暗めのお話はここまでで、ここからはまったりとなる予定です。
第一特異点邪竜百年戦争オルレアンは無事に終わった。
藤丸の心に大きな傷を残しながらも無事に一つ目の特異点を修正した。
そして束の間の休息を彼が取っている中、第二特異点が発見された。
永続狂気帝国セプテム。
赤王ことネロ・グラウディウスが収めるローマが舞台の特異点だ。
彼には休息を取って貰った後にすぐにまたレイシフトしてもらうことになっている。
人理のため、生き残るためとは言ってもかなりブラックな状態だ。
まあ、他の職員達もローテーションで休んではいるがほとんど寝るための休養みたいなものでまともに休めていないのが現状だ。
それこそ、第一特異点が修正されるまで呑気にしていたのは俺ぐらいだろう。
「で、ダメですかね?特異点に同行するのは」
「いや、ダメではないけどいったいどういう風の吹き回しだい?」
予定通り第二特異点からは同行する旨を伝えたのだが、何かを探るような目で聞き返されてしまった。
まあ、手伝わないと言ったのに同行するといいだしたのだから、疑問に思うのも仕方ないだろう。
「理由は単純。ちゃんと予定通りに未来が進んでいるのかを確認するためだよ。まあ、何かするわけでもなく一人でカルデアで待ってるだけって言うのも暇というのもあるけど」
もちろん、ずっと部屋に篭っていたわけじゃない。
シミュレーターを使って、自分の状態を確認は怠らなかった。
動きは妖術師をしていた頃よりも下。
まあ、本来の自分の身体じゃない以上仕方の無いことだが、思った以上に動かなかった。
いっそのこと姿を死ぬ前の物に戻すことも考えたほうがいいのかもしれない。
ただし、もらった力については十二分に使用できた。
不意打ちで殺されない限りは大丈夫だろう。
一応不意打ちのための保険はかけているが、それに頼らないといけなくなるほどの厳しい戦いになるのはしばらく先だろう。
「手伝わないと言わなかったかい?」
「ええ、より良い未来にするためには手伝いませんよ。ただし、おかしな方向に行かれると俺としても困るので修正はするつもりです。もちろん、貴方達が邪魔だと思ったら退去させられる、という前提条件がつきますけどね」
こちらとしてはよほどおかしなことにならない限り邪魔をするつもりはない。
ただ、それをそのまま言ってしまうと、それは無事にグランドオーダーが為されることを暗に言っているような形となってしまう。
それではぼかした意味はない。
だから、決定権を彼らにゆだねる形でレイシフトさせてもらうことにした。
万能の天才であるダヴィンチなら、僕の考えをある程度予測しているだろうが、予測したならなおのこと余計なことは言わないだろう。
危機感を煽っているわけだし。
「どうする、ロマニ。今の所長は君だ」
「うーん、どうすると言っても」
困ったように頭をかく。
「ちなみに私はいかせてやっても構わないと思っている。いろいろ明かした上でのことだし、レイシフトの決定権はこちらに譲るといってるわけだからな」
「まあ、確かに藤丸君とマシュだけじゃ対処しきれないこともあるだろうし、彼が行ってくれると助かるのは分かるんだけどさ」
それ以上は続けなかったが、言わんとしている事は分かる。
信用できないのだろう。
まあ、人理のことなど知ったこっちゃない。
自分が安らかに死ねればそれでいいと言うような奴のことを信用できるわけがない。
「いや、未来が大きく変わりそうにない限り助けるつもりはないよ」
「あ、そういえばそういうことだったね。うーん」
そして、俺の言葉に再び頭を悩ませる。
余計な心労をかけてしまっているが、適当なことを行って期待を持たせるわけにはいかない。
「分かった。君の同行を許可するよ。正直、何もさせずに君をルームに閉じ込めさせているわけにもいかないし」
「無理なレイシフトによる体調不良としてあるが、いつまでもというわけにもいかないからな。それに君、この前シミュレーターを使っていたし、ちょうどいいだろうよ」
どうやら許可を出してくれるらしい。
これなら通常の手続きでフォローが出来そうだ。
「ただし、一人サーヴァントを連れて行くこと。これがこちらからの条件だ」
「あー、それね」
カルデアに来てしばらくして言われたことだ。
とりあえず、マスターとして手伝わないとしてもサーヴァントぐらいは召喚しろといわれた。
所詮は座に登録されている英霊の一部分の移し身という使い捨てのもののようなものだが、それでも使い魔のようなものであり、感情もある。
相棒のこともあり、正直乗り気じゃない。
ある程度は踏ん切りはついている。
