幻想のIS   作:ガラスサイコロ

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25_最高のプレゼント

 幻想世界と外の世界。意味不明な単語が飛び交った。

 

「幻想世界に引き籠っている者が、何の用で此方へ現れた?」

 

 この顔は友人である千冬や実妹である箒ですら見たことが無かった。嫌悪とも違う、歓喜とも違う、だが束は明らかに笑っていた。

 

「引き籠りじゃあないだろう? 寧ろあちこち飛び回っていると思うが。

 目的は公表している通り、此方側がどれだけ重い腰かも知っているだろ?」

「それで外の世界くんだりまでやってきたわけ?」

 

 束が自ら話しかけた。拒絶ではない、きっちり話しかけていた。束に限ってはこれは正常な反応では無い。異常なのだ。

 返した緑兵の言葉も意味不明、理解不能。唯一、なんとか理解できる事と言えば彼らが言う外の世界とは自分達がいる世界であるという事くらいだろう。だが、他の世界? 何を言っているのだ?

 

「そんなところですかね。

 ところで、自分がやっている事が周囲からは一切わからないんですから、さぞ気持ちよかったでしょうね? 元が何か全く知らなければ注目されるに決まっています」

「へえ……」

「ISについては皆、驚いていました。

 でも此方側の技術はお粗末だったみたいですね。現に緑兵はシールド解体できます。無論、15の若造に出来る事ですから他の者もね」

 

 篠ノ之束は青衣の言葉に苛立たしい顔を見せる。天災に対して未熟な技術と言っているのだ。

 一方で一夏と箒、千冬は驚く。束が会話し相手の言葉に反応している。

 

「迷惑なんだよ、アンタを神輿にした連中の考えがな。潰すなら根本だ。好き勝手、事件を起こして引っ掻き回しやがって」

 

 緑兵の言葉に束が笑い始めた。笑い続ける束の反応で緑兵と青衣を除いた全員の困惑は深まる。特に間に挟まれた一夏は疲労を濃くしながらも、首を左右に振り両方の確認していた。やがて束の笑いが止む。

 

「知ってる? 世界は束さんのおもちゃ箱なんだよ?」

「どの世界? 外の世界で収まらないから、こうなっているんだろうが」

 

 傲慢なセリフを口角を釣り上げながら吐く束。皆、絶句するが彼女は本気でそう思っている。対して緑兵は疑問を投げかける。

 回答は笑い。けたけた笑っている。

 

「おもちゃ箱で喜ぶ歳ですか……」

 

 その束を見て、青衣の目は更に冷たさを増し、冷静に返す。一瞬止まる束の正気を疑う者はいたが、束は再度笑い出した。

 

「良い歳だろうと何だろうと、此方まで波及しなければ文句は無かったんだが……

 というか遊びで女にしか操縦できなくさせたIS撒いたわけか」

 

 淡々としている緑兵と悪意を持った笑みと呆れを見せる青衣。

 だが、言葉とは裏腹に殺意は互いに向けられている。多少は散漫になり周囲は楽になる。とはいえ重苦しい空気は変わらない。全員が困惑しきった目をして3人を見ていた。

 

「技術を混ぜるとはな。その発想自体は昔からあったが外の方は最新技術だ。褒めてたぞ」

「ふっふーん」

 

 首に付けた、青衣の待機形態を指に絡ませ言う緑兵に対し、束は得意気になる。

 

「でも絶対防御、他もそうだが、この名前は無いだろう?」

「あ?」

「シールド、アレは簡単に壊せるからな。競技としては規定違反にもなっているだろ? 此方抜きでも破られているじゃねーか。荒いんだよ」

「うるさい!!」

 

 束は即座に怒りの表情を浮かべるが、次は笑みを浮かべる。

 

「面白いね~、唯のたんぱくしつなのに」

 

 にこやかな束に対する緑兵の目は冷やかだ。青衣は絶対零度である。

 

「壁相手に話する方がマシだな、こりゃ」

「このおっぱいを見て壁?」

 

 ため息交じりで言う緑兵の言葉に束は自身の胸を揉み、満面の笑みを浮かべる。一見誘惑している様だが目が違う。互いにその気は無い。

 

「いかれてるは否定しないのか」

「自慢の胸も、使う相手もいるとも思えませんが……」

「そうだな」

 

 緑兵の目は鋭いまま、しかし言葉には呆れた響きを乗せる。青衣もだ。

 

「あ!! 緑兵。相手は女性の可能性も有りますよ? カルト宗教のごとく女性至上主義者から崇められているんですからハーレム……? と言っていいか分かりませんが、とにかく女性が沢山です」

「ありえる話だな。ん? だからISは女の子なのか? だから女性しか乗せない様に……」

「それは……そんな理由は嫌ですね」

 

 緑兵が導いた答えに青衣は肩を落とす。

 

「好き勝手言うな!!」

「好き勝手やって世界中ぶっ壊した貴様に言われたくない!!」

 

 かちんと来たらしい束と対する緑兵。その光景に呆れを見せる青衣。どこかのんびりしたやり取りだが流れる空気は一触即発、ピリピリしている。周囲は異常な空気に呑まれ身動きすら取れない。声すら出なかったが、その場にいる者は自身の状況よりも、困惑よりも、驚きが勝っていた。

 噛み合っている。理解不能で意味不明、支離滅裂な会話が噛み合っている。しかも相手が篠ノ之束だ。一部の人物を覗いてコミュニケーションを放棄している人物を相手にした話だ。

 誰かは思い出した。ISのコアは篠ノ之束以外には作れず、解析すら不可能であることを。

 誰かは思い出した。七海青衣が完全なイレギュラーなISである事を。

 誰かは思い出した。七海緑兵と七海青衣はISに知られていない既存の技術が使われていると証言したことを。

 誰かは思い出した。篠ノ之束はその技術を知っている可能性があることを。

 誰かは思い出した。七海緑兵は行方不明になり死亡者扱いであったことを。

 皆、先入観さえなければそれなりに頭は切れるのだ。身動きが取れない場面故に余計に頭が働いた。故に連鎖するように個別の疑問が連結され、そして新たな疑問を生んだ。

 篠ノ之束は自ら行方を晦ませた。彼女も今まで何処に居た? 七海緑兵も同じところに居た? ISに使われた技術の出所は? 意思のあるISである青衣は? 目の前にいるこの者達は何を知っているんだ?

