幻想のIS   作:ガラスサイコロ

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12_多くの疑問

 今日は平和なはずだった。

 放課後、生徒会室に行く前に一夏の席で少し話していると、彼はこんなことを言い出した。

 

「専用機ってそんなに違うのか?」

 

 近くで相川さんや谷本さんと話をしている青衣も固まった。

 青衣は今日、此方で購入した白いシュシュで髪を後ろで纏めている。話をしたりしているとぴこぴこ動くのだが全く動かない。

 箒にオルコット、いつも通りに来ている鈴、お前らはコーチじゃないのか? 一夏に惚れているんじゃなかったのか? 教えておけよ。近くにいる彼女たちを見るが、こっちも青衣たちと同じような感じだ。

 

「スペックも武器も全く違うと思うぞ。俺は青衣以外に乗れないから何とも言えないけどさ」

 

 一夏の不思議そうな声に対してこう言ったのだ。

 

「俺と違って打鉄やラファールに乗れるんだから、一度乗ってみたらどうだ?」

「あるぞ、乗った事」

「……」

 

 俺はどういう反応を返したらいいのだろうか、正直困る。多分情けない顔をしているのだろう。

 いつの間にか注目が集まっていたので、他の皆に目を向ける。逸らされた。青衣にもだ。

 俺は援軍を諦めて思ったことを聞くことにした。

 

「その量産機、どの位乗ったんだ?」

「入学する前に試験で乗った。すぐ終わったけど」

「つまり、本当に乗っただけなんだな」

「……ちょっと動いただけだ。後は白式、情報収集と自衛だってさ」

 

 詰まったことに一瞬疑問を覚えたが、訓練機に対する答えに安心する。

 男だから少し動かして終わったのか。前もっての訓練や勉強はしていないだろうし、他の生徒と違って強制入学だ。入試すらも意味は余り無い。戦わせるなんて無謀だ。

 白式を渡された理由についても納得した。彼は他のISも扱える世界唯一の男性操縦者だ。狙われるには十分な理由だ。

 でも気になった。自衛は解るが情報収集っておかしくないか?

 

「今思ったんだけど、ワンオフ機で情報収集って余り意味無くないか? 量産機だったら他の操縦者のデータを比較できそうだがワンオフ機なら条件変わっちまうだろ」

 

 素朴な疑問。単に条件が違うので比較が難しい。参考程度にされかねない。

 

「俺に聞かれても、千冬姉に渡されたからな。お前の専用機だって」

 

 一夏は頭を掻く。

 そうか、なら一夏に他の選択は無かった訳だ。それにしても……。

 

「なあ、剣しか使ってないよな」

「そうだけど」

「ということは、本当に白式の剣一本しか使ったことは無いと?」

「おう」

 

 今まで気が付かなかった俺も俺だ。

 横で話を聞いていた箒は満足げに腕を組みうんうん頷いている。他の者は少し引き気味だ。俺は軽く眩暈を覚え、青衣は形の良い眉を潜ませた。

 

「剣だけってちょっと酷すぎないか? 遠距離攻撃できる武器は必要だろう。銃か何か使ったことは?」

 

 普通に考えて射程がある方が有利に決まっている。現に俺のメインはオプションによる攻撃だ。それに一夏が剣以外に武器を使っていないなら、何に向いているか分からないのだ。仮に銃などに適性が合ったら活かせないだろう。

 しかし、一夏の答えは予想を裏切った。

 

「無い。零落白夜があるから他に装備できない」

 

 おいおい。

 

「一応聞くけど、織斑先生はそのことを?」

「知っているぞ。私の弟なんだから剣一本で十分だって説教された。千冬姉は同じ武器と同じ零落白夜で世界を取ったからだって」

 

 それ、おかしくない? 特に説教。

 

「……今まで気が付かなかった俺も俺だけど、ひょっとして最初から零落白夜を使えたのか?」

「ああ。だからバススロットが埋まっていて他に装備が付けられないんだ」

 

 えっと、俺はどうすればいい? それに白式には最初から零落白夜がある? 姉と同じ? 話が上手すぎというか、白式がおかしくないか?

 確かに世界最強のブリュンヒルデになった時の映像も見たが、その動きを素人に要求するってありえないだろ。というか私が出来たからやれって、初心者に世界でトップを取った人物と同じ方法をしろと? 理由は弟だから?

 織斑先生がこだわっているのは剣だけで戦うやり方なのか? いや零落白夜か?

