カードファイト!!ヴァンガードG 孤独の先の、愛の物語   作:リー・D

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今回から独自解釈が大きく出てきます。
読んでみて違和感を感じてしまうのなら申し訳ないです。
ですが、この小説ではこの設定で行きます。
そのことを頭に置いた上で読んでください。


番外編:トコハとシン

トコハ「こんにちは」

 

シン「いらっしゃい。お帰りなさい、トコハちゃん」

 

リンが家に来た翌日の昼前、トコハは昨日約束したバイトの面接を行うためにキャピタル2号店を訪れていた。

トコハの来店を見て、他の店員に店を任せて、シンとトコハは店の奥の店員専用室に下がっていった。

 

トコハ「今日はよろしくお願いします」

 

シン「はい。お願いします。履歴書も受け取りましたし、書類は大丈夫ですね。それではトコハちゃん。何故この店で働いたいと考えたのですか?」

 

トコハ「ここが私のヴァンガードの原点だからです。ここで働くことで、私のこれからの人生を考えて、決めることができる。今私がするべきことを行える。だから私はこのお店で働きたいです」

 

シン「今あなたのするべきこと。それは、なんですか?」

 

トコハは、少し目を閉じて考えてから、言葉を紡いだ。

 

トコハ「私を選んでくれた恋人のクロノは、とても不器用で、目の前のことに集中しないと不安で押しつぶされてしまう心の病を未だに持ち続けています。そんな彼を私は支えたい。だから私は日本に帰ってきたんです」

 

強い意志を持ったトコハの目がシンに見えた。

 

トコハ「彼は私への想いにこれまで気づかなかったのもその病のせいです。長い時間の中でやっと整理できた彼の想い。私は全力で応えたい。今もこの先の未来も。そして今必要なのは1秒でも長く彼のそばに居ること。学校は無理でもバイト先、家、自由な時間。持てる全てで私は彼を受けとめたい。だから」

 

トコハ立ち上がり、大きく頭を下げた。

 

トコハ「お願いします。私を此処で雇ってください。お店のために、クロノのために精一杯働きます」

 

シン「……それが、あなたの気持ちですか」

 

シンは思い出す。

父と離ればなれになり、叔母に迷惑をかけまいと強がっていた少年を。

その彼は目標を持つとそれに向かって一直線になり、見失うと無気力になってしまう症状があったが、それが彼女の言うとおり心の病だとしたら本当は支えが必要だったのだろう。

しかし誰1人、ミクルでさえそれに気づかず、未熟な子どもと未熟な大人はずっと彼を1人にして、その悲しみを彼の内に閉じ込めてしまったのだ。

そんな彼が自身の恋心に気づけたのは一時の目標ではなく、将来の夢に挑戦し続ける中で少しだけ心に余裕ができたからだろう。

 

シン(ほんの数日で彼の本質を感じ取れたのは、彼女が彼の想いに全力で応えようとしているからであり、クロノ君が心を開きかけているからでしょうね)

 

情熱的でありながら寂しがり屋なクロノと直線的でありながらも包容力に満ちたトコハ。

似た者同士であり、対照的な2人の相性は本当によかったのだろう。

きっと、このまま進めば彼女はクロノの心の傷を完全に癒すことができるだろう。

 

シン(ならば、私にできることは)

 

シン「トコハちゃん。あなたの決意は分かりました。私もクロノ君の笑顔が絶えない日々を望みます。だから、あなたを全力でサポートしましょう」

 

トコハ「じゃあ」

 

その言葉を聞いて、嬉しそうな顔になったトコハにシンは頷いた。

 

シン「はい。私たちと一緒に働きましょう。ようこそ、カードキャピタルへ」

 

そう言ってシンは右手を差し出した。

トコハは迷わずその手を取って、強く握手をした。

 

トコハ「ありがとうございます。シンさん。いえ、店長」

 

珍しく店長と言われたシンは照れながらも、トコハの目に貯まっていた涙を見過ごさなかった。

 

シン(トコハちゃんと同じですね。私も今できる全てを行いましょう。彼らの笑顔のために)

 

その後、さっそくシンはトコハにエプロンを与え、バイトの内容を教えていった。

トコハは飲み込みが早かったので、クロノたちがバイトでキャピタルに辿り着くまでに全ての内容を覚えたのだった。

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