カードファイト!!ヴァンガードG 孤独の先の、愛の物語   作:リー・D

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クロノくんとトコハちゃん、愛の物語第2段!
前回具体的にどのように海外に向かうのかと言う話があがりませんでしたが、今回判明します。
うちのクロノくんは皆に愛されています(友情的に意味で)。


Pixiv版から少しだけ変わっています。
見比べてみてください。


立ちふさがる試練

クロノ「アイチさんからのLINE通知によると、此処で待っていればフランスに行かせてくれるらしいけど、誰もいないじゃねぇか」

 

俺の名前は新導クロノ。

なんの変哲も無い高校生だが、平日の真っ只中に俺は学校をサボってこの羽田空港にいる。

その理由は、誕生日が明日に迫った海外にいる思い人に愛の告白をするためだ。

最初は自力で行こうと思ったけど、アイチさんが「移動手段は僕に任せて」と言ったのでお任せすることになったため指定された場所に来たのだ。

 

クロノ「しっかし。どうやって行くんだ?」

 

?「それは僕が答えよう」

 

後ろから声がしたので振り返ると、そこには福原高校の制服を身にまとったシオンがいた。

 

クロノ「シオン! お前なんでここに?」

 

シオン「君がトコハのいるフランスに行こうとしているとアイチさんから聞いてね。だから手助けしてあげようと思って」

 

クロノ「手助け?」

 

シオン「そう。君を我が綺場財閥が誇るプライベートジェットでフランスまで送ってあげるのさ」

 

クロノ「なっ! 良いのかよ!? そんなことして!」

 

シオン「今は僕の物だ。僕の物をどう使おうと僕の勝手さ。ただしクロノ、条件がある」

 

クロノ「条件?」

 

そしてシオンは懐からある物を出して宣言した。

 

シオン「クロノ、僕とファイトだ!」

 

クロノ「唐突!」

 

取り出させれたのはファイターの証であるヴァンガードのデッキだ。

今の時代、ファイト用のテーブルなど何所にでもあるが、だからと言って何故ファイトするのが条件になるのか。

理由を言え、理由を!

 

シオン「知りたいからさ。君の覚悟を」

 

クロノ「覚悟?」

 

シオン「そう、トコハはトライスリーの紅一点。僕たち共通のお姫様だ。そんなトコハを君は独り占めしようとしている。その覚悟が君にあるのか僕に見せてくれ。勝てなければ君を綺場の飛行機に乗せることは無い」

 

シオンの目がこちらを睨みつけるのに少し後ずさりながら、こちらも睨み返す。

覚悟を解いているのなら此処で逃げるのは言語道断だ。

許されるわけが無い。

ファイターとしても、何よりも1人の男としても。

 

クロノ「いいぜ。その勝負乗ってやる。ファイトだ、シオン!」

 

シオン「フッ、君なら受けてくれると信じていたよ。ちなみに、君とファイトするのは僕1人じゃないから、覚悟するんだね」

 

えっ、それってどういういm「クロノくん!」誰だ!?

振り向いてみるとそこには――

 

クミ「私とファイトだぞい!」

 

クロノ「岡崎!? なんで花壇の上に乗ってるんだよ!? てか何時からいた!?」

 

クミ「ずっといたぞ!」

 

カズマ「補足するとお前がここに着いたころには隠れてたんだ。綺場のやつから話しかけた方が説明もし易いと思ったからな」

 

お前もいるのかカズマ!?

そこにいるなら岡崎を止めろよ!

 

カズマ「何言ってんだ、お前。親友の安城でさえ止められない、このテンションのこいつを俺が止められるわけ無いだろ。」

 

ごもっともですね!

トコハも無駄にテンション高い友達がいて大変そうだなと思ってましたよはい。

 

クミ「さあ、さあ、クロノくぅ~ん。私に~勝てなければ~、トコハちゃんの下へは行かせないぞ~。これも試練と言うやつですな~」

 

クロノ「岡崎も相手になるのかよ! と言うかこれ連勝しないと俺フランスに行けない!?」

 

伊吹「その通りだ」

 

……今度は伊吹まで出てきやがった。

何だ今日は、人間ビックリ箱でもあるのか?

