カードファイト!!ヴァンガードG 孤独の先の、愛の物語   作:リー・D

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番外編:トコハとクミ

クミ「トコハちゃ~ん」

 

トコハ「クミちゃん! 久しぶり」

 

放課後、クロノとカズマがバイトでキャピタルに来るのと同時にクミもやってきた。

バイト中だったトコハと久しぶりの再会に喜んだ。

 

クロノ「トコハ。そのエプロンしているってことはバイト受かったのか」

 

トコハ「えっへん。その通り。どう、似合う?」

 

クロノ「その姿。中学の時にも見たことあるけどな。でもまあ」

 

胸を張ってエプロン姿を見せるトコハに呆れつつも、クロノはトコハの耳元に近づき、小さくささやいた。

 

クロノ「似合ってるぞ」

 

その言葉に顔を真っ赤に染めて固まったトコハを放置してクロノはカズマと共に店の奥に向かった。

 

クミ「トコハちゃん、大丈夫?」

 

トコハ「ハッ! 今何か奇蹟のようで慣れなきゃいけない言葉を言われたような」

 

目が覚めたトコハは慌てふためて可笑しなことを言ってしまう。

そんなトコハを見て、クミは思わず笑ってしまう。

 

クミ「ふふふ、トコハちゃん可愛くなりましたなぁ。これも恋の力と言うやつですかねぇ」

 

トコハ「く、クミちゃん。恥ずかしいこと言わないでよ。もう///」

 

クミ「いやいや、トコハちゃんが幸せそうで私も嬉しいのですよ。だから、クロノ君や私にどんどん甘えてね。歓迎するぞい」

 

トコハ「そ、そう? じゃあ」

 

嬉しそうに両手を広げるクミに対し、トコハは笑顔になり、両手を肩に置いた。

 

トコハ「昨日のクロノに対してしでかしたことの言い訳を聞かせてよ、クミちゃん」

 

そしてとても良い笑顔になり両手に力を込めた。

その笑顔にクミは怯えてしまう。

 

クミ「えーっと、な、何のことかな~?」

 

誤魔化してみたが、そのセリフを聞いた瞬間トコハの手の力が増した。

 

トコハ「誤魔化さないでよ、クミちゃん。知ってるんだよ。クラス全員でクロノを拷問したこと。あの後クロノが暴走して私大変だったんだからね」

 

もはやトコハの笑顔は消えてクミを睨みつけている。

 

クミ「えーっと、おめでとう?」

 

トコハ「ク~ミ~ちゃ~ん?」

 

クミ「は、はい」

 

トコハ「コロッケパン。私とクロノの分、奢ってね♪」

 

クミ「はい」

 

トコハの威圧に耐えきれず、クミはコロッケパンを奢ることになってしまった。

自業自得ではあるが、2人分、しかも1個以上は必ず食べるトコハに奢ることになると最悪お小遣いが飛んでしまう可能性があり、クミは少し泣いてしまう。

 

トコハ(虐めすぎたかなぁ? 食べるのは1個にしよ)

 

そんな様子のクミを見て、トコハも少し自重することにした。

 

トコハ「でもクミちゃん。自業自得だよ」

 

クミ「うう。だって、トコハちゃんのことクロノ君がちゃんと考えているか親友として知りたかったんだもん」

 

トコハ「だからって、無理矢理聞き出さなくても直接聞けば良いじゃない。どうしてそんな行動になったの?」

 

カズマ「ああ、それなんだがな、安城」

 

改めて理由を聞き出すことにしたトコハに着替え終わったカズマが助け船を出す。

 

トコハ「東海林君」

 

カズマ「その様子だと、クロノのやつからは聞いてないな。実はな、岡崎はクロノのことが好きだったんだよ」

 

トコハ「えっ!?」

 

クミ「ちょ、東海林君!? な、何を言っているのですかなぁ!?」

 

トコハ「クミちゃん、それ本当?」

 

再びトコハがクミの肩を掴んで問いただす。

顔は伏せていて見えないが、クミには怒っているように見えたため、また怯える。

 

クミ「う、うう。はい、私クロノ君が好きでした」

 

クミは観念してテンション低めにトコハに自身の想いを告白する。

そんなクミに対し、トコハは――

 

トコハ「クミちゃん!」

 

なんと抱きついた。

 

トコハ「ごめんね、クミちゃん。私、知らなくて。結果的にクミちゃんからクロノを奪う形になっちゃって」

 

知らなかった親友の気持ちを知ってしまったためか、トコハは泣いてしまう。

 

クミ「トコハ、ちゃん。ううん。良いの。私、もう告白して、振られたから。ただ、ちょっとクロノ君も、トコハちゃんも羨ましくて。それで、イタズラを」

 

クミもトコハの涙につられて、本音を吐き出しながら泣いてしまう。

カズマや客たちの視線を他所に、2人の親友は小さく泣きながら互いを強く抱きしめ続けたのだった。

 

カズマ(雨降って地固まるってやつか。よかったな、岡崎。これで大丈夫だろ)

 

親友との仲違いを危惧していたカズマは、2人の様子を見て、ホッとすると、ここでトコハが離れて笑顔で喋り出す。

 

トコハ「クミちゃん。理由は分かったよ。でも、やりすぎなのは変わらないから、パンは奢ってね。あ、クロノの分は東海林君が買ってくれればいいから」

 

カズマ「なに!?」

 

トコハ「あ、買いに行ったら売り切れだったからって、逃げるのは無しね。奢るまで言い続けるから覚悟してね」

 

カズマ(この女。なんて切り替えが早いんだ。こええよ。ホント)

 

再びとても良い笑顔になったトコハにカズマは恐怖を感じてしまう。

戻ってきたクロノは、何があったのか分からず首をかしげている。

今此処に、新たなヒエラルキーが誕生した。

恐怖におびえるカズマとクミをよそに、クロノに突撃し、ハートを撒き散らしながら抱きついたトコハを見て、シンは苦笑するしかなかったと言う。

カードキャピタルは今日も平和だ。

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