【アンコもどき小説】やる夫と叢雲とステンノは世界を渡りながら世界の危機を回避するようです   作:北部九州在住

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『女神の気まぐれ』がエグすぎる……


洋上人狼 その8

「応援を出す!

 イスラフィールとブリジッドは甲板に上がって援護を!」

 

 そのまま俺は隣りにいるステンノにも頼む。

 対男性サーヴァントならば、こちらには切り札がある。

 

「という訳で、わが女神様。

 そのお姿で魅了して頂きたく」

 

「私、働くの嫌いなのよね。

 けど、いいわ。

 貴方の頼みなのですから」

 

 自衛隊の服装に身を包んだステンノというのも凛々しい。

 新たな魅力にアラフィフもメロメロだろう。

 

「あら?

 私には声をかけないのかしら?」

 

 むっとする叢雲に俺は実にわざとらしく挑発する。

 ツンデレな掛け合いも長い付き合いだからこそ楽しい。

 

「言わなくても、手伝ってくれるだろう?

 一番長い付き合いで、俺を知っているだろうからな」

 

「そうだけど、私だってちやほやされたいのよ……」

 

「はいはい。

 叢雲。

 頼む。

 君の助けが必要なんだ」

 

「分かっているわ!

 ここからが、私の本番なのよ!!」

 

 

 

新宿のアーチャー レベル90 有利クラス補正不利クラス補正打ち消し レベル90

アンブレラ社 ハンター レベル22 邪智のカリスマバフ×1.2 ×9体=237

合計327

 

セイバー モードレッド レベル90

 不利クラス補正1/2×女神の気まぐれバフ×1.2=54

魔神 大淫婦バビロン レベル69 女神の気まぐれバフ×1.2×1.2=99

幻魔 クー・フーリン レベル43

 有利クラス補正二倍×女神の気まぐれバフ1.2×1.2=123

大天使 イスラフィール レベル42 女神の気まぐれバフ×1.2×1.2=60

女神 ブリジッド レベル47 女神の気まぐれバフ×1.2×1.2=67

アサシン ステンノ レベル100 女神の気まぐれバフ×1.2×1.2=144

付喪神 叢雲 レベル175 女神の気まぐれバフ×1.2×1.2=252

 

合計889

 

 

1 新宿のアーチャー勝利

2 同上

3 モードレッド勝利

4 同上

5 同上

6 同上

7 同上

8 同上

9 同上

10 熱烈歓迎

 

結果 9

 

 

 勝負はこちらの増援が戦闘に参加する前に、新宿のアーチャーがモードレッドを落とせるかどうかにかかっていた。

 その時間をこちら側はきっちりと稼ぎきった。

 

「追い詰めるわ!逃がしはしない!!」

 

 相手が見逃していたこちら側の盲点。

 メンタルモデルの叢雲の攻撃力である。

 バフがかかっていたとはいえハンターの知能では敵を追ってしまい、甲板から降りた所を叢雲の25ミリ機銃の集中砲火を食らって肉塊に変わると、大淫婦バビロンが『女帝のリビドー』で魅了を付与してハンターを甲板から叢雲の方に誘導してゆく。

 潰しきれなかったハンターは叢雲の甲板上で女神ブリジッドが掃討してくれるので問題がない。

 こうして、アラフィフアーチャーとモーさんの一騎打ちとなる。

 

「汚えぞ!

 撃ってばかりいないで剣で勝負しろ!

 剣で!!」

 

「何を言っているのかね?

 悪人が正々堂々なんてそっちがおかしいだろう?」

 

 その立ち回りはチェス・プロブレムのごとくモーさんが追い詰められてゆく。

 『蜘蛛糸の果てA+++』を使われた時、チェックメイトとなるはずだった。

 

「優雅に舞い、冷酷に絡め取る。

 私は蜘蛛であり、蝶であり、しがない教授であり、悪のボスなのさ」

 

 あとは宝具を放つだけ。

 その手を止めたのは、大天使イスラフィールの背に乗って微笑む魅惑の美声だった。

 

「あら……つい。ごめんなさいね♪」

 

 アサシンの真価は殺すことではない。

 その殺す隙を作ること。

 そう言う意味で、この女神様は特化していた。

 殺すのは、別の誰かに任せてしまえばいい。

 その誰かも、既に準備が整っていた。

 

「その心臓貰い受ける!

 『 刺し穿つ死棘の槍』!!」

 

 クー・フーリンの宝具が新宿のアーチャーの霊核を貫いた。

 それでもアラフィフは悪党の笑みを崩さない。

 

「君たちの勝ちだ……誇るがいい!

 だが、あの少佐は手強いぞ……」

 

 やっぱりあの少佐の仕掛けだったか。

 そう思った瞬間、艦内から報告が入る。

 

「こちら朧。

 オークに嬲られていた女性たちを保護した。

 救援班を頼む」

 

「こちらボンド。

 敵の計画書を入手した。

 奴らの狙いは叢雲だ!

 テルミットプラスをこのタンカーに仕掛けて叢雲を爆沈させるつもりだったらしい!