 ISは魔力を含んだ此方側の技術を使う。零落白夜はある意味でその基本に乗っ取った代物だ。

 魔力を込めれば込めるほど、シールド、いやISに張られた結界を削る力が強くなる。零落白夜はシールドエネルギーを消耗するほどコアが魔力を生成し剣に圧縮する。それ故の高出力とリスクだ。はっきり言って此方側の原理が理解していないと出るはず無い代物だ。

 俺もうっかりしていたのだ。余りに基本的かつ身近過ぎてスルーしてしまった。良く考えると白式は疑問だらけだぞ。

 思考の海に浸かり掛けた俺を引き戻したのは青衣だった。俺の肩を揺さぶっている。

 

「考え込まないの。とりあえず戻りなさい」

「そうだな」

 

 俺の悪い癖だ。不思議そうに俺を見る一夏とどこか諦めムードの周囲。何に対してかはわからない。

 

「確認するけど、織斑先生が白式を持ってきたんだな? お前が選んだわけじゃあないんだな?」

 

 俺は顎に手を当て、一夏に問いかける。

 

「そうだけど、何で選ぶなんて話になるんだ?」

 

 わかっていない。俺が何を聞きたいのか。人差し指で一夏をさす。一瞬、ぴくっと反応した。

 

「お前の場合、うちのISを使ってくれって企業側が持って来そうだよな? どうやって白式に決まったんだよ」

「え?」

「男性操縦者の専用機だぞ。最大の広告だ。不思議は無いだろ?」

「一夏が日本人という理由ではないのか?

 日本政府から渡されたはずだ。それと製造元は確か倉持技研。織斑先生が使っていた暮桜も作った企業だ」

 

 いつの間にか横に来ていた箒が横から口を出し、製造元を一夏が肯定する。

 

「でも1社だけというのは変だ。日本だけでも他の企業から文句出てもおかしくない。それとも実績で選んだのか?」

 

 俺の答えにありえると思ったようだ。一夏の右腕、白式の待機形態であるガントレットに視線が集まる。

 

「白式が渡された前後、織斑先生は何か言ってたか?」

「前にセシリアと試合をしたんだけど、それは知ってるか?」

「知ってる。記録も見せて貰った」

 

 主に青衣の改造目的で。そういえば途中で最適化処理をしていたな。

 

「試合直前に渡されたんだ。それで試合が終わった後に欠陥機って言われた」

「欠陥機? 何でまた?」

「燃費が最悪。剣だけだから攻撃が当たりやすい。スペックが高い分扱いも難しい……らしい」

「そういや、零落白夜もシールドエネルギーを使うな」

 

 高スペックだが扱うのは難しい癖のある機体か。明らかに技量がいるだろ、それ。そんなのを初心者に渡すなよ。

 

「何か……今までの話だと、織斑先生はお前が剣と零落白夜だけで戦うやり方に、自分と同じ戦い方をすることに意味を見出しているように思うんだが」

「おかしいのか? 千冬姉にはできた事で、それで強くなるように言ってるぞ」

 

 俺の感想に対し一夏は不思議そうな顔で返す。俺の言っている意味が分からない様だ。だが幾人かは少し疑問を持ったようだ。

 

「寧ろ織斑先生が例外じゃないのか? 元世界最強だぞ。自分で言っただろ、扱いが難しいって。

 私が出来たからお前もできるは無茶苦茶だろう。姉弟だから同じは無しだろ。そんじゃ教師も訓練もいらないよ。

 それに白式自体も変だし」

「変?」

「最初から単一仕様が使えるのが変。それが姉と同じ零落白夜という事もだ。もっと言うならそんな扱いにくい機体を初心者に渡すこともよくわからない。明らかに接近戦の強い熟練者向けだろ?

 それに単一仕様が最初から使える技術があるなら開発した企業は前面に出しているんじゃないか? バススロットが埋まる欠点抜きにしても十分使えるって。それに研究すればその欠点が無くなるかもしれないし。

 なあ、聞いたことある人はいる?」

 

 周囲の者に振るが、皆困惑したままで首を縦に振らない。

 

「ちょっと俺、千冬姉に聞いてみる」

「俺はちょっとじゃなく徹底的に聞いた方が良いと思うぞ。後で時間を作ってもらうとか、場合によってはその倉……何だっけ?」

「倉持技研です」

 

 青衣が俺の度忘れした箇所を言う。

 

「その倉持技研に質問とかさ。担当がいると思う」

「そうだな。わかった」

 

 意を決した一夏はそのまま教室から出て行った。

 しかし、織斑先生は弟思いだと思っていたんだが、何か自分のコピーを作ろうとしているみたいだな。いまいち信用ならないと思ってはいたが。

 ……

 いや、待てよ。ちょっと待てよ。

 何で最初に信用できないって思ったんだっけ、白騎士だと言うこともそうだが篠ノ之束に電話していたからだよな。

 篠ノ之束?

 あ、俺馬鹿だ。何で気が付かなかった。全ての中心人物が居るじゃないか。織斑先生、いや織斑千冬を通じて篠ノ之束と倉持技研が繋がるぞ。

 でも流石に無いか。いや有っちゃならないだろ。篠ノ之束ってある意味お尋ね者だ。姿を晦ませた最重要人物だ。

 それに織斑千冬は一夏にISの適性があるなんて思っていなかった、と思う。大体、篠ノ之束が一企業に肩入れするなんてありえるか? 日本政府から渡された以上、コアは日本国として登録されているはずだ。それなら日本政府側も突っ込むだろう。

 でも一夏は篠ノ之束にとって『特別』なんだよな。多分、それが理由でIS動かせるようにしてる。だから白式も作った? 織斑千冬の暮桜そっくりに?

