舞鶴第一鎮守府の日常   作:瀬田

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お待たせしました。イベント始まってますね。


第六十六話 キング(後)

「それーっ」

「「…っ」」

 

仮想化されたルーレット…というより羅針盤を模したソレは、しかしやけにリアルな音を立てて回っている。

艦娘の数が多すぎて殆ど線状になった枠内――つまり「王様」を決める銀の針の向こう側を、場の全員が、固唾を呑んで見守っていた。

 

「…ん」

 

やる気のなさそうな妖精さんがスイッチを押すと、猛烈なスピードが段々と弱まっていく。

 

「さぁルーレットが減速していきます!果たして誰が王様になるのかー!?」

「さぁ、僕を王様にっ!」

「させないっぽい!王様になるのはこの夕立っぽーい!」

「王様…ふふふ、不幸だわ…」

「山城はどうしてコレに参加しているんだい…?」

 

この状況に対する艦娘の反応は様々だが、やはりその多くが引き締まった表情をしているようだった。

もはや先日の最終作戦海域であるサンタクルーズ諸島突入よりも張りつめた緊張の糸が、羅針盤の針先が完全に静止するとともに、勢いよく切れるのだった。

 

「…おおっとおー!?こ、これは…!」

 

ゆっくり、その名が拡大されていく。

艦娘たちはおおっ、とか、きゃあっ、と歓声を上げつつ、好奇心の渦中の人物――名取へ視線を向けた。

 

「ちょっと名取!あなたよあなた!」

「…へ?私?」

「来ない来ない、なんて言っている子ほどくるんだよねぇ」

 

もはや自分が王となって楽しむことを、思考の埒外に置いていた彼女は、ふと我に返るようにそれを悟った。

長良や五十鈴がすぐそばで苦笑している。

 

「さあ名取さん!出てくるお題から一つを選んでくださいね~」

「はっ、はひ」

 

山札からは、ランダムにロードされたお題札が飛び出してくる。

元々時代の隔壁を挟んだハイテクノロジーには疎い艦娘たちだ。名取も例に漏れず、おどおどとそれを見守るばかり。

 

「こういうときの名取って、()()()()()()()戦闘中の名取とは別人だよね」

「さあオープンしてください!」

 

青葉の言葉に従うように翻って、お題札がその中身を告げる――

 

 

 

【自ラノ手番二オイテ対象ト次ノ状態ヲ継続セヨ】

 

 

 

「なんだか無電みたいだね」

「作っておいてなんですが、読みにくいので次からは普通の表記です」

「あ、そこは実用的なんだ…」

 

状況を理解していない姉に代わりにツッコミを入れる鬼怒。

割り箸の件といい、妙なところで現実的になるところが当鎮守府、工廠組の特徴である。ロマンと現実の海上戦闘をはっきり分けることができるのは、彼女らの真摯な職務態度の証左だろう…と提督は解釈する。

 

「ね、姉さんこれどういうことぉ!?」

「そんなに慌てないの。さっきの吹雪と違って、お題に沿って命令を決めるのよ。ほら、さっきの吹雪みたいな」

「わ、私ウサギじゃないよ?」

「いや、そもそもウサギのものまねじゃないし…」

 

半コントのやり取りが続く中、名取に集められたスポットライトの一部が、ステージに移っていく。

 

「な、なんだか混乱されているみたいですが…名取さん、命令を決めちゃってください!」

「えっとぉ…急に言われても」

「それじゃあ、周りの方々と相談も可でっ!」

「ね、姉さん…」

「仕方ないわねぇ…でも、確かに難しいわ。【対象と次の状態を継続】ねぇ」

 

顎に指を当て、小首を傾げて考え込む五十鈴。しばらく続いた沈黙に、天龍が助け舟を出した。

 

「王様ゲームってのはよく分かんねぇけどよぉ、要は名取が誰かと一緒に何かやるんだろ?」

「そうね。うーん…あっ、そうだ。名取あなた、いつも私たちの背中に隠れてばかりなんだから、たまには艦隊のみんなとお話ししてきなさいよ」

「えええっ!?」

「おーいいなそれ、なんか平穏で安心したぜ」

「でも、それだとつまらないし、チャレンジって感じしないよね?」

「な、長良姉さん!?」

「ええ、しかも名取のことだから『じゃあ私はこれで…』とか言っていなくなるかも知れないわ」

「うっ…」

「図星かよ。それならどうすんだ?」

「こうするのよ。青葉ーっ、決まったわ」

 

