ストライクウィッチーズの世界に転生して人型ロボットを造って乗る男の話。   作:メガテニスト(偽)

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スオムスでの初めの戦闘の後。

「え…?お兄さんって准尉さんだったの…?し、失礼しました…。北郷准尉…。」
「いや、まあ、もう誰も気にしないところならお兄さんでいいしそこまで堅苦しくしなくてもいいよ。」

扶桑の迎えが来たとき。
「これでお別れだな、北郷准尉。後送だろ?」
「え?いえ、このままカールスラントへ向かいますけど?」
「…足を怪我してたんじゃなかったのか?」
「飯食って寝てたら直りました。」
「たった一週間で治るのか。うらやましいな。」





第十五話

まずはカールスラントへと転属されてからのことを手短に話そう。

 

スオムスを経由してベルリンでまずはミカエラ・ヴィットマン曹長と彼女の機体を降ろして、彼女をウィッチ病院へと運んだ後、今度はオストマルクの国境にある前線基地へと輸送機で向かう。

そこで扶桑から来た他の部隊と合流する。出迎えてくれたのは、扶桑海事変でも一緒に戦ったことのある人物だった。

「扶桑陸軍欧州派遣団第1戦車師団第2連隊第1大隊へようこそ、北郷一郎准尉。ここの指揮官を務める横山一美少佐です。久しぶりね。扶桑海事変以来かしら。」

なんと、そこにいたのは扶桑海事変の時に一緒に戦った横山大尉(当時)だった。あれから昇進したらしい。

少佐とは、これまた随分と出世したものだ。すごいなぁ。

素直に感心する他ない。

 

 

 

オストマルクとの国境は既に激戦区だ。既にここも激しい戦闘を繰り広げている。

地上でもネウロイの波が押し寄せてきていた。

おおよそ4ヶ月ほど戦っていただろうか。俺はその間精力的に戦って、精力的に働いて、それなりの頻度で空戦ウィッチたちの回収を行っていた。

しかし、状況は悪くなる一方だ。

まず数が多すぎて対処できない。そして、超大型による被害も多かった。(こっちはルーデル大佐とかいうすごい人が倒してくれたりもしたが。)その巨大砲で前線基地をやられたりして前線はどんどん後退している。

俺も中隊長として大型の対処を主にやっていたが、戦局を変えられるはずもない。部隊とともに後退を繰り返している。

 

ある時、超大型による襲撃で前線基地がやられた。超大型自体はシュトューカウィッチたちの活躍によって開いた敵の軍勢の穴から突撃して撃退できたのだが、このままでは補給もままならないので後退することになった。

前線基地にいた整備班などの生き残りと物資をトラックに積んで集合場所へと後退する。

ここから更に次の前線基地へと後退するはずだったのだが…。

 

「敵襲ー!ネウロイです!」

ここで運悪くネウロイの襲撃にあった。

「なんだってこんな時に…!総員!戦闘配置!非戦闘員は中心へと退避せよ!」

そしてこれまた運の悪いことにこの時、ネウロイに囲まれていた。

「少佐!まずいです!ネウロイに囲まれています!」

「何ですって…!包囲の一番薄い場所を探して!そこから突破するわよ!」

包囲された場合まず抜け出すことを考えるのが先決だ。そうでなければ弱い側面や後方から攻められてしまう。

それ故に包囲の一番戦力の低いところに戦力を集中して突破して抜け出すことは何一つとして不自然なことではない。

 

「しかし、その方向は味方のいる場所とは別の方向です!」

「やむを得ないわ!まずはここを切り抜けることが先決よ!北郷准尉の小隊は退路を切り開いて!そこからは脱出を支援。殿を務めつつ撤退して。その他のウィッチは他の歩兵とともに戦線を維持しつつ後退!」

「了解。」

 

指示されたとおりにまずは敵の包囲の薄いところを突破して、その後、両横から穴を埋めようとするネウロイ達を牽制。退路を維持しつつ、非戦闘員を先頭に撤退してくる味方の援護に回る。

「こちらから脱出を!退路は維持します!」

「了解!」

撤退を支援していると、戦線を維持しつつ後退していた部隊が来た。

「あなたたちで最後ですか!」

「はい!」

「今から1分間の一斉放火で目の前の敵を撃破したら煙幕を張ります!それに合わせて全速で後退を!」

「了解!」

目の前の敵を一気に攻撃して撃破。見える範囲に敵がいないことを確認すると追撃が来ないうちに後退。

奴らが苦手とする森を通ってあらかじめ指示されたポイントへと急行する。

 