 駄目だな。ごちゃごちゃしてきた。

 

「何か気が付いたの?」

 

 青衣が俺の顔を覗き込んでいた。クラスメイトも心配顔だ。

 そこで俺は我を取り戻す。

 

「ちょっと変な連想をな。整理も付いていない」

「そう」

「悪い皆、気にしないでくれ」

 

 そして俺は青衣を伴うと生徒会室へと向かった。その道中で青衣には纏ったら話すと伝えた。

 

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 改めて思うのだが何で女尊男卑になったのだろうか。

 俺が気になっているのはIS発表後からの流れなので、青衣や無人機など最近の出来事は除外して考えてみる。

 ISが数多く普及をしているなら話は別だが、世界に467機しかない。製造方法は篠ノ之束しか分からないので増産も不可能だ。ISコアが破壊され再起不能になったものや盗難にあったものもあるらしいので、実数は467個よりも少ないだろう。その数は減る一方である。

 一国当たりの数も少ないし、ISの機体開発にもコアは別に必要だろう。部品はともかく組み上げて動くかはコアを搭載しないとわからないと思う。データ取りの専用機やIS学園にある練習機を考えれば、実質的に動かせるISはもっと少ない。

 ついでだが、そもそも量産機はどの程度で量産になるのか疑問もある。結局はコアの数に依存するからだ。それはいいか。関係ないし、知識も無い。

 IS学園では毎年120人前後(30人×4クラス)の生徒を送り出しているが全員が操縦者になるわけでは無い。2年になると整備課等の専門に別れ、進路は変わっていく。これは単にISの数が足りないからだ。そして狭き門の操縦者になってもよほどの腕が無い限りおそらくは数年で降りることになるだろう。後から優秀な者も入ってくるからだ。

 操縦者だけで無い。技術者がいると言うのがみそだ。

 つまり操縦者以外は男でもどうとでもなるのでは? 現に各企業が1からISを作っているわけではなく、今まで培った技術があるから作り上げられているのだ。そこに性別は関係ない。むしろ現場は男所帯な気がする。ボイコットや解体をしてしまえばいいだけの話だ。

 例えば飛行機だ。整備担当と操縦担当できっちり分かれている。メカニックが操縦桿を握るなど聞いたことが無い。組み上げた機体のテストや聞き取り以外は操縦者(テストパイロット)はそこまで重要ではない。開発なら設計者や製造工場もあるだろう。

 ISが自動車の様に数多く普及し、免許を取れば操縦可能なレベルなら納得がいくのだが、本当に何で女尊男卑になったのだろうか。

 それとも女尊男卑を何とかするには、この方面で背景を追った方が良いのであろうか。

 

「手、止まってるよ」

 

 青衣だ。生徒会で俺が使う机の隣は実質的に青衣の机になっている。ISなので青衣は生徒会の正式な役員ではないが、俺に同伴して手伝ってくれるので黙認状態だ。

 

「一度休憩にしましょう。

 虚さん、お茶を淹れて来ますけど、飲みます?」

「貰うわ」

「緑兵は何か甘いのを出して下さい」

「おう」

 

 更識会長は居ないので、3人で全員だ。

 青衣はお茶を淹れる為に部屋の隅に向かう。生徒会室は贅沢な造りで割と広く、俺は机で座っていることが多い。これでは青衣が動ける範囲が限られてしまうので、青衣は生徒会室で自由に動くため、自身の待機形態を身に付けていることが多い。

 ついでだが、学内で買う茶葉やコーヒー豆に限り生徒会の経費として認められている様だ。青衣は非常に張り切っていた。

 さて一息入れるか、そう思い固まった体を少し伸ばす。

 

「虚さん、明日って書類ないですよね?」

「無いわね、多分明後日も。明日と明後日は訓練で良いわ。必要だったら呼ぶから」

「了解」

 

 簡単な会議が出来るように置いてあるテーブルの上に『倉』から菓子類を取りだして置いた。

 椅子から立ち上がり、菓子を置くための皿でも取りに行こうか、そう思ったその時に生徒会室のドアが勢いよく開かれる。俺も青衣も、虚さんもドアを向く。開けっ放しのドアからは怒気丸出しの織斑先生が入ってきた。

 

「……どうしました?」

 

 俺は、思わず聞いてしまう。

 

「七海、貴様は一夏に何を吹き込んだ!?」

「はあ?」

 

 言っている意味が理解できない。俺の傍らに青衣がいつの間にか来ていた。俺の手に待機形態を握らせる。いざとなったら使えと言う事だ。

 今度はドアの向こうから誰かが走ってくる。

 

「千冬姉、話を聞いてくれ!!」

 

 一夏だ。ドアは開いているので生徒会室に入ってくる。走ってきたのだろう、少し息が切れている。こちらは乱暴だがドアを閉めた。

 

