仮面ライダーW&ドライブ Eの復活/ライダー捜査線   作:ラズベアー

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第14話

「うぉりゃあ!!」

俺は部屋の扉を突き破った。

部屋に入るなり、目に映る光景は何とも形容しがたいことになっていた。

「フィリップ!!」

鎖に繋がれ、ぐったりしている相棒の姿を見て俺は叫ぶように言った。

「っ!?岡村敬介!!」

泊は忍野の隣にいる男に向かって言った。

「おや?この場所はバレないはずだったんじゃないのか?」

白ずくめの男が驚くように言った。

「その格好、財団Xの人間だな!探偵の力なめんじゃねぇぞ!!」

俺は財団の男に向かって言った。

「…まぁいい。準備は整った!君達にもお見せしよう…。」

 

 

「大道克己の復活を!!」

 

 

エターナル!

 

「桃瀬…、やめ、ろ…。」

フィリップが弱々しく言ったが、男はEメモリを起動し、ロイミュードへ投げつけた。

メモリはそのままロイミュードに飲み込まれていくと、室内にも関わらず、物凄い風が吹き込みロイミュードを覆っていった。

俺達は身体を庇うように構えた。

 

「オオオオオオオオオ!!!!!」

ロイミュードも雄叫びを上げた。

 

そして風が収まると、その中からロイミュードに変わって見覚えのある人物が現れた。

全身を赤いラインの入った黒いコンバットスーツに包まれた男が。

「大道…克己っ!!」

俺は絶句した。

忘れもしない。

一度はWを打ち負かし、街を混乱に陥れた男の顔を。俺の瞳には、その男が映っていた。

「あいつが、風都を恐怖の世界へ変えようとした、最凶最悪のテロリスト。大道克己!」

泊も愕然としていた。

「ふふ、ふふふ、ふはーっはははは!!成功だぁ!!」

桃瀬が高笑いをしていた。

岡村も忍野も笑みを溢していた。

「さぁ!大道克己よ!!エターナルとなり、奴らを始末しろ!!」

桃瀬が大道に向かって言った。

しかし、大道が手にしていたものは、依然、マッハドライバーだった。

それを腰に装着した。そして、シグナルバイクをドライバーに装填した。

 

シグナルバイク・ライダー!

 

「変身。」

大道は呟くように言った。まるで生気がないかのようだった。

 

エターナル!

 

マッハドライバーを中心に大道の身体を装甲が包み込んでいった。

そして、仮面ライダーエターナルの姿へ変わった。

「仮面ライダーエターナル!」

泊が言ったが、

「いや…!」

俺は否定した。

その体は確かに俺の知るエターナルと同じ白い体色をしていた。また、黒いエターナルの時と異なりメモリスロットを備えるベストとエターナルローブも身に付けていた。

だが、腕と脚のタイヤのような装飾は残されたままだった。また、腕の炎のエンブレムは暗い紫色であり、単眼も赤いままだった。

まだ完全に復活したようでは無かった。

「はっ、どうやら失敗したようだな!」

俺は桃瀬に向かって言った。

「失敗?確かに、まだオリジナルとの差違はあるが気にするところではない。彼は正真正銘の大道克己であり、仮面ライダーエターナルだ!」

「さぁ、やれ!」

桃瀬が言った。

「さぁ…地獄を楽しみな…。」

エターナルが言うと俺達に向かって飛び込んできた。

俺と泊はそれぞれかわした。

「フィリップ、大丈夫か!?」

俺はぐったりしているフィリップの身体を支えながら言った。

「…体力の消耗がひどい。けど…、半分くらいなら力は貸せるよ、相棒…。」

フィリップは弱々しくも、それでも闘志の消えていない眼差しで答えた。

「任せてください、フィリップさんが貸せない半分は、俺がカバーする!」

泊が力強く言った。

「…ファング!」

フィリップが呼ぶと、影に潜んでいたファングメモリが現れ、その牙でフィリップを吊るしている鎖を噛みきった。

「やらせるか!」

岡村が構えたが、

「待て。エターナルの準備運動だ。我々は見ているだけでいい。」

桃瀬が制した。

「行くぜぇ、相棒!泊!」

「ああ、翔太郎!」

「はい!」

 

サイクロン!

 

ジョーカー!

 

「「「変身!!!」」」

 

サイクロン!ジョーカー!!

 

ドラーイブ!

ターイプ・スピード!!