よく周りを見渡してみるとミサキさんやシンさん、三和さんや石田さん、小茂井さんもいるし、トリドラの3人までいやがる!

全員暇なのか!?

おかしい、今日って平日で学校あるはずなのに。

 

タイヨウ「皆クロノさんが決意を持って出かけると聞いて駆けつけて来たんですよ。ちなみにもう少ししたら各支部長たちやカムイさんも来ますよ」

 

クロノ「……タイヨウ。お前まで、ホント学校どうしたんだよ」

 

伊吹「その件だが、今日は一部のものに特別クエストを発注し、授業の一環扱いにした。つまり、ここにいる学生は全員クエスト受注者だ。クエスト内容はただ1つ! 新導クロノ! お前の試練を見届けることだ!」

 

クロノ「っ! マジかよ。なんかさらに人が増えそうだな」

 

シオン「そうだね。岩倉から、さっきチーム新ニッポンのメンバーや守山ヒロキが到着したと連絡があった。それはそうと、君の相手は僕たち2人だけじゃないよ」

 

クロノ「そっちもまだ増えるのかよ! 誰だいったい!」

 

伊吹「俺だ!」

 

お前だったのかー!

さらっと登場しやがったから違うと思ったのだが、こいつまた出しゃばってんじゃねーか?

とはいえ、こいつにはヴァンガードを始めるきっかけを与えてもらったのだ。

あの時カードと一緒に同伴されたキャピタル2号店に行けという指示が無ければカムイさんに会えなかった。

俺はヴァンガードにはまることも無く、トライスリーの結成、そして世界を守ることができなかっただろうから、こいつには大きな借りがある。

この連戦ファイトに参加する資格もあるだろう。

なにより、こいつがカードをくれなければ俺はトコハのことを好きになることもなかったんだ。

恩返しの意味をこめて、こいつに俺の覚悟を見せてやる!

 

クロノ「伊吹が相手の1人なら、カムイさんもファイトの相手になるのか?」

 

伊吹「いや、葛木カムイはこの件を辞退した。お前の決意を聞いて、自分には止める資格は無いそうだ。そこで――」

 

アイチ「4人目は僕が相手になるよ」

 

……こんどはアイチさんかよ。

この人はこの間、俺の宣言聞いている。

伊吹やシオンに今回の件を頼んだのは間違いなくアイチさんだろうけど、まさかファイトにまで参加するとわ。

 

アイチ「ごめんね、クロノくん。僕はカムイ君にお願いするつもりだったんだけど、絶対にやらないってカムイ君が聞かなくて。それでいろいろお願いした責任者の僕が君を試すことにしたんだ。手加減はできないけど頑張って」

 

クロノ「はぁ~あ。分かりました。もう何も言いません。それで、結局何人と戦えばいいんですか?」

 

そのとき、とてつもない威圧感が俺の背中に突き刺さった。

今まで感じたことの無い雰囲気に俺は一瞬飲まれてしまった。

恐る恐る後ろを振り返ると、そこには――

 

マモル「クロノ君」

 

トコハの兄である安城マモルさんがいた。

でも、この雰囲気は本当にマモルさんなのか?