「一夏に吹き込んだって人聞きの悪い。専用機と訓練機の話をしていたんですよ。

 そうしたら疑問が出てきましてね。白式の事だし徹底的に話したほうが良いって言ったんです」

「それだけか?」

「それだけですよ。何ならクラスメイトに聞いてみたらどうです? 結構残っていましたから」

 

 睨み合う。緊張の間を解いたのは一夏だった。

 

「白式に乗っているのは俺だ。自分の機体の事を知っておきたいんだよ」

「俺は別に知らなくてもいいですよ。言えないこともあるでしょうし、でも一夏は別でしょ?」

「……確かにそうだ」

 

 緊張が解かれる。だが沈下しかけた火に油を注いだ女がいた。

 

「緑兵、さっき何か思いつきましたよね? 嫌な連想をしたって。あれ何ですか?」

 

 青衣が俺に問う。要らんことを言う。

 

「さっきから様子がおかしかったのはそのせいでしょ?」

「あくまで想像が結びついただけだ。結局辻褄が合わないことが多い」

「私も知りたいな、お前が何を連想したのか」

 

 織斑先生が乗ってくる。

 

「いいんですか?」

「いいから話せ!!」

 

 今度は怒鳴る。余裕が無いな。

 

「その前に、虚さん」

「何ですか?」

 

 自分に振られると思っていなかったのだろう。虚さんが固くなる。

 

「最近、倉持技研から何か発表ありました?」

 

 しばし彼女は考える。

 

「無かったと思う」

「わかりました」

 

 俺は頷いた。次に織斑先生の方を向く。一夏を含めて表情は硬い。

 

「織斑先生と篠ノ之束は友人。一夏がISに乗れるのはおそらく篠ノ之束が何らかの命令を出したから」

「不確定だが問題ない。続けろ」

「一夏の専用機、白式は倉持技研製で織斑先生の暮桜も同じ。しかも何故か単一仕様が最初から使え、暮桜と同じ零落白夜」

「その通りだな」

「白式は日本政府から支給され、織斑先生を通じて渡された。学園側の窓口もおそらく織斑先生」

「そうだな」

「これって織斑先生を通じて、篠ノ之束と倉持技研が繋がるんですが」

 

 この言葉に織斑先生は目を見開いた。その場にいる全員が完全に固まる。

 

「そこが繋がったらいろいろ見えて来たんですよ。

 一夏の専用機を自らが作ってもおかしくない。ISを扱えるようにしたなら寧ろ自然だ。入学時期は想定できるから合わせて開発できるでしょう。

 いきなり単一仕様が使える件も天災ならって思います。しかも姉と同じ零落白夜だ。理解不能なことを篠ノ之束に押し付けている様でかなり気持ちが悪いですけどね。

 でもそんな技術があるなら開発元の倉持技研が発表しても良いはず。教室で何人か聞いていましたし、今も虚さんに聞いた。でも誰もそんな発表を知る者はいない。もしも作った側ですらわからないなら納得できる。再現できないから発表できない。折角の広告塔なのに」

「馬鹿なことを言うな」

 

 織斑先生が少し動揺しているように見えたのは気のせいだろうか。

 

「織斑先生は一夏がISを操縦できるのを知らなかった。

 可能性として篠ノ之束が独自で動いた場合、それと織斑先生が一夏が操縦できるのを知った後に動いた場合ですが、わかった時にはもう各国で一夏の争奪戦が始まっていそうです。IS委員会や日本政府も絡むし複雑になる。こうなると専用機も何処が作るかわからない。

 篠ノ之束は自分から倉持技研に接触するとも考えにくい。この時点で単純な話ではない。繋がっただけで辻褄が合わない」

「……確かにそうだな。それだけか?」

「それだけですが、一夏が白式について深く知ろうとしても止めませんよね? 操縦者が自分の機体について深く知りたいと思うのが当たり前でしょう」

「此方で判断する」

「……私からも良いでしょうか」

 

 青衣だ。横で聞いていて何か思うことがあったのか?

 

「何だ?」

「一夏さんは一夏さんですよ。他の誰でもない」

 

 織斑先生は驚いた後、苦虫を噛み潰したような顔になる。一夏も驚いていたが、此方は嬉しそう、なのか?

 

「七海、お前に言っておきたい」

「何です?」

「お前は考え過ぎる。馬鹿よりは何倍も良いし生徒としても申し分ないがストレスは溜まるぞ。

 今の内から頭のケアをしないと禿るかもしれないな」

 

 その切り返しは予想していなかった。俺は頭が真っ白になり固まる。その間に織斑先生は出て行った。今度はドアを閉める。

 残るは一夏だ。俺とドアを交互に見ていた。

 

「一夏さん、まずは落ち着きましょう。丁度お茶を淹れるところですから飲んでいきませんか?」

 

 青衣が一夏に声をかけていた。

 

「あ、うん。貰う」

 