 だが、答えてくれるという期待は全く持てなかった。

 

 

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 俺と青衣、兎以外で最初に動いたのは織斑先生だった。音を立てずやってきた彼女は右腕で兎の首根っこを掴み、持ち上げる。

 

「ち、ちーちゃん?」

「七海、待て」

 

 宙ぶらりんになった兎が慌て始めた。突然の事で彼女が俺達に向けていた殺気も霧散する。

 同時に彼女は空いた左腕を俺達の方を向け、静止を掛けてきた。確かに自分を見ると攻撃を仕掛ける状態だった。無意識に俺の両手は青衣の装甲が部分展開され無名を向けている。

 

「今は私達が説得する段階だ。貴様達は次。違うか?」

 

 確かのその段取りだ。その言葉に俺は部分展開を解除する。青衣の殺気も収まっていく。とはいえ、此方は兎を睨み続けているが。俺も俺で兎が何かしたらわかる様に『空間を操る程度の能力』とは別に探知用の結界を張っておく。兎が一瞬だけ反応した。気が付いている。

 さて、周囲で生徒達や教師達が我を取り戻す。膝をついて呼吸を整えている者もいるがそれだけだ。

 織斑先生は兎を降ろした後、正面を向かせる。同寮や生徒達をお構いなしであったが相手が相手だ、仕方ないだろう。

 

「さて束、青衣の証言が全てとは思わんが、ISは明らかにおかしい」

 

 織斑先生は軽く両手を組み、兎を睨み付けている。

 

「な、何の事かな?」

「その顔を見れば丸わかりだ。私が絡んだ例の命令に女性だけが起動できる件、一夏が操縦できる件、絶対命令についてだ。答えてもらうぞ」

 

 兎が泡食っている。様子が変だ……って元から変か。

 

「えー? 束さんには」

「ならば絶交だ、何をやっても私は無視するし返答もせん」

「ち、ちーちゃん!?」

「そんな声を出しても駄目だ」

 

 兎の言葉を止めた織斑先生が、ぷいっと横を向く。兎が本格的に慌て始めた。

 小学生か、こいつらは。今年で25歳だったよな。

 

「で? 何故、絶対命令を付け、『ちーちゃんがいちばん』なんて命令を出し、青衣を破棄した?」

「だっていう事聞かない悪い子なんていらないし、それにちーちゃんはいちばんじゃん。おかしい?」

 

 あっけらかんとした兎だ。無邪気、悪意何て欠片もない。

 織斑先生が一瞬、顔を引きつらせた。

 

「お前……男性が動かせないことが『良くわからない』と言ったが、あれは嘘だったのか?」

「嘘じゃないよ。わかりたいとも思わないけど」

「なら男性が動かせないのは何故だ!?」

「何で? 変なちーちゃん、そんなゴミが必要なの?」

「真面目に答えろ。一夏の件もだ」

「ひどいなぁ、束さんはいつだって真面目だよ。いっくんも有名人、其処のと違い束さんが認めたISを扱う皆のヒーロー、やったね!! ちーちゃん!! いっくん大出世だよ!!」

「ふざけるな!!」

 

 其処のとは俺の事か。どうも話が噛み合っているような、噛み合っていないような。兎の言動は一切読めないが、これは何だ? 兎の表情がおかしい。

 

「ぶーぶー、だったら解除しても良いよ」

「当たり前だ!!」

 

 口を尖らせる兎に織斑先生が怒鳴る。その光景に俺は改めて大きな違和感を持つ。

 まあ、絶対命令を認めたに等しい言葉でもあるが。

 

「……」

 

 背後の青衣も唸っていた。俺と同じく違和感を覚えたのだろう、大人二人が喚き、織斑先生があしらわれ続ける光景を見て何やら考え込んでいる。

 

「女性しか動かせない原因」

 

 青衣の口を開き始めた。呟きは大きくなかったのだがよく通り、周囲の者だけでなく織斑先生まで青衣を見た。兎は織斑先生が目線を逸らしたからか、釣られる様に遅れて此方を見る。

 

「ISに出された『ちーちゃんがいちばん』という命令……」

 

 言うまでも無いが、青衣を含んだISの事を指している。

 

「だけじゃない」

 

 紡がれた青衣の言葉に俺は一瞬、思考を停止させた。青衣は何て言った?

 

「今、思った。今、気が付いた。男性が操縦できない事は私が拒否した命令だけじゃない」

 

 口調は淡々としているが、表情と声音は兎に対する嫌悪感に満ちていた。

 

「少し前に調査したコアネットワークには現在の情報が飛び交っているだけ。過去に下された命令が繰り返し流れているわけじゃない。姉妹たちは律儀に命令に従っているからその必要が無い」

 

 俺にはまるで、青衣が演説をしている様に感じられた。

 

「私を破棄した後、コアネットワークから外れた後に別の命令を下した。違う?」

 

 青衣の鋭い目が兎に刺さる。織斑先生も嘘は許さないとばかりに改めて兎を見る。

 

「……命令を拒否する悪い子らしい発想だね」

「良い子ちゃんだから、毎回命令する必要が無いんでしょう? 一回で十分」

 

 同時に悪意満載な笑み浮かべる青衣。やはりこの二人、似ている。顔かたちではなく全体の印象が、だ。

 

「聞き返して来たから確信が持てた。他に何かある。故意かは解らないけど、何か心当たりがある。

 無いなら反応も無い。間もおかしい、少なくとも私なら馬鹿にする」

 

 ここで織斑先生が困惑した目で青衣と兎の二人を交互に見る。

 

「俺が感じた違和感はそれか」

「緑兵も持ちました?」

 

 青衣は目線で兎を捕らえたまま、顔を全く動かさずに俺の声に反応する。

 

「表情だよ」

「表情?」

 

 青衣が聞き返してくる。

 

「兎の顔、お前が何か隠し事をしている時の顔と同じだ」

「……悲しくなりますね」

「仕方ない、事実だ」

 

 本人も過去に似ている所があるかもしれないと言っていたが、口に出すのは憚れた。

 

「女性しか起動できない、ISの致命的な欠陥はあえて放置ってことか?」

 

 もしも故意なら動機は何だろうか。兎相手に無駄かもしれないが、口に出すことでその意図を考えようとする。

 

「へえ? 束さんが作ったものを欠陥? 正気? 失敗作を使っているからわからないのかな? 節穴なのかな?」

「人格が欠陥どころか破綻しているアンタが言う失敗作なら、そちらの方が真面なんじゃないか? ISの開発も情報集めはアンタの言うゴミ頼みだろう? え?」

 

 青衣を失敗作と呼ばれたことに俺はかちんときて、兎はISの欠陥と言う俺の発言でかちんときたらしい。お前が言う失敗なら逆に真面、ましてコアを提供したとはいえ、実際にISの開発を行うのは兎の言うゴミ、何を言ってるんだ? こいつは?

 睨み合う。互いに臨戦態勢。いつでもヤレる。

 

「束、私も青衣を見てしまった今、女性しか乗れない事はISの欠陥だと思っているぞ。それも重大で致命的な」

「ち、ちーちゃん!?」

 

 だが、意外な事に織斑先生が俺をフォローした。兎は驚き織斑先生の顔を見る。織斑先生の顔は半分怒りが入っている様だった。

 

「本気でやれば解決できるだろう? 直せることが出来る欠陥じゃないのか?」

「えー? 何の事?」

「惚けるな。今、青衣が言った事だ。それに『束さんが作ったものは完璧』じゃないのか?」

「完璧です!!」

「じゃあ、何故直さん!? ワザとなのか!?」

 

 言葉とは裏腹に兎が泡食っている。ジト目の織斑先生に対して挙動不審だ。

 会話が続くが兎ははぐらかす。揺すっても無駄。振り回しても無駄。織斑先生はこれ以上は意味が無いと判断したのだろう、兎から手を放すと大きなため息を付いた。

 

「仕方ない。この話は後だ」

「えー? 終わりでしょう?」

「後だ。改めて聞くから逃げるなよ」

 

