顔がそっくりさんの番外編ともしもの話   作:ポポビッチ磯野

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時間差で、とと?おや巻き戻しすぎた





☆黄昏の二等星

 

 

 

「なァ頼むからっ兄貴、俺の胃痛を考えてくれっ!!」

「イツウ?なんだ新しい食いもんか?」

「おいこらほんとうにどつくぞ」

「おお喧嘩か?久しぶりだなー!いいぞかかってこい!!」

「———...すまない甘く見ていた、苦労してるなこれは」

「レイリー、おまえだけっお前だけだわホント手を焼いてんだよッ!!!!」

 

 

 

 

 

 

ここは東の海(イースト・ブルー)のある場所

青い空白い雲最果てまで広がる大海原が太陽を反射して輝いているのだが、その海の上で繰り広げられるのはなんとも頭の痛くなる様な会話だ。

 

その船には三人の男。

 

困った表情を浮かべメガネをかけたこの船の持ち主、シルバース・レイリー

麦わら帽子とにやりとつり上がった大きな口をもつ男、ゴール・D・ロジャー

そしてレイリーに泣きついているロジャーにそっくりな男、ゴール・D・エクトル

 

ロジャーとエクトルは双子(きょうだい)であり、兄だと言い張るロジャーに面倒になったエクトルが弟になったらしい

泣きついてくるエクトルをなだめつつ、大口を明けて笑う男に思わず苦笑を浮かべる事しか出来なかった。

 

 

 

 

——————————この三人の出会いは数日前に遡る。

 

 

 

『———この出会いは運命デフゥ!?!』『なあにやっとんじゃボケ兄貴がぁ!!』

 

ロジャーと名乗り麦わら帽子をかぶった男が声をかけてきた後、ものすごい勢いでロジャーは飛んでいった。

背後の大きな水音を聞き流しながら吹き飛ばした人物を見るとそいつは海に落とされた男にそっくりな男だった

 

すると男は開口一番にすみませんでした!と腰を折り頭を下げてきた。

『いや謝られるようなことはされてない』

『え!ほ、本当ですか…?』

その驚きっぷりにこちらの方が驚いたくらいで、一体あの男は普段どんなことをやらかしているんだと困惑した。

 

『バッハ!ぉおいエクトル!おれを殺す気かァ!!?』

『安心しろ兄貴はこの程度でくたばるはずがないって信じてやった、つまり愛だ』

『—————よせやい照れるぜ』

『いや照れるところじゃないだろ』

嵐のような兄弟にくだらないやりとりに呆れてため息が出る

ぶつぶつ文句を言う弟をあしらいつつ未だ海に浮かんだままロジャーはこちらに手を差し出してきた。

 

『まあともかく、おれと弟とレイリー!一緒に世界をひっくり返そうぜ!!』

『—————くだらないな、まとめてどっか行け!!』

 

やだね!お前を仲間にする!と騒ぐロジャーに弟はため息をつきながらとりあえず上がって来なよ兄貴と声をかけおおそうだな!と登れる場所まで泳ぎ始めた。

 

それを横目に弟は申し訳なさそうにこちらに声をかけてきた。

 

『レイリーさん、悪いと思うが兄貴に目をつけられた以上、早めに受け入れた方がいい』

 

エクトルと名乗ったそっくりな弟はどこか遠い目をして静かに語った。

あまりにも悲壮感が漂っているため、気になって理由を聞けば

 

曰く海に出るのはロジャーだけだと思っていたのに寝ている間に簀巻きにされて拉致されたあげく

移動中も口を開くたびに戻るとか行かないと言ったのに全く聞く耳を持たないし、知らないうちに厄介ごとをひっかけてくるし当然巻き込まれるしで抵抗している暇もなかった、と。

 

『苦労しているようだな』

『ははは、まあな、でも弟が兄貴を見捨てちゃダメだろ?』

 

きらりと太陽を反射した光がエクトルを照らし、ほんの一瞬、黒い瞳が深い紫色に輝いた気がした。

 

『あんなでも、俺にとっては世界で一人だけの兄貴だからなぁ』

小さく呟かれた言葉とその眼には確かに、ロジャーに対する敬愛があった。

 

『そういうものか?』

『そういうモノさ』

 

本人がそう言うならそうなのだろう。

少しおかしくなって笑っているともう一つの嵐が飛び込んでくる

 

『おいレイリー!こいつはおれの弟だ!お前でもやらん!!!』

『『いや誰もそんな話してない』』

『なんだーそうかーよしじゃ行くぞ!!!』

『『いや、勝手に仕切んじゃねえよ!?!』』

 

 

 

 

———————————————

—————

 

 

 

 

もう遠い昔のように感じながら、この奇妙な縁を楽しむ事にした。

どうせロジャーはこれと決めたら聞く耳は持たないし、それを知っているエクトルも胃を痛めながら必死に付き合っている。

そしてそれをサポートしてやるのが自分の役目だと直感がそう囁いた。

 

「だから嫌だったんだ海に出るのは!!」

「なんだいいじゃねぇか!冒険にお宝!見たこともねぇ景色だぞ!?」

「そんなもん兄貴が里帰りした時に聞かせてくれればそれでよかったわ!?」

「お前頭いいけどばかだなー、自分で見た方が楽しいに決まってんだろ!」

「それは私も同感だな」

 

私の受け答えに、しがみついたまま裏切り者ー!!と泣き始めてそれをみたロジャーが笑いつられて笑ってしまう。

 

外見は見間違うほどそっくりなのに似ているようで似ていない、嵐の兄弟は今日も船で騒ぎいつだって台風の目になる。

世界をどうやってひっくり返すのか、今はそれが楽しみで仕方がなかった。

 

 

 

 

 








どうも、ポポビッチ磯野です。
驚きました?いや筆が乗りまして気が付いたら書き終わってました。
まさかのそっくりさん海賊王verです

未来(暁の星)現在(そっくりさん)ときたので過去にしてみました。
もちろんエクトルは原作知識はもっています。
エースより苦労が耐えませんがそんな記憶はエクトルにはないので、比べようもありませんけど。

ロジャー船長については完全に捏造ですね原作初期の頃を思い出しつつ、若い頃のレイリーさんも色々と想像しながら書いてみました。
違和感は拭えないのですが、二次創作ですのでおお目にみてください…。
ロジャー海賊団の旅路についてはほとんど情報がないので、書けそうな所は書いていきたいですね。
エクトル視点もかくかも()


では次のお話で。*

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