 一夏は少し挙動不審のまま、頷いた。その動きと目線に俺は少しカチンとなる。何というか男の直観だ。

 いや、落ち着け、俺。

 そしてそのまま休憩となった。

 メインはなんというか、一夏の愚痴だ。こいつもこいつでストレスが溜まっていたのだろう。

 なんでもあの3人(箒、オルコット、鈴)の教え方が良くわからないらしい。擬音だったり完全な理論だったりで本人に合わないようだ。俺だと織斑先生が良い顔をしないだろうし、時間も惜しい。

 

「どこまで通じるか分かりませんが、今夜にでも3人に少し言っておきましょうか?」

 

 一夏は快諾した。任せるそうだ。

 

「おいおい、青衣が何を言うか知らないが、良くなるかまで分からないぞ」

「それでも良い」

 

 一夏は嬉しそうに帰って行った。今にもスキップしそうなくらい本当に嬉しそうだ。

 

「あの3人、逆効果になって無いか?」

 

 単なる俺の感想だ。

 

「そうだと思います。ちょっとやり過ぎですね」

「一瞬ですが、私と緑兵の事を羨ましそうに見てました。

 私が教えてやる、ではなくて一緒か後押しされるのが好きなんじゃないですかね? 女の感ですが」

「ストレスもあると思うけど……」

 

 それに対する虚さんと青衣の答えだ。

 

「そういう事か。ちょっと警戒したよ、俺」

「彼は人のパートナーを取る方ではないと思います。一緒にいると安心する方が良いんですよ」

「……なら完全に逆効果じゃないか」

 

 生徒会室に残された3人でため息を付いた。

 

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 携帯電話はこういう時に便利だ。

 青衣は箒とオルコット、鈴の3人を纏めて俺達の部屋に呼び出した。あらかじめ連絡をしていたので時間ぴったりだ。

 女が掛けた電話とはいえ、呼ばれた場所は仮にも男が住んでいる部屋だ。一夏の件だと言うとほいほいやって来てしまった。危ないな、こいつらは。

 さて、3人は入室した時点で青衣が切れかけていたことから、少しビビっていた。そして揃ったところで説教が浴びせられる。

 というか何でここまで切れているんだ?

 

「少しは一夏さんの事を考えなさい、相手の身になって考える様にならないと本気で嫌われるぞ!!

 お互いに相手を思い合わないと、直ぐに破綻します」

 

 ぱしぱしと自身が手に持った扇子でもう片方の掌を軽く叩いている。口調が乱暴だったり穏やかだったり切り替わるので、逆に怖い。

 

「一夏さんを考えて? なら何でこんなことになってるんですか。専用機も何であんな疑問が今さら出て来るんですか。

 少し相談に乗っただけで愚痴だらけでしたよ」

 

 3人は何か言うが、青衣は反論など許さない。

 

「何故私に相談しなかった? 何を言ってるんですか!! 貴方達が原因です!!

 折角、貴方達の所へ行くように誘導しているんですよ、私は!! もういい加減止めますか!?」

 

 俺は部屋の隅で青衣の剣幕を眺めていた。扇子で一人ずつ指し、状況を認識させていく。言い過ぎかとも思ったが、こうなると男は弱い。横から口を出すことが出来ない。

 そうか、一夏を3人の所に行くように誘導していたのか。それが無駄に終わっているからあんなに怒っているのか。

 

「良いですか、パートナーとして必要なのは互いの信頼です。互いに頼られることです。一方通行では通じません!!」

 

 しばらく説教を受けた3人は凹んで帰って行った。

 部屋はようやく静かになる。青衣はお茶を淹れて、一息ついた。

 

「反発があると思ったんだけど……」

「女の子ですから」

 

 湯呑を手に、断言する。

 これまでも何度もあったが、男では理解できないことが女にはある。俺は諦め、自分のお茶を一口飲んだ。

 

「ところで明日、訓練以外に予定ありましたっけ?」

「無いけど、何かあったか?」

「ドラッグストアに行きません? 近所の」

「いいけど、何か買うものが有るか?」

「男性用のシャンプー」

「はい?」

 

 思わず顔を見る。笑っている。ちょっと怖い。

 

「織斑先生じゃないですけど、ケアは必要だと思います」

「俺の髪の量、寧ろ多くないか?」

 

 自分の髪を軽く摘まむ。よりよりと、擦ってみる。青衣はそんな俺の仕草をじっと見ている。

 ひょっとして俺以上にカチンと来ていたのか? 俺はあの時ぽかんとしていたが。

 少し経ち、折れたのは俺の方だった。

 

「わかった。但し明日じゃなくて買い出しの時でいいよ。どうせ土日で行くだろう?」

「ではそれで。お茶を飲んだら夕飯にしますか」

「食堂で良いな」

「はい」

 

 何だろう、青衣の心遣いは嬉しいけど、今回は少し複雑である。

 まあ、互いに折れる事が出来るからなんだろうけどな。

 

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「青衣」

 

 俺は声を潜め、横を歩く青衣に声をかける。

 

「何です?」

「つけられてる」

 