普段温厚だが、ドラエン支部長に対してなど、ときどき強かな一面を見せることがあるのは知っていたが、これはそれとも違う。

怒っているわけでも無いが、殺気のようなものが感じられる。

まるで絶対に奪わせないと言いそうな空気がとても重く感じてしまう。

 

マモル「君の相手は5人。その最後の1人が僕だよ」

 

クロノ「っつ! マモルさんが、俺の――」

 

何時だったか、マモルさんにファイトを申し込まれた時は、もっと強くなってから相手をしたいと断ったが、今回は断れそうに無い。

断ったら殺される、そんな空気だ。

 

クロノ「……やってやるさ。あなたに勝って、認められなければトコハのもとに行けないのなら、勝って俺の覚悟ってやつを見せてやる!」

 

マモル「フッ、良い目だね。でも、そう簡単にトコハはあげないよ。もっと早く今の気持ちに気づいていたら簡単に応援できたのに残念だったねクロノ君。今日の僕は強いよ」

 

クロノ「……あなたに向けるべき言葉は、あなたとのファイトの時に言います。だから、待っていてください」

 

そう言って俺はマモルさんに背を向けて、シオンと向かい合った。

 

マモル(クロノ君、僕は君自身のことは気に入っているし、トコハが君のことが好きなことも知っている。でも兄として君の覚悟を見極めない限り、君から義兄と呼ばれるわけにはいかないんだ)

 

ファーストヴァンガードを置き、デッキをシャッフルして手札をそろえる。

ファイトの準備が整った。

 

マモル(だから頑張れ。ここで勝てないようでは、君はもう何もつかむことはできないぞ)

 

クロノ「いくぜ、シオン」

 

シオン「いつでも来い、クロノ!」

 

2人「「スタンドアップ」」

 

シオン「the」

 

2人「「ヴァンガード!!」」

 

 

ファイトを続けていると人が増えてきた。

その中には俺の仲間たちもいる。

特に大きな変化はやはり彼女たちの到着だろう。

 

3人「「「みなさ~ん! ラミーラビリンスwithサーヤでーす!!!」」」

 

ルーナ「今ここで行われているのは、あのトライスリーの2人、リーダー新導クロノとブレーン綺場シオンの真剣ファイト!」

 

アム「すでに8ターン目に突入し、綺場シオンが2回目の超越を行おうとしているところです!」

 

サーヤ「さあ、さあ、クロノお兄ちゃんはこの攻撃に耐え、自分のターンに持ちこたえることができるか!」

 

3人「「「ご期待ください!!!」」」

 

……まさかラミラビとサーヤが実況をやるなんて聞いてないぞ。

テレビが無いのが救いか。

それはそれとして、シオンがターンを進めている。

 

シオン「ストライドtheジェネレーション! 《不滅の聖剣 フィデス》!」

 

またフィデスかよ! アルトマイルどこ行った! ガチで来過ぎだろ!

絶対ガードしきってやる!

 

シオン「クロノ、聞いていいかな?」

 

クロノ「なんだよ、ファイト中に」

 

シオン「君はなぜトコハを選ぶんだい? 君に好意をもっている人は他にもいるだろ。アタック!」

 

クロノ「……ガード」

 

シオン「中学の時から君がトコハに対して好意を持っていたことも知っている。フィデスでアタック。そして、ギーゼとの戦いの後、君が《クロノ・ドラン》のカードをトコハにあげたことも」

 

……気づかれてたか。

確かに俺は、トコハがフランスに戻る時に手元にあった《クロノ・ドラン》と《クロノジェット・ドラゴン》のカードをトコハに渡している。

シオンの攻撃をガードしながら俺は言葉を紡ぐ。

 

シオン「だから、理由を知りたくてね。君にとってトコハはどんな存在なんだい?」

 

クロノ「……トコハは、いつも俺の背中を押してくれるんだ。U-20の時も、親父の時も、大事な時にはいつもアイツが傍にいてくれた。だから戦えた。そして、いつの間にかアイツが傍にいてくれないとダメになるんだ」

 

そんな弱さ、アイツに見せたくなかったから誤魔化してきた。

でも――

 

クロノ「ミクルさんがさ、「恋人同士はお互いに強さも弱さも共有するのよ」って言った時。俺も自分のダメなところ、アイツに見せていいのかなって思っちまったんだ」

 

シオンの攻撃を防ぎ切り、俺のターンに回る。

ホント、フィデスの攻撃はやっかいだな。

 

クロノ「ストライドジェネレーション」

 