他の味方との合流はできないが自分の部隊とはちゃんと合流できた。すぐさま少佐への報告を終える。

「ご苦労様でした。十分な休息をとって頂戴。」

「はっ。」

 

 

横山少佐が通信兵に話しかける。先ほどは包囲を受けていたこともあり無線を飛ばす暇もなかったが、それが落ち着いた今部隊との連絡を図る。

「合流予定だった部隊との連絡はとれた?」

「はい。何とか無線が通じました。どうぞ。」

そう言って受話器を渡す通信兵。

「こちら第一大隊の横山少佐。撤退途中にネウロイの襲撃と包囲を受けて進路を変更。合流は困難。どうぞ。」

「こちら第二大隊。了解した。予定時刻に我々は予定されていた前線基地へと後退する。そちらも可能ならば直接基地へと向かわれたし。どうぞ。」

「了解しました。通信終わり。」

無線を切ると受話器を通信兵へと返す。

「可能ならば前線基地へ…か。しかし、まずいわね、今残っている物資じゃそう長くもたないわ。こうなったら扶桑ではない部隊と合流して物資を融通してもらうしか…。この近くだと…。通信兵!ここの部隊と連絡取れる?」

「やってみます。……」

 

 

ネウロイの包囲を切り抜けた翌朝、少佐がみんなを集めて説明を行う。

「傾注!私たちはこれよりリベリオンの部隊のいる方向へと進路を取ります。リベリオンの部隊と合流してかれらから物資の融通を図り、その後、予定されていた前線基地へと後退。ここまでで何か質問は?……無いようですね、それでは解散!」

 

 

それからリベリオンの部隊のほうへと進軍を始める。幸い、道中はネウロイに襲われることはなかった。

しかし、接触しようとしていた部隊がいるはずの場所からおよそ20kmほどの地点に差し掛かった時、

唐突に戦闘音が聞こえてきた。散発的な大砲の音。これは…。

 

「横山少佐、とりあえず俺たちの小隊だけで様子を確かめてきます。」

「ええ、お願い。」

 

戦闘音のする方向に近づいていくと、にわかにビームの光なども見えた。周りが森で光量も低いからかそれなりに目立つ。

 

「ネウロイか!」

 

やはりネウロイがいるようだ。さらに近づいてみてみると、魔導甲冑…あれはリベリオンの最新型、スタアⅢか。スタアⅢと2人の陸戦ウィッチが地上型のネウロイと戦っている。

 

「ひーん!数が多すぎマース!」「もう弾もないわ!」「囲まれてるしもうだめだ~!わっ!右!シールド!」

 

ずいぶんと賑やかだがかなり戦況は悪そうだ。幸い、魔導甲冑の防御能力のおかげでまだ持ち堪えているが時間の問題だろう。数のごり押しで消耗させられている。いろいろ気になることはあるがとりあえず助けるのが先だな。

しかし、この数はいくら光武改と陸戦ストライカーでも分が悪い。横山少佐に無線を送る。

 

「こちら光武第一小隊。魔導甲冑の小隊の友軍が攻撃を受けています。このままではやられるのも時間の問題です。また、現状の戦力では敵の殲滅は困難。彼女たちを救出後にそちらに敵を誘導して合流して迎撃することを提案します。」

「こちら横山少佐。了解。直ちに救援してこちらへ。」

「了解。」

提案は通った。その直後、全域通信で横山少佐から付近の部隊への通達があった。あの小隊が無線を送っていないのは何か事情があったのだろうし、付近に敵がいることを知らせていないだろう。しかし他に襲撃を受けたという無線も入っていないので恐らくはこの近くに敵がいることを知らないはず。それでこの全域通信といったところか。それにしても彼女たちは無線に気が付いている様子がない。恐らく無線が壊れたか。

 

 

「よしっ!俺ともう一人で横合いからつつくからその隙にあの小隊に近づいて煙幕弾をあの小隊近くに投げ込め。そしてあの小隊を連れて部隊の駐留場所へ。」

「了解。」

一緒に来ていた陸戦ウィッチに伝えて煙幕弾を渡して、できるだけあの小隊とは反対方向になる場所へと移動する。そして彼女が所定の位置に着いたことを確認するとボフォース40mmで攻撃を仕掛けていく。