そう言って、王様の意向を完全に無視して、勢いよく手を挙げて青葉を呼び寄せた五十鈴。

その場にいた艦娘たちの注目を一身に受けても気にせず(むしろ名取は隠れてしまったのでもはや止めようがない)、高らかに宣言した。

 

「「おおーっ!?」」

「おっ、遂にですか!さあ名取さん、お題をどうぞ!」

「お題は私からよ!【王様と手を繋いでおしゃべり】!これでどう!?」

「「おおーっ!!」」

「ええーっ!?」

 

盛り上がりも最高潮、一様な反応を返した艦娘と、似たようなしかし悲鳴を上げた名取はまさに対照的であった。

御多分に漏れず、青葉も目を光らせているようだ。

 

「いいですねぇ!というか同意のない名取さんが気になりますが…。まあいいでしょう!」

「よくないですぅ…」

「それでは行きましょー。試製電子羅針盤改、回しちゃってください!」

「りょーかーい」

 

尊い吹雪の犠牲によってプログラムの改造が行われた試製羅針盤、もといルーレットが回される。

針の先を示すのはこれから当分の間名取の手を握り、そして隣に立つ者だ。ある者は誰と何を喋ればいいのかと怯え、ある者は妹の成長を願い、そして大半の艦娘はそれを見守っていたのであった。

しかしながら、そこに一人、強い危機感を抱く者が、その様子を凄まじい目線で見据えていたのだった――

 

「ゆらゆら、どうしたっぽい?」

「ちょっとね…名取のお相手さんについて考えていたの」

「一つ上のお姉さんですものね」

 

夕立は、五十鈴たちとは少し離れて、まるでルーレットを睨むように佇んでいた由良が気になって声を掛けた。一緒にいた秋月も同様だ。

質問に答えて、由良はまるで何かに慄いている表情を見せた。

 

「そんなに気になるっぽい?」

「た、確かに…なんだか薄っすら汗をかかれているような」

「姉さんはね、これといって運が特別良いとか、悪いってことはないんだけど…目立ちたくないって思うときほど、その逆になるのよね」

「あ、それ分かるっぽい。教室で、問題が分かんなくて当てられたくないなーって思うときほど当たるっぽい」

「それはちゃんと話を聞いていれば答えられると思うけど…」

 

なにやら問題のありそうなな夕立の授業態度は措いておくとして、そこまで由良を焦らせているものの正体に、秋月はまだ気付いていなかった。

 

「目立ちたくない姉さんが、一緒にいて、手を繋いでいて逆に一番目立ってしまう相手は―――」

「ま、まさか…」

 

夕立がそう呟くと、由良はこくりと神妙な表情で頷いた。秋月は、ルーレットと提督を交互に見やって、思わず息を呑む。

 

「こういう時…当たってしまうものなのよ」

 

その瞬間、ルーレットの針先は静止した――由良の予言した通りの者の名で。

 

 

 

× × ×

 

 

 

「いいのか、名取」

「へっ、い、いやっ、そ、そのぉ…」

「いいのよ。癪だけど名取にはいい薬だわ」

 

そう言い終わらないうちに、茹で蛸の色になった顔色の名取の腕を掴んで、提督と引き合わせる五十鈴。

後ろにいた長良や鬼怒の目線が生温かく、提督としては少し気恥ずかしくもあり、同時にいたたまれないほどの動揺ぶりを見せる名取には申し訳なさが先行していたのだった。

 

「そうそう。これはゲームなんだから、気軽にやりなよ。あっ、言っておくと名取は嫌がってるとか絶対ないからね」

「なんたって命令だし。しっかり握ってあげてよ、提督さん」

 

容赦ない姉妹である。というか、むしろこちらの反応を窺っては楽しんでいる節さえ感じられるので、どうやらもう引き返すことのできないものと悟った。

相変わらずこちらを控えめすぎる上目遣いでちらちらと見ている名取に近づくと、提督はあえて頼み込むように言った。

 

「改まって言うのはなんだか気恥ずかしいけれど、王様の命令は絶対だそうだ。今だけ、手を握らせてくれるだろうか」

「ふぇ!?は、はいぃ…」

 

差し出された手に、為すすべなく掌を重ねてしまう名取。

そこは何でもない、ただの大部屋だったはずだが、彼女の目には違う景色が映っていそうだ。

 

