恋次元ゲイムネプテューヌ LOVE&HEART 作:カスケード
この作品の主人公、黒原白斗と女神様達の出会いと自己紹介フェイズ!
―――少年は、暗い闇の中を彷徨っていた。
その間に響き渡るは、数々の罵倒の声。
何度も何度も、拳や蹴りと共に織り交ぜられるその声に少年は背を背けながらも顔を歪ませている。
―――白斗! 貴様は、私のいうことに従っていればいいのだ!
―――どうして貴様が生き残るのだ……可愛い香澄ではなく、妾腹の貴様が!
―――お前は、間違って生まれた愚か者だ。 役立たずのクズめ。
抵抗しない、抵抗できない。
ただその罵倒を黙って背で受けることしかできない。拳や蹴り以上の痛みが、胸に突き刺さる。
痛みが襲い掛かる度に顔が歪み、目尻から涙が溢れ出す。
(……俺は……やっぱり、死ぬべきだったのかな……。 こんな、人殺し……)
目線を下ろして、顔に影を齎せる。
何度も何度も、日々襲い掛かるこの声にいつしか少年の心に「理解」が訪れようとしていた。
父親の言う通りだったのではないかと。
(今ここで俺が死んでも……心配しない。 誰も、不幸になるわけないよな……)
これだけ忌み嫌われた自分だ、誰も悲しまない。
そんな諦観と絶望が、少年を多い尽くそうとした。
その時だった。少年の心に、温かい何かが入り込んできたのは。
―――この人、大丈夫かしら? 早く目を覚ましてくれればいいのだけど…。
誰かの声が聞こえる。少年を慈しむ、優しい女性の声。
―――あれから一晩も経ってる。 何より酷ぇ怪我だな……誰がこんなことを……。
心配と、怒りの声。だがそれは、少年を気遣ってくれるからこそのものだ。
―――応急処置はしましたわ。 後は目覚めるのを待ちましょう。
一人や二人ではない、三人目の声。しかも、自分を手当てしてくれたらしい。
―――聞こえないかもしれないけど……もう大丈夫よ。 安心して―――
そして最後に聞こえた声。
意識が途切れる寸前に聞こえた、あの女神を思わせる女性の声。
その声が光となって、温もりとなって、力となって。少年を包み込む。やがて自分を痛めつけていた父親の声も無くなり、少年は手を伸ばす。
自分を導いてくれる、「女神」の声に―――。
☆
「……う、ううん……」
外から聞こえる小鳥の囀り、窓から差し込む柔らかな朝日。
それに起こされて少年は、ようやく目を覚ました。
視界に飛び込んできたのは、眩いルームライトの光、可愛らしい色合いの天井、そして自分を取り巻く四人の美しい女性たち。
「あ、良かった! 目を覚ましたのね……」
「……え……?」
真っ先に声をかけたのは、あの時自分を抱きとめてくれた紫の美女。
大きな胸にレオタードと、刺激的かつ現実離れした服装をしていた。
直前まで見たことのない部屋と人。少年にとっては突然かつ全く身に覚えのない事態との遭遇に一気に警戒心が爆発する。
「……っ!?」
「怯えなくていいわ。 ここなら安全だし、私達は敵じゃないから」
思わず胸に手を伸ばし、距離を取ろうとした。
けれども、紫の美女は全く動じず、寧ろ落ち着かせるような表情と声色をしている。
凛とした声から冷静な印象を受けたが、その言動から優しさを感じさせ、少年の心は自然と落ち着いてしまった。
「……ここ、は……?」
「ここはプラネテューヌにあるプラネタワーよ。 酷い怪我だったし、病院も開いてなかったからとりあえずここに運んで手当したのよ」
「得意げに言わないのネプテューヌ。 応急手当したのはベールじゃない」
その反対側から今度は銀髪の美少女が声をかけた。
強気な言動から少し気が強そうな印象を受ける。
更にその隣には白いレオタード姿の美少女と、ポニーテールをした緑の美女が控えていた。因みにこの間、緑の美女はその巨大な胸を揺らしていた。刺激的である。
「……あ、ありがとうございます……イデッ!」
「無理をなさらないでください。 応急手当だけですから……」
「は、はい……」
目の前にいる美女たちは、どうやら助けてくれたらしい。