それでも、俺は前に進む。

アイツと過ごす、俺の新しいステージに進むために。

 

クロノ「クロノドラゴン・ネクステージ!! ヴァンガードにアタック!」

 

シオンが完全ガードで攻撃を防いでくる。

デッキからカードを3枚めくり、トリガーはリアに送る。

そして、ネクステージの効果を使い、クロノジェットZをスタンドした。

 

クロノ「これで終わりだ! クロノジェットでヴァンガードにアタック! 俺はトコハに会って、この気持ちに決着をつける! だからそこを退いてくれ、シオン!」

 

シオン「ホント、強くなったね、クロノ。ノーガードだ」

 

シオンは笑って攻撃を受け、ダメージゾーン6枚目にアルトマイルのカードが置かれる。

ファイトは俺の勝ちで終わった。

 

シオン「クロノ。今の君になら僕はトコハを任せられる。君自身もトコハがいれば大丈夫だ。君たち2人の夢のため、残りのファイト負けるなよ」

 

クロノ「ああ! もちろんだ!」

 

互いに握手を交わし、カードを片づけた。

言葉とファイトでシオンの気持ちも受け取って、去っていくシオンの背中を見つめていると――

 

クミ「クロノくん!」

 

岡崎が前に立ち、デッキを構える。

次の相手はトコハの親友、岡崎クミだ。

 

クミ「負けないよ!」

 

クロノ「それは、俺のセリフだ!」

 

 

6ターン目に入り、岡崎が超越することができる。

 

クミ「ライド《バトルシスター ふろらんたん》。ストライド・ジェネレーション《エキサイトバトルシスター しゅとれん》。それぞれの効果でデッキトップを操作するよ」

 

オラクルお得意のデッキ操作か。

岡崎の場合、これ抜きにしてもトリガーを出す確率が多いから怖いんだよな。

 

クミ「そして、バトル。しゅとれんでアタック!」

 

クロノ「完全ガード」

 

クミ「トリプルドライブ。ゲット、トリプルクリティカル!」

 

またかよ……ホントこいつとのファイトは怖い。

それにしても岡崎の奴いつも以上に気合入ってるな。

俺が弱いのなら親友トコハは任せられないってわけか。

あれ? さっきのシオンも同じこと言ってたような。

 

クミ「クロノくん笑ってる?」

 

クロノ「いや、トコハは愛されてるなと思ってな。ありがとな岡崎」

 

クミ「……なにが?」

 

クロノ「トコハの親友がお前でよかった。たぶんアイツも同じこと考えてる。岡崎がいてくれたからトコハはトコハらしくいられたんだ。俺が好きなトコハになったんだ」

 

俺の言葉を聞いて、岡崎は少し困惑しているように見えたが、すぐに笑顔に戻った。

そうだ、お前の笑顔にアイツはいつも救われていたんだ。

これまでも、そしてこれからも。

 

クロノ「きっと、アイツのために俺じゃあできないことはたくさんある。これからも頼ることあるだろうからさ、トコハの力になって欲しい。俺も、俺にできることを全力でやる。今、ここでお前に勝つことで!」

 

岡崎の攻撃を防ぎきって、次は俺のターンだ。

手札のG3を捨てて、未来の可能性を解放させる。

 

クロノ「ストライドジェネレーション! 《クロノドラゴン・ギアネクスト》!」

 

かつて、トコハとのファイトで決着をつけたこのカードで、岡崎を倒す!

 

クロノ「行くぜ、岡崎! ギアネクストでアタック」

 

この攻撃は防がれたが、効果で2回目のバトルを行い、ヒットした。

ダメージゾーンに6枚のカードが送られ、俺の勝利が確定した。

しばらく、岡崎は最後に置かれたバトルシスターを見ていたが、顔を上げ、笑顔を俺に向けてくる。

 

クミ「おめでとう、クロノくん。負けちゃったね」

 

クロノ「岡崎も強かったぜ。ありがとな。帰ってきたら、またファイトしようぜ」

 

握手を求めて手を出すと、また顔を下げた。

 

クミ「……最後まで気づいてもらえなかったな」

 

クロノ「えっ?」

 

なにか呟いた気がするが聞こえなかった。

聞き返そうとするとすでに岡崎は下がっていた。

……ホント、ありがとう岡崎。

 

伊吹「新導クロノ!」

 

いきなりだな、声大きくてびっくりしたぞ伊吹!