「わ、わわ…なんだか大人っぽいわね」

「これは…素敵ですねぇ」

 

艦娘たちの視線が注がれる。大半が羨望のそれ、そして行き過ぎた者は憤死寸前の形相で詰めかけていたのだが、このような件での暴動を予期したのだろうか、青葉たちの差し向けた警備隊(武蔵、霧島、鳥海、妖精さん)が眼鏡を光らせていた。

 

「ロマンチックな雰囲気のところ恐縮ですが、まだまだやっていきますよ!」

「そうです!提督の片手両脚はまだ空きがありますから、大和さんに金剛さんも諦めないで」

「た、確かニ…!希望はまだこの手にあるということデスネ―!」

「両脚…?」

 

明石の遺した不穏な一言と、疑いをもたない艦娘たちに一抹の不安を覚えるものの、諫めることはもはや難しいこと告げている。

「あらあら」と愛宕たちも苦笑しているようだが、目が笑っていない。彼女らの本気は覆すことができないことを悟る。

 

「あ、あの」

 

思わず身震いしていると、その愛宕たちとは反対側、右手を遠慮がちに握る名取が声を掛けてきたことに気が付いた。

 

「どうした?」

「い、いえ。その…手、繋ぐことなんですけど」

 

繋いでいないもう片方の手指で口元を隠すようにして、呟く名取。声は小さかったが、その瞳は顔を俯かせながらもこちらを覗いていたのだった。

 

「ああ、嫌だったならやめておくか」

「い、いえ。こちらこそ。私なんかと繋ぐこと、提督さんはいやじゃないかって、思って」

「…ふふっ」

「…?」

 

慌て方というか、卑屈気味なところが自分と全く同じでつい笑ってしまう。

不安そうにこちらを見つめる名取に誤解させては可哀想なので、「いや、すまない」と付け加えて応えた。

 

「俺も初めはそう思ったんだ。もし名取が嫌がっていたら気まずいし、何よりゲームどころじゃない」

「あ…私も、そう、です」

 

既に次の決戦へと準備を進めている壇上では、引き続いて青葉が場を繋ぎながら熱狂を先導しているようだ。

周囲の視線がそちらへ向かっていったからだろうか、名取は心なしか安堵の表情を見せつつ話し始めた。

 

「他意はないが…俺は司令官で、提督という役職だし、色々と君たちとは違う立場にいるものだと感じるときがあったから、ついそういう自虐思考をしてしまうよ」

「そ、そうなんですか?」

「名取はどうだ?」

「私は…あまり自分に自信がなくて」

「自信か」

「はい。みんなと違って地味ですし…目立った戦果も上げられたことがないので」

「地味、か。鎮守府(うち)では目立つ方が難しいからなぁ…ほら、あんなに騒ぎすぎるのも考えものじゃないか?」

 

名取は、提督の指さすその先に視線を向ける。先程と同じように、壇上では次の王様が決まったようで、豪運の持ち主、雪風が眩しい笑顔で観客の艦娘たちへ手を振っている。

玉座に就くことのできなかった艦娘たちの怨嗟と悲鳴は、もはや彼女の憧れた艦隊の華々ではない。

 

「あ、あれは例外、ですね…」

「地味というのも考えようによって変わってくる。今は指揮を吹雪たちに任せているが、日頃の南西諸島や北方での活躍は俺も把握してるよ。聞いたぞ。単艦避退のこと」

「えっ、ど、どうして」

 

目を見開いて驚く名取。提督は、そんな彼女が本当にびっくりしているのが伝わってくるので、つい笑みが漏れ出てしまう。

 

「突然の増援だったそうじゃないか。煙幕を貼って単艦で別方向へ避退、敵艦隊を上手く誘導して、艦隊が体勢を整え、支援艦隊が到着するまで時間を稼いだ…と報告にもあった。危険を顧みず艦隊を救ってくれたと、吹雪や僚艦の子たちも言っていたよ」

「そんな…私は何もしていないんです」

「それなら報告は嘘ということになるぞ」

「う…何もしていない、わけではない、ですけど」

 

目を逸らして、少し気まずそうにする名取。功労者に意地悪をする訳にも行かないので、「言い方が悪かったな、すまん」と付け加える。

 