一旦警戒を解き、感謝のためにお辞儀をしようとしたら激痛が走る。
あくまで傷や痣に対する処置をしてくれただけであり、怪我そのものが癒えているわけではない。
それでも。少年からすれば彼女達は紛れもない命の恩人だ。
(……こんな俺を、助けてくれるなんて……)
今まで暗いものに縛られていた心が、温かくなってくる。
いつの間にか、体も少しずつだが軽くなってくる―――ように感じた。
「にしてもお前、何だって空から降ってきたんだ?」
「空……?」
白の少女からの質問。
だが全く心当たりも覚えも無かった。確かに気が付けば、夜空から落ちていた。
あの瞬間、自分は父親に殺されそうになっていたはずなのに―――。
「覚えていないのですか?」
「覚え……というよりも、なにがなんだか……」
少年自身も困惑していた。
そもそもプラネテューヌという名称も、彼女達の言う「空から落ちてきた」ということも、何より彼女達の事すらも分からない。
「混乱しているようね……。 なら、まずは分かることから整理していきましょう。 それじゃ、まずは貴方の名前から教えて貰えるかしら?」
「は、はい……。 黒原白斗……です……」
ネプテューヌと呼ばれた紫の女性が、改めて質問をしてくれる。
互いに初対面故、僅かな警戒心を抱いてはいるようだったがそれでも少年は何故か素直に話してしまう。自分の名前を。
「白斗……いい名前ね。 私はネプテューヌ、このプラネテューヌを守護する女神パープルハートよ」
「私はノワール。 ラステイションの女神、ブラックハートよ。 覚えておいてね」
「私は女神ホワイトハート。 名前はブランだ。 ルウィーの守護女神をしている」
「ベールですわ。 リーンボックスの守護女神をしていますの」
少年―――黒原白斗の素直な自己紹介が聞いたのか、ネプテューヌ達も優しい物腰で自己紹介をしてくれる。
ノワール、ブラン、ベール、そしてネプテューヌ。彼女達が所謂女神と名乗る女性であることは分かった。だが、白斗には当然理解できないことがある。
「……女神?」
「え? 貴方、女神を知らないの?」
ノワールがさも驚いたような声色を上げる。
まるで、常識知らずと言わんばかりの驚きようだ。
だが当の白斗にとって女神など、物語の中の存在でしかない。いや、その他にも聞き覚えのない単語ばかりが飛び交っていた。
「そ、そもそもプラネテューヌって言いますけど……ここ、どこの国ですか?」
「だからここはプラネテューヌっていう国よ。 ……ひょっとしてそれも知らないの?」
「は、はい……。 らすていしょん? も、ルウィーもリーンボックスも聞いたことが無い……」
地名すら聞いたことが無い。
父親から刻み込まれた英才教育の所為で、国の名前くらいは暗記しているつもりだったがプラネテューヌなる国など聞いたことが無かった。
けれども、女神と名乗る女性達は更に困惑を極めているようだ。
「……なぁ、お前。 どこの国出身だ?」
「日本ですけど……」
「ニッポン? それこそ聞いたことないぜ……」
何やら話が噛み合わず、今度はブランが質問してきた。
出身国、日本。普通に答えたはずなのに、ブランを含め女神たちは困惑している。その顔色や言動から、惚けているわけではないと白斗は察した。
「え? じゃぁ、どういう……」
「……ひょっとして、これは……」
ネプテューヌは何か一つ思い当たったらしい。
答えを告げようとしたその時、彼女の体が光に包まれ―――。
「―――ひょっとして! 今流行りの異世界モノって奴!? 確かにゲイムギョウ界でも大流行してるけど、ついに現実にキター! ねぷーっ!!」
凛とした美女の代わりに―――可愛らしい少女が姿を現した。
「………ゑ?」
白斗は、呆けた。
あの美しく、落ち着いたネプテューヌの姿が消え、入れ代わるようにハイテンションな女の子が何やらメタ発言を連発している。
全く展開についていけず、白斗の脳内は混迷を極める。
「あの……ノワール、さん?」
「何かしら」
「ネプテューヌさんは……どこへ行かれたのでしょうか?」