 青衣が息をのんだ。2人で夕食を食べた後、食堂から寮に戻ろうとしたとき俺は後ろの気配に気が付いた。

 もちろん寮に行くのだから他の生徒も同じ方向だろう。だが、この気配は違った。間違いなく俺の背を見ている。

 その時点で『空間を操る程度の能力』を使っている。俺を中心にして空間を認識できる範囲をつくる。規模は半径数10メートルで十分。これで空間にあるもの全てを感覚で掴むことが出来る。だから此方を気にしながら、時々物陰に体を隠しながら歩いている者がいるのが容易く分かった。精度を故意に上げれば顔もわかるが、どうせ生徒だろう。負担も増えるし他に居ないとも限らない。霊力ももったいない。

 このまま空間を操っても良いが、誰に見られているか解らない。というか他に生徒もいるのでまずばれる。

 

「道を曲がるぞ。後を追ってきたらそいつの背後に飛ぶ」

「わかりました」

 

 空間転移は普段なら視界や直前に通った場所程度だが、併用していれば認識や支配した空間全体で使う事が出来る。範囲も学園程度の大きさなら苦ではない。まして今は広くて半径数10メートル、今の範囲と距離なら負担は有って無いようなものだ。

 俺達は横道に逸れる。明かりは十分についているがそれは寮に行く場合である。横道では少しが明かりが減り暗くなる。寮に帰るなら相手はこちらに来ない筈だ。そのまま歩く。追ってくる。1人だ、他に居ない。

 

「もう少し行ったら飛ぶぞ」

「はい」

 

 少し行った先で俺は青衣を抱き寄せた。追ってくる相手は俺の行為に驚いた様で、口元をに手をやり足が止まるのを感じた。そこで俺は相手の背後に飛んだ。

 

「え? え? ええ!?」

 

 俺達が突然消えたのだ。困惑するような声を出しながら、きょろきょろしている。後ろ姿からわかるのは水色の髪を肩まで伸ばした、背は青衣と同じ位の女生徒だ。

 お探しの俺達は背後にいるのだが。水色の女は此方を見ない。

 

「何か用ですか?」

 

 青衣が声をかける。彼女はびくりと一瞬震え、背後にいる俺達をそっと振り向く。眼鏡を掛け赤い目をした女だ。ん? 顔は知らないが、何か見慣れた特徴がある。

 俺達を確認した後、彼女は脱兎のごとく走っていく。かなり足は早いが無駄である。

 

「やあ」

 

 俺達は彼女の進行方向に再度空間転移をする。

 突然現れた俺達に固まる。器用にも走る恰好のままだ。そして別方向に駆け出すが、

 

「ちょっとちょっと」

 

 やりなおし。

 

「ねえってば」

 

 もう一回。

 

「流石に怒りますよ。何処かの誰かさん?」

 

 彼女の進行方向に何度目かの空間転移をすると、今度こそ彼女はその場にへたり込んでしまった。

 

「お名前は?」

 

 そんな彼女に青衣は俺にくっ付いたまま問いかける。

 

「更識、簪です」

 

 更識? 青衣と俺は顔を見合わせる。

 びくびくした様子は小動物を思わせるが、顔や髪の特徴は確かに更識会長に似通っている。

 

「更識会長の妹さん?」

 

 彼女はこくりと頷いた。確かに妹がいることを1度言っていたが。そういえば仲直りとか言っていたな。

 

「で、その妹さんが何か用ですか?」

「ちょっと聞きたいことが……」

「何でしょうか」

「姉さんがおかしくなった。その理由が知りたい」

 

 一拍の後。

 

「は?」

 

 間の抜けた声を出したのは俺だった。

 

「おかしくなったって、どうされたんですか?」

「私に謝った?」

 

 何があったか知らんが、謝るくらいでおかしくなったと判断されるとは。というか疑問形? あの人は普段どういう生活をしているのだ? 実は内弁慶なのか?

 青衣と顔を見合わせる。

 

「とりあえず、場所を変えないか? 誰に聞かれているか分からないし」

 

 その後、俺達の部屋に移動することになった。

 

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 俺と簪さんが椅子で、青衣がベッドに腰を掛けている。

 織斑姉弟といい更識姉妹といい、全く面倒である。

 簪の話だと更識会長は彼女に『貴女は何もしなくていい』、『私が全部してあげる』、『あなたは無能なままでいなさい』と言った様だ。昔から姉は何でもできて劣等感を持っていたが、これは悔し過ぎて、腹が立ってしょうがなかったらしい。

 以降は絶縁状態が続いている。この話が事実なら不思議ではない。

 姉は快活だが、妹は内気。姉の方にも原因がありそうだな、これ。

 更識会長は自らミステリアス・レイディを作ったことに対抗して、簪は制作途中で放棄された自分の専用機である打鉄弐式を学園内の整備室でせっせと作っているらしい。

 専用機云々で気になったので聞いてみると、簪は日本の代表候補生とのこと。専用機を自分で作っていることから操縦だけでなく技術面も優秀なのだろう。

 それを無能って、姉妹とはいえロシアの国家代表は日本に喧嘩を売る気ですか?