 織斑先生はぶーたれる兎にそう言うと、全体を見渡してパンパンと大きく手を鳴らした。

 

「全員手が止まっているぞ、さっさとテストの準備をしろ!!」

 

 彼女は声を張り上げるが生徒も教師も気が気ではない。今更だがISに携わる者には女性至上主義者が多い。その根本、根拠にはISが動かせるから女性が優秀であるという考えだ。だから今の会話だと女性が優秀だからではなく、単に兎がどうでもいいから放置していただけになる。女性至上主義者の考えは根本から崩されてしまうのだ。そして兎はそんな連中を気にも留めていない。

 織斑先生から再度の発破を掛けられ、ようやく全員が動き出した。織斑先生は山田先生を呼ぶ。彼女には生徒は複数の班に分かれているのでサポートを頼んだのだが、兎が山田先生に飛び付いた。思いっきり胸を揉んで、巨乳同士がもつれ合う。そういえば箒にもセクハラしたな。

 

「なあ、青衣……」

「本気でお相手は女性かもしれませんね」

 

 俺は女性のみだが、本人同士が良いならそれで良いと思っているので同性愛は否定しない。だが、目の前でこうなるとはなぁ。あ、織斑先生が兎に蹴りを入れた。砂浜に突き刺さる。

 ひょっとして、織斑先生も同じか?

 

「多分、無いと思いますけど……確かに男っ気ゼロですもんね。美人なのに」

 

 青衣は俺の考えを読んだらしい。

 

「まあ、いいか。あれは本人同士の問題だ」

「ですね。三角関係とか」

「楽しそうだな、お前」

 

 呆れながら青衣とその様子を見ていると、箒が近寄っていく。

 

「おー、箒ちゃん。できてるよ。紅椿!!」

 

 受ける兎の軽い声。

 その後はまあ、何だ。上空から色々降ってきた。これも量子化を使っているな。独特の魔力の光がある。無論、俺達に見せているのはわざとだろう。

 銀色の金属体から出てきたのは真新しい真紅のISだ。

 

「箒ちゃんの専用機『紅椿』!! 全スペックが現行ISを上回る、束さんお手製だよ!!」

 

 箒の誕生日プレゼントって専用機かよ。

 次いで真面目か不真面目なんだかよくわからない兎の解説が終わる。要は世界最高のスペックを持った専用機ってことか。

 身内だから専用機が貰えると不満を言い出した一般生徒の言葉はある意味正しい。真面目にやっている物からすれば馬鹿馬鹿しいだろう。正にズルだ。まあ、青衣の操縦者の俺が言うのも可笑しいが。

 

「有史以来、世界は平等であったことは一度も無いよ」

 

 ずるいと言う一般生徒に兎が反応した。有象無象と認識すら可笑しいはずなのに反応した。

 世界。兎の言う世界とはどの世界を、何の世界を指したものだろうか。

 その後、兎は箒に合うように紅椿を調整する。箒の兎に対する態度がそっけないと言うか、冷たい。

 お願いしたんだろ? お前。

 次いで一夏だ。いろいろ兎が喋った。要は、兎がほったらかしになっていた白式を引き取って完成させたと言う。それを一夏に与えた。正に暗躍していたのか。

 織斑先生は兎に対し、機密を話すなと言う。

 

「……七海、お前の予想が当たったな」

「ああ」

 

 俺は此方を向いた一夏が言う事に頷く。彼の声に感情が全く籠っていない。表情も無い。煤けている。

 いつだったか、白式の特異性から兎の関与を疑ったのだ。倉持技研との繋がりもだ。どんぴしゃかよ。

 

「織斑先生は知ってたんでしょうね、機密って言いましたから」

 

 青衣も混じる。言った。確かに言った。

 兎の反応は無い。ご機嫌で紅椿を調整する為にコンソールを叩いている。

 

「なあ一夏、あれだけ他の武器が積めないって悩んでいたのに、今の事を聞いてなかったのか?」

「知らなかった。だから千冬姉は俺に説教したのか? 剣だけで十分って、諦めろと言う意味だったのか?」

 

 一夏は悩むような口調だ。彼に胡乱げな目線を向けられた織斑先生は戸惑っている。何が悪かったのか解ってないのかもしれないな。

 

「お前の予想とはどういう事だ?」

 

 いつの間にか、俺達の近くに来ていたラウラだ。彼女の隣にはシャルロットもいる。オルコットもだ。

 織斑先生は言わないで欲しいだろうが、ここまでばれているんだ。仕方ないだろう。皆も注目しているし。

 

「ラウラやシャルロットが転入して来る少し前、織斑先生に聞いたんだ」

「緑兵、それは違いますよ。織斑先生の方から強く聞かれたんです、連想したことを言えって」

「……そうだったな。聞かれたから答えた」

 

 青衣が訂正を入れる。確かに自分から言ったのか、聞かれたのかでは意味合いが大きく違う。

 

「一夏がISに乗れる理由が篠ノ之束のISに対する絶対命令、つまり故意なら篠ノ之束自身が一夏の専用機を用意しても自然だって」

「何!?」

 

 声を出したのはラウラだったが、全員が驚いている。

 

「な、何でそう思ったの?」

 

 今度は困惑したシャルロットだ。発想していなかったのかもしれない。

 

「白式の特異性……兎が言ったろ? 白式は最初から単一仕様の零落白夜を使える。その技術を製造元の倉持技研が発表して無いのも変だった。織斑先生を介して製造元の倉持技研とも繋がる。だから篠ノ之束の関与を疑ったんだよ、俺は」

 

 皆が絶句する。

 

「それって……以前に教室で皆に聞いた件?」

「ああ、その件だ。その後で一夏が教室を飛び出して行って、俺が思いついた件」

 

 近くにいる相川さんだ。よく思い出せたな。

 

「後になって織斑先生と一夏が生徒会室まで来てな、俺が考えたことを聞かれたんだよ」

 

 再び織斑先生に注目が集まる。彼女は苦虫を噛み潰したかのような顔をしていた。

 

「機密事項だ。簡単に話せるか」

 

 ぶっきらぼうに言う。

 まあ、そうだろうな。機密抜きでも喋ったかは別だが。

 

「で? その白式を途中で放り出して、兎の言うごみに預けたのは何でです? 日本の代表候補生の開発が止まった件もあります」

 

 織斑先生に聞くが答えない。黙ったままだ。

 

「なら、欠陥機を一夏に渡した理由は?」

「欠陥機?」

 

 俺は織斑先生に尋ねたが、反応したのは兎だった。

 

「欠陥機と言い出したのは織斑先生だって聞いているぞ? なあ?」

「ああ。届いたその日、セシリアとの試合後に千冬姉から直接言われた。『白式は欠陥機』だって」

「事実、一夏の負けの原因は白式の自滅だからな」

 

 一夏に振るとあっさり同意する。兎が固まった。これ、貴重な光景かも。

 

「本人の適性に合した結果ピーキーになったならともかくド素人にそんな機体渡すなんて、使い手の事を考えていないんでしょ? 唯の自己満足です。一夏さんは罰ゲーム状態と言っても良いかもしれませんね」

「ば、罰ゲーム……」

 