「現実を見てくださいまし。 ……そこにいる女の子が、ネプテューヌその人ですわ」
呆れたようにノワールもベールもため息を付いた。
白斗は改めて少女に振り返る。ギギギ、と油の切れたロボットのようなぎこちない首の動きで振り返ったその先には、先程の高潔な雰囲気も微塵も感じさせない、元気娘が「ドヤァ!」と言わんばかりに立っている。
「ふっふっふ……美少女は世を忍ぶ仮の姿。 そしてその正体は! プラネテューヌの女神にしてこの作品の主人公兼ヒロイン、ネプテューヌなのだ!! ドヤァ!!」
―――美しき神秘の女神。その面影は、完膚なきまで破壊されていた。
「…………ええええぇぇぇええええぇぇ!? 嘘だろおおおおおおおおおお!!?」
「ねぷーっ!? 何なのかな!? その信じられないというような失礼な反応は!?」
「いや、普通だろ。 お前が一番変わるんだから」
白斗の叫び声が、プラネテューヌに木霊した。無理もないと言わんばかりにブランもコクコクと頷いている。
何せ、まさに女神なお人が一転して正反対な女の子になってしまったのだから。
「では、女神の証明がてらご説明しますわ。 先程までのネプテューヌの姿、そして今の私達の姿は所謂変身ですの」
「そして、その変身……女神化を解くと……」
示し合わせたかのようにノワールたちが一斉に目を閉じる。
すると先程のネプテューヌ同様に光を纏った。
光が収まれば、先程のレオタード姿ではない三人の少女たちが立っていた。
それぞれ黒のツインテール、栗色のショートカット、そして金髪のロングヘア―。見た目がまさに別人となっている。
「……こうなる。 こっちの姿が、普段の私達……」
「……性格も変わっちゃうんですね」
「変わるのは主にネプテューヌとブランだけどね」
女神化を解除したブランは、先程と違って物静かな喋り方になる。
それ以上に白斗の目から見てもあの変身解除はトリックなどという類ではない。自分の想像を超えた力。
自分達がいた世界では考えられない力としか思えなかった。
「……ホントに、女神様なんだ……」
「ふっふっふー。 やっと信じる気になったか!」
「……ネプテューヌの存在が、女神の存在を疑わせたのよ。 全くもう……」
再び呆れたようにノワールが溜め息をつく。
どうやら、彼女のハイテンションな言動に振り回されるのが彼女達の日常らしい。
「……で、改めて貴方は異世界から来たってことでいいかな? いいよね? はい決定!」
「俺の意思は!? ……もう、そう言うことにしておいてください……」
白斗もいよいよついていけなくなった。
それでもこの少女の明るさは、嫌いではない。寧ろその逆―――。
「で、あの……ネプテューヌ、さん……?」
「ネプテューヌでいいよ。 私も君の事、白斗って呼ぶから! 敬語もナシナシ!」
「え? でも……」
「そっちの方が楽しいし、白斗って敬語使うキャラじゃないでしょ? ほらほら、普段の君で接してみて! さぁさぁさぁ!」
全く悪意のない笑顔を向けてくれる。
フレンドリーと言えばそれまでだが、白斗は内心驚いていた。一見何も考えていないネプテューヌだが、感覚的な人間観察力があるらしく白斗の性格を何となく把握していたからだ。
息を飲み、緊張しながらも、白斗は肩の力を少しだけ抜いて。
「……分かっ、た。 よろしくな、ネプテューヌ」
「うん、よろしい!」
改めて、ネプテューヌと関係を結ぶことが出来たのだった。
その際にまた向けてくれる笑顔が、白斗の沈んだ心を軽くしてくれて、更には力も与えてくれる。
「全く、ネプテューヌらしいわね」
「ええと……ノワールさん、達もネプテューヌと仲がいいんですね」
一方のノワールはあくまで女神としての態度を崩さない。それが彼女なりの矜持と言うものだ。
白斗はまだ許可が得られていないこともあって、ノワールたちには敬語をつけて接してみることにした。
「別に……。 ちょっと前までは、シェアを奪い合う敵同士だった」
「え? て、敵?」