 

伊吹「お前を見極めてやる! ファイトだ!」

 

クロノ「望むところだ、この万年独身!」

 

伊吹「貴様ー! 叩きのめしてやるぞ、クソガキがー!」

 

 

2人「「スタンドアップ」」

 

伊吹「the」

 

2人「「ヴァンガード!!」」

 

伊吹は相変わらずの「メサイア」デッキか。

俺もデッキは変わらない。

昔から使っているギアクロニクルの「十二支刻獣」だ。

お前から送られたギアクロニクル、その全てで俺の覚悟を魅せてやる。

そしてある程度ターンが進んだところで伊吹が話しかけてきた。

 

伊吹「ファイトにはその人間の全てが現れる。今日のお前のファイトは安城トコハに向き合う決意が確かにあると言えるだろう。だが、それだけでは俺には勝てんぞ! 海外に行きたければ俺を超えて見せろ!」

 

クロノ「もちろん! 行くぞ、スタンド&ドロー! そして、ライドからのジェネレーションゾーン解放!」

 

出すカードは、俺が最初に手に入れた、そして伊吹が最初に俺に与えてくれたGユニット。

 

クロノ「今こそ示せ、我が真に望む世界を! ストライド・ジェネレーション! 《時空竜 ミステリーフレア・ドラゴン》! アタックだ!」

 

伊吹「ノーガード。さあ、その効果を成功させてみろ!」

 

クロノ「おう! デッキトップを4枚確認!」

 

出てきたのはG3のクロノジェット、G0の時を刻む乙女ウルル、G2のクロノビート・バッファロー、そして――

 

クロノ「最後の1枚、G1のクロノダッシュ・ペッカリー。ミステリーフレアの効果適応。もう1度俺のターン! いくぞ伊吹! クロノジェットでアタック! これが今の俺だー!」

 

その攻撃は伊吹のメサイアに突き刺さり、見事に最後のアタックとなった。

俺が勝ったんだ。

 

伊吹「よくやった、と言っておこう。だが、まだ終わってないぞ。先導は俺の知る中でも最高クラスのファイターだ。そして何よりも、今日のマモルは強いぞ」

 

クロノ「わかってるよ。でも俺は、そんな2人も越えていく。今日の俺は歴代最強だぜ」

 

伊吹は笑いながら、後ろの列に戻っていった。

これで半分終わった。

後、2人。

次の相手は――

 

アイチ「行くよ、クロノ君。久しぶりの真剣ファイトだ」

 

クロノ「はい。行きます!」

 

2人「「スタンドアップ! ヴァンガード!!」」

 

 

ナオキ「それにしても、アイチの奴もよくこんな対戦カード考えたな。クロノもとんだ災難だ」

 

シンゴ「しかしそれは彼ら2人がそれだけ愛されていると言うことなのです」

 

三和「そうだな。クロノは俺らにとってのアイチってわけだ。リンクジョーカーとギーゼ。それぞれを倒し、世界を救った英雄たちはどんな結末を見せてくれるのやら」

 

リンクジョーカーの侵攻から世界を救った英雄か。

昔カムイさんから聞いたことあったけど、ホントだったんだな。

 

アイチ「いくよ、クロノくん!湧き上がれ、僕の新たなる力、《ブラスター・ブレード・エクシード》!」

 

来た、ブラスター・ブレードのG3。

何度こいつにトドメさされたか数えてないや。

 

アイチ「そして、このカードをコールする。立ち上がれ、僕の分身! 《ブラスター・ブレード》!!」

 