こういう場面では連射力で制圧すべし。とはいえ弾がもったいないので、当てやすいできるだけ近距離の敵に狙うようにしているが。

 

敵の注意はこちらに向いた。ちらっと彼女たちの方向を見ると煙幕が張られているのが見えた。

ネウロイ達もそれに気が付いて追撃しようとする個体もいたがそれらを攻撃して注意をこちらに向けさせる。

煙幕が晴れるまで注意を引き付けていたが、姿は見えない。どうやら無事脱出してくれたようだ。

こちらも逃げる頃合いだろう。煙幕をばらまいてすたこらさっさと撤退する。敵の攻撃が後ろからきているが後ろから攻撃がくるとわかっていれば後ろにシールドを張ったまま逃げればいいだけだ。

全部はじいて全速で撤退する。味方の陣地が見えてきた。とっくに味方は戦闘態勢を整えている。

見るとリベリオンの小隊も無事にここについているようだ。こうなればこっちのものだ。

 

俺たちの後をつけてきたネウロイ達を手厚い歓迎で出迎えた後、リベリオンの小隊と話をする。

 

「救援に感謝しまス。危ないところでしたー。ワタシはリベリオン陸軍第三機甲師団A中隊所属の陸軍軍曹アリサ・グリーン・プールでーす。」

「同じくリベリオン陸軍軍曹のケイです。」「同じくリベリオン陸軍軍曹、ナオミです。」

小隊の人たちが自己紹介した後、俺たちも自己紹介を返す。その後、事情を聴くと、

「無線が急に壊れて信号弾も打ち上げられずに救援を呼べなかったのでーす。本当に助かりましたー。」

などと説明している。やはりか。

「扶桑陸軍第一師団第二連隊第一戦車大隊の横山少佐です。私たちは撤退途中にネウロイに襲われて他の部隊とはぐれ、別の合流地点へと向かう予定なのですが、そこまで行くための物資が足りず、リベリオン陸軍と連絡を取って物資の融通をしてもらうところだったのです。」

「オーウ、それは大変でしたね…。その部隊、ワタシたちの部隊です。だから私たちが先導しまーす!ついてきてくださーい!」

こちらの事情を聴いたアリサ軍曹は道案内をかってでてくれた。それについていく俺たち。

しかし、駐留しているという場所に向かっているとき、

 

 

「緊急!こちらリベリオン第3機甲師団第一大隊!我々は攻撃を受けている!部隊壊滅の恐れあり!至急救援を頼む!」

 

という全域通信が入った。

「聞いたわね!魔導甲冑は直ちに陸戦ウィッチを連れて急行!残った部隊も後に続いて救援するわよ!」

「了解!」「ワタシたちも向かいまーす!」

アリサ軍曹たちとともに、直ちに俺たちは現場へと急行する。

 

それまで向かっていたこともあってすぐさま現場に到着する。

 

「扶桑陸軍第一戦車師団第1中隊の北郷准尉他6名!戦闘に参加します!」

「同じく扶桑陸軍第一戦車師団第2中隊の橘曹長他6名、戦闘に参加します!」

「遅れて申し訳ありませーン!アリサ軍曹他2名、ただいま戻りましたー!」

 

「ウィッチだ!扶桑のウィッチたちが救援に来てくれたぞ!」

「アリサ軍曹たちも戻ってきたぞ!これで何とかなるかもしれない!」

 

「アリサ軍曹!ここは俺達が食い止めるので今のうちに弾薬と燃料だけでも補給を!」

「わかりましたー!ありがとうございまーす!」

 

扶桑海事変の戦訓で欧州の弾薬などとの合一化をしてはいたが、大砲の弾薬まで同じではなかったし、すぐに合流して補給を済ませるつもりだったから補給がまだ済んでおらず十分に能力を発揮できないアリサ軍曹の小隊を下がらせて代わりに前に出る。

 

ネウロイ達は大量にいた。とにかく近くの味方に寄せないようにする。

しかしとんでもなく数が多い。まるで津波のごとく押し寄せてくる。それに距離も近い。ここは機銃での対処のほうがいい。

しかし、20mmはウェポンラックの分を考えても弾数が少なく、すぐに弾が切れた。所詮はサブウェポン扱いだったし…。

 

「くそっ!すまないがエリコンssの20mmの弾はないか!」

「すまないがいまこの場にはない!今取りに行かせるからその間代わりに50キャリバーを持っていけ!」

「助かる!」

 