ふと、零してみた言葉で少しだけノワールとブランの表情が曇った。それどころか「敵」という言葉まで出てきたのだ。
今ではこうして、呆れながらも互いに対等な関係で会話も成立しているのだから白斗からすれば信じられないと言う他無い。
「ええ。 この世界……ゲイムギョウ界と言いますが、女神達はそれぞれの国を治めていますの」
「そして女神は国民の信仰をシェアエネルギーに変換し、女神の力として行使できる」
「だからこそ、私達は今までそれを巡って争ってきたのよ」
簡単ながらもこの世界がゲイムギョウ界と呼ばれる世界であること、女神はその世界に存在する国のトップであること、そしてシェアというエネルギーを巡って争ったことがあることを、白斗は知った。
白斗は少しだけ表情を俯かせた。所謂、血みどろの戦争がこの世界にも―――。
「いやー、楽しかったよね! この間の格ゲー大会! ノワールが最初に場外ホームランされて……」
「あ、あれはブランの裏切りが原因よ! 最初にベールを叩き潰すって協定を結んだのに!」
「先走るノワールが悪い……」
「うふふ、私にとってそんな作戦など赤子の手を捻るようなものですわ。 次はレーシングゲームでお相手しようかしら?」
―――そんなことはなく、どうやらいつしか戦いは遊びにまで及んだらしい。
ちょっとした口喧嘩に発展しているが、それは仲違いするようなものでなく、寧ろ喧嘩友達を思わせるような接し方だった。
(……なんだ。 シェアというのさえ絡まなければ、いい友達なんだな……)
そんな美少女たちの姦しい姿を見て、思わず白斗はホッとしてしまう。
少なくとも、今は表向きだけでもギスギスした関係ではないらしい。
「でも大丈夫! 今度、友好条約が結ばれて私達は正真正銘の友達になるんだから!」
「あ、あくまで表向きよ。 結局はシェアを奪い合うことに変わりは無いんだから」
「友好協定は武力によるシェアの奪い合いを禁止するだけ……後は各国の歩み寄り程度かしら」
友好協定、どうやらその名に恥じず表立った戦闘行為を禁止し、国同士での友好を結ぼうというものらしい。
シェアを巡りあうことを強調するノワールだが、裏を返せば「シェアさえ絡まなければ仲良くしてあげる」と聞こえないこともない。
「素直じゃないノワールはさておき、白斗。 異世界モノのお約束として住む場所って当然ないよね?」
「そう、なるかな……。 まぁ、野宿ならこれまで何度も……」
「ダメダメダメ! 外にはモンスターだっているんだよ、野宿なんてさせられない!」
「え!? モンスターまでいるのこの世界!?」
突然、ネプテューヌからそんな言葉を掛けられてきた。
根無し草ではあるが、その気になれば生活などどうにでも出来ると思いたかったが、モンスターというそれこそゲームでしか見ないような存在を知らされた。
どれだけ強いのか分からないが、ネプテューヌ達女神が止めようとしている辺り、本当に危険なのだろう。
―――どれだけ、自分の“強さ”が通用するのかも分からない。
「そうよ、野宿なんてやめときなさい」
「でも、だったらどこかで住み込みの仕事でも見つけないと……」
「そこで提案! 心優しき主人公たる私はこの教会で暮らさないかと提案するのだった!」
「ここ……で……?」
白斗は部屋を見渡した。
誰も使っていない一室だったらしく、壁紙以外は装飾も施されていない。家具も来客用の簡単なベッドと机のみだ。
「うん! もういーすんとネプギアには話を通してあるから安心して!」
「いーすん……ネプギア?」
「後で紹介してあげるから! で、どうする?」
「どうするって……どうして、俺なんかのためにそこまで……」
正直、ネプテューヌの申し出はありがたい。
全くこの世界に関する知識がない以上、外で過ごすのは危険だろう。だからと言って、何の見返りも無しにこれだけの援助をしてくれるとは思わなかった。
(……今まで、親ですら俺を助けたことなんてないのに……どうしてこの人達は……ネプテューヌは、俺を助けてくれるんだ……?)
