特等席で見るFGO   作:霧野ミコト

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二十話到達しました。
そして、遅々として進まないお話。
おまけに前半と後半の温度差。
精進します。


第二十話 逮捕?!ぐだぐだランチ

エミヤの消滅と同時に固有結界が消えていく。

 

刀の柄を握る力が強くなる。

 

エミヤはこんな勝手な俺に対して真摯に向き合ってくれた。

 

皮肉気な表情を浮かべながらも、俺に向き合ってくれていた。

 

やっぱりこの力は好きになれない。

 

皆が必死になって、足掻きながら手に入れた力を手に入れる中、俺は与えられた力を振るった。

 

今ならアルジュナの気持ちが分かる気がする。

 

授けられた力で勝つことの辛さがどれほど自分の心を軋ませる事が分かった。

 

それでも再度戦うために膝を突かなかった彼は、真に英霊だろう。

 

俺はダメだ。

 

俺は、心の軋みから逃げるために、力に飲み込まれそうになっている。

 

自分の心の弱さが浮き彫りになる。

 

やはりダメだ。

 

この力を使って本編に関われば最後、俺は全てをぶち壊す。

 

藤丸の頑張りも、マシュの思いも、ロマニの覚悟も全てをぶち壊す。

 

かつて子供の頃に憧れて思い描いていた英雄に堕ちて(・・・)行ってしまう。

 

『マッケンジー君?!』

 

「はい、ただいま」

 

完全に消滅すると、カルデアとのリンクも復帰した。

 

『えっと、長宗我部がいないようだけど』

 

「はい、無事にお引取り願いましたよ。あ、イリヤ、ただいま。そっちも無事に終わったみたいだね」

 

「はぁはぁはぁ……や、やりましたよ、土方さん」

 

膝を突いて肩で息をしている沖田。

 

既に羽織はなくなり、先ほどまでと同じ袴姿に戻っている。

 

「うん。沖田さん、かなり鬼気迫る強さだった。それよりも、マスターさんは大丈夫?」

 

「この通り」

 

腕を広げてアピールする。

 

『うわぁ、本当に単身でサーヴァントを倒したんだ』

 

ロマニの声が疲れに染まる。

 

まあ、そういいたくなるのは分かる。

 

聖杯戦争でも例外があるからおかしくなさそうに見えるけれど、本来ならサーヴァントにはただの魔術師は勝てない。

 

「ただの魔術師と思っておったがなかなかやるのう」

 

「まあ、今回は相性が良かったからね。逆にランサーの相手をしろと言われても無理だし」

 

ゲイ・ボルグであっさり貫かれて終わりだろう。

 

「それより、彼女はどうする?」

 

未だ倒れている沖田を見る。

 

まあ、病弱が発動しながらも、根性で戦っていたのだ、反動はそれなりになるだろう。

 

「あ、なら、これを」

 

イリヤが金林檎を出すと沖田に食べさせようとする。

 

まあ、使うこともないから別に惜しくは無い。

 

「ところで、わしの真名とか興味ない感じ?極東ではすっごい有名なんだけどなー。つらいわー、大人気の英霊でつらいわー。なんかいろいろなトコで引っ張りだこだわー」

 

「あ、そろそろお昼ご飯ですね、マスターさん。お弁当を持ってきましたよ」

 

『なんとイリヤさん特製のお弁当ですよ!界隈では垂涎物のお宝ですからね!』

 

「ちょっとばらさないでよ?!あ、あの、私が作ったと言うか、ブーティカさんが作ってるのを少しだけ手伝っただけで、一から作ったってわけじゃないんです」

 

「いやいや、それでも嬉しいよ」

 

「興味ないっぽいね!」

 

いやだってイリヤの特製お弁当だよ?