 

「それが少し前に謝りに来たのか?」

「……微妙」

「どういうこと?」

「良くわからないことを言って、顔も赤くなったり青くなったり、変な動きをしていた」

「それで? 何か言ったの?」

 

 続きを促す。彼女は困ったような顔で。

 

「邪魔で『もういいから』って言ったら何か笑顔で出て行った」

 

 俺はその光景を想像した。青衣を見ると多分俺と同じ想像したのだろう、苦笑いだ。

 

「俺の記憶が確かなら、『仲直りできそう』って喜んでなかったか?」

「言ってました。明らかにテンパってますね。今の話だと」

 

 簪を見る。明らかに不機嫌、いや怒っている。

 

「一応聞く、許す気は?」

「無い」

「ですよねー」

 

 更識会長は『もういいから』の意味を勘違いしたな。

 

「簪さん、幾つか聞いて良いか?」

「かまわない」

 

 最初、更識さんと言ったらやめてくれと言われた。どうやら苗字で呼ばれることすら嫌っているらしい。この様子だと姉と同じ苗字なのが嫌なのかもしれない。

 

「何で専用機を自分で作っているの?」

「それは……」

 

 一通り話を聞いた。また白式と倉持技研か。

 要は一夏が見つかって、白式の開発等に技術者を全員取られてしまった。それで彼女が中断された打鉄弐式を引き取って組み立てているわけだ。

 

「日本政府と倉持技研、何やってんだ?」

「どうしてそう思うの?」

 

 俺は思わず呆れる。簪さんも青衣も疑問に思ったのか俺の顔を見ている。

 

「初心者の一夏には熟練者向けとしか思えない白式を渡して、自国の代表候補生は放置。最悪、白式は形になってんだから、直ぐに技術者戻せって」

「戻さなくていい」

「別に更識会長がミステリアス・レイディ作ったからって、簪さんが同じ事やる必要性無いだろ。

 というか、何でそんなことやったんだ? あまり意味があるとは思えないんだけど」

「どういうこと?」

 

 不思議そうな顔をする。

 

「技術者ならともかく操縦者だろう。機体に対する理解は深まるだろうけど、自分で機体を作ってどうするよ。いくら優秀でも1人でやるなんて意味ないだろう。

 よくロシアや開発元の企業が許したな。開発元もお前はいらないって言われている様なものだろう、それ。開発費も人件費も浮くっていうことか?

 俺は技術的なことは知らないけどさ、今の話だと普通は数多くの技術者が時間をかけて作るんだろ?」

「うん」

「じゃあ、簪さんもそうだけど、操縦者なんだから技術者に任せて他の事をやりゃいいだろうよ。というか他の技術者にも喧嘩売って無いか? 人、使えよ。本当によく日本政府と倉持技研が許したな」

「許可は貰った」

「そうなの? 倉持技研、学生に仕事投げたのかよ。技術者としてお金は貰ってる?」

「倉持技研からは貰ってない。政府からは代表候補生として貰っている」

「ただ働きかよ。倉持技研、人件費分が丸儲けじゃないか。

 というか更識会長が1人でやったって本当なのか? 国家代表、当時は代表候補生か。とにかくあの人は忙しいしそんな時間がどこにあるの? 沢山の技術者が何ヶ月も掛けてやる事をイチから1人で作り上げるって無茶苦茶じゃないか。話に尾ひれが付いて大きくなったとかありえないか?」

 

 簪さんは目が点になっている。

 

「貴方の機体は?」

「横にいる青衣が作ってますが? IS自身だし」

「青衣さん、貴方が自分の体を持ったISとは聞いていたけど本当?」

「本当です」

 

 俺と青衣に対する質問と、その回答。常識外だろうけどさ。

 簪はじっと青衣を見ている。真偽を確かめるべく鑑定しているようにも見えた。

 

「青衣、一回その体を出し入れしたらどうだ?」

「そうですね」

 

 青衣は一度体を消した後、何秒か後に戻す。今更ながら驚いている様で、目をぱちくりさせている。

 

「2人とも、意見を聞いて良い?」

「どうぞ」

「1人で専用機を開発する必要あると思う?」

「無いと思う。技術者として幾ら時間をかけてでも全部やりたいなら別だけど。

 俺は要望と話位はするが、基本的に青衣任せだし」

「私たちは特殊過ぎますよ。でも私も必要ないと思います。人数がいれば早い作業も多いでしょうし、それだけ意見も聞けます」

「今から手を借りるにしても倉持技研は無しだな。できなかっただろ的な対応をすると思う。向こうが約束反故にしたのにな」

 

 簪さんは少し考えている様だ。

 

「姉さんが私に人を送ってくると思う?」

「わかりません。機体の開発か何かで取られて困るもの、いいえ、向こうが欲しがるものはありますか?」

 

 今度は青衣が答える。

 

「……あまり無いと思う。データは貴重だけど、それくらい現場にあるから盗もうと思えば盗めるだろうし」

「それじゃあ……送ってきたなら逆に利用したらいいだろう。

 借りを作る云々あるにしても、相手を見て判断したらいい。それに俺達には更識会長の差金か区別付かないし。というか差金だからって何かあるのか?」

 

 再び目をぱちくりさせる。この娘の癖か?