20mm機関砲を置いて代わりにM2ブローニングを受け取る。

小型ネウロイならごく近距離に限るがこれでもある程度通用した。

中型になると流石に装甲も硬くて通用しないので素直に40mmを使ったが。

 

しばらく戦闘を続けているとアリサ軍曹達も補給を済ませてきたようだ。

「お待たせしましたー!」

と、言って戦闘に加わる。

「扶桑陸軍戦車師団第一大隊!ただいま到着いたしました!」

後からついてきていた扶桑陸軍の味方も到着したようだ。

そしてそれと同時に斜め上方向からビームが飛んできた。

かなりの威力だ。着弾とともに大爆発を起こした。味方も巻き込まれていた。

「大変だ!今の砲撃で中佐がやられた!」

どうやらリベリオンの部隊の指揮官がやられたらしい。一時的に指揮系統に混乱が生じ、リベリオンの部隊に混乱が広がる。

周囲を見渡すと、森の中から黒い身体に赤いパネルを貼り付けたシルエットが飛び出ていた。

「げぇーっ!まじかよあれ!?」

「ワーオ、おっきいねぇー…。」

恐らくあれがこいつらを連れてきた張本人だろう。アリサ軍曹達が追いかけられていたのはこいつらの斥候か別働隊だったのかもしれない。

時間単位で生産する数は少ないものの小型の陸戦ネウロイを生産しながら移動している。これがあれだけ数がいた原因か。

どちらにしろ、あんなのがきたら防御力のあるウィッチはともかく他の部隊はすり潰される。そうなれば終わりだ。

 

よく見ると航空ウィッチ達が巨大ネウロイに襲いかかっている。あれの被害は酷いものになるからだろう。

巨大ネウロイは攻撃を受けながらも()()()を進軍している。

しかし、攻撃しているウィッチ達の中に爆撃ウィッチ達はいなかった。恐らく、あの部隊は制空任務を受けた部隊なのだろう。

圧倒的に攻撃力が足りない。周りを飛びながらコアを探して破壊するにも装甲が厚く、また、先ほどの制空で弾を消費してしまったはずだ。

今、爆撃ウィッチに応援を要請しているところかもしれない。

しかし、あの進軍スピードでは爆撃ウィッチ達が空を飛んでくるとしても、ネウロイに絶賛襲われている今、後退の速度が遅いこちらは先に追いつかれるだろう。

それに、幸いあの高威力のビームは航空ウィッチ達へ向けられていてこちらには向いていない。

か、いつこちらに向けられるかわからない。もう一度こちらを狙われたらひとたまりもない。できる限り早めに対処しなければならない。

しかし、襲われている今陸戦ウィッチが全員あいつの攻撃に回るわけにはいかない。

少人数しか無理だろう。俺は横山少佐に提案した。

 

「こちら北郷准尉!横山少佐、聞こえますか!」

「こちら横山少佐!どうした!」

「提案があります!俺だけを攻撃に回して巨大ネウロイを叩きましょう!このまま守っていてもやられます!早めにあいつを倒さないと!この森の中ならこの数でも陸戦ウィッチだけでしばらくは守れるでしょう!それに巨大ネウロイへの接近も平地に比べれば容易です。制空権もこっちにあるので空の妨害は心配いりません。光武改の攻撃力ならあいつの装甲も抜けます!」

「無茶よ!あの大きさではコアを見つけるのも一苦労よ!あなただけじゃ…!…それでもこのままじゃ全滅…か…。」

「なら私も行きます!行かせてください!一人なら無理でも二人ならあるいは!」

「橘曹長…。」

「じゃあワタシもいかせてくださーい!扶桑には三本の矢とかいうエピソードがあるってききまーす!三機ならきっと勝てまーす!」

アリサ軍曹ものってきた。

「コアならまだ断言はできませんがもしかしたらしらみつぶしに探すより早く発見できるかもしれない方法ならあります!こんな場面で試すのは不安ですが。」

 

横山少佐は少し考えた後、

「…わかったわ。リベリオンの部隊の方もよろしいでしょうか。」

「ええ。貴女達に託します。」

急遽代理の指揮官となった人物が返事をする。了承を得た俺たちはまずは集合してそれから3機同時に味方の戦線から離脱。そして巨大ネウロイの元へと急行する。

 

