと呼ばれる物だ。

 

「く、来るな! 来るなあああ!」

 

「おいっ! レバーのボタンを押せ!!」

 

 隊長の声に少年は声の通り、引き金の役割を果たすボタンを祈る様に押したくった。直後、微かな発射音と同時に至近距離の青い機体が榴弾を避けるように回り込む。

 

 

「やったか!」

 

 標的を見失ったカメラアイは何も無い所で榴弾が爆発した瞬間を捉えた。

 

「そんな……」

 

 背中から散弾を食らった機体は膝を着いてから倒れ込んだ。

 

「うわあっ……あれ、生きてる?」

 

 爆散しなければパイロットが死ぬ事は無い、が。

 

「今だ!」

 

 隊長がランチャーの引き金を絞った。飛び出した弾頭は瞬く間に推進剤の力で突き進む。振った炭酸の栓を抜いた様な音が響いた。

 

 

 青い機体は音に気づき、先程無効化した機体の頭部ユニットに手を伸ばしていた。

 

 

「隊長が発射したんだ!」

 

 少年は隊長の判断に歓喜していると、機体を持ち上げられていく事に気づく。ノイズ混じりのカメラアイが写したのは。

 

 こちらに向かってくるロケット弾頭だった。

 

「悪魔め何を……」

 

 隊長の嫌な予感は的中する。

 

「隊長!」

 

 

 

 ロケットへの回答として、まだ生きている仲間を盾にしたのだ。

 

 

 

「なっ……」

 

 彼は絶句した。咄嗟に頭部の機銃でロケットを狙うが銃弾が避けるように当たらない。

 

 

「助けてくれませんか! 下半身が衝撃でイかれて――」

 

 少年が言い終える前に弾頭は大爆発を起こし、隊長機との間に煙のマントを生み出した。最後の通信にはノイズだけが残った。

 

 

 隊長は微かに生きていて欲しいと願うが、煙の先に残っていたのは非情にも悪魔が握っていたヘッドユニットのみ。

 

 その頭部も音を立てて握り潰される。パラパラ、パラパラと部品が落ちていった。

 

 

「クソがァああ!!」隊長はコックピットの壁を怒りに任せて殴りつけた。己が仲間を殺したと激しく憎悪した。

 

 

 機体のコックピットは頭部ではなく胴体にある。それでも、潰した事はそれに対して侮辱とも取れた。

 

 

 

 

 

 悪魔が背中のブースターを吹かして加速しながら、右手のシールドから刃を露出させる。隊長機は時間を稼ぐ為に後ろを向いて走り出した。

 

 

 それでもやらねばいけない事がある。

 

 

 操縦を自動制御に移行させ、視界に浮かぶデジタルキーボードで緊急回線に繋ぐ。接続先は月面のとある基地。

 

「報告、現場にて青く光る機体が現れました。我々の技術では到底作れないブースターユニットを……」

 

 刃がその時を待つように青く発振する。背中を刈りたがる、青い死の光だ。

 

「救援はいりません」

 

 

 

 青い悪魔がすれ違いざまにブレードを叩き込む。

 

 

 切り払った勢いで振り向きながら、爆発するかもしれない隊長機を慣性に任せて距離を取った。

 

 辺りがゴミに変わるまでそう時間はかからなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 探索用とはいえ、武装したロボットチームを一機で壊滅させた人型高機動兵器はアーマー(装甲)ドライブ(駆動)と呼ばれる様になった。

 

 

 

 その中で唯一青く光る試作機、ストレイド(STRAYED)は後継機が主流になった今でも次の搭乗者を待ちわびている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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