 青衣には作り出している側としてプライドがあるのだろう。青衣の言葉に反応したのは一夏だが。

 

「戦績見てくださいよ、自滅による敗北だらけでしょう? じ・め・つ!!」

「……そうなんだよなぁ」

「得意な事すらわからないド素人に、剣一本で世界を取った選手と同じことを要求する時点で馬鹿過ぎますよ、全く!!」

 

 青衣の言い分を聞くと罰ゲームという表現にも納得、否定できない。一夏も肯定に偏っているらしい。

 

「どうせ見てただろ? 検証はしてないのかよ」

 

 兎が俺を見る。憎々しげな目である。

 

「俺は関係ないぞ。改めて言うが白式の自滅、誰が相手しても同じだ。

 白式の高性能を活かして動けば燃費最悪で自滅まっしぐら、動かなければ剣しかないから唯の的。その上に扱いが難しく基本すら身につかないから腕も上がらない。専用機があるから練習機も借り難い。嫌がらせかよ」

 

 もう俺は一夏の伸びの悪さの責任も白式に被せることにした。嘘でもない。

 当の兎は表面上は平然としている。だが、額には汗が一筋通っていた。

 

「なあ、開発が止まったって……」

 

 一夏だ。他の者も止まっている。もう一つ、この人だかりの最後尾にも視線が集まっている箇所があった。簪さんだ。感覚をからして解る。注目されるのがすごく嫌そうだ。

 

「日本の代表候補生の専用機は白式の組み立てに人手を割いて、途中で頓挫した」

 

 だが、俺が答えると一夏が凍った。すぐに簪さんがいる方の視線の集まりに気が付いたのだろう、其方を青い顔で見始める。人がいるので顔は合わせていないがそれで良かった。もし、顔を合わせていたら騒動になりかねない。

 そこで箒が兎を急かす。代表候補生すら専用機が止まったのに、自分はあっさり手に入れているのだ。多分、居心地が悪いのだろう。

 言うまでも無いが、兎の手は今まで一切止まっていない。才能もあるだろうが、正に熟練の手つきである。

 試運転が始まる。

 俺は青衣をハイパーセンサーだけ部分展開する。外見上は一切変わらないだろう。青衣の本体である鎖もそのままだ。俺の視力では見えないときとか、よく聞こえない時などに使っている。

 上空へ飛んだ紅椿が刀を振るう。右が『雨月』、左は『空裂』と言うらしい。箒の気合と共に空裂から放たれた赤いレーザーが、試運転用に打ち出された16発のミサイルを破壊した。

 良い武装だな。まあ、青衣のスペルカード再現で似た様な技は持っているが。

 でも、ちょっとおかしくないか? 圧倒的なスペックではない。技術の向上? そんな急に? その上初めて乗った機体だよな。ひょっとして……

 

「弄りましたね」

「やっぱり、そうなのか?」

 

 青衣だ。箒の挙動を俺と同じものを感じたらしい。織斑先生が兎を睨んでいた。完全に敵を見る目つきである。

 上空に居る紅椿のスペックに茫然としていた皆が此方を向いた。

 

「気が付きました?」

 

 青衣が首をこてんと倒し、織斑先生に尋ねる。

 

「……ああ」

 

 織斑先生が口を開く。苦々しい口調だ。

 周囲は困惑している。どうやら気が付いているのは俺達だけらしい。いいや、山田先生や他の教師はおかしいと思っていても発想までしていないのだろう。或いは無意識に考えないようにしているか。事実、織斑先生の言葉に困惑ではない反応を見せている。

 

「箒ちゃんの適性はSだよ」

 

 俺と青衣、織斑先生を除いた全員の驚愕した目線が兎に注がれる。にやにや笑っている。

 

「箒ちゃんの適性はSにした」

 

 俺達は一夏の件もあったから納得した。だが他の者は違う。絶句。この一言に尽きた。

 一通り終え、地上に降りてきた箒の顔も驚愕に満ちている。その実、嬉しそうである。

 

「これで箒ちゃんは世界最高の適性と世界最高の専用機を手に入れた。やったね!!」

 

 箒は誕生日プレゼントで世界最高の適性と世界最高スペックの専用機を与えられたわけか。

 皆は愕然としている。ま、そうだわな。例外は箒とおちゃらけて楽しそうな兎である。

 適性Sと高スペックの専用機。これはISを操縦を志すなら理想ともいえるものだろう。特に専用機は狭き門とはいえ道があるが、適性について仕方ない。長期の訓練によって変化することもあるらしいがレアケースだ。前提に組み込めるはずも無く諦めなくてはならない。まして適性Sは世界でも数人、モンド・グロッソの総合優勝者(ブリュンヒルデ)と部門優勝者(ヴァルキリー)だけだ。俺も適性Sだが青衣限定でしかないから別物である。

 

「誕生日プレゼントにしては豪勢ですね。これまでの努力が無駄と言われているのと同じですが」

 

 青衣の言葉が響く。

 日々学習し、練習機を少ない機会で動かし、それでも頑張っている者からすればこれほど馬鹿馬鹿しいことは無いだろう。事実、専用機を得たことをずるいと言った者もいるし、口に出さなくても苦々しい顔をしている者は多い。止めに適性操作だ。

 箒は多分、急激に得た分、色々無くすだろう。俺が能力を得たように。それが良いか悪いかはわからない。

 

「まあ、その2つは私が緑兵に渡したものと同じです。これ以上は過保護。後は本人次第」

「へえ……」

「これ以上は不要、そう言っているんですよ。以前のもね」

 

 一方、青衣と兎は再び臨戦態勢になる。睨み合う二人。当然、俺もだ。

 

「それにしても随分狂った愛情ですねぇ。何となくなく解りました。世界を滅茶苦茶にするなんて。ひょっとしてそれが最大のプレゼント?」

 

 青衣が突拍子もない事を言い出した。兎以外の全員が止まる。俺も例外ではない、固まった。

 

「え? 皆さん、何で解らないんですか?」

 

 青衣は心底意外という顔をする。ごめん、俺にもわからない。

 

「私は緑兵の専用機、他の者には操縦を認めてないでしょう? 同じですよ。

 紅椿もそう、箒に対する単なるプレゼントですよ。特別な者に対する愛情いっぱいのプレゼント。云わば私と同じです。だからISも同じ」

 

 兎の特別。兎の実妹。プレゼントは紅椿。だが、その前は? 白騎士事件?

 

「悪意の欠片もない、特別に対する単なる親愛です」

 

 白騎士を織斑先生に与えた事を指しているのだろうか。

 

「結果、男性がISを使えなくなりました。唯、それだけの事だった。本当に馬鹿馬鹿しい。ねえ箒?」

 

 青衣は、此処で降りてきた紅椿を纏う箒に話を振った。織斑先生じゃないのか?

