もしもモモンガ様の直感が高まったらというifのお話です。
アニメ一期分のストーリーを1話で駆け抜けていきます。

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真面目な話を書こうとして悩んだ時に思いついた一発ネタです。ギャグとノリと勢いで一瞬で話が進みますのでご了承ください。


直感が高いとこうなる

 ナザリック地下大墳墓の玉座の間でユグドラシル最後の時を待つモモンガ。暇つぶしにアルベドの設定を閲覧していると守護者統括にふさわしくない一文を見つけてしまい、作った人物を思い返してため息をつく。

 

 

「タブラさんはギャップ萌えだったからなぁ…… いや、それでもこれはちょっと――」

 

 

 どうせ今日が最終日だからと、アルベドの設定を変更するためにコンソールに触れた瞬間――

 

 ――モモンガに電流が走る!!

 

 長年ゲーム生活により摂取し続けたナノマシン、度重なる過労、スピリチュアルな超常現象、鈴木悟の持つ才能、ほんのちょっとした運命の悪戯…… 理由は分からないが、モモンガは凄まじい直感力を得た。

 

 

「っ!! これをしたらこの先ずっと悩み続ける気がする…… うん、仲間との思い出だしそのままにしとこう」

 

 

 ――アルベド、ビッチ続行。

 

 

「後は玉座に座って…… いや、アイツの設定だけ少しだけ変えてこよう」

 

 

 終了時刻が迫っているため大急ぎで宝物殿に行き、自ら作ったNPCの設定欄の最後に『実は普通の仕草も出来る』と、一文だけ付け加えて戻ってきた。

 

 

「サービス終了のカウントダウンか…… いや、俺には分かる!! これは終わりじゃない、始まりだ!!」

 

「――モモンガ様…… 如何なさいましたか?」

 

 

 サービス終了時刻を過ぎた途端にアルベドが喋り出した。

 もしかして今の独り言聞いてたんじゃ無いだろうかと、恥ずかしさがこみ上げてくるが言ってしまったものは仕方ない。

 

 予想外の展開だが、モモンガは直感によりこれがリアルの出来事であると確信している。

 

 

「いや、何でも無いぞアルベド。今まで通り変わらず自らの職務を全うしてくれ」

 

「はっ、畏まりました。モモンガ様」

 

 

 そのまま何事も無かったように振る舞い、拠点の維持費を稼いでいた時と同じようにギルドを出た。

 極限まで直感力の高まったモモンガは途中で誰かとすれ違うようなヘマはしない。

 

 

「凄い。なんて綺麗な空なんだ……」

 

 

 ギルドを出て目に入ったのは満天の星空。

 リアルでは見ることの出来ない景色に感動し、思わず〈飛行(フライ)〉を使って飛び回る。

 お供がいないため誰にも誤解を与えず、モモンガはアンデッドの精神抑制が発動しなくなるまで夜空を堪能していた。

 

 夜空を見終わってもモモンガの好奇心は止まらない。ただ気の向くままに飛び続けていく……

 

 ちなみにナザリックにいる僕達は、ここがユグドラシルとは違う世界である事に誰も気がついていない。

 

 ギルド『アインズ・ウール・ゴウン』は平和な異世界転移を終えた。

 

 

 

 

 

 

「今の内にお前達を倒せと俺の勘が告げている!!」

 

「なんだこのアンデッドは!?」

 

「お、お金、お金あげまじゅ――グワァー!!」

 

 

 ――ベリュース死亡。

 

 

 この世界最初の被害者は王国戦士長ガゼフ・ストロノーフを暗殺するため、村々を襲って彼を誘い出そうとしていたスレイン法国の集団。

 偶々辺りを飛び続けていたモモンガに見つかってしまった彼らは、骨の勘という曖昧な理由により一つ目の村を襲う前にやられてしまった……

 

 

「うーん、人を襲っても何も感じない…… まぁいいか、何処かの姉妹を救えた気がするし。よし、次だ次」

 

 

 直感で突き進むモモンガの冒険はまだまだ終わらない。

 

 

 

 

「さぁ、命の奪い合いを――」

 

「お前の名はハムスケだ!!〈絶望のオーラⅠ〉」

 

「降参でござる」

 

 

 ――森の賢王ペット化完了。

 

 

 のちに必要になるのかは分からないが、自らの直感がヤレと囁いたためワザワザ森に来てやってみだけだ。

 

 

 

 

 エ・ランテルの共同墓地。

 そこには長年の夢がようやく叶うと、喜びを隠せない様子の男が一人……

 

 

「くっはっはっ、もうすぐ、もうすぐだ…… ワシが五年の歳月をかけて準備した計画…… この死の宝珠を使いエ・ランテルを死の都に変える。死の凱旋により巻き起こる負のエネルギー、そしてワシはアンデッドに転生する……」

 

「説明はフラグだぞ!!」

 

「なっ!? 死者の大魔法使い(エルダーリッチ)だと!! 一体なぜここに――グハァッ!?」

 

 

 ――カジット死亡。

 

 

「やるね〜、カジっちゃんも弱くは無いのに瞬殺だなんて。まぁ、アンデッドだろうとしょせん魔法詠唱者(マジックキャスター)なんてスッといって――」

 

「――サバ折り!!」

 

「ぐべぇ!?」

 

 

 ――クレマンティーヌ死亡。

 

 

 直感によりこれから起こる事件を予測し、犯人の居場所まで特定。

 一夜にしてズーラノーン幹部を二人瞬殺し、起こるはずだった悲劇は事前に防がれる。

 

 こうしてエ・ランテルの平和は密かに守られたのだった。

 

 

「やはり何事もシンプルが一番だな。さて、今日は一旦帰るか」

 

 

 ちなみに10日程拠点で休憩したモモンガは、再び直感に導かれて出撃する……

 

 

 

 

 トブの大森林を歩く奇妙な集団。

 全員がユグドラシルの装備を付けており、この世界では異端とも取れる見た目をしている。

 

 

「破滅の竜王が復活するという予言…… もしもの時はカイレ様、お願いしま――」

 

「その服貰ったぁぁぁ!!〈嘆きの妖精の絶叫(クライ・オブ・ザ・バンシー)〉!!」

 

 

 ――漆黒聖典、隊長以外死亡。

 

 

 突然現れたアンデッドが放った魔法により辺りに耳をつんざくような絶叫が響き渡る。その声を聴いた隊長以外のメンバーは全員が即死した。

 

 

「なっ!? いったい何がどうなっている!?」

 

「Don't Think. Feel!!〈魔法三重化(トリプレッド)魔法最強化(マキシマイズマジック)現断(リアリティ・スラッシュ)〉!!」

 

 

 ――モモンガの見事な辻魔法により漆黒聖典は全滅した。

 

 

「ふぅ、即死対策してるやつもいたんだな。直感が足りなかったか…… まぁいいや、世界級(ワールド)アイテムゲットだ!!」

 

 

 シャルティアの洗脳なんてなかった、というよりNPC達はまだ異世界だと気付いていないままだ……

 

 

「情報も大切だが、直感に勝る武器はないな」

 

 

 こうしてモモンガはこの世界を最速でクリアしていくのだった。

 

 

 

 




やはりモモンガ様は何かで縛らないとストーリーが続きにくいですね。
一発ネタでしたが、読んで頂きありがとうございました。


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