特等席で見るFGO   作:霧野ミコト

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ボックスイベが始まりましたね。
とりあえず、今回の目標は200箱の予定です。
待機列が伸びすぎてるので、そろそろ消化をしなければと。
ただ、ボックスに羽根がなかったので、羽根難民なのは変わらずですが。
ドロップの方で出てくれるといいんですがね。


第十三話 特異点修復まであと少し

マシュの一撃に崩れ落ちる魔神柱。

 

確かに強かった。

 

だが、それだけだ。

 

降りしきる攻撃の雨は俺とイリヤで遮った以上、勝てる道理などなかった。

 

「……ばかな……。たかが英霊ごときに、我らの御柱が退けられるというのか?」

 

呆然とした様子のレフ。

 

矮小と見下した存在からの反撃だ、予想だにしていなかったのだろう。

 

「いや、計算違いだ。そうだ、そうだろうとも。何しろ神殿から離れて久しいのだ。少しばかり壊死が始まっていたのさ」

 

「……無様だな」

 

その姿を見て、嘲り以上に哀れみを感じた。

 

「お前は誰だ?藤丸以外の生き残りか?」

 

それまでは単純におまけ程度としか見ていなかったのだろうが、このときになってようやく自分に目を付けた。

 

本当は気にされない方がいいのだろうが、これぐらいなら誤差だ。

 

「お前にとって人間はカス以外の何者でもないのだろう?なら名乗る必要などあるまい。そもそもただの使い走り相手に名乗るな気もないがね」

 

「運よく攻撃を防いだ程度で思い上がるな」

 

「ただの運か。それともお前が単純に弱かったのか。どちらかね?」

 

そういって肩を竦めるとレフは忌々しげにこちらを見る。

 

「ふん。これでも私も未来焼却の一端を任された男だ。万が一の事態を想定しなかったわけでもない」

 

その言葉に呼応するかのように聖杯が活性化をする。

 

通信ではロマンの注意喚起する言葉が聞こえてくる。

 

「古代ローマそのものを生贄として、私は最強の大英雄の召喚に成功している。喜ぶがいい、皇帝ネロ・クラウディウス。これこそ真にローマの終焉に相応しい存在だ」

 

自分の任務遂行のため、そして自尊心のための言葉だろうが、その言葉は軽い。

 

「ローマは世界だ。そして、決して世界は終焉などせぬ!」

 

「誇りも、方向を誤れば愚直の極みでしかないか。ならばその目で見るがいい、貴様達の世界の終焉を!」

 

その言葉、自分自身にそっくりそのまま返ってきているとは思わないのだろうか。

 

言えば言うほど、語れば語るほど程度が見えてくる。

 

「さあ人類の底を抜いてやろう!七つの定礎、その一つを完全に破壊してやろう!我らが王の、尊き御言葉のままに!来たれ、破壊の大英雄アルテラよ!」

 

強力な魔力の奔流を感じた。

 

それはロムルスのとき以上のもの。

 

圧倒的強者の波動の中、大英雄が姿を現した。

 

褐色でスレンダーな身体をした女性、破壊の大王アルテラが。

 

「さあ、殺せ。破壊せよ。焼却せよ。その力で以て特異点もろともローマを灼き尽くせ」

 

レフの哄笑があたりに響く。

 

勝利を確信したものの声だ。

 

だが、それはたかが英霊と先ほど切って捨てたものに頼らざるを得ない己の弱さを見せ付けてるようにしか見えない。

 

「終わったぞ、ロマニ・アーキマン。人理継続など夢のまた夢。このサーヴァントこそ究極の蹂躙者。アルテラは英霊ではあるが、その力は――」

 

「黙れ」

 

故に、その結末は知っていたとはいえ何一つ驚くことはなかった。

 

まあ、藤丸達はそうはいかないみたいだが。

 

自分が呼んだはずのサーヴァントに殺されたのだ、マスター殺しのサーヴァントの事を知らない者達にとっては驚きだろう。

 

だが、驚きで足を止めている猶予はない。

 

彼女は破壊するのに邪魔だからレフを殺しただけで、与えられた指示を無視するつもりもない。

 

既に宝具の準備をしている。

 

「マシュ、宝具準備!」

 