 

俺達の身体をそれぞれの装甲が包み込んでいった。

『「さぁ、お前の罪を数えろ!!」』

俺とドライブで、エターナルに立ち向かった。

俺が拳を上げればドライブが蹴りを、ドライブが拳をつき出せば俺が回し蹴りを、タイミングをずらして攻撃をした。

しかし、どれもエターナルに届かず、全てを受け流されてしまった。

諦めずに攻撃をするが、エターナルはそれぞれの攻撃にカウンターをしていった。

「うわっ!」

「つ、強い!」

『翔太郎…あの動き、偽者なんかじゃない!』

『しかし、違和感を感じる。一体なんだというのか!』

各々がエターナルに対し戦慄していた。

死体再生によって生み出された強化人間計画ネクロオーヴァー、通称ネヴァー。

大道克己はその一号として生まれ変わった。

人為的ではあるものの死を克服したことで半不死身となった彼は傭兵として戦場を駆け抜けていった。数々の死線をくぐり抜けてきただけあり、その戦闘技術は高い。そして、死を恐れぬことで消える隙や迷い。それがやつの最大の武器だ。

エターナルは俺達の攻撃を許さないかのように隙を与えぬ攻撃を続けた。

俺達は一度距離を取った。

『やつの動きを止める。メモリチェンジだ!』

フィリップの合図で俺達は別のメモリを取り出した。それぞれ起動させベルトに装填した。

 

ルナ!メタル!!

 

俺達の身体を金と銀の装甲が包み込んだ。

 

ドラーイブ!

ターイプ・ワーイルド!!

 

ドライブも黒と銀の装甲の姿に変わった。

 

「ドライブ!俺達がやつの動きを止める。その隙に一撃お見舞いしてやれ!」

「わかった!!」

俺は背中に装着されたメタルシャフトを構えた。ルナボディの恩恵を受けたメタルシャフトは鞭のようなしなりを見せた。俺がそれをエターナルに降ると、シャフトはエターナルを捕らえ身体に巻き付いた。

「今だ!」

俺はドライブに向かって叫んだ!

「行くぞ!!」

ドライブは手に剣を持ち、シフトカーを装填すると、高速移動でエターナルに詰め寄った。

しかし、エターナルは拘束されているにも関わらず、その場で大きく跳躍し、ドライブの斬撃をかわした。

「何!?」

「うわっ!」

それどころか空中で身体を大きく捻った。予期せぬ動きによって、俺はメタルシャフトを保持出来なくなり、手放してしまった。

 

ヒッサーツ・フルスロットル!

 

自由になったエターナルは空中に飛んだ勢いを載せ、俺達めがけて飛び蹴りをした。とっさにガードの構えをしたが敵わず直撃した。

「うわああああ!!!!」

俺達の変身は解かれ、エターナルの前に地に伏せてしまった。

「く、そ…!」

「ぐっ…。」

パチパチパチ…。

俺達の頭の上から拍手が聞こえた。

「素晴らしい…!計画成功だ!!」

桃瀬が高らかに笑いながら言った。

「…桃瀬。遊んでる時間はない。上手くいったなら、こいつらを始末して先生の所へ行こう。」

岡村が痺れを切らして言った。

「まぁ、いいだろう。エターナル復活の初戦も無事に終えた。後は君たちの好きにするといい。」

桃瀬の言葉を合図に、岡村と忍野が前に出た。

 

アサシン!

 

忍野が先に変身した。

 

リキッド!

 

岡村も、L(リキッド:"液体"の記憶を擁する)メモリを出し、自身の右腕に当てた。

そして、群青色をしたリキッド・ドーパントへ姿を変えた。

まずい…。

エターナルとの戦いで俺達は上手く身体を動かせない。

ここで、こいつらに始末されるのか。

絶望しかけていたその時だった。

 

バアアアアアン!!!!

 

天井を突き破り、大きな青い球体のようなものが俺達とドーパントの間に飛んできた。

「何だ!?」

アサシンが突然のことに驚いていた。

青い球体が消え、中からしゃがんでいる人影が見えた。

「あ、あれは…!?」

それは立ち上がった。

全身を黒いスーツが多い、胸から右肩にかけて青い装甲を身につけていた。

頭部はまるで流れ星のように、左上に伸びる角と同化した青い仮面を着けていた。

そして、やはり腰にベルトが巻かれていた。

「仮面、ライダー?」

泊もその姿を見て呟いた。

「仮面ライダーメテオ。お前達の運命は俺が決める!」

メテオと名乗る仮面ライダーが言った。

「…と言いたい所だが、今回の任務は人質の救出。お前がそうだな?」

メテオはフィリップを見て言った。

「何者だ?」

俺はメテオに言った。

「話は後だ。ここを出るぞ!」

「逃がすか!」

リキッドが言ったが、

「いいや、ここは退散だ。今の衝撃でここはもう持たない。」

桃瀬が言った。

たしかに、先の戦いやメテオの登場で壁の至るところにヒビが入っていた。また、ここは地下であるため、天井からも土がこぼれていた。

「ちっ…。行くぞ!」

リキッドは舌打ちをして言うと、桃瀬達はその場を後にした。

俺達も急いでここを後にした。

 

 