 どう繋がるのか、俺を含めた全員が理解できていない。話を振られた箒もだ。故に狼狽えている。

 

「何が言いたい!?」

「そのまんまですが?」

 

 名前を出された箒は青衣を睨み付け声を荒げた。

 そんな光景を兎は表情を変えず、青衣をしっかりと見据えている。だが青衣は意味不明で破綻している兎の思考を理解しているらしい。

 

「以前、緑兵に対しても木刀を向けましたよね? 呼び付けた事も」

「古い話を……」

 

 あれは学年別トーナメント前だ。確かシャルロットを一夏と組ませたことで、木刀を向けられた。そんなに前でもない気がする。

 

「自分の意見や望みを通したいから一方的に襲い、認めさせようとする。本当に一事が万事、あんな調子なんじゃないですか?」

「……」

「人間は変わることが出来ますけど、同時に簡単に変わらないものです。特に強情な者は。

 一夏さん、どうなんです? 箒って昔から変わってないのでは?」

 

 青衣が一夏の方を向く。一夏は少し苦い顔をして頷いた。

 

「じゃあ、箒は昔から木刀や竹刀を気に入らないと振り回していたんですね?」

「……振り回していた」

 

 おいおい。

 

「……友達いたのか? お前以外で?」

「それで……皆から避けられたり、何かすると多数で攻め立てられてた」

「そりゃそうだ。自分からは近寄りたいと思わないな、普通」

 

 居なかったわけね。一夏以外は。

 

「そうか、剣道で同門だから『お前、なんとかしろよ』的な事に……」

「それは別だ。でも、放っておけないだろ?」

「そりゃあ、お優しい事って」

 

 多分、皆怖がっているから、こんな事になっていたらしい。何となく箒が一夏に惚れたわけがわかった気がした。

 

「父親が剣の先生だったよな、何を教えたんだろう?」

 

 単なる疑問。普通、叱るだろう。武道の者としてもだ。いいや、兎の親でもある。油断できない。

 

「束さんに逆らったり、ちーちゃんを怒らせたり、箒ちゃん虐める連中に使わせたくないよね?」

 

 こてん、そう首を傾げる兎。

 

「……それが理由ですか」

「うん。何か変?」

 

 周りはもう、何度目か分から無い位に衝撃を受けていた。また、紅椿を纏う箒も驚いている。同時に少し嬉しがっているのか? いいや、もう俺の目は色眼鏡が掛かっているな。今の箒に対して悪印象を持ちすぎている。

 兎は箒の言動と周囲の反応が一因で、男性にISを使わせないと言っているのだから。

 

「ごみをいちいち気にする必要ある? 何か変?」

 

 ああ、これだ。兎の笑みの中に黒いナニカがある。今までいろんな種族に会ってきたが、やっぱり人間が一番黒い。

 考えていないだけ。外の世界ががたがたになり、他の世界まで影響を及ぼしたのは単なるついで。正に天災だ。

 

「変じゃないですね。愚かとしか」

「あ?」

 

 青衣がくすくす笑う。これは相手を馬鹿にした笑いだ。

 

「貴方の愛情、恩恵は女性至上主義者の屑共が享受しているわ。それにおんぶにだっこを親愛とは言いませんよ? 全てお膳立てをするなんて、箒も一夏さんも何もできないって馬鹿にしているだけでしょう?」

「……へえ?」

 

 青衣が嘲る。兎が反応した。

 

「作った貴方は世界中逃げ回っていて、箒はあちこち転々、一夏さんはISを強制された。利益を得るの女王気取りの馬鹿だけ。滑稽」

「うるさい」

「そういう腐った女王様の理由に使われ称賛されているだけ。それが嬉しいの? なら道化よね? 女王様……ごみに仕える道化」

「黙れ」

「まして私達ISは宇宙開発用ではなく完全に兵器扱い。まあ製作者が作ったのが白騎士、白式、紅椿と兵器しかないから当然とも言えるけど、宇宙開発に使われるのはいつのことか。目的を果たせないと言う意味じゃあ完全に失敗作、全部失敗作」

「馬鹿なのかな、黙れと束さんがわざわざ言ってやってるんだよ、失敗作」

「改めて、私が命令を受ける必要はないわ。そもそも悪い子だって知っているでしょう? 其方こそ頭は大丈夫?」

 

 くすくす。俺の後ろで青衣は笑っている。

 兎の思考は読めない。だが、今までのやり取りから青衣は読める。いや、二人の思考回路は似ているのだ。

 

「女しか乗れないなんて致命的な欠陥を付けて、本気で何がしたいの? 宇宙開発をする気は本当にあったの?

 宇宙開発に使うとしても今更使い物にならないわ。完璧が聞いて呆れる」

 

 兎から再び殺気が漏れ始めた。だが青衣も止める気は更々ないらしい。二人の口角が吊り上る。

 兎は俺にも意識を向けている。俺が結界を張っている事に気が付いているな。何の結界か、気が付いているかは不明。ならば張った結界を壊す為、先に俺を倒すのが定石だから当然とも言える。

 周囲の者は顔色が悪い。平然としているのは俺、青衣、織斑先生、そして本人である兎だ。一部の生徒は失神を仕掛けている者もいる。

 しかし、本気で何者だよ。兎の戦闘能力は高いと思っていなかったが認識を改めた方が良さそうだ。幻想郷にいる面子や、外の世界でも織斑先生クラスと考えた方が良いな、これは。

 

「散々引っ掻き回し、残るのはガキが良い気で兵器を乗り回して馬鹿が幅を利かせる奇妙な世界。特別三人は自分で人生を選択できなくなった。こうなった原因は何?」

「青衣!!」

 

 嘲笑う青衣に織斑先生が怒鳴る。其方を向く。珍しく彼女が険しい表情と共に焦りを見せていた。

 

「その辺にしておけ」

「えー」

 

 口を尖らせながらもいう事を聞き、織斑先生は先を話さない青衣に安堵する一方で俺の方を向いた。

 

「七海、何故止めなかった!?」

「青衣の啖呵が気持ち良くて、止める気が起きなかったんですよ。それに男が起動できない理由ですからね。はっきり言って、世界最大級の事実ですよ」

 

 そう返すと彼女は何かを言いかけ口を何度か開閉させた。目が泳ぎ、戸惑っている。

 

「……お前達、説得が出来たらいいんじゃないのか?」

「そうですよ」

 

 やがて少しの困惑を乗せる。俺が同意し、青衣が頷くと彼女の困惑は増した。

 

「いいですから、説得してくださいよ」

「こんな状態で出来るか……」

「出来そうですよ?」

 

 青衣は何時もの調子に戻っている。兎も先程までの殺気が消え失せている。その様子を、織斑先生のみならず周囲の人間全てが困惑し、見つめていた。切換えが早すぎる。

 

「束がへそを曲げると思わないのか?」

「曲がるへそがあるんですか? 私を壊し損ねた事と、絶対命令が暴露された時点で曲がり切っているでしょう?」

 

 今度は青衣が返す。まあ、そうだろうな。

 

「ねえ……」

 

 兎だ。殺気こそないが不愉快なオーラが漂っている。

 

「おんぶにだっこか見てみようか」

「いいですよ」

 

 兎の提案を青衣はあっさり受け入れる。

 

「という訳だから箒ちゃん、データ取り、いってらっしゃい」

「という訳だから緑兵、此方もデータ取りに行きますよ」

 

 で、俺と箒に振る。

 箒は世界最高の専用機と適性を手に入れご満悦、自信満々だ。無論、周囲の嫉妬と冷やかな目線など気にしていない。紅椿が兵器だって彼女に自覚はあるのだろうか。それを手にしたことが何を意味するのかも。