アイチさんはまだ超越できないけど、展開と除去を繰り返してる。

次のターンには超越も仕掛けてくる。

諦めるか。

絶対に隙を見つけて勝負を決めてやる。

そして、数ターンが過ぎて――

 

クロノ「いきます、アイチさん。ストライドジェネレーション! 《時空竜 ピヨンドオーダー・ドラゴン》! ジェネレーションブレイク8達成。あなたから頂いたこのカードでこのファイトに決着をつけましょう!」

 

アイチ「こい! クロノ君!」

 

ピヨンドオーダーのアタックを行ったが、この攻撃は豊富な手札で防がれてしまった。

しかし、ピヨンドオーダーの効果でもう一度攻撃態勢を整えて再度攻撃、今度はヒットし、ダメージが限界に達して俺は勝利した。

何度もファイトしているが、なんやかんやでアイチさんには今回が初勝利だ。

しかし何故だ、次やったら勝てる気がしない。

 

アイチ「たとえ偶然の勝利だとしても、君の勝ちには違いないよ。帰ってきたらまたやろうね。クロノ君」

 

負けたにもかかわらず、アイチさんは1番爽やかに去って行った。

やっぱり、この人にはいろんな意味で勝てる気がしない。

さて、気持ちを切り替えよう。

次に戦うのは、本当の意味でトコハに会うための障害となる人。

この人に認められなければ、俺は一生トコハに思いを伝えられない。

だから、あなたと戦う。

そして、堂々とトコハの待つフランスへ行くんだ!

 

クロノ「勝負です。マモルさん!」

 

マモル「いくよ。クロノ君!」

 

2人「「スタンドアップ! ヴァンガード!!」」

 

 

マモル「クロノ君、君は本当に強くなった。初めて君のファイトを見たときから、君のファイトには心動かされた。全力でファイトする機会はなんどもあったけど、今日ほど君に勝ちたいと思ったことは無い。分かるだろ、今日の僕は強い!」

 

……マモルさん。

トコハの兄であり、ドラエン支部の重鎮の1人。

なんどもなんどもお世話になった、トライスリーのお兄さん。

そんな人が俺に殺意を向けて襲い掛かってくる。

手に力が入らない、膝が震える、汗が止まらない。

この人がこんなにも怖いだなんて初めて感じた。

でも当然なんだ。

俺はこの人からずっと守ってきたたった1人の妹を奪おうとしているんだ。

もうダメージ5。

このターンの超越後の攻撃を全て防がなければ負けてしまう。

恐れに負けるな、前を見て、マモルさんと向き合うんだ。

 

マモル「……クロノ君。君の事は気に入っている。義理堅いし、責任感もある。トコハが君の事を好きだと思っても仕方が無いぐらいだ。でも、だからこそ、僕は君に負けられない。僕の全てを持って君を倒す! ヴァンガードと同じカードをコストとして、このカードをストライドする! 現れよ、ドラゴンエンパイアのゼロスドラゴン! アルティメット・ストライド! 《獄炎のゼロスドラゴン ドラクマ》!」

 

クロノ「なっ! なんでゼロスドラゴンのカードがあるんですか!?」

 

マモル「普及協会が作り上げたゼロスドラゴンのカードのコピーだよ。安心したまえ、このカードを使って敗北してもGゾーンのカードが消滅するなんてことはない。でもその効果はオリジナルとまったく同じだよ」

 

効果が発動し、俺の場のカードは全てバインドゾーンに送られた。

さらに手札を2枚捨てて、1枚をヴァンガードにしなければならない。

幸い俺の手札には分身たる《クロノジェット・ドラゴンZ》がいたため被害は最小限に抑えられたが、陣形を崩されたのは確かだ。

 

マモル「クロノジェットがいたところで、僕の有利に変わりない。いくぞ、ドラクマでアタック!」

 

こんなカードを使うなんて、マモルさんはどこまで本気なんだ。

でも……

 