「はい!」

 

藤丸の指示が飛ぶ。

 

「イリヤ、俺たちもマシュの後ろに」

 

「うん」

 

さすがにあの攻撃を殺しきるのは一苦労だ。

 

それ相応の準備をしないと厳しいので、ここは素直にマシュに守ってもらうのが無難だろう。

 

軍神の剣(フォトン・レイ)

 

放たれる一撃。

 

宝具のランクは対城宝具。

 

並みのサーヴァントの宝具の域を超えている。

 

「くっ」

 

マシュの苦しそうな声が聞こえる。

 

まだ、真名を開放していない彼女の宝具では防ぐには苦しいのだろう。

 

仮に突破されそうならば、最悪はこちらがフォローをしなくてはいけないだろう。

 

約束されざる守護の車輪(チャリオット・オブ・ブディカ)

 

だが、その心配は無さそうだ。

 

頭の中にこれだけの攻撃を防ぎきる防御方法を考えていると頼りになる声が聞こえてきた。

 

ブーティカの宝具によりマシュの防御はさらに強固なものとなる。

 

「あああああああ!!」

 

マシュが声を上げた。

 

強大な熱量を受け止めるべく必死に耐える。

 

その姿に、かつて見た冬木のときの細さは無い。

 

藤丸と歩み続けた結果、彼女もまた強くなった。

 

藤丸立香が主人公であるのならば、まさしく彼女はヒロインだろう。

 

共に歩み、共に育ち、共に見届ける。

 

デミサーヴァントとマスターではあるが、絆はそれ以上だ。

 

藤丸のサーヴァントがマシュであるからこそ、マシュのマスターが藤丸であるからこそ、これだけの強さを発揮できるのだろう。

 

魔力の放出が終わった。

 

あたりには宝具の残滓が見える。

 

あれだけの攻撃を防ぎきった。

 

ブーティカの助力があったとはいえ、彼女は――通常のサーヴァントと比べて脆弱なデミサーヴァントでしかない彼女は、破壊の大王アルテラの宝具を防ぎきった。

 

「はは、すごいな」

 

思わず言葉が漏れる。

 

だが、これ以上ない素直な言葉だ。

 

マシュの傍には藤丸やネロ、ブーティカの姿が見える。

 

全員が彼女の功を称えている。

 

「うん。マシュさん、凄いね。あれだけの攻撃を受けきっちゃうんだから」

 

隣にいるイリヤは若干の興奮で頬が紅潮している。

 

目の前であれだけのことをされればそうなるのも当然だろう。

 

「そうだな。なら、俺たちも出来るってところを見せないとな?」

 

レフを見て淀んでいた心が洗われる。

 

濁り、澱めいていた心が流されていく。

 

これなら分かる。

 

キャスパリーグがビーストにならなかった人の善性。

 

ああ、自分が欲しがった人たちはここに居た。

 

決して人間は悪人だけではないという証拠がここにいたのだ。

 

「マッケンジーさん、アルテラを追いかけます。行きましょう」

 

「ああ」

 

この後の指針は決まったようだ。

 

まあ、どうするかというかどうしないといけないのかというのは決まっている以上、逃れようがない。

 

「なら、露払いはこちらに任せてもらうかな」

 

「うん?」

 

『大型の魔力反応。幻想種、ワイバーンだ!』

 

「お前達は先にアルテラを追え。ワイバーンはこちらで露払いをしてやる。いけるな、イリヤ?」

 

「うん!」

 

この程度のことならば、影響を与えることは無いだろう。

 

怒りによる燃え上がった感情は藤丸たちの頑張りによって闘志と変わった。

 

イリヤの方もマシュの頑張りに闘志が着いたようでやる気の方は十分のようだし。

 

「というわけで、先へ行け!」

 

「あ、ああ!行こう、マシュ!」

 

「は、はい、先輩!」

 

藤丸の声に荊軻に先導されながらアルテラへと突き進んでいく。

 

この分ならすぐに追いつくだろう。

 

「イリヤ、先に言っておく。俺も戦えるから、俺の心配はしなくてもいい」

 

宙に剣や刀、槍など作り出し、ワイバーンへと向けて放つと、寸分の狂い無く貫いた。

 