「フィリップ君、無事だったか!」

俺達が風都市民ホールへたどり着くと、一条、照井、氷川が迎えた。

「あぁ。だが、最悪なことが起きた。」

俺は一条に言った。

「最悪なこと?」

氷川が尋ねた。

「まさか…。」

照井は勘付いていた。

「えぇ。仮面ライダーエターナル。大道克己が甦りました。」

泊が答えた。それを聞いた警官達は騒然としていた。

「出来ることなら、大道を復活させる前に、彼らを救出したかったが…。」

メテオから変身を解いた青年が言った。

「いえ、あなたのお陰で彼らが助かったのです。私からお礼を言わせてください。インターポール捜査官朔田流星さん。」

一条が朔田と呼ぶ青年に礼を述べた。

「インターポール…って、ICPOの!?」

泊が驚きながら言った。

「加賀美総監からの命により、日本へ臨時で出向したんです。最も、ネオシェードはICPOでもその存在を懸念していましたから、いずれは日本へ行くつもりでしたが。」

朔田が答えた。

加賀美総監の言っていた、警視庁の管轄外の助っ人。なるほど、そういうことだったのか。

「あんたのお陰で助かったぜ。俺は…。」

「左翔太郎。それとフィリップ。仮面ライダーWですね。」

俺が言い切る前に朔田が言った。

「知ってるのか?」

「如月、フォーゼから話は聞いていましたから。」

朔田が言った。

「私は…。」

「泊進ノ介刑事。仮面ライダードライブ。」

またしても朔田は言い当てた。

「一度ネオシェードを壊滅させた刑事。その噂はICPOにも届いていますよ。」

「そ、そうなんですね。何でも分かるなんて…。」

泊が照れくさそうに言った。

「一条刑事。本日から私もこの捜査に参加させて頂きます!」

「もちろん!よろしく頼みます!」

一条は朔田と握手を交わした。

「これは心強いですね!」

氷川も言った。

「…しかし、ネヴァーの大道が復活した以上、事態は余談を許さない状況になっています。」

照井が言った。

「それに、岡村も脱獄し徳川清山の奪還を狙っています!」

泊が言った。

「徳川清山…?たしか元陸自の将校だよな?」

「ですが、彼は行方不明のはず…。」

近くで聞いていた杉田と桜井が不信がっていた。

「いや…、やつは超一級戦犯として地下刑務所に留置されている。」

朔田が言った。

「どういうことだ!?」

「徳川清山。ネオシェードの前身組織シェードの指導者だ。」

俺は一条達に、徳川清山とシェードについて説明した。

「そんな事がありながら、隠蔽するなど…。」

照井は憤慨していた。

「そして、今回の事件の裏で、やはり財団Xも絡んでいました。」

フィリップが言った。

「いよいよヤバくなってきたんじゃねぇの?」

剛が言った。

「最早、一刻の猶予もありません。一条刑事、組織を再編しネオシェードの撲滅を!」

朔田が言った。

「…わかった。班を再編する!ネオシェード捜査班と攻撃班に二分、捜査班は私一条班と氷川班に、警視庁と風都署の警官で編成!」

「攻撃班は照井警視を筆頭に、ライダーチームとしてネオシェードへの攻撃を!」

「なお、G5ユニットは捜査班の援護のためこちらへ編入、朔田捜査官はライダーチームへお願いします!」

尾室と朔田は黙って頷いた。

「各員、尽力しネオシェードの拠点制圧ならびに構成員の検挙を最終目標とします!!」

一条が話終えた後、それぞれで行動を開始した。




ついに大道克己が復活してしまいました。
しかし、どこか様子が違います。ここで登場した仮面ライダーエターナルについての設定は以下の通りです。

<仮面ライダーエターナル・ダークフレア>
ロイミュードボディを通して復活した大道克己が変身したエターナル。
白い装甲となり、ほぼオリジナルに近い姿になった。ダークエターナルにはなかったメモリスロット付きのベストやエターナルローブも備えている。
しかし、ダークエターナル同様、手足の炎の色が暗い紫色で、単眼も赤いままである。
また、依然としてマッハドライバー炎とシグナルエターナルを用いており、手足にタイヤの装飾が施されている。
そのため、仮面ライダーエターナルの派生フォームの様だが、ダークエターナルの派生フォームの位置付けとなる。
戦闘力はオリジナルと同等であるため、見た目を除けばエターナルそのものである。ただし、必殺技がマキシマムドライブではなく、フルスロットルであるため、ガイアメモリの機能を停止させる力はない。

次に岡村敬介が変身するリキッド・ドーパントについての設定は以下の通りです。

<リキッド・ドーパント>
本作オリジナルのドーパント。
"液体"の記憶を擁するL(リキッド)メモリを用いて変身した群青色をした姿。
自身の身体を液状化することができ、使い方次第では全ての物理攻撃を無効にすることができる。また、手から光弾を放ったり、サーベルを生成して攻撃したりすることができる。岡村の身体能力も合わさり非常にアグレッシブな戦法を取る。
弱点は電撃。また、液体であるため火の耐性が高いが、水分を蒸発させる程の熱量には耐えられない。さらに凍るとが全ての物理攻撃が効く。

とある戦士モチーフですが、ご想像にお任せします。

彼らのピンチに仮面ライダーメテオこと朔田流星も登場しました。
これから物語はどう展開するのか。
次回をお楽しみに!

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