完全に終わったことにはなっていないが、それでも整理自体はついている事柄だ。
だが、それでも進んで契約したいとは思わなかった。
まあ、人理修復を手伝うつもりがない以上、自分の身を守る程度の戦闘しかしないつもりだ。
当然サーヴァントも戦闘する機会なんてほとんどない。
そんなところに呼ぶのが申し訳なく思えるのでどうしても呼ぼうという気持ちにはなれなかったというのもある。
「了解。それが条件なら従うよ」
「随分とあっさりと頷くんだね」
「極力避けたい程度のことで無理なことじゃないからね。同行させてくれるなら我慢はするさ」
とはいえ、レイシフトするためにそれが必要なら頷くしかない。
最低限の操縦が出来るようなサーヴァントであることを願うだけだ。
「なら早速だが守護英霊召喚システム・フェイトでサーヴァントを呼び出してもらおう」
そういったダヴィンチがそっと俺に金色のカードを渡した。
呼符だ。
準備がいい当たり、ある程度こうなることを予想していたのかもしれない。
「案内を頼むよ」
「任せて起きたまえ。じゃあ、私についてきてくれたまえ」
召喚をやったことがないため、どこにあるのかも分からない。
部屋から出て行くと、ダヴィンチに案内されるがままについていく。
それにしても、手渡されたのは呼符1枚。
ゲーム上でこれをもらっても正直そこまで期待できるものじゃない。
というか、大抵はメロンゼリーになる。
いわゆるスマン呼符なんて言う経験はほとんどない。
とはいえ、それはゲームの話。
とりあえず強力なサーヴァントが引けるかどうかは別問題にして、概念礼装が出てくるってことはないだろう。
辛いものもそこそこ好きだけど、激辛麻婆豆腐は結構です。
「さて、ここだ。方法は分かるかい?」
「大丈夫だよ」
冬木式の詠唱法をやれといわれれば、一々覚えてないから無理だが、こっちは大丈夫だ。
魔力を通してやって、呼符を投げ入れればいいだけの話だ。
「さて、さくっと召喚しますかね」
召喚サークルに魔力を通す。
途端に召喚サークルは光り輝き起動した。
「変なのが来ませんように」
願いを呼符に込めると召喚サークルに投げ入れる。
すると金色に光り輝いた呼符は一瞬で消えて行き虹色の輝きを部屋に満たす。
召喚での虹演出なんて久しぶりにみた。
というか、虹演出ということはゲームで言うところの☆5サーヴァントが出るということなのだろうか。
ガチャの方のレア度と現実の強さが比例するとは限らない。
実際、ケルトの大英雄であるクーフーリンが☆3であり、アーチャーの語源とも言われる大英雄アーラシュなんて☆1だ。
だから、必ずしも強さと合致するわけではない。
召喚サークルからの光が少しずつ弱まり始める。
まだ人影しか見えないが、姿は小さい。
子供だろうか?
もし、そうならサーヴァントとしては外れだろう。
まあ、戦闘するつもりはないから別に困りはしないが。
「「え?」」
呑気にそんなことを考えていたが、隣に居たダヴィンチと声が重なった。
「えっと、イリヤって言います。小学五年生です。一応……魔法少女、やってます、はい。うぅ、わたしなんかが役に立つのかわからないけど、でも精一杯、頑張ります!」
『ルビーちゃんもいますよ、面白可愛くやっていきましょう、グランドマスター!』
そして聞かされる召喚ボイス。
光が完全に消えた後、そこにいたのは小学五年生の女の子、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン。
というか、この子、呼べるのか。
召喚するサーヴァントは誰にするのか。
いろいろ考えた結果、自分が闇鍋福袋で引いたサーヴァントにしました。
というか、闇鍋福袋で引いたとき一応この発想が出てきたのは出てきた。
あと、前書きにも書いたとおり冒頭話はこれでお終いです。
次からはのんびりとした主人公の話を書いていきます。
そして、更新ものんびりと行きます。
でも忘れないでやってください。
後、主人公のスペックを書こうかと思いましたが、ボリュームがまだ足りないとのことなので、今回はあとがきに追記しました。
ボリュームが増えれば、マテリアルとして載せるようにします。
☆転生前☆
氏名:???
出身地:日本
年齢:??歳
職業:会社員(元妖術師)
★転生後★
氏名:ジョージ・マッケンジー
出身地:スイス
年齢:26歳
魔術回路:初代魔術師の平均以下
魔術適正:藤丸よりかはある
使用魔術:なし
レイシフト適性:90%弱
能力:世界の真理(武器の生成・急所?が見える)
サーヴァント:イリヤスフィール・フォン・アインツベルン(プリヤ)