【アンコもどき小説】やる夫と叢雲とステンノは世界を渡りながら世界の危機を回避するようです 作:北部九州在住
東京ジオフロント。
かつては地下都市ヨミハラと名乗っていたこの街は一人のカレー好きシスターによってその勢力が駆逐され、特区扱いで政府管理下にある。
とはいっても、実際の運営は東京ジオフロント連絡会なるものが担い、政府はそこから甘い汁を吸うだけに留めているのだが。
そんな東京ジオフロント連絡会の議長を務めるのは、ダーニック・プレストーン・ユグドミレニア。
今、俺の前に居る人物である。
「ようこそ。入即出統括審議官殿。
歓迎はしたくないが、敬意は表させてもらうよ」
「それはどうも。
では、今回の訪問の目的は察しているのでは?」
聖杯戦争参加意欲 100で参加
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「統括審議官。
私は、あの学園都市の聖杯戦争に絡むつもりはないよ」
「おや?
かつての聖杯戦争の参加者だった貴方が参加しないとは」
「それを言ったら、前回の聖杯戦争の勝者である貴方が出ないのはどうしてかと返してみましょうか」
「はは。
一本取られましたな」
出ない理由
1 聖杯が信用できない
2 他勢力が絡みすぎている
3 すでに一族の人間を出した
4 他勢力の支援をしている
5 魔術協会への復讐優先
6 どないしよ
3 すでに一族の人間を出した。
「まぁ、こちらにまで来られた上に、聖杯戦争に参加していないという貴方のスタンスに敬意を表して、一族の者を出したとだけ伝えておきましょうか」
まぁ、さすがに一族の人間を出してはいたか。
この時期で、聖杯戦争に絡めるとするならば、ゴルド・ムジーク・ユグドミレニアか、セレニケ・アイスコル・ユグドミレニアのどちらかだろうが。
1 ゴルド・ムジーク・ユグドミレニア
2 セレニケ・アイスコル・ユグドミレニア
1 ゴルド・ムジーク・ユグドミレニア
「ゴルド・ムジーク・ユグドミレニアの方だよ。
一応、この東京ジオフロントの下層に工房を用意して、そこを拠点として動くつもりだ」
「……また随分情報を晒しますね?」
いわれる前に答えるダーニックに俺は怪訝な顔をする。
ただより高いものはないからだ。
案の定、ダーニックは等価交換とばかりにこう告げてきたのである。
「もちろん、ただではない。
代金として、彼が呼び出すサーヴァントのアドバイスをお願いしたいのだ」
なるほど。
怪しい聖杯に保身はするが、勝つ努力は惜しまないという所か。
代金とばかりに確認してきたサーヴァントの情報を知ったダーニックが渋い顔をする。
「アキレウスにアルジュナか。
また大物がでてきたな」
「フランケンシュタインも侮れない。
キャスターリンボ。
こいつの後ろがわからないが多分ろくでもない輩なのは間違いがない。
キャスターのアマデウスは陣地に篭られる前に潰すことをお勧めしますよ」
ここで重要なのは、いまだセイバーとアサシンが空いているという点。
俺が参戦を決意したら、モードレッドとステンノを送り込めるというのを各勢力は警戒していた。
それを知っているので、ダーニックにさらりと振ってみる。
「何なら、参戦しない事をセルフギアススクロールにしたためましょうか?」
「まさか。
時計塔の老害どもはともかく、あれには作ろうと思えばいくらでも逃げ道がある。
ましてや、この国の政府高官となった貴方相手にそれを求めるデメリットを私が考慮しないとでも?」
現在の俺の立ち位置は、『ソウルハッカーズ』の西次官に近い。
その気になれば、この東京ジオフロントを支配下における権限と戦力を有しているのだ。
少なくとも同じ政府組織内の人間として、ダーニックと俺は政治的妥協が結べる関係だった。
それをわざわざセルフギアススクロールなんてもので信頼と妥協を破壊する必要もない。
「いいでしょう。
何かあったら学園都市の外務省研修施設に逃げ込んでください。
安全に外に出しますよ」
「……米国の邪魔が入らない限りですな」
詰まる所、この巨大すぎる最大勢力がいる為に俺たちは妥協ができる。
それを俺もダーニックもとてもよく理解していた。
ゴルド・ムジーク・ユグドミレニアの鯖
1 セイバー
2 ランサー
3 アサシン
1 セイバー
星2
召喚事故発生
1 ホワイトライダー
2 ブラックライダー
3 レッドライダー
1 ホワイトライダー
ゴルド・ムジーク・ユグドミレニアの末路
1 生存
2 同上
3 同上 ジオフロントに被害
4 同上 ジオフロントに壊滅的被害
5 死亡
6 同上 ジオフロントに被害
7 同上 ジオフロントに壊滅的被害
8 ゴルドだけでなくダーニックも死亡
9 同上 ジオフロントに壊滅的被害
10 熱烈歓迎
1 生存
その日の夜。
切羽詰まったゴルド・ムジーク・ユグドミレニアにたたき起こされた俺は、彼の召喚失敗事故とそれに伴う呼んでしまった何かの映像を見せられることになる。
ホワイトライダー召喚。
終末の四騎士のうち二騎がそろってしまっていた。
「被害は?」
「私は無事で、工房は滅茶苦茶だがとりあえず奴はどこかに去った。
ユクドミレニア当主はジオフロント全域に捜索の手を伸ばしているが、いまだ見つかっていない」
「探し出したら手を出すな。
生半可な奴だと返り討ちにあうぞ。
私が出る」
けど、うっすらと確信していた。
多分、ホワイトライダーは学園都市に行ったのだと。
そこまで考えて、いやなことに気づいてしまう。
(メシア側のシナリオとして、聖杯戦争ではなく聖杯戦争を利用した終末の四騎士召喚が本命だったとしたらどうする?)
それを否定する根拠も証拠も、今の俺は持っていなかった。
この失態に関して、俺はユクドミレニアを庇うことで彼らに貸しを作った。
特に、ゴルド・ムジーク・ユグドミレニアの持つホムンクルス技術と壊れた工房は修復して、喫緊に迫っているだろう『第二次あしか作戦』とメガテン東京壊滅シナリオ用戦力としてフル稼働する事になる。
ホムンクルス 稼働日数 29日
生産規模 月産58体