「だから、藤丸たちが安心して戦えるように大暴れしよう」

 

再び武器を呼び出す。

 

万夫不当の大英雄でもなければ、統制の取れた軍勢でもない。

 

ただの幻想種の群れだ。

 

他愛も無い。

 

「行くぞ!」

 

「うん!」

 

次々と目の前に現れるワイバーンの群れを薙ぎ払うと藤丸たちを追いかける。

 

アルテラを守るためではないのだろうが、その歩みを邪魔すべくワイバーンたちは彼らにも群がる。

 

「撃ち落す!」

 

「貫け」

 

それはさせじと二人で道を切り開く。

 

アルテラがいるところまではそんなに遠くは無い。

 

人理なんて知ったこっちゃないが、頑張る彼らの応援はしてやりたい。

 

あんな綺麗な子達を殺させたくない。

 

イリヤと目が合う。

 

言葉は無いが、何をするつもりなのかは良く分かった。

 

「魔力をまわすぞ。薙ぎ払え」

 

心許なく短いながらもそれでもしっかりと繋がったパスを通して魔力を流す。

 

「これがわたしの全て! 多元重奏飽和砲撃 (クウィンテットフォイア)!」

 

それに合わせて放たれるイリヤの宝具。

 

身体に負担をかけるそれは出来るなら避けたいものだが、彼女がそれをしたいというのであれば止めることは出来ない。

 

そもそもマスターであるならば、その負担を軽減または除去してやるのが仕事だ。

 

魔術礼装によるダメージの回復及び消費した魔力の補填をしつつ、彼女の周りにいるワイバーンの露払いをする。

 

藤丸の方を見る。

 

どうやら、無事にたどり着いたみたいで、戦闘に入っている。

 

なら、俺たちの仕事はそれの邪魔をさせないことだ。

 

新しく作った武器をワイバーンに向けて射出する。

 

点を貫かれたワイバーンはそのまま絶命する。

 

さて、ダヴィンチはこれをどう見るか。

 

カルデアにある俺の元となるジョージ・マッケンジーはただの初代魔術師だ。

 

しかもその魔術回路は初代魔術師の平均以下、というよりもただの素人でしかない藤丸よりかはマシというレベルで、視力や脚力等の強化系の魔術を多少使える程度で、パスも短い。

 

レイシフト適性だけでなんとか引っかかったようなレベルだ。

 

俺が作り出した武器は多少の魔力は帯びているが、ただの武器でしかない以上武器頼りというわけでもない。

 

当然、幻想種相手に戦えるような魔術師ではない。

 

よって、それはジョージ・マッケンジーの身体を乗っ取った俺自身の力となる。

 

そして、その発揮した力は武器の生成と、なまくら装備で幻想種を殺したこと。

 

カルデアのデータベースにあの魔眼のことが書かれているのならば、もしかすると行き当たる可能性もある。

 

自分が貰ったものと非常に類似したものへと。

 

「イリヤ、大丈夫か?」

 

「うん、まだいける」

 

「なら、もう一暴れといこうか」

 

イリヤに保険で魔力を一応回しておく。

 

フルスロットルで戦っている以上、急激に消費をしている。

 

足りなくなってからでは遅いし。

 

ちらりと藤丸の方を見てみれば、だいぶ押している。

 

マスターになってしばらくという割には十二分なマスター振りを藤丸は見せている。

 

サーヴァントの能力はマスターによって変わる。

 

どんなに優秀なサーヴァントであっても、その手綱を握るべきマスターに指揮能力が無ければせっかくの力も生かせない。

 

特に一度に扱うサーヴァントの数が増えればそれはより顕著になる。

 

魔術師としては致命的なほどに魔術の素養は低いが、その代わりにレイシフト適性とマスター適性はかなり高い。

 

仲間が増えれば強くなる、典型的な主人公タイプだろう。

 

俺には絶対真似できないものだ。

 

この特異点の修復も、もう間もなくだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 




次回はボックスイベがあるので、遅れるかと思います。
まあ、文章力が拙い上、好き放題で書いた結果、自業自得な低評価な作品ではありますが、一人でも楽しみにしている方がいらっしゃるかもしれませんので、出来るだけ頑張ります。
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