問題児たちと孤独の狐が異世界から来るそうですよ? 作:エステバリス
この小説書き続けますとも!
「ふーん。つまり、そのルイオスとかいう完全親の七光りな色男な変態ペルセウスがレティシアと交換条件で黒ウサギを差し出せ、と言ったわけな」
起きて早速面倒な会話を耳にした竜胆は面倒臭そうな顔をしてそう言った。
「竜胆くんからもなにか言ってあげて。私達を呼んだ張本人がそんな風でいいのかってね」
「しかし!レティシア様は我々の同志なのです!
見捨てるわけにも参りません!」
わーきゃーわーきゃーと竜胆そっちのけで口喧嘩を仕出す二人。そんな二人を見て竜胆は鬱陶しそうな顔をした。
「人の部屋でわーきゃー騒ぐな。そんな下らない口喧嘩を見せに来たのなら自分の部屋に戻れ。
そういう答えのない討論っていうのは結局延々と続くからやめろ」
「「なっ……」」
容赦のない言葉に二人は思わず揃って竜胆に突っかかりそうになった。
しかし、竜胆の言ったことが事実なのは変わらない。
「ジンに頼んで黒ウサギには暫く謹慎してもらう。そこでゆっくり悶々と考えろ。
あと久遠。お前はもう少し素直になれ。『私、黒ウサギがそばにいて欲しいの!』とかな」
「き、謹慎!?」
「お待ちなさい!どうして十六夜くんと全く同じくことを言うの!?」
「さて、俺は逆廻とチェスでもしにいくかな」
竜胆は二人を置いて、十六夜の部屋に向かった。
◆◇◆
「ふーん、お前も結構冷たいもんだな」
「そうだな。これでも物事は淡白に割り切る方なんだが……どうやらここに感情移入してしまったようだ」
噛み合わない会話をしつつも、二人ともお互いなにが言いたいのか理解しているように笑い合う。
「ん?そう来るか。でも、大将首がお留守だぜ?」
「ふん、使える駒は王でも使うさ。そいつは囮だ」
チェスの駒を持ちながら二人はそう会談する。
「ヤハハ、それじゃ、俺達はお前の駒