何のメリットもないのに、寧ろ他人を抱え込むだけ厄介事になるのに。
裏があるのではと勘ぐっても、彼女の言動とその明るさからそれすらも感じられない。
益々分からない、どうして自分を助けてくれるのか。
「そんなの、見過ごせないからに決まってるじゃん! こうして出会って、お話した以上白斗はもう仲間なんだよ!」
「ね、ネプテューヌ……」
全く悪意のない表情に、白斗は戸惑う。
周りを見ても、「諦めなさい」、「この子はこういう子だから」、「こうなると思っていた」と目で語る三女神達。
これが彼女の当たり前なのだろう。これが、彼女の優しさなのだろう。彼が―――彼女が女神たる所以なのだろう。
「だから、白斗…………もう大丈夫だよ」
無邪気、健気、そして―――優しい笑顔。
そんな彼女の顔が、白斗にはとても眩しくて。輝いていて。焼き付いてしまって。
(………女神様、だ………)
今、どうして彼女が女神と呼ばれているのか分かった気がする。彼女は、ネプテューヌは、誰にでも親しく話しかけてくれて、誰とでも対等に接して、誰とでも寄り添ってくれる。
そんな姿を、女神以外の何と呼べようか。
―――白斗の中で、彼女の笑顔は一生忘れられないものとなった。
「だからさ、ここで住むってことでいいよね? はい決定!」
「だから俺の意思は!? ………でも、ありがとう………」
「やったー! いいツッコミの腕してるし、これでまた楽しくなるね! ヒャッホー!」
思わずツッコミを入れてしまうも、白斗はその申し出を戸惑いながらも受け入れた。
まるで新しいツッコミ要員、そして友達が出来たことにネプテューヌは一喜一憂する。そんな空気に当てられて、ノワールも、ブランも、ベールも。
そして、白斗の擦り切れた心にも。笑顔が舞い込むのだった。
「……なぁ、俺から一言いいかな?」
「え? いいけど」
白斗は、胸の疼きを感じながらもしっかりと向き合った。
見ず知らずの自分を助けてくれてた彼女達に、初めて優しくしてくれた彼女達に。
「ネプテューヌ、それにみんなも……助けてくれて、本当にありがとう」
―――この人達のために、生きたい。
そう確信した白斗は、ネプテューヌに負けないくらいの精一杯の笑顔を浮かべた。
朝日が差し込んだ彼の顔は―――女神達にはとても綺麗に見えた。
「「「「…………」」」」
「あれ? みんな……どうかした?」
「「「「な、何でもない」」」」
思わず顔を背けてしまう四女神。
言えるはずが無かった。―――「その笑顔に見惚れてしまった」、など。
顔を向けられるはずが無かった。この赤くなかった顔を見られたくなかったから。
(ね、ねぷぅ……どうしたんだろ私ったら……。 こんなの私らしくないよね! うん、切り替え切り替え!)
言いようのない心のざわつきにも屈せず、ネプテューヌは何とか持ち直す。
しかし、その感情は決して嫌なものでは無い。寧ろ、幸せになれるような気がする。
それは、他の女神達も同じだったことは、ここだけの話。一方の白斗は部屋の窓から外の世界を見渡す。
周りは森だが、その向こうに見える大都市。見たことも無い建物の数々から、本当に異世界こと「ゲイムギョウ界」に来てしまったことを改めて実感する。
(どうして、この世界……ゲイムギョウ界に来てしまったのか……正直よく分からない。
でも、こんな“暗殺者だった”俺でも……彼女達に恩返しがしたい。
どうせ、いずれは地獄に堕ちる身なんだ………だったらせめて、彼女達のためにこの命、使おう。
それくらい……いいよな? “姉さん”……)
白斗は己の手を今一度力強く握りしめる。傷だらけのその手で、何かを掴み取ろうとするかのようにこの未知なる世界、ゲイムギョウ界で生き、そして死ぬ覚悟を固めた。
けれども、少年少女はまだ知らない。
ここからハチャメチャで、嘗てない波乱と、そして―――幸せに満ちた物語が幕を開けることを。
サブタイの元ネタ「超次元ゲイムネプテューヌ(無印)」よりプラネテューヌの異名
と言うわけで女神様達との邂逅でした。
こういう時のネプテューヌって本当に物語の展開的にも助かるし、何より女神様なんだなぁって思わせてくれる一番のキャラクターです。
え?私はどこを信仰してるかって?みんな大好きですがプラネテューヌ信者でありルウィー信者です。でもみんな大好き!
そんなこの小説はオールキャラで誰でも楽しめるような作風にしていきますのでどうかよろしくお願いします!