 すぐに退避を!!」

 

 真っ青になる俺たちを見ている訳ではないだろうが、新宿のアーチャーことジェームス・モリアーティは微笑って消えてゆく。

 

「爆発オチなんて最低と思うだろう?

 だが、王道もたまには良いものだよ。

 堪能してくれたまえ。マスター……」

 

「ボンド中佐!

 爆弾の解除は可能か?」

 

「無理だ!

 まだ爆弾が見つかっていないし、解除の時間もある。

 この戦闘そのものが時間稼ぎなら、いつ爆発してもおかしくない!」

 

 朧が見つけた女性たちというのも俺たちを足止めする罠か。

 見事に蜘蛛の糸に絡まっているので苦笑するしか無い。

 

「いや。

 爆弾の場所なら分かっている」

 

 その声にどれだけ安心できるだろう。

 あの教授が出てきたならば、ホームズが出てこない訳が無いのだ。

 ロリンチちゃんが持ってきた通信機を握りしめて、俺はホームズに尋ねる。

 

「時間が無い。

 ホームズ。

 爆弾の場所を教えてくれ」

 

「簡単な推理さ。ワトソンくん。

 あの教授が、何でタンカーの甲板で戦ったか考えてみたまえ。

 教授の目的がこの船の爆破にあるのならば、わざわざ甲板なんかで戦う必要すら無かった。

 それにマスターは忘れている事が一つある。

 彼 の マ ス タ ー は 何 処 に 居 る の か な ?」

 

 その言葉に俺は気付かされる。

 マスターとサーヴァントは基本一人と一騎で構成される訳で、マスター側に攻撃があったらサーヴァントは令呪を使うだろうマスターの援護に走らざるを得ない。

 それを考えたら、マスターは信頼できないならばサーヴァントを近くに置きたがる。

 そうなると場所は一つに絞られる。

 

「艦橋だ!

 そこにマスターが居るし、起爆装置は艦橋にある!!」

 

 爆弾の残り時間 70

 解除時間70以下で成功 64

 

 場所がわかれば、あとはどうにでもなった。

 何しろライバック大尉やボンド中佐や御神苗優というプロフェッショナルが居るし、ロリンチちゃんやホームズという天才がバックアップに入っているのだから。

 爆弾というか、時限装置は無事に解除された。

 現在は、自衛隊や米軍や海上保安庁の船やヘリが頻繁にタンカーを囲んで現場検証をやっている。

 

「まさかタンカーそのものが爆弾の構造になっているとは気づかなかったなぁ……」

 

 俺は艦橋からタンカーを眺めてぼやく。

 テルミット・プラスはテルミット焼夷薬に燃焼を倍化させる特殊溶液を加えた二液混合式爆薬で、それぞれをタンカーのタンクに分けて保存していた。

 そのため、時限装置というより、タンク内の弁を開放してこの2つを混ぜるタイマーを艦橋から操作していたというわかりやすいものだったのも幸いだった。

 で、マスターだが、艦橋にて死体で発見された。

 現場を検証したボンド中佐の報告だと、ハンターに殺されていたらしい。

 つまり、あのアラフィフは最初からマスターを守る気が無かったという事だ。

 そのマスターの名前も、救助された女性から判明する。

 相良豹馬。

 この名前を出した女性の名前は六導玲霞という。

 なるほど。

 この世界線ではこういう形で彼らはやってきた訳だ。

 

 

 その夜。

 叢雲の医務室で寝ていた女が一人起き上がって、ふらふらと艦内を歩く。

 目指すは、艦内後部にあるロリンチちゃんの魔術工房。

 

「何処に行く?」

「迷ってしまいまして」

 

 立ちふさがる御神苗優に女は悪びれずに言うが、御神苗優は姿勢を崩さない。

 そんなやり取りを俺はステンノの気配遮断を使って隠れてみている。

 

「アーカムの記録では、アステカの遺跡を巡って1935年にナチスが動いた形跡がある。

 その時の指揮官がグルマンキン・フォン・シュティーベル大佐」

 

 轟音と共に彼女が隠し持っていた拳銃が御神苗優に当たるが、AMスーツにて弾かれる。

 アーカムが俺の所に来た真の理由が分かった。

 

「狙いは、聖杯を用いた古代神ククルカンの召喚か?」

 

「あの坊やの下についている訳じゃないわ。

 協力はしているけど」

 

 廊下にどこからともなく白煙筒が置かれてあたりが煙に包まれる。

 霊体化して控えていたモーさんがその煙の中に突っ込むが、彼女の姿は既になく、煙が消えた後に何処からか猫の鳴き声が聞こえたような気がした。 




グルマンキン・フォン・シュティーベル
 『翡翠峡奇譚』。
 あの少佐を『坊や』と呼べるだろう数百年生きる魔女。
 こんなのが大佐やっているナチスってすげー。

 なお、やる夫系だと、あの少佐を顎で使える地位と力を持つ獣殿こと聖槍十三騎士団首領ラインハルト・ハイドリヒSS大将というお方がいらっしゃってだな。
 出すために資料をあさっているのだが、何処から手をつけるべきかと途方に暮れている。


証拠写真
 https://twitter.com/hokubukyuushuu/status/1113699320836972544
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