クロノ「それでも! 負けられないんですよ! 手札の《クロノメディカル・ハムスター》を捨てて、ジェネレーションガード《刻獣守護 イリシュ》! 2つのスキルでシールド+20000!」

 

マモル「さすがだね。でもこちらとて、トリプルドライブ、ゲットクリティカルトリガー! 効果は全てリアガードに! アタック!」

 

クロノ「もう一度、イリシュでガード! はあ、はあ、守りきりましたよ。マモルさん」

 

マモル「見事だよ。クロノ君。ドラクマがGゾーンに戻る際、全てのGユニットをゲームから除外する。さあ、今度は君のターンだ。臆することなく、君の全力を見せてくれ!」

 

この人は本気で俺のことを見極めようとしていたんだ。

ずっと放っている殺気も、ゼロスドラゴンも!

 

クロノ「はい! 全力で行きます! クロノジェットZの効果で、手札コストなしでストライドできる! ジェネレーションゾーン開放!」

 

ここで出すべきは仲間たちと共に掴んだ俺の新しい未来の可能性。

全ての運命力と絆によって誕生したクロノジェットの最強形態!

 

クロノ「今こそ示せ、我らが、真に望む世界を! ストライド・ジェネレーション!!」

 

さっきのマモルさんの言葉が正しければ、トコハも俺のことが好きなのだろう。

それが俺と同じ気持ちなのかは分からない。

それでも俺は、俺たちはアイツと共に生きる未来が欲しい!

だから力を貸してくれ、ドラン!

 

クロノ「現れよ、《クロノバイザー・ヘリテージ》!!」

 

マモル「これが……クロノ君の最強ドラゴン! クロノ君が望む未来の姿!」

 

クロノ「行きます! ヘリテージでヴァンガードにアタック!」

 

マモル「通さないよ、ガード! 今の君のユニットはヴァンガードしかいない! トリガーが乗っても攻撃が通らない。さあ、ここからどうする!?」

 

マモルさんも警戒を解いてない。

当然だな。

ネクステージを始め、アタックが終わってから再度攻撃を行うユニットが多いのがギアクロニクルの特徴だ。

でも今回は、その上を行く!

 

クロノ「ターンエンド。そして、Gゾーンに戻ったヘリテージの効果発動! 他の十二支刻獣のGユニットを4枚裏向きに戻すことで、追加のターンを得る!」

 

マモル「なっ、ミステリーフレアよりも緩いターン追加効果!?」

 

クロノ「スタンド&ドロー! ライドフェイズをスキップして、メインフェイズの始めに表のヘリテージにストライドする!」

 

マモル「ヘリテージが戻ってきた!」

 

アイチ「なんて効果だ!」

 

伊吹「これがギアクロニクルの特異点が生み出した奇跡のカード!」

 

シオン「いけー!」

 

ライブ「クロノー!」

 

先ほどのドライブチェックとドローで加えた手札を全てコールし、陣形を整える。

その中には、おれの相棒クロノジェットGもいる。

これで準備は万全だ!

 

マモル「クロノ君」

 

クロノ「行きます。マモルさん。ヘリテージでブレードマスターにアタック!」

 

マモル「完全ガード!」

 

クロノ「トリプルドライブ。ゲット、クリティカルトリガー! 効果は全てクロノジェットに! クロノジェットでアタック!」

 

届け、俺の思い!

俺はあなたを超えて、トコハと生きる未来を手に入れる!

 

マモル「…………ノーガード。ダメージトリガーチェック、ノートリガー。おめでとうクロノ君。君の……勝ちだ」

 

 

マモルさんは笑いながらそう告げた。

……勝った。

勝ったんだ!

 

クロノ「うおおおおおおおお!!!」

 

恥も外聞も関係なく、俺は叫んだ!