道中で散発的に襲ってくるネウロイを蹴散らしながらすぐそばまで迫っていた巨大ネウロイの元へとたどり着く。

8つの足で移動する巨大ネウロイ。その周りには大量の護衛がいた。この数を全部相手するわけにはいかない。

ここまでに来る敵に接触したせいであいつらもそろそろここに来ることを予期してるだろう。奇襲も短時間しか効果がないはずだ。短期決戦で決めるしかない。

俺たちは隠れて様子を見ながら話をする。

 

「聞いてくれ!まずは俺があの巨大ネウロイに接触する!それを後ろから援護!」

「ええっ!?」

「無茶に無茶を重ねるのはよくないでーす!スーアサイドでーす!第一接触してどうするんですかー!」

「接触すればコアがわかるかもしれない!俺の固有魔法は金属操作。それと金属部分の走査もできる!ネウロイは金属でできているからもしかしたらそれでコアを発見できるかもしれない。俺の光武改はフィッティングしてあるから光武改の上から固有魔法を発動できる。増幅された魔法力で無理やりあいつの体を調べる!」

「こんな時に何ですがなんだか響きがいやらしいです…。」

「じゃあ触診すると言おう!それで発見したら俺が射撃地点を伝えるからそこに集中砲火!わかったか?」

「了解しました。」

「ワタシも了解でーす。」

 

それでは作戦開始だ!位置を変更した後、まずは煙幕弾を投げ込んだ。それが合図でネウロイ達との交戦が始まる。

まっすぐ煙幕の中を突っ切る。これで少しでも距離を縮める。

ビームが撃たれた場合、煙幕は一時的に穴が開く。しかし、次々に吐き出す煙でまたすぐに隠れる。

やみくもに撃ってくるビームが飛び交う中をシールドを張りながら突っ切る。

煙幕を抜けた先には巨大ネウロイが待っていた。即座に反応したネウロイ達は俺に狙いをつける。

目の前の進行するのに邪魔な奴だけボフォースで4連発して撃破してさらに距離を詰める。

しかし、それを阻もうと目の前にネウロイ達が移動しようとしている。

その時、そのネウロイ達めがけて榴弾が飛んできて足をやられたネウロイは動きを止める。

見るとアリサ軍曹たちのようだ。的確に邪魔な敵だけ攻撃してくれている。

 

「ナイス援護!」

 

思わずそう言った。

 

「距離30m…!」

そこで一気に踏み込んで思いっきり跳んだ。足の一本に魔法力で引っ付く。そこで小型のネウロイ達は一斉に俺のほうを向いた。しかし、俺が巨大ネウロイに引っ付いたことで俺を撃てば巨大ネウロイにあたる状況になった。

 

「うおっと!?」

 

しかし、当然引っ付かれた巨大ネウロイは俺を振り落とそうと足をふるっている。

小型ネウロイ達も巨大ネウロイにあたるのも構わず大量のビームを放ってくる。

ここでは調べづらい!俺は巨大ネウロイの足を走って登り、関節の部分あたりで胴体のほうへとジャンプして、胴体の上に乗っかった。

さすがにここを撃つわけにもいかず、小型ネウロイ達も攻撃をやめた。

そして俺は巨大ネウロイの体に手を当てて身体を走査する。手を当てたところから広がっていくようにネウロイの体の内部がわかっていく。その中に一部、他とは少し違う反応がするとこらがあった。

 

「そこか!」

 

俺は頭のように見える部分に攻撃をする。ボフォースでまずは一発。そして通信を入れる。

 

「今撃った部分に攻撃を集中してくれ!」

「「了解!」」

 

全員で一斉に頭に攻撃を仕掛けると、大きな穴が開いた。そこから赤い物体が見える。

 

「コアだ!」

 

しかしその時、

 

「きゃぁっ!」

橘曹長の軽い悲鳴が通信の向こうから聞こえる。

「どうした!?」

「駄目です!敵の攻撃が激しくなって狙いが定まりません!」

「こっちもねー!」

 

俺に砲撃ができないから狙いをあちらに変えたらしい。砲撃が二人に集中していた。

それならば俺が攻撃するしかない。が、ネウロイは体をめちゃくちゃに振り回してこっちもしがみつくのでやっとだ。その隙にコアの周辺を修復している。

 

