カードファイト!!ヴァンガードG 孤独の先の、愛の物語   作:リー・D

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予定を変更して連続投稿します。
今回は番外編です。
タイトルの通りクロノに敗北した後のある2人の視点で書かれています。


敗北した後

綺場シオンの場合

 

 

クロノとのファイトに負けた。

それ自体は運が大きな要素となるヴァンガードでは良くある事だ。

でも、今回はチームメイトのトコハに告白しに行く覚悟を問う為にファイトを申し込んだ。

この重要な時に運を呼び起こさなければ、トコハと共に生きるなんて認められない。

そう思って勝つつもりで挑んだ勝負だった。

でも負けた。

クロノの覚悟は本物だった。

彼の気迫に押し負けてしまった。

唯、それだけのことだ。

 

アム「お疲れ様。残念だったね」

 

シオン「君か。良いのかい、仕事しないでこんな所に来て」

 

アム「ルーナとサーヤに任せて来たわ。ずっと全員で実況しなくちゃいけないわけじゃないし。なにより、今貴方と話したかった」

 

シオン「ファイトの結果に文句を言っても仕方がないよ。本当にそれだけかい?」

 

アム「あら、好きな人を慰めてあげたいと思うのはそんなにいけないこと?」

 

そう、僕とアムは付き合っている。

ギーゼとの戦いの後、事情説明を求められて詳しく話した時にアムの方から告白された。

本気で心配したと。

もう好きな人がいなくなるのは嫌だと。

僕もアムの頑張っている姿が好きになっていたので、応えることにしたのだ。

この事実を知っているのは岩倉だけだ。

高校卒業と同時に発表しようと思っていた。

だがーー

 

シオン「アム。僕たちの関係だけど、クロノとトコハの交際祝福パーティーで発表しようと思っているんだ」

 

アム「ふえっ!? な、何言ってるのよ。それは2人のためのパーティーでしょ。私たちまで便乗することないじゃない」

 

シオン「だからこそだよ。そんな大きな場で言えば君へのフォローも簡単になる。トコハも一緒に喜んでくれるよ」

 

アムは顔を赤めて反論を探しているが、そんなこと許さない。

もう決定事項だ。

僕は笑ってアムをからかう。

彼女といると毎日が新鮮だ。

クロノもきっとこんな関係を求めているのだろう。

 

シオン(クロノ、君とトコハの思いは必ず繋がる。僕だからこそ言える。だからさっさと行って来い)

 

アム「何笑ってるのよ。この腹黒シオンめ」

 

シオン「クロノとトコハが上手くいくことを願っているだけだよ。クロノが返って来たら、言ってやると決めている言葉があるからね」

 

おめでとう。

そして、お幸せに。

 

 

 

 

岡崎クミの場合

 

 

私はクロノ君のことが好きだ。

でも、クロノ君はトコハちゃんのことが好きなのだ。

そんな事、ずっと知ってた。

でも諦めきれなかった。

一緒の高校に行ったのも、よく話しかけたのも、クロノ君に東海林君を紹介したのも全てクロノ君へのアピールだった。

それでも結局、彼はトコハちゃんを選んでしまった。

この妨害ファイトは私にとって最後のチャンスだと思った。

私が勝てば、クロノ君はフランスに行けない。

その時今度こそ告白しようと思った。

でも、負けちゃった。

しかも悔しくて逃げちゃった。

 

クミ「私、情け無いなぁ」

 

?「別に良いんじゃねぇか。それくらい」

 

えっ、この声って。

 

カズマ「たぁっく、急にいなくなりやがって、クロノも驚いてたぞ。伊吹の奴に感謝しとくんだな」

 

クミ「東海林、君。なんで……」

 

カズマ「なんでって、その……お、お前が心配だったから……///」

 

えっ、それって。

 

カズマ「ああもう俺のことは別に良いだろ。それよりお前、どうするんだ?」

 

クミ「えっ、な、何の事かな〜」

 

カズマ「好きなんだろ、クロノのこと」

 

えっ///、なんでバレたの?

 

カズマ「アイツは気づいてないけど、側から見たら分かるぞ。いろいろアピールしてたって」

 

そ、そっか。

私分かりやすいんだ。

 

クミ「あはは。そうかそうかバレちゃってましたかぁ。私もまだまだですなぁ」

 

カズマ「誤魔化すなよ。良いのか? 本心に向き合わないまま行かせちまって」

 

クミ「でも、クロノ君は私のことなんt「そうじゃねえ」えっ?」

 

カズマ「そうじゃねえよ。お前自身がケジメをつける為にやる必要があるって言ってんだ。そんな顔でお前安城を祝福出来るのかよ?」

 

……トコハちゃんを祝福。

 

カズマ「お前、ずっと安城に嫉妬してたんだろ。2人っきりならともかく、クロノと付き合っていることを本当に祝福できるって言えるか? 少なくとも俺には、今のままじゃあ無理だって見えるぜ」

 

……わ、私はーー

 

カズマ「だから振られて来い。自分の気持ちに決着をつけて来いよ。それで泣くなら幾らでも付き合ってやる。今だけは誰かの為じゃなく、自分の為に行動しろ」

 

カズマ君……

 

クミ「な、なんでそんなこと言ってくれるの?」

 

カズマ「今は聞くな。後で幾らでも説明してやるから。行って来いよ」

 

クミ「……うん! 行ってくる! ありがとうカズマ君!」

 

お礼を言って、私は走った。

もう迷わない。

たとえ振り向いてくれなくてもクロノ君への思いは本物だから。

 

クミ「はあ、はあ。ファイトは?」

 

たどり着くと既にファイトは終わっていた。

クロノ君も大勢の人に囲まれながら飛行機に向かっていた。

時間がない。

恥ずかしがってる場合じゃない。

勇気を振り絞って言うんだ。

 

クミ「クロノ君!!」

 

クロノ君は立ち止まって振り向いてくれた!

 

クミ「クロノ君、わたし! あなたのこと大好きでした!」

 

気が付いたら涙を流していた。

でも言えた。

最後の最後にごめんなさいクロノ君。

貴方を惑わすようなことをして。

でも、これが私の正直な気持ちです。

そしたらクロノ君は笑ってーー

 

クロノ「ありがとな、岡崎! 行ってくるぜ!」

 

そう言って去って行った。

……やっぱり振られちゃったか。

 

ルーナ「クミ。大丈夫?」

 

ルーナちゃんが声をかけてくれた。

大丈夫だよって言いたい。

でも、言えない。

言ったら涙が溢れてしまう。

今だけは我慢しなくちゃ。

 

カズマ「岡崎」

 

あっ。

 

カズマ「もう無理しなくて良いんだぜ」

 

クミ「か、ずまくん」

 

彼の優しい言葉につい声を出してしまった。

目に溜まっていた涙が溢れてしまう。

 

クミ「あっあああ。わあああん!」

 

泣いてしまった。

声が枯れそうなぐらい大きな声を出して。

きっとみんな心配しているだろう。

でもそんなこと気にしないかのように涙が溢れてくる。

気が付いたら私はーー

 

カズマ「泣けよ岡崎クミ。泣いた分だけまた笑顔になれるようにさ」

 

カズマ君の胸の中で泣き続けていた。

彼の優しい言葉が胸にしみる。

ありがとうカズマ君。

こんな私に優しくしてくれて。

ありがとうクロノ君。

最後に私に笑顔をくれて。

貴方を好きになって良かったです。




今回はここまでです。
次回もお楽しみください。
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