如月が見た桜の旗の下で   作:weryu

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艦これのマンスリー任務消化してたらちょっと遅くなりました。ゴメンナサイ。
せめてアズレンやれって? ゴメンナサイ。
今回のタイトルの睦み合う、とは『お互いに親しく接すること』という意味です。この物語では如月に次いで欠かせない存在である、あの子の名前を入れたタイトルにしてみました。
言い忘れてましたが、史実の艦艇の進水日とかはあんまり意識してません。あの子は着任済みなのに、あの子は着任してないとかはほぼほぼ筆者の気分です。ご了承をば。


睦み合う月日のために(1)

「あ、如月! おふろ、あがった? あがった??」

 先刻、教室に戻っていた(「一緒に入るぅ~!」という駄々も空しく連れ戻された)筈の睦月が、更衣室でそわそわと待ち構えていた。

「睦月、授業は終わったのですか?」

 綾波が如月の身体をバスタオルで(くる)みながら睦月に尋ねる。如月は心地よさそうに瞼を閉じ、綾波の身体を預けていた。

「うん、おわった! あとねあとね、おふろあがったら如月にいろいろおしえてあげなさいって! これから、だい、えっと……いち、にーさん、よん……わかんないけど、睦月、くちくたいのおねえさんになるんだもんね。えへへ~すごいでしょ!」

「それは頼りになるですね。では、後のことは睦月お姉さんに任せればいいのです?」

「うん、ほら、きがえるのももってきたよ。ぐんぼーと、ぐんぷく。睦月が如月ちゃんにきせてあげるの!」

 睦月が持ってきた水色のスモックと黄色のカラー帽子を二人の前で掲げる。これは子供服ではなく、海軍幼等部に在籍した水兵に支給される、れっきとした軍帽・軍服であった。しかし、お揃いの服が着られるとはしゃぐこの幼児にとって、そんな軍規などさしたる意味を持たないのかもしれない。

「大丈夫なのです? 最近やっと一人で着替えられるようになったと白露が……」

「白露はかほご(・・・)なのー、睦月、もうひとりでなんでもできるのに。ねー、如月!」

 唐突に話を振られ、如月がピクリと震える。ネコの耳が、ピンと立ち上がる。

「え、あの、如月は……」

 俯いて、もごもごとしている如月の顏を下から覗きこんだ睦月は、これまた唐突に、

「ハ!」

「……は?」

 一音だけ、叫んだ。

「睦月ね、いまカタカナならってんだよ。如月ちゃんのまゆげはいっつも、ハ!」

「え、えっと……」

 戸惑う如月からパッと離れて、(くう)にハの字を書く睦月。そもそも文字を知らない如月には、何を言っているのか見当がつかない。

「でもね、ハのかおしてるときはしょんぼりするときなの。睦月はニコニコしてるほうがいいな。わらうかどにはふくきたるのじゃーって、かげろーがいつも言ってるし。だからね、如月」

 小さな手が、同じくらいに小さな手を取る。おもむろに俯いた顔を上げる如月の前には、笑顔の睦月の顏があった。

「睦月がいっぱいニコニコできること、おしえてあげる! おままごととか、おえかきとか、つみきとか、おいしいアメさんとか、た~っくさん! いっぱいあそんでなかよくなったらね、そしたら、」

 風呂上がりの、濡れそぼった髪からポタリ、ポタリと雫が垂れる。埃塗れだった髪は、今や汚れが綺麗に落とされ、眩しいくらいに鮮やかな桜色。そして見開かれた同じくらい鮮やかな色の瞳が映したのは、

「睦月とおともだちになろ、如月!」

 生え変わり途中の凸凹した歯並びと、一本だけ重なった八重歯が見えるくらい口角を思い切り上げた、睦月の満面の笑顔だった。




幼児の取り留めのない会話尊い……みたいなのを目指したんですが、快活な睦月ちゃんが一方的に喋りまくってるだけになりました。というか3話目にも入るというのに、如月ちゃんほとんど喋らないですね。口を開けば気分がおもーくなるようなことばっかり言いますし。原作の内気さに拍車がかかってるようなこのお話の如月ちゃんですが、あたたかく見守ってあげていただければ幸いです。酷い目に遭うのはもうちょっと先です。
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