まだ大部分の話しが改訂及び加執の最中ですが、ある程度完成したため、投稿させてもらいます。
更新はかなり亀になります。ご了承ください。
それではどうぞ。
本日は晴天なり。
太陽が、煌々と大地とその上に立ち並ぶ少年少女達を照らしつける。
この少年少女達は今まさに訓練兵となる者達で、俺もその1人だ。
今は入団式の真っ最中である。
「おい貴様っ!!貴様は何者だっ!」
この男は、今から俺達の教官となるキース・シャーディス。
スキンヘッドと顎髭が特徴の強面の男性だ。
因みに、この人とはかなり前から面識があるのだが、今は置いておこう。
そして、教官にどやされた中性的な金髪の少年が答える。
「シガンシナ区出身!アルミン・アルレルトです!」
「そうか!馬鹿みたいな名前だな!」
さっきの罵倒は[通過儀礼]と呼ばれるもので、今までの自分を捨て、ここで新たなスタートをきれるように、とのことらしい。
「アルレルト、貴様はここに何のためにここに来た!」
「人類の勝利に貢献するためです!」
「そうか!なら貴様は巨人の餌になってもらうとしよう!3列目!後ろを向け!」
教官は金髪少年の頭を掴みながら、ぐるりと回して、少年を後ろに向かせた。
それに合わせるように少年の列も後ろを向く。
次は、俺の番となった。
「貴様は何者だ!」
「トロスト区出身!クルト・ベンダーです!」
少々遅いが自己紹介をしよう。
俺の名前は、さっきの通りクルト・ベンダーだ。
身長173cm、体重63kg
趣味はトランプ
実家は酒場
兄が1人、妹が2人
特徴は狐のようなこの細目だ。
特技は…今は言うべきでは無いだろう。
「ベンダー!貴様は何をしにここに来た!」
「憲兵団に入り、家族に楽をさせるためです!」
少しだけ昔話をしよう。
俺の親父は調査兵団員だった。
過去形なのは、別に親父が戦死したという訳ではなく。負傷による引退だった。
仲間を庇って左足を巨人に食われたのだ。
巨人についての説明は追々するとしよう。
そんな親父とそれを支える母さん、愛すべき妹達と、少し頼りない兄。そして、やや金に汚い叔父。
俺は家族のために、厚遇されて給料もいい憲兵団に入りたかった。
酒場の方は兄と叔父が切り盛りしているのでなんとかなっている。
叔父は金勘定や経営が得意だったらしい。
因みに、さっき言った教官への面識はこれにある。
親父がまだ現役の調査兵団員がだったころ、この教官はその時の団長であった。
親父とはそれなりに仲が良く、よく家に飲みに来ていた。それからの付き合いだ。
「そうか!なら馬車馬のように働いて過労死してしまえ!」
まぁ、知り合いだからと容赦はしないようだが。
その後も通過儀礼は続いた。
内地に行くためと馬鹿正直に答えた馬面、王に身を捧げたいそばかす少年などがいるなか、何も言われなかった奴が数人いた。
(まぁ、他の奴らと顔つきが違うのは何となくわかるけどね。)
そんなことを思っていたとき、
「逆だコニー・スプリンガー」
ヘッドロックをかまされている坊主のちびがいた。
(あれは痛いな。手加減してるのは分かるけれど、痛いところを確実についている。あの人が本気でやったら、頭蓋骨粉砕とはいかないまでも、確実にへこむぞ。)
俺の
その瞬間
シャクッ
「「「?」」」
なにかをかじる音が、広場に響いた。
「…」
教官は何が起こっているかわからないと言った表情で、ある少女を見ていた。
そいつは、ポニーテールと整った顔立ち、野生児的雰囲気が特徴の美少女だった。
…右手に持っているのが芋なのが残念だ。
(間違いない。こいつはバカだ。属に言う残念美人だ。)
そんな残念美人、名をサシャ・ブラウスと言った。
教官とのやりとりを端的に説明しよう。
まず教官は、何を食っているのか?と問いたのだが。
この残念美人は
「蒸かした芋ですっ!」
と、堂々と答えやがった。
しかも厨房から掻っ払って来た、とも言っていた。
次に問いたのは、何故今食べ出しただったのだが、
冷めては美味しくないからと答えた。
最終的には、何故芋を食べたのかを問うと
「それは、人は何故芋を食べるのか、ということでしょうか?」
という無駄に哲学的なことを言い出した。
この発言に笑いを堪えていたそばかすの少女がいたことも付け足しておこう。
そして最終的には、半分どうぞといいながら、3分の1程度の芋のかけらを渡す始末だった。当然罰則が言い渡された。
ーーーー
夕焼けがきれいだ。
入団当日にやる一通りの準備を終えた俺達は食堂の入り口にたむろしていた。
「おい、あの芋女まだ走ってるぜ。」
「すごいな、もう5時間ぶっ続けだぞ。」
芋女はさっきの少女、サシャ・ブラウスの渾名だ。ピッタリだと思う。
「案外金の卵かもしれないな、馬鹿だけど。」
「そうかもな。馬鹿だけど。」
「てかあいつ、死ぬまで走れって言われた時より、晩飯抜き、て言われた時の方が悲痛な顔してたな。」
と同期の奴らがそんな会話をしていた。
(まぁ、あいつのポテンシャルなら、このくらいは楽勝だよな。)
俺は
ふとサシャの方を見ると、その向こう側に崖の坂道を行く馬車が見えた。
「ん?なぁ、あの馬車何だ?」
俺は隣にいた同期に話しかけた。
「あぁ、ありゃ開拓地行きの馬車だな。」
その同期は、やや軽い口調で答えた。
「はぁ!?まだ初日だぞ!?」
「いるんだよ。巨人の恐怖に耐えきれず、初日から脱落する奴が。」
そういう奴がいるのは、前々から知っていた。
だが、初日からというのは、驚くのには充分だった。
そしてそんなとき、
「そうか。じゃあ、仕方ないな。」
異様に冷静な声が聞こえてきた。
「…え?」
「だってそうだろ?力の無い者は去るしかない。ここに居ても死ぬだけだ。」
そいつの名はエレン・イェーガー。
入団式の時、教官に何も言われなかった奴の1人であった。
その言葉に、俺は「それは少しひどくないか」と言おうとしたのだが、言えなかった。
その言葉に異様な重みがあったからだ。
「なぁ、そういえばお前シガンシナ出身だったよな?」
同期が話しの矛先を変えようとしたのか、エレンにそんなことを言った。
「あぁ、こいつと同じでな。」
エレンはそう言って、金髪の少年、アルミンを指した。
そして、その同期の隣にいた奴が言った
「じゃあ、見たんだよな!ウォールマリアを破壊した、超大型巨人と鎧の巨人!」
平和を壊した、2つの悪魔の名前を。
「あんま変わってねぇじゃねぇか!!!」と言う突っ込みは無しの方向でお願いします。