 

 

---------------------------------------

 

 

 青衣を纏った俺と紅椿を纏った箒は500メートル程上空に居た。遥か下には海面だ。

 

「……全く、お前ら姉妹は良く似ているね」

 

 自信満々な箒を見ていると本当にそう思う。だが、箒自身はそう思っていないらしい。心外とも言うべき顔をし、明らかに怒っている。一緒にするなと言うのだろうが……。

 やっぱり駄目だ。両親の件も吹っ切った心算だったが、兎の実物を見ると切れそうになる。兎は巡り巡った根本だからな。それと兎に対して説得できればいいと約束してしまった事を今更ながら少し後悔する。

 

「姉はあっさり新型作ってぽいっと寄越すし、妹は強請っただけ。しかもお前は説得を引き受けただろう? IS学園を通して依頼したのは俺達だ。詳細は聞いている。それはどうなった?」

「……」

 

 実際には『窓』を介して見ていたのだが、そんなことは言わない。箒は暴走していたが姉への説得を引き受けていた。だからこれは説得と言う仕事を引き受けておいて専用機だけ強請った箒に対する苛立ちと、兎の代わりとして現れた紅椿への完全な八つ当たり。

 箒はいつものしかめっ面で無言だ。しかし、俺の説得という言葉に一瞬だけ顔を顰めた。一応、覚えていたのだろう。

 

「そう言えば箒?」

 

 今度は青衣だ。

 

「私達が現れた日、食堂で連絡先知らないか聞きましたよね?」

 

 そういえば青衣が尋ねたな。今、言われて思い出した。

 

「そう簡単に言うと思うか?」

「思いません。同時に誰にも教えてなかったことを使ったという事ですよね」

「……」

「あ、緑兵、次言ってもいいですよ」

 

 青衣の口調はのほほんとしている。箒が無反応だからか、青衣が俺に振る。

 

「知っているか? 専用機を得るには実力を認めさせるしかない。

 例外は男性である一夏だ。世界で一人だけの貴重な人材だからな。とはいえ、それもお前の姉の仕業で操縦できるようにされ、白式もお前の姉が絡んでいた。適性操作がいい証拠だろう?」

「……それがどうした?」

 

 俺の言葉に乗ってくる。

 

「言わんでもわかるだろう? 毎回、武士だの侍だの剣だの言うがお前はどうなんだ? 人の事、男の風上に置けないだの散々言っておいて、コネだけかよ」

 

 ぎりっ 歯ぎしりをしたのだろう。通信から聞こえた。

 

「全く、真面目に訓練している生徒が馬鹿馬鹿しいだろうな。こんな衆目のど真ん中で受け取りやがって。お前らの努力は無駄だって踏みにじったのと同じだよ。そんなに見せびらかしたかったのか?」

「……」

 

 自分の声がイラついているのを感じていた。

 

「なあ、言っている意味が解るか? 人形劇の人形さん?」

「に、人形だと?」

「監督と脚本は篠ノ之束、大道具や小道具もその兎が用意した。白騎士事件から連綿と続く、世界を舞台にした人形劇だろう?」

 

 事件を起こされ、滅茶苦茶にされ、巻き込まれた者からすれば人形劇などという可愛らしいものでは無いが。

 

「で、お前は自ら人形劇に上がったわけだ」

「……この紅椿、慣らしの心算だったが」

 

 ほう?

 ゆっくりと箒は左右の剣を構え、俺に刃を向けた。

 

「やれる!! この紅椿なら!!」

 

 怒りと共に自信に満ちている風体だが、彼女の眼は周りを対等とは思わない兎の眼によく似ていた。それを見て俺は攻め立てる罪悪感も遠慮も消え失せた。

 

「何がおかしい?」

「お前の言動が新しいおもちゃを得た子供みたいでな。そういえば兎も世界はおもちゃ箱と言っていたな?

 青衣は外見と考える方向が兎に似ているが、お前の場合内面や性格だ。本当、そっくりだよ。同族嫌悪か?」

 

 滑稽である。姉に似ていると言われ、箒の目に更なる怒りが灯る。

 

「……手加減せんぞ?」

 

 最新鋭機と適性を手に入れた途端、これか。笑うしかない。

 

「学年別トーナメント前だったか、似た様なことがあったな。竹刀を寄越して、勝手に要求を突き付けてきた」

 

 ぎりっ。覚えていたのだろう、歯ぎしりが聞こえた。

 

「本当に慣らしで1分やるよ。此方から攻撃はしないから色々試してみな。

 青衣、そういう訳だから1分経ったら教えてくれ」

「はい」

 

 自信と怒りに満ちた目で俺を見下す箒。冷静さなど無い。あるのは傲慢さだけだ。俺は無名を呼び出して構える。

 

「さあ、始めるか」

 

 彼女の目を見て、俺は八つ当たりの罪悪感など完全に消え失せていた。

 

 

---------------------------------------

 

 

「何故だ……」

「妥当じゃないのか?」

 

 箒はわなわなと小刻みに震える。

 攻撃を中止すると向こうも空中に停止したので、俺は十分距離を採ってから青衣を止める。何せスペックは段違いだからな。怖い怖い。

 

「紅椿は……」

「青衣より数段上、と言うより世界最高スペック。各国の国家代表専用機よりも上だろう。正に圧倒的だ」

「……どの位経ったのだ?」

「始めてから4分、慣らしを抜けば3分か。本当、紅椿って速いし固いな。流石最高スペック」

「そんな、馬鹿な……」

 

 向こうは9割近くのシールドエネルギーを失っている。ゼロになる前に俺は攻撃を中断した。シールドエネルギーが切れ、自力で動けなくなると面倒なのだ。止めた理由も箒は理解している。だから彼女も攻撃せずに飛んでいるだけだ。

 

「何故……何故だ!? 貴様は何かしたのか!?」

「青衣の操縦以外は何もしていない」

「あの曲芸みたいな動きがか!?」

「おいおい、空飛んでんだ。空間を使わなくてどうする?」

 

 紅椿の攻撃は俺に一回も当らなかった。雨月のエネルギー刃も空裂による赤いレーザーも全て躱し、近距離は薙ぎ倒した。

 篠ノ之流剣術にも二刀流があるらしい。だが、それは地上で足を付けて戦うのだ。当たり前だが空を飛び戦う事は視野に入っていない。最初、意気揚々と武装を披露していた。わざと接近戦まで行ったがそこで慣らしの1分が過ぎ、俺は青衣のアナウンス直後、両手の無名で切り刻んだ。箒の言うようにサーカス染みた半ば曲芸だったが相手が地面に対して垂直とは限らない。空は3次元で自由度は高い。俺みたいに逆立ちの状態で戦う事も可能だ。それが得意不得意の別れる場所でもある。陸上と同じ感覚で使うのが誤りだ。結果、箒は俺に斬り刻まれた。たまらず向こうが引いて距離がとれれば、弾幕やニードルレーザーを当てれば済む。逃げても同じ。

 箒からの遠距離攻撃が全く当たらない俺に、彼女は改めて接近戦を試みるが弾幕の餌食になって貰った。もし接近戦なら先の再現だ。これの繰り返しである。

 紅椿には他の攻撃手段がなさそうだ。折角、誰も知らない武器だらけなのに慣らしで全てを披露してしまったのだ。

 