「名取。君は自分に自信がないと言ったが、それは、思うに自己肯定感が足りないからなんじゃないか」

「自己…肯定、ですか」

「ああ。確かに、性能や戦果に思うところがあるのかも知れないが…はっきり言って、それを活かしきれない指揮官の無能さのせいだ。気にしなくていい」

「そんな、司令官は無能なんかじゃありません!」

「…そ、そうか」

「…はっ!?…はう…すみません」

 

思っていたより大きな声が飛び出てしまって、喧騒の中でも少し目立った。先程から人目を引くことが多いが、それでも慣れないものだ。

 

「…まあ、とにかくだ。ありのままの自分に対して、今のままではいけない、もっと上手にやれるはずだと思ったことはあるか?」

「あっ…あります。単艦避退も、吹雪ちゃんみたいに、もっと上手にできたらって」

「そうか。向上心や目標があることは良いことだな。けれど、他にも感じていることがあるんじゃないか」

「他に…」

「そう。君の口癖…というか、かつての戦いへの強い思いを抱える艦娘の中では、普遍的なのかもしれないが」

 

じっと、彼女の思案する顔を見つめる。その言葉を、できるだけ聞きたくなかったけれど、口にする艦娘は現実に存在することを、ぐっと噛みしめた。

 

「諦めが、心の中にあるからだ」

「諦め…」

「失礼な物言いをしてすまない。けれど、事実そんな艦娘たちの存在を、俺は知っているし、気持ちだってよく分かる。歴史と戦いの中で経験した無力さ、無念…それらが強い憧れや希望を歪めてしまうこともある」

 

はっとしたように、顔を上げた名取。そして、握っている手にかかった力が強くなるのを、提督は僅かに感じ取った。

 

「思い出すんだ。もう一度生を受けて、海の底からここへ辿り着いたのは、どうしてだと思う?」

「どうして…それは、深海棲艦を…」

 

そう言いかけて、この気持ちが、諦めや無念といったものが、おしなべて深海棲艦が放つ言葉に見え隠れしていることを、名取は悟った。

彼女らと対になるべく存在である艦娘たちが、彼女らを再び水底へと還す――つまり、撃沈するという行為が、どういう意味を持つのかを、理解しようとしていた。

 

「…いえ、この国と、大切な人たちを守るためです」

「ああ。俺もそのために指揮を執る。海上に立つことは出来ないが、共に戦っている」

 

見上げれば、お題【肩車】を見事提督に命令した雪風が両手を上げて舞台から降りてくる。

 

「しれえ!雪風王様になりましたよ!」

「おう。しかし肩車か。改二になって雪風も少し大きくなったから卒業だと思っていたが」

「いつでもしれえの肩の上は雪風の定位置です!」

 

勝気な笑顔でそんなことを言う王様に、困ったような微笑を向ける提督。

その目は、しっかりと目の前の景色と守るべき艦娘たちを見据えているように見えて、名取はそれを眩しく思った。

ずっと、姉妹以外の誰にも見られないと思っていたけれど、それは違った。忘れられるものだと、勝手に考えていたけど、それは違ったのだ。

 

「すまん、一度この子を乗せる」

「…あっ、はい」

 

繋いでいた手が離れる。そのまま雪風の前にしゃがんで、嬉しそうにいそいそと肩に乗った彼女を持ち上げたのだった。

 

「おーっ、なんだかいつもより高い感じです!」

「やっぱり背が伸びたんだな。海域のフィニッシャー、これからも期待してるぞ」

「任せてください!雪風は絶対大丈夫です!」

「おう」

 

雪風の笑顔はきっと、心からのものだったに違いない。見ていてくれるから、傍にいてくれるから、力を貰えるんだ――

今まで彼の掌の中にあった手を、もう片方の手で包んで、一人、そう理解した。

 

「…そうだ」

「?」

 

ふと、声がして顔を上げた。

 

「この通り、雪風が改二になって――運用試験としての新たな任務も追加されている。改二改装を施した時雨との最精鋭駆逐隊だな」

「はいっ。呉の雪風、佐世保の時雨で頑張りますっ」

「南方海域深部の敵泊地を痛打し、中部海域に進出する作戦だ。しかし、そのためにはソロモン沖の敵戦力撃滅も必要となるだろう」

「ソロモン沖って…確か夜間戦闘が必要な」

「ああ。敵の輸送部隊を仕留めるには夜間の攻略に限る。そして、同時に深部の防衛線を突破するんだ。名取、君の得意な夜戦でな」

 