 

喜ばないわけがない。

 

というか、あれだけまともに隠そうとせずにいた以上、今更名乗られても何の感動もない。

 

知ってた、で終わる話だ。

 

「まあまあ、とりあえずお昼食べるからちょっと待っててね」

 

「え、わしらにはない?!」

 

「いや、ちゃんとありますよ!ほら、沖田さんも良かったらどうぞ」

 

ランチマットを広げると、なんとか復活した沖田も入れてランチタイムとなる。

 

広げられたお弁当にはサンドイッチを始め、手でつかめる軽食がずらりと並んでいる。

 

「あ、そうだ」

 

お弁当に舌鼓を打っていると、忘れていた事を思い出す。

 

「沖田さんの、吐血ってスキルだよね」

 

「ええ、そうです。あれのせいで何度苦汁を飲んできたことか」

 

ぐぬぬと言わんばかりの態度だが、まあ、彼女の願いを知っている身としては納得もする。

 

今度こそ最後まで戦いたいのに、相変わらずスキルがそれを許してくれないので、歯がゆく思うのも仕方ないだろう。

 

だからこそのプレゼントだ。

 

このイベ限定だけの話しだし、ちょっとぐらいはいいだろう。

 

それに、自分の『眼』がどれだけ見れるのかと言うのも知っておきたい。

 

「ちょっとしたおまじないするね。失礼」

 

ポンと胸元に手を置く。

 

「「「え?」」」

 

三人が固まる。

 

「あ、ごめん。これ普通にセクハラだわ」

 

ぶわっと背中に嫌な汗をかく。

 

と言うか、背中だけじゃなくて体中から発汗し始めた。

 

ついついやってしまったが、ただでさえいきなり女性の身体に障るのはアウトなのに、無意識とはいえ胸元を触るのはアウトどころの話ではない。

 

下手するとその場で逮捕だってある。

 

というか、よく腕を切り落とされなかったものだ。

 

「えっと、別に、何か、その、変な気を起こしてやったわけじゃなくて、はい。ただ、病弱のスキルの発動を妨げるまじないをと思ってですね、はい」

 

実際は、まじないじゃなくて、ここにいる霊基に限ってだがスキルを消したのだが。

 

というか、それ以上にやらかしたことに慌ていて、自分でも分かるぐらいまともに話せていない。

 

「いえ、邪な気持ちは感じませんでしたから別に構いませんが。というか、病弱のスキルの発動を妨げるとは?」

 

「言ったとおりだよ。病弱が発動して吐血しないようにしたんだよ」

 

ただ当の彼女はあまりに気にしていないようで助かった。

 

まあ、そういったところに疎いところがあるみたいだし、一々意識していないのかもしれない。

 

「え、ということは病弱が直ったってことですか?!やったー!!」

 

「でも、この霊基のときだけだよ?一旦座に帰ったら関係ないし」

 

さすがにそこまでやるのははばかれる。

 

というか、そんな勝手な事をやって、後でどうなるか分からない以上、責任の取れないことはするつもりはない。

 

「え、じゃあ、結局直ってないじゃないですか、うわーん」

 

大喜びしてたと思ったら、今度は大泣きし始めた。

 

魔人アーチャーとイリヤからはじと目で見られる。

 

『沖田さん、可哀想ですね。胸を触られた挙句、心まで弄ばれるなんて』

 

「ちょ、ルビー言い方?!」

 

言っていることは決して間違ってはないが、言い方に問題がある。

 

そこだけ切り取ると相当最低なヤツになる。

 

いや、最低なやつなのは分かってるけど。

 

というか、ルビーのヤツ、さっきの鬱憤をここで晴らすつもりだな。

 

「いえ、すみません。そうですよね、英霊としてのスキルがそう簡単に無くせるわけがないですし」

 

「そうだね。聖杯ですら無理みたいだし」

 

英霊としてのスキルだし、沖田総司が沖田総司として顕現する限り消えないはずだ。

 

「これはひどいのう」

 

『完全にとどめですね』

 

「あっ」

 

ばたりと倒れる。

 

しかし、それを彼女自身は知らなかった。

 

ただ、願いの叶う願望器としてしか知らなかったみたいだ。

 

「マスターさん?」

 

「沖田さん、本当にごめん!」

 

俺は必死に謝り倒した。

 

 

 




新イベントの告知が来ましたね。
おそらく新サーヴァントも追加されるのかな?
村正や八華のランサー実装の噂もありますが、どうですかね。
まあ、うちはメルトで財布を焼き尽くされたのでのんびりとやる予定です。
月姫コラボかプギルが来たら頑張ります。
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