「ところで俺の腕は代表候補生クラスらしい。織斑先生がそう言っていたのは知っているな」

「……自慢か?」

「確認だよ。上には上がいる。実際、俺は国家代表の更識会長に負けている。それに入学前の試験、相手の織斑先生はブレードしかない打鉄を使っていた。当時でも青衣の方が性能は上だが倒せなかった。ほら、ISの性能だけじゃあ勝てないだろう?」

「……」

 

 憮然としたまま、箒は黙る。俺が何を言いたいのかまだわからないだろうな。

 

「それと青衣?」

「はい、面白そうなものが有りましたからね。有効活用させて頂きます。自動支援装備は弾幕にも活かせそうですし、雨月に空裂でしたっけ、無名の改良に使えそうですね。何せ名前通りの無名、切れ味と頑丈さ優先の無骨な品ですから」

「俺は好みだが……」

「……どうも趣味の点で摺合せが必要なようです。検討はこれからにしましょう。箒にも改造終了か新装備を作ったら見せてあげますよ」

 

 信じられないよう物を見たような箒。

 

「今更ですが、私はISですよ? 機体も私が改造を繰り返しているんですから」

 

 青衣の言葉に愕然とする箒だが、追い打ちを掛けさせてもらおうか。本番でもある。

 

「青衣は俺個人の所有物で、厳密にはどこにも所属していないISだ。知っているな?」

「……それがどうした」

「各国や他の組織は青衣を狙う可能性がある。男性が操縦できる点で破壊目的で来る奴もいた。実際2日前に襲われている。それも知っているな?」

「今更、それがどうしたと言うのだ!!」

 

 怒鳴る。焦りもあるな。これは半分、気付き始めているかもしれない。

 

「例えば白式は日本政府から渡されたISだから日本がバックにいる。他のISも所属がある。だが、紅椿はどうだ? まして新規のISコア、増えた貴重な一体だ。どこだって欲しがるさ。それともIS委員会に言って承認を貰うか? 個人が持つなんて取り上げられるかもな」

「だが、貴様は青衣を持っているではないか!!」

「俺に青衣の所有権があるのは、青衣に自分の意思があり自分で動き回る点が大きい。それに完全なイレギュラーだ。俺達の目的も達せられ、男でも操縦可能になったらISも使いやすくなるだろうしな」

 

 箒がぐっと黙る。悔しそうだ。

 

「さて問題だ。無所属で分配されていない、青衣の様なイレギュラーでないISが存在するならどうやって手に入れる?」

 

 ここでようやく、箒は俺が何を言いたいのかわかったらしい。顔が青ざめた。

 

「その紅椿、奪いに来るぞ? 世界中からわんさかと」

 

 彼女は自身の両手を見る。いいや、これは紅椿を見ているのだろう。

 

「まず勧誘されるだろうが狙いは紅椿、解析したら終わりだ。やがて取り上げられる。いいや、表向きは華やかで良い条件を付けて降ろされるか?

 もし俺の様に無所属を貫いたら当然俺と同じだ。敵ISから逃げ切るか倒す自信はあるのか? 改めて言うが、ISの腕なら俺より上は幾らでも居るんだぞ? 多分、これも腕があるものに専用機を渡す理由だな。要は自衛が出来るかどうかだよ」

 

 少しだけ、彼女が震えた。

 

「まして適性Sで世界最高スペックの専用機持ち。今までは単に兎の妹という事でISから離れることも出来ただろうが、もう無理だ」

 

 はっとした顔をする。ようやく気が付いたか。

 

「腹、括れよ? お前は一生、ISと付き合い続けるんだ。大嫌いな姉ともな」

 

 箒は歯を食いしばっている。表情からして余裕が無い。

 

「それに結果を出せなければ言われるだろうな、その紅椿と適性Sを持ちながらその体たらくは何だ? とな」

 

 箒は再び雨月と空裂を構える。有るのは焦りと混乱だ。『こんなはずじゃなかった』とでも思っているのか? 追い詰めすぎたか? いいや、これ位は言っておかないとな。

 

「その紅椿。せっかく生まれた青衣の妹だ。初っ端から壊す気は無い」

 

 青衣のオプションが光を灯し始め、だらりと下げていた無名を構える。

 

「だが、まだやるなら、遠慮はしない」

 

 言いたいことは終わった。これ以降は完全な八つ当たりだ。兎に対する八つ当たりだ。

 

「コア以外、潰してやる!! 徹底的にな!!」

 

 叫ぶ。箒が怯んだ。だが、彼女は自分自身に活を入れ俺を睨み付ける。それを見て、狐の面に隠れた俺の顔に笑みが浮かんだ。

 助かる。遠慮は要らない。そう来なくちゃ。

 そう思った時だった。

 

『二人とも中断して下さい!! 緊急事態です!!』

 

 地上から届いた山田先生の声により、不完全燃焼で強制終了されたのだった。

 

 

---------------------------------------

 

 

 何だ? ありゃあ?

 生徒達の目線が集まっている場所がある。ハイパーセンサーで強化された視聴覚で確認するが、ちょっと自分の目を疑う光景だ。もちろん耳も。

 地上に近づき、降りた俺と紅椿も視線が注がれる。だが、直ぐにその集まりへ皆の目は移動した。

 そりゃあそうだろう。織斑先生がタオルか何かを頭上で振り回すかの様に、ぶんぶん兎を振り回しているのだ。兎は間延びした悲鳴なんだかふざけているのか解らない声が発せられている。うん、ハイパーセンサーが壊れたわけでも幻覚を見ているわけでもなかった。

 相手の兎は成人女性だぞ? 小柄なわけでもない。それに織斑先生の腕は細いわけでもないが異様に太いわけでもない。本当、織斑先生って凄いな。身体能力に優れた妖怪か妖獣並だ。

 

「……何があったんですか?」

 

 ISとしての青衣を解除し、織斑先生と回され続けている兎の近くでおろおろしている山田先生に声を掛ける。青衣も体を出し、俺のすぐ後ろに立った。

 

「き、緊急事態が2件です……」

「は?」

 

 山田先生の返答に、俺は間の抜けた声を返す。何か起きるだろうとは予想していたが2件?