 

「もう1つ。姉さんに勝ったって本当?」

「あれは無効試合。確かに俺は完封したけど勝ちを認めていません。向こうも自分の反則勝ちは認めていません」

「どうやったの?」

「更識会長に、というか他の人にはまず不可能な事。方法自体にISは殆ど関係ない。何をやったかは言えないし、言っても参考にすらならない」

 

 簪は俺をじっと見つめている。

 

「さっきの空間転移、覚えているか? 最初後ろに回って、その後は前に出続けたの」

 

 簪はこくりと頷いた。

 

「あれと同じようなものだ。まず他の者には出来ないと考えた方が良い。だから『反則よ』って試合後に叫ばれた。結局無効試合」

 

 簪は黙る。俺も話さない。

 

「わかった。これは参考にならなかった」

「あー、更識会長は仲直りって浮かれていたけど、どうする?」

「ふざけないで、と言っておいて」

「伝えておく」

「よろしく」

 

 簪さんは立ち上がる。

 言っておいて、ね。コミュニケーションを取る気はまだあるのか。

 

「ちょっと待って下さい」

「何?」

 

 青衣が簪さんに声をかける。

 

「携帯電話の番号とアドレス、交換しません? 緑兵も」

 

 彼女はこくりと頷いた。

 

---------------------------------------

 

 翌日の放課後、訓練に行く前に生徒会室に寄った。

 虚さんもいるので既に聞いたかもしれないが、更識会長に織斑先生と一夏が来た件を報告しておく。そして簪の件も話す。伝言も預かっているし。

 更識会長は机に突っ伏してしまった。しくしくと、すすり泣くような音が響く。虚さんはため息を付いていた。

 本当に簪さんにそんなことを言ったのか聞いてみると、言ったらしい。別の意味で言ったみたいだが、そんな事が通じるか。簪さんは完全に劣等感を植え付けられたぞ。

 俺と青衣の見解を話すと、すっかり更識会長はしょげてしまった。まだ望みがあるからこの程度で済んでいる。仕方ないので放っておく。俺にできることなど無い。さてアリーナにでも行こうか、足を向けた時に虚さんからストップがかかる。

 

「お嬢様から言うべきだと思いますが、男性操縦者が来ることになりました。彼はフランスの代表候補生です」

「はい?」

 

 俺は自分でも素っ頓狂な返事を返した。隣の青衣も驚いている。

 ちょっと言っている意味が解りませんね。一夏が例外では?

 

「それと別口でドイツの代表候補生も編入するみたいです。こっちは織斑先生の元教え子で現役の軍人ね」

 

 何でそんなのがIS学園に来るの? 機体云々なら最初から入学するだろうし、青衣の捕獲か?

 

「軍人はともかく、フランスの男性操縦者は初耳なんですけど。そんな発表ありました?」

 

 一応これでもニュース程度はチェックしている。

 

「聞いてないですね。お嬢様は?」

「……知らない」

 

 更識会長は回復していないが、返事はする。

 

「青衣ちゃんも注意してくださいね。このタイミングですから」

「わかりました。入ってきたらお風呂も当分はシャワーで済ませましょう」

「その方が良いな。軍人が相手だし、何するかわからないからな」

 

 1人の時に狙われたら不味い。素手でもある程度やれると言っても、本職の軍人相手に通じるとまでは考えていないし危険だ。

 

「解っていると思いますが、発表があるか本人達が来るまでは口外はしないで下さい」

「わかりました」

 

 男性操縦者でフランスの国家代表候補生? それって世界的な発表だろう。でも更識会長も虚さんもそんな発表を聞いていない。そしてもう1人は軍人。

 これまた面倒な事になりそうだ。同時に楽しくもなるだろう。平和ならそれもそれで結構。

 どちらにしても変化がある。青衣と顔を見合わせ、俺達は笑った。

 

 




最後まで読んで頂き、有難うございます。

緑兵は一夏がどういう状態で試験を受けたのか知りませんので勘違いをしています。
何で一夏に白式なのか、そして簪の放置も。某兎抜きでも不思議です。
緑兵は考え過ぎ、悪癖です。書けば書くほどトップには向かないタイプだと解る。
緑兵単体なら自分で押し潰れそう。逆に青衣はISなので誰かがいないと活動しにくい習性を持っています。二人そろってようやくバランスが取れます。
そう言えば青衣は自力でISを作っています。仮に企業が手に入れたら開発予算は浮くか? これだけで捕獲対象にされても不思議が無いような。

一夏は白式の事を知ろうとしています。千冬は緑兵を警戒中、関係悪化。

次回は2人の転入生か、別の第3者視点が来ると思います。

再度、書き溜めが切れたので次回の更新時期は未定です。
というかちょっとペースを意図的に落とすと思います。


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