神々に育てられた人の子は最強です   作:こむん

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異世界

 

 そこはいつもよく来て見ている所だった。

 

(何故俺は神界に来ている?)

 

 そう、此処は神界。俺が育ってきた世界。

 

「その答えは私たちがお主を呼んだからだ。神夜」

「その声は、絶対神ヴァイヌス様!」

 

 声が聞こえてきた方へ顔を向けるとそこに居たのは神の序列一位の絶対神ヴァイヌス様だった。俺はすぐさま膝まづいた。

 

「よい、頭を上げろ」

「はっ」

「お主は今クラスメイトとその教師と一緒に異世界に召喚されておる。そこに我ら神がお主を呼んだのだ」

 

 我らとは誰だろう?と思いヴァイヌス様の後ろを見てみると俺を育ててくれた神の序列十二位までの神様たちが並んでいた。

 

「何故、そのようなことを?」

「なに、お主にその指輪古の王国(アトランティス)のことについて教えようと思っての。その指輪は付けている王の武器を保管する王国の宝庫のようなもの」

「つまり、どういうことですか?」

古の王国(アトランティス)の中にお主の使う武器を保管すると言ったであろう」

古の王国(アトランティス)は俺専用の武器庫と言うことですか?」

「うむ、そしてその中には今まで制限をかけていたお主の溜めてきた魔力も入っておる」

 

 俺はその言葉に驚いた。今までとはつまり十八年、十八年分の魔力を保管できるなんて。

 俺が驚いていると、

 

「制限、とはどういうことですか?」

「お主が修行をしている際、魔力は全てを使い無くなるとその上限が大きくなると魔法神レーネに教えてもらったろう」

「はい」

「そして修行をし過ぎたせいでお主の魔力が多くなりすぎたのだ。だから制限をし溜めておった。あのままだと地球が壊れてしまいそうだったのでな」

 

 絶対神ヴァイヌス様はそう語った。

 まさか魔力が増えすぎると地球が壊れてしまうとは思っておらず俺は驚いていた。

 

「な、なるほど」

「では、今からその魔力をお主の中に入れる」

「わかりました」

 

 すると人差し指にはめてあった指輪から黒色のモヤのようなものが現れそれは空へと上り広がっていた。

 まるでその空は夜になったように黒く染まった。

 そしてその黒色のモヤは神夜の身体にまとわりつきそのまま吸収された。

 

「ふむ、やはりお主の今の魔力は神の序列上位までに達しておるぞ」

 

 その言葉を聞き後に並ぶ神も顔を縦に振った。

 

古の王国(アトランティス)の中にはお主専用の装備を向こうのお金は無限収納(インベントリ)に入れておる。そして我ら神の序列上位の者がお主に力の一端を与えよう。では行ってこい」

「はっ!では行ってまいります」

 

 そして俺の視界は光によって埋めつくされた。

 

 

 

 

 目を開け周りを見てみるとクラスメイトが呆然と立っていた。

 床には赤色の|絨毯(じゅうたん)が引かれ壁際には騎士らしき人物が数十人と貴族らしき人が数人がいた。

 

「ちょ、ここどこだよ!」

「え、なんで!?私たちバスの近くにいたのに!」

「そ、そのバスもどこに行ったんだよ!!」

 

 クラスメイトは今のいる場所を見るなりすぐに騒ぎ始めた。

 そしてそこに声を上げた者がいた。

 

「みんな一旦落ち着こう!」

 

 その声の主は秋山光輝だった。クラスではいつも話題の中心にいて顔よし、頭良し、性格良し、運動良しの四拍子が揃ったモテ男だった。

 クラスメイトが声を聞き静まった中その前に一人の美少女が歩いてこちらに近づいてきた。

 

「私の名はルミウス・ローゼス。このローゼス帝国の第一皇女です」

 

 その美少女はこちらに着くなり自分のスカートを少し持ち上げ自己紹介をし始めた。髪は長く金色に輝いており胸は少し貧相だった。

 その姿を見たクラスの男子は大半が顔を赤く染めていた。

 

「これからあなた達がどうしてこんな所にいるのかご説明をします。付いてきてください」

 

 皇女様について行き俺たちは何やら高価そうな椅子に座り頭には黄金でできた冠をかぶっているじいさんの前に行った。

 

「主らが召喚された勇者か、数が多いな。ワシの名はグレス・ローゼス。ローゼス帝国の皇帝である」

 

 そのじいさんは見た目どうりこの帝国の皇帝だった。

 

「お主らを呼び出したのは他でもない、魔王を倒してほしいのだ」

 

 クラスメイトは驚きの表情を見せていた。何故なら王は魔王を倒してほしい(・・・・・・・・・)と言ったからだ。

 

「す、すみません。一つよろしいでしょうか?」

 

 そこでおずおずと手を挙げたのは俺たちの教師の日下部花蓮だ。

 日下部花蓮は大人ながら体は子供と同じような姿をしており生徒からでも人気があった。

 

「貴様!グレス王に向かってなんと無礼な!!」

「よい、下がれ」

「し、しかし王よ…」

「よいと言っている!聞こえなかったのか!」

「はっはい、失礼しました」

「それで何かな?」

「あ、あの。いきなり呼び出され魔王を倒せと言われても頭が追いつかないのですか…」

「ふむ、それもそうだな。なら皆の者よ、この者達を各部屋へ案内しろ」

 

 そう王が言うと部屋の扉からメイドらしき人達が俺たちと同じ人数分やってきた。

 そしてそのまま俺たちは部屋に案内された。

 

「あなた様のメイドをさせていただきます。クレハと申します。呼び捨てで構いません。よろしくお願いします」

「俺は黒瀬神夜と言います。よろしくお願いします。」

「では、今日はこの部屋でお休みください」

「あっちょっと待ってください」

「?なんでしょう」

「あのこの世界の本とかありますか?あれば持ってきて欲しいんですが」

「わかりました」

 

 そして俺はクレハに本を数冊持ってきてもらった。

 クレハは俺に本を渡したあとすぐに部屋を出た。

 俺は一人になった部屋でベットに座り本を読んでいた。

 


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