【アンコもどき小説】やる夫と叢雲とステンノは世界を渡りながら世界の危機を回避するようです   作:北部九州在住

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猫の手の確保 その3

「たしかここに……あったあった」

 

 平崎市のホテル業魔殿に戻った俺たちは、マシュ艦娘化に向けたアイテムを持っていた素材から探し出す。

 多分これだろうと思っていたから、あったのは大助かりだった。

 

 甲勲章 10個

 

 つまりその気になれば、最大10隻まで艦娘にコンバートできるみたいだ。

 連合艦隊を組むにはあと二隻足りないが、そこは造れという事なのだろう。

 

「じゃあ君はこっちの方に入り給え。

 その素材はこっちに」

 

 ヴィクトルに言われて悪魔合体の装置の片方にマシュが入り、もう一方に甲勲章を置く。

 俺は念のために最後の確認をとる。

 

「マシュ。

 良いんだな?」

 

「もちろんです。先輩。

 マシュ・キリエライト。

 どんな姿になっても、先輩と共に戦います」

 

「……わかった。

 ヴィクトル。

 やってくれ」

 

 ゲームでは何度も見た光景だが、自然に祈る俺が居た。

 マシュの姿が甲勲章と共に消え、中央の魔法陣にマシュらしき姿が出てきたのに安堵する。

 

1 浜風

2 浜風

3 浜風

4 マシュ風

5 マシュ風

6 マシュ風

7 マシュ風

8 羽黒

9 祥鳳

10 熱烈歓迎

 

結果 5

 

レベル 72 

 

「浜風であり、マシュ・キリエライトでもあります。

 戦力向上しました。

 これなら、やれます!」

 

 あ。

 浜風乙改になってる。

 マシュの能力も使える当たり良い便利キャラになったと言わざるを得ない。

 ちなみに装備は、10cm連装高角砲、13号対空電探改、25mm三連装機銃の3つで星はついていない。

 ミレニアム相手だから、対潜セットを用意しておかないとなぁ。

 

「やる夫。

 ちょっと良いかしら?」

 

 叢雲が俺の脇腹を引っ張る。

 何か妙に顔が赤い。

 

「私もそろそろ、あの合体をしてほしいなって」

 

 あの合体?

 何かあったかと首を捻ったら、叢雲がキレた。

 

「あれよ!

 あれ!!

 ……この世界に馴染むやつ」

 

「え?するの?」

 

 俺の声に叢雲は理路整然と理由を言う。

 その言葉に迷いはない。

 

「これから戦う敵は、強大なんでしょう?

 だったら、万全の姿で戦っておかないと」

 

 そんな叢雲にステンノが突っ込む。

 さすが女神様。

 心の隙間に入り込むのが上手い。

 

「本音は?」

 

「だって!

 どんどん胸の大きな子がやってくるじゃない!!」

 

 知ってた。

 とはいえ、メリットが無い訳ではない。

 メガテン世界に叢雲を移せば、MAXレベルの175になるのだから。

 

「……どうしたんです?

 じっと私の方を見て?」

 

 この傍若無人な天津神様を抑えることができるのは魅力である。

 悪意がないぶんタチが悪いので、毎度毎度伊勢の裏巫女が叱りに来る回数も減るだろう。

 

「まぁ、いいか。

 叢雲の戦力強化も必要だし」

 

 そんなこんなで数分後。

 

「悪くないわ。

 私の魅力が増すのね」

 

 そこには魅力というか胸の増した叢雲の姿が。

 叢雲というか、ムラ雲というか、ムチ雲というか。

 大好きだ。

 もちろん彼女は願いがかなってキラキラ状態である。

 ん?

 

「あれ?

 お前そんな装備だったか?」

 

「……?

 あれじゃない。

 横須賀でくっつけたのがそのまま残ったとか」

 

 ちと気になることがあったので、そのまま叢雲にそれをぶつけてみた。

 

「ちょっと自己紹介をしてみろ」

 

「何よ。

 私はみねぐも型護衛艦の三番艦に決っているじゃない……っ!?」

 

 女神転生には、御霊合体というのがある。

 パラメータの強化を目的にしたもので、今回やったのはこれのはすだ。

 問題なのはその御霊の元である精霊を使った精霊合体というやつで、これを使うとその悪魔のランクを上げたり下げたりできるのだ。

 先に現代武器をくっつけたのでそれに合わせて艦を現代に合わせたのかもしれんが、深く考えてもわからないから、俺はそこで考えるのを止めた。

 

「さてと、マシュ風の為にもドレイク船長を再度召喚しないとな」

 

 という事で、ここで働くリヨくだ子を呼んで聖晶石を購入。

 ドレイク船長が出るまでぶん回すことにした。

 

「セイバー、モードレッド推参だ。

 久しぶりだな。マスター」

 

 君、この世界大好きだろう?

 とはいえ、こちらとしては大歓迎なので何も問題はないのだが。

 

 

ドレイク船長が来るまで何連かかった?

 738連。

 738×聖晶石3つ=聖晶石=2214個。

 石の価格120円×2214個=265680円。

 

 

「つくづくあんたとは縁があるねぇ?

 アタシはフランシス・ドレイク。

 まあ、仲良くやろうじゃないか!」

 

 国家戦争規模だと、26万円もはした金である。

 リヨぐだ子が何か殺意を込めた目でこっちを見ているのだが、残った石を全部あげると言ったら途端に機嫌を直してくれた。

 ちょろい。

 

 

 

 横須賀基地に帰ると、叢雲の姿がちゃんと吹雪型からみねぐも型に変わっていた。

 艦内とかどうなっているのか気になったが、そのあたりは駄女神様ががんばったらしく、人的被害もなく全員無事らしい。

 最も、基地内では、突如叢雲の姿が変わったと大騒ぎになっているのだが。

 さて、今日のメインイベントだ。

 

「じゃあ、マシュ。

 やってみろ」

 

「はい!

 マシュ風こと、マシュ・キリエライト、行きます!!」

 

「真名、ナノマテリアル展開。

 これは多くの道、多くの願いを受けた幻想の船。

 呼応せよ、『駆逐艦浜風』!!」

 

 どん!!と、大気が震え、何もない護岸に陽炎型駆逐艦『浜風』が姿を現す。

 その光景に周囲の人間が唖然とする中、マシュは嬉しそうに笑ってみせた。

 

「展開。想定内です。

 何とかなりました。先輩」

 

基地での騒動の処分

 1で査問会。100で見なかったことにした。

 結果 79

 

 これだけの大騒動だが、基地では『ああ。またこいつらか』で済まされたあたり、順調に常識がずれていっているらしい。

 一応俺の上司だろう横須賀地方隊の警備隊司令の咲川海将補からお小言をもらって開放されたが、その理由は美野原一佐がこそっと教えてくれた。

 

「舞鶴の知り合いから聞いたのですが、もし、ドレイク船長がここに滞在するのなら、舞鶴と同じように研修会とかやってくれませんかね?

 お隣の米太平洋艦隊からも出席したいとお願いが」

 

 ドレイク船長。

 あんた世界の海軍軍人に愛されすぎだろう……




むらくも
 みねぐも型護衛艦。
 このタイプがあったので、この茶番が作られた。
 対魔忍とタメを張れる胸と武装に叢雲もご満悦である。


外の人繋がり
 作品は無関係だが外見が似ているキャラクター同士のこと。
 今回のマシュと浜風はこれ。

中の人繋がり
 中の人(声優)繋がりのキャラクターの事。
 初代マシュ声優の種田梨沙さんのキャラクターから選ばれる予定だった。

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