そこまで言って、話の意図が掴めてきた。つまり、新鋭改装の雪風たちを引き連れ、南方の防衛線を打破する艦隊――この旗艦に任命されるのが自分、ということだ。

 

「わ、私ですか!?私なんて――っ!」

 

つい、その言葉が出掛かって、思わず呑み込んだ。

 

(そうだ、私、今その話をしてたばかり――)

 

あの時――単艦避退することを決断した時、自分は一体何を考えていたのだろうか。少なくとも、今みたいには怯えていない。

かつての戦いで、残した無念。それは、もっと艦隊に貢献し、そして多くの人々を守ることだったのではないか。

そのために、南の海の深い水底から還ったのではないのか――

 

「…確かに難易度の高い任務であることには間違いがない。けれど、君の艦隊を守ろうとした強い思いと勇気は、きっと作戦を成功に導いてくれるはず」

 

そう言って、提督は手を差し出した。

 

(そうだ…私はもう後悔したくない。今度こそ守りたい…!)

 

その手をもう一度繋ぐことを名取は迷わなかった。決意とともに、強く握り締めた。

 

「はい…っ!」

「ありがとう。雪風や時雨たちを、よろしく頼む」

「よろしくお願いします、名取さん!」

「雪風ちゃん…」

「私も考えます。もう一度、今度はみんなを守れるようにって。だから、頑張ります!」

「うん、頑張ろうね…絶対に」

 

雪風の思いを今一度考え、彼女がひたすらに前向きな言葉を口にすることに、提督は大きな感慨を抱いていた。

他方、名取のように自信を失った者、かつての戦いで残した思いに悩む者の存在もまた、彼女らがあの時代の意志を引き継いで生まれてきた大切な証であると確信した。

平和な海への決意、そして、目の前の艦娘たちへの途方もない崇敬をもって、使命を遂げることを、明日からを生き抜く目的としたのだった。

 

――繋いだ手が、もう二度と離れることのないように。

 

 

 

× × ×

 

 

 

ちなみに、その間も王様ゲームは進行していて――

 

「うおーっ、漣が王様ですか!?(゚∀゚)キタコレ!!」

「お題は…、【二人の対象を指定し、互いの好きな所を語らせよ】だって」

「うおーっ、しかも超面白そうだし!」

「この場合は、一人を任意に、一人をルーレットで決めることができますよ!」

「マジっすか青葉さん!んじゃ、一人はぼのたんで」

「ちょ、なんてことやらせんのよ!」

「んふふ、王様の命令は絶対ですしおすし」

「ぐぐぐ…」

「んじゃーやっちゃいましょう!…あれ、これって…」

 

 

「…私、ですか?」

「おおっ、鳳翔さんじゃん!んでんで、お題は!?提督とイチャコラするの!?」

「も、もう飛龍さんたら…そう何回も提督と当たるなんて起こりませんよ」

「イチャコラは否定しないんだ…」

「お題は…【対象の膝に頭を乗せる】!?」

「な、なんだか嫌な気がしますが…ルーレットスタート!…ってこれまた…」

 

 

「や、やりました…!遂に!遂にもぎ取ったのデース!」

「お姉さま、おめでとうございます!」

「さあ、お題は…【対象と熱い抱擁】!これは…ッ!私の想像以上のものデスネ…!」

「お姉さま、それは霧島の台詞…」

「いざ行きマース…この両手で情熱的な抱擁を!テートクに!青葉ッ!」

「は、はい!ルーレットスタートっ…これは…!はい、ええと…私ですね」

「…」

「お、お姉さま…?」

「…あれっ?ちょ、ちょっと金剛さん?無言で近づかれると怖いっていうか…その感じで抱き締められると青葉粉々になっちゃうっていうかあああああああ!?」

「熱い抱擁…だね青葉」

「ちょっと明石さん!?見てないで助けてくださいよ!」

「さあみなさーん、王様ゲームはここまでっ!間宮さんたちの特製デザートをご用意してるので宴会場へどうぞ!」

「明石さん!?」

 

八月の夜が終わり、九月の朝がやってくる。これまでもこれからも、彼女らの戦いは終わらないのだろう――。

 

 

 




併行作業中にシロッコちゃんがドロップしました。いつも思うけどこの子たちの絵師さん色んな意味で凄いよなぁと思います…。

海外艦、もし追加するなら初登場は

  • ドイツ艦
  • イタリア艦
  • ロシア艦
  • アメリカ艦
  • イギリス艦
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