勝利よりもマモルさんに認められたのが、とてつもなく嬉しかったのだ。

叫び終わるとマモルさんが握手を求めていたので応えた。

 

マモル「本当におめでとう。そして、トコハをよろしく頼むよ。クロノ君」

 

クロノ「はい! 必ず、絶対に幸せにしてみせます!」

 

マモル「フフフ、簡単に泣かせたら今度こそ君を殺してあげるよ」

 

こっわ!

これが強かな笑みってやつか。

マモルさんだけは敵に回さないようにしよう。

 

ルーナ「クロノさん。5連勝おめでとうございます。今の気持ちをどうぞ」

 

気づいたら実況していたラミラビとサーヤのうちルーナがマイクを持ってそばにやってきた。

今の気持ちか、えーっと。

 

クロノ「ファイトの中で、皆が俺に勇気を与えようとしてくれたのが良く分かった。今の気持ちのままアイツに合えれば、きっと上手くいくと思える。みんな、ありがとう」

 

頭を下げてからマイクをルーナに返した。

見渡すと、ファイトが始まる前よりも人が増えていた。

親父のチームメイトのマークさんは親指を立てながらエールを送ってくれる。

チーム新ニッポンの3人は大きな拍手をしている。

ナギサさんは「気持ちが通じ合ったら抱きしめてやりなさい!」とアドバイスをくれた。

カムイさんは抱きついてくるナギサさんに文句を言いながら、俺と目が合ったら強く頷いてくれた。

そんな2人をゴウキさんが笑って見てる。

雀ヶ森支部長を始めとした各支部長も集まっている。

江西のやつは相変わらず鬼丸さんに懐いたリューズに逃げられてやがる。

ああ、こんなにも多くの人に俺は信頼をもらっているんだ。

 

ライブ「クロノ。これを持って行け」

 

親父が話しかけてきた。

その手に握られている何かを俺に突き出しながら。

 

クロノ「何だよ、これ」

 

ライブ「これはな、俺がトキミに送った婚約指輪だ」

 

クロノ「母さんの指輪!? そんな大事なもの良いのかよ!?」

 

ライブ「これはな、トキミの願いなんだ。あいつが体調を崩した直後、お前のことを頼むと同時にお前に恋人ができたら自分の指輪を渡してやって欲しいと。お前が好きな人に告白しに行くんだ。今渡さないで何時渡す」

 

母さんが俺のために……

 

クロノ「わかった。受け取るよ。今度、家族全員で墓参り行こうな」

 

ライブ「ああ、そうだな」

 

ミクル「クロノ!」

 

ミクルさんが俺に抱き着いた。

前も思ったけど、もう俺、ミクルさんの身長抜かしちゃったんだな。

 

ミクル「あの小さかったクロノが本当に大きくなった。義姉さんも喜んでるわ」

 

クロノ「ミクルさん。俺……」

 

ミクル「ストップ。その続きはあなたが帰ってきてから聞くわ。だから、いってらっしゃい、クロノ。あなたの愛する人のもとへ」

 

クロノ「うん。行ってきます。シオン!」

 

シオン「ああ、こっちだクロノ。岩倉頼んだぞ」

 

岩倉「はい。必ずや安全にクロノ様をお送りします」

 

操縦者岩倉さんかよ。

どんだけ万能なんだこの人。

シオンたちが用意したトコハの誕生日プレゼントはすでに飛行機に積まれている。

俺は用意した荷物を持って飛行機に向かう。

 

「クロノ君!!」

 

この声は――

 

クミ「クロノ君、わたし! あなたのこと大好きでした!」

 

岡崎、お前。

そんな顔で言われて気持ちに気づかないわけがない。

だから、俺は笑って――

 

クロノ「ありがとな、岡崎! 行ってくるぜ!」

 

ただ、礼を行った。

お前の正直な気持ち、俺も見習う。

だから、俺はお前に背を向けて、トコハに会いに行く。

自分の気持ちに正直に。




クロノくんの前に立ちふさがったのは仲間たちの熱い洗礼でした。
続きは2日後に投稿予定です。
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