顔がそっくりさんの番外編ともしもの話   作:ポポビッチ磯野

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あったかもしれない海軍ルート。
伊達メガネと伸ばした髪、そのうち顎髭も装備する事になる。
おじいちゃん(偽)がめちゃくちゃ構ってくる、助けてくれ


●前世を思い出したと思ったら火拳のエースと顔がそっくりさんな俺はおじいちゃんと呼ばされる

What if(もしもの...)

 

 

 

火拳のエースと顔がそっくりさんのオリ主が白ひげ海賊団に入らず、海賊からではなく海軍からエースを救おうとするもしもの話。

 

 

「ガープ中将おおおどこいったんだあの人はあああ!!!!」

 

いつもの怒鳴り声が建物に響き渡る、ここ海軍本部ではもはや見慣れた光景だ。

 

「ガープ中将ならさっき見ましたよ、えーっとほらこの間入ってきた子、マルドリード君がなんでもお孫さんにそっくりで、暇な時は構いに行ってるみたいですから」

 

では業務に戻りますので、とたまたま通りかかった男は会釈をして去っていく。

そして迅速に彼、いや2人の場所へ向かった。

 

 

 

 

「あのぉ、ガープ中将」

「かったいのォおじいちゃんと呼べと何度も言っとるだろう!!」

 

「お、おじいちゃん...」

「何じゃ!」

 

「...仕事してください」

「なにィ!?ワシが会いに来とるのに嬉しくないみたいなカオしおって!!!」

 

縁の太い眼鏡をくいっと上げながら、だだをこね始めた男性にため息をついた

 

 

 

 

これ俺が悪いのか?

 

 

 

 

違うよね?

 

絶対に違うよね、この人が孫バカなのがいけないよね???

 

俺だって暇じゃない、ついこの間三等兵になったばかりで、ここでの生活も慣れてきた頃にガープ中将に捕まってしまった。

孫にそっくりっていうのは十中八九彼のことだろう。

この人が愛のムチとしてあの義兄弟にしたことを考えればクソつきのジジイとか呼ばれないのは仕方の無いことだと思うんだけど、というか自業自得。

 

でもな、だからって俺の事を彼に重ねて、おじいちゃんって呼ばせるし、言われてないけど彼が海軍にいるかのように妄想()してそうじゃんこの人コワイ。

 

 

 

 

 

あの島で白ひげ海賊団と別れたあと生活を安定させてから俺は海軍に入軍した。

 

海賊じゃなくても良いのかとか思って悩んだけど、海軍だって身内から敵が出てくれば混乱するはずだし、全体の動きで何かしら把握できるだろう。

 

それにヤミヤミの実についてはサッチさんに曰く付きの悪魔の実があると吹き込んでおいた、持っているだけでその人物の野心や闇を引き出すとか、命を狙われやすいとか。

正直この忠告が何処まで未来に影響するかわからないけど、少なくとも危険な物だと認識はしてくれた筈だ。

 

ま、サッチさんとは文通仲間だからな、向こうで何かあれば教えてくれるだろう。

流石にどこの島のとかは教えてくれないけど、それでもその島であったことオススメのレシピをいつも同封してくれて、またな!と締めくくってくれる。陽気な人だ、ラグダさんに似て憎めない。

 

すぐに追いついて親父さん含め捕まえるんで首を洗って待っていてください!とこの間の手紙に書いたらサッチさん以外にお世話になったクルーからもたくさん手紙が来てちょっと焦ったのは良い思い出だ。

それがきっかけだったのか、手紙はサッチさんは必ず返信がくるけど、時々それ以外の人からもくる、隊長への愚痴とか、雑学とか。

たまに海軍の情報を引き出そうとしてくるマルコさんには、ぱっとみの文章ではわからないようにして暗号化した情報(とは言っても新兵が把握できるもののごく一部)をぼかしてリークしている。

 

というか俺が断れないのわかっててやってますよね!!!

 

 

 

 

本当ならすぐにでも階級を上げて中枢に関わりたいのだけれどそういう訳にもいかなかった。

縦社会において、才能がある若手は早々に潰されるものだからだ、それが大きな組織になればなるぼど顕著になるもんだ。

 

それに厄介な人達(将校とか)に目をつけられても困る、なんでわざわざ俺が伊達眼鏡に髪をのばしてると思ってるんだ、ぱっと見彼に似ていると思われない為だ。

 

・・・・この状態で勘づいて、眼鏡粉砕、孫にそっくりじゃ!!(良い笑顔)って見抜いたガープ中将には恐れ入るけど(遠い目)

ああそのあとしこたまセンゴクさんに怒鳴られてたな、当たり前だよな、どこに新兵の眼鏡を粉砕して豪快に笑う上官がいるんだよ、地獄か?

 

 

あとまだ新兵だから手を抜いてるのを気がつかれてないが、この先昇格する過程で審査官が大佐以上だと俺もごまかしきれないし、うむ…どうするかは時間をかけて考えるとしよう。

 

 

 

「お〜おおいエクトル〜〜?」

「まだいたんですか、ガープ中将」

「辛辣か!!?」

ひどい!と本格的にだだをこね始めたので、心の中で彼に土下座しながら眼鏡を外して言い放つ

 

「俺、仕事してるかっこいいおじいちゃんの姿がみたいな〜」

「お、おおおおお!?仕方の無い奴じゃなー!良いぞ海賊の100や5000くらい潰してきてやるわい!ぶわっはっは!!」

「いや書類片付けろよジジイ!!!!!」「そうですよガープ中将!!!」

 

一気に慌ただしくなるデスク周りに思わず現実逃避をした。

 

ああ、なんというかこれ海賊になったほうが良かったんじゃないかな…と思わずにはいられなかった。

 

 

 

 


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