が、その時、機関銃の連射音が聞こえたかと思うとコアが破壊された。

銃弾のとんできた方向を見ると先ほどから制空戦闘をしていた航空ウィッチだった。

「やった!」

コアが無くなると同時に糸が切れたように崩れ落ちる巨大ネウロイ。その上に乗っていた俺も浮遊感を感じる。

あっ、これやばいやつだ。早急に退避せねば。

 

「二人とも!シールドを全開!」

「「了解!」」

 

それだけ言うと急いで俺も逃げる。小型ネウロイ達は動きを止めている。

巨大ネウロイの体の上から思いっきりジャンプする。そして空中で巨大ネウロイの爆発をシールドで受け止めて吹き飛ばされる。

 

丁度初代プリキュアのOPの中盤あたりのキュアブラックのような感じで腕を回しながら空中を舞う俺。

その方向にはアリサ軍曹と橘曹長がいた。

二人の上を悠々と飛び越して森の上を飛んでいき、シールドを全開にしてなるべく5点着地の形になるようにして衝撃を逃がしつつ着地…する途中で木に激突した。まあ森だしね。

 

「だ、大丈夫ですかー?」

「無事ですかー?」

 

追いついた二人は俺を心配して声をかけてくれた。

 

「ああ、何とか。」

 

その時、通信が聞こえた。

 

「大丈夫ですか!吹き飛ばされた魔導甲冑のパイロットさん!」

とどめを刺した航空ウィッチが通信を送ってきたようだ。

「大丈夫だ。救援、感謝する。」

 

そう言って航空ウィッチに手を振る。そして、敬礼して見送った。

その後、無線で巨大ネウロイを倒したことを報告する。

「こちらでも確認しました。よくやったわ。帰投してください。」

通信が終わると3人で味方の陣地へと戻る。

 

 

陣地に戻ると兵士たちによる歓声をもって出迎えられた。

 

「急に波が引くようにネウロイ達が撤退していったんだ!」

「やってくれましたね!」

 

光武改を置いて戦闘の経過を報告し終えると、橘曹長とアリサ軍曹が話しかけてきた。

 

「私たちが…倒したんですよね。あんなおっきいの。」

「そうだよ!ワタシたちが倒したんだよ!」

二人とも感動しているようだった。

「ああ、そうだな。ま、とどめは譲ってしまったけどな。」

 

それにあれは制空権の確保と地形など、様々な要因があっての奇襲だが、まあもう過ぎたことは言うまい。いまは

この勝利を喜ぼう。この勝利は、決して少なくない犠牲を払ったのだから。

 

この戦闘でこのリベリオン陸軍の第一大隊は指揮官を失い、更に3分の2ほどに人数を減らしていた。

部隊の再編のため、連隊の基地のある場所まで後退することになる。

相変わらず物資の少ない俺たちは、この後退についていき、部隊と共闘してリベリオンの基地を目指し、そこで最低限の物資の融通をしてもらって自分たちの基地を目指すということになったのだった…。

 

 

 




戦闘が終わった夜、アリサ軍曹がなんだか少し落ち込んだ様子で考え込んでいた。
少し気になってそばに近寄る。お茶を渡しつつ話しかける。

「どうかしたのか?」
「あっ、キタゴー准尉さん。」
「そんなに堅苦しくなくていいさ。」
「じゃあイチローさんで。少し考え事をしてましたー。」
「…よかったら聞かせてもらえるか?」
「…ワタシが部隊とはぐれていなかったら、もっと早く合流できてたらもっと被害は少なくなったのかな…って。」
「……。」
「救えたかもしれない命があったかもしれない。そう思うとなんだか少し。」
「まあ気持ちはわかる気もするよ。俺もそんなことを考える場面は何回もあった。でもそれはもしもの話だ。それに、他の部隊の人が話していたぜ。あの時、部隊からはぐれていたのは殿を引き受けて敵を引き付けてたからなんだろ?
もしかしたら、君たちがあの時殿を引き受けてなかったら道案内もなくて俺たちが現場に急行できなかったかもしれないぜ?
人の命が実際にかかってるんだ。悩むな、なんて言わないし言えない。だけど、君たちのおかげで救われた人間もいるってことも覚えておくといい。」
「…。」
「俺からいえるのはそれだけだ。話を聞かせてくれないか、なんていって大して役に立つことも言えなくてすまない。それじゃ、そろそろ俺は寝るよ。おやすみ。

「おやすみなさい。…………イチローさん。お話、聞いてくれてありがとうございました。」

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