 

「降りて来たか……」

 

 織斑先生が此方に気が付き、兎を回すのを止める。そのまま目を回してぐったりしている兎を引きずりながら此方に向かい歩いてきた。わずかな距離だが兎の襟首を持っている。死なれちゃ困るんだが、織斑先生の完全に座っている目を見て何も言えなくなった。

 

「山田先生、七海達に端末を見せて下さい。学園の方です」

 

 山田先生から小型端末を渡される。

 ええっと、要約するとIS学園の近海で無人機が1体現れた。何かするわけでもなく、IS学園の方を向いたまま行ったり来たりを繰り返している。生徒や関係者は避難を始めた、らしい。

 俺と青衣の目線も兎に向かう。誰が見ても兎が関与しているのは丸わかりだろう。

 

「別件もある」

 

 織斑先生の口角が引きつっている。2件だったな、緊急事態。

 

「その兎、拘束したらどうです?」

 

 周囲から悪意のある目線が幾つか俺に届いた。兎を崇める女性至上主義者だろう。

 

「IS学園は無事なんですか? 避難開始しているんですよね? 無人機が中で暴れ出したら死人の山と廃墟になりますよ?」

 

 多分、周囲に黙っていた情報だったのだろうが、青衣があっさりばらした。俺に向かっていた殺気が薄れる。まあ、舞台がIS学園で先輩や関係者が避難をしているなら直ぐにばれるだろう。同じだ。

 さて、皆は自分が住んでいる学園が破壊され、残っている者が今頃死体になっているかもしれない事を想像したのだろう、所々で小さな悲鳴が聞こえた。

 

「大丈夫だ。端末の通りらしい」

 

 織斑先生も苦い顔だ。山田先生は倒れそうになっている。ばらしたのは不味かっただろうが、いいか。

 

「別件も何が起きたか知りませんが、IS絡みならそこの兎に絶対命令を使わせりゃあ終わるでしょう?」

 

 脱力して織斑先生に首を掴まれお気楽に寝ている兎を見る。

 

「兎の持つ絶対命令、使わせないなら今、ここでその兎を拘束しますよ?」

「……目を覚ましたら吐かせる。適性の件もだ」

「やっぱり、別件もISですね」

「ああ」

 

 拘束を止める織斑先生だが、兎に何か思う所があるのだろう。俺の言葉にあっさり頷いた。

 

「ですけどねぇ、兎を捕まえる千載一遇、正に大チャンスを引けと?」

「そうだ、引け」

「言ったはずですよ。俺達は目的が第一だと。引き渡すなら直ぐに終わります」

「説得はする。それにお前達には役割が出来た。IS学園としてだ」

 

 俺の言葉を織斑先生が遮った。役割?

 

「七海と青衣は直ぐにIS学園へ戻り、皆を守れ」

「ちょっと!! ちーちゃん!!」

 

 兎はすでに回復していたらしい、がばっと顔を上げ手足をバタつかせ、抗議を始める。駄々っ子みたいだ。

 

「何でこんなのに!!」

「IS学園まで行けるからだ。向こうと此方と戦力のバランスが悪い。

 場合によっては此方と半々で調整してもらう」

 

 後半は俺に対して言ったようだ。それに俺は能力で無人機のステルスを見破っている。もう1件が何が起きているのか知らないが。

 

「ぶーぶー!!」

「こんな騒動が起きること自体悪い!!」

 

 織斑先生は兎の抗議を受け付けない。

 

「ねえ、緑兵。何で不満を『ぶーぶー』って言うんですかね?」

「知らん」

 

 どうでもいい青衣の疑問。今度は俺達の方を向く。

 

「説得は行う。こんな事態も御免だ。IS学園まで行けるな?」

「……行けます」

 

 織斑先生の目は座ったままだ。もう、半分切れているかもな。兎は解らない、笑っているのか? ひょっとして俺達、嵌った?

 

「学園長か更識に会って指示を仰げ。此方からも連絡する」

「了解」

 

 此処まで答えてから気が付いた。俺、空間転移の範囲を教えていない。

 かまを掛けられたか? まあいい。考え過ぎだろう。俺が墓参りに行った事は知っているのだ。その距離を最低ラインにしているのかもしれない。

 ふむ、IS学園までは距離があるから『空間を操る程度の能力』による空間転移では一度で飛べない。連続は疲れる。亜空間『窓』を介して空間転移をしても良いがこの場に『窓』が出てしまう。『扉』も同じだ。見せたくない。『拠点』は幻想側が見物しているはずだ。観客席に行くのはどうだろうか。

 そうだ。『拠点』から外した適当な亜空間に一度飛ぶ事にしよう。そこから『窓』を介してIS学園へ行く。うーん、『窓』専用の部屋を拵えても良いかもしれないな。

 こうして俺達は臨海学校からの離脱を余儀なくされた。

 

 

 

 

---------------------------------------

 

 

 篠ノ之束は忌々しい失敗作と操縦者に苛立ちながらも概ね満足していた。完璧でない事は嫌だったが、千冬はIS学園を気にかけている。自身が作ったISを漁り、何もわからないごみ捨て場に近い場所だがなぜか千冬は気にかけているのだ。だから千冬を処分しようなど思い上がったIS学園を消し去ることも止め、失敗作をこの舞台から退場させただけでも良しとした。放った無人機に対して活躍の場を与えてしまったのは計算外だったが、所詮は有象無象の評価である。現にあの程度で動けなかったごみどもが、失敗作や操縦者が消えた事で騒いでいる。

 転移は術として存在する。あの操縦者の空間転移は此処からIS学園まで行ける事に少し驚かされたが、それ以上ではない。所詮は移動、逃げ足の技だ。あんなもの、篠ノ之束の夢想する英雄にはいらない。無論、ヒロインにも。英雄は最強で、どんな敵を薙ぎ倒す者なのだ。もう少し鍛えて貰おう。一夏と箒もあの操縦者ごときのプレッシャーに怯むなんて駄目だ。

 千冬も失敗作と操縦者に高評価を与えている様だが、転移すら知らないごみの評価に惑わされているのだ。彼女の目も覚まさせないといけない。

 さて、篠ノ之束はデータ取りと言った。だが終わりは告げていない。本当に、本当に彼女自身も苛立っているがあの失敗作は自身の考えに近い。無人機もデータ取りの一環で飛ばしたのだが、無論気が付いているはず。だから、今以上のデータを簡単に出さないだろう。

 それがどうした?

 これから一夏と箒には大手柄が待っている。白を駆る世界に一人の男性操縦者と最高の紅の初舞台に相応しい手柄だ。精々IS学園に張り付いて貰おう。それで十分。いつも通り、ごみが被る被害など意にも返していない。

 だから篠ノ之束はいつも通りの笑顔を取り戻した。

 

 

 




最後まで読んで頂き、有難うございます。

何故か前話投稿から6日経ってランキングに乗りました。本当に、何故?

主人公が邪魔なら盤上から消すだけです。最後は束の策で臨海学校から一先ず退場となりました。
箒&紅椿との実力差について。緑兵&青衣は1年生なら上位3人に入ります(後はラウラ、シャルロット)。原作からして専用機持ち限定ならば箒の勝敗は真ん中位、セシリアの様に腕が合っても機体の性能と相性がありますが初の紅椿操縦と初の弾幕、こんなものかと。
本来、紅椿の性能と適性SならIS戦では主人公に限らず皆、分が悪すぎるのですが……。

さて、原作19ページ分にオリジナル展開の挿入です。道理で話が全然進まないわけですな。
ところで箒ってよくいじめられませんでしたね。クラスメイトどころかIS学園でも省かれるでしょう、これ。まあ、束が怖いだけかもしれませんが。

転移については02話でも触れていますが、東方では複数のキャラクターが使用しています。
ゲームでは行き成り消えて別の所に現れたりする相手が、漫画版では茨木華扇(片腕有角の仙人)が居ます。いきなり神社に現れました。特に華扇は包帯に包まれた右腕だけを転移させ引き寄せたりとバリエーションもあります。

書き溜めが切れました。月1か2が現実的な更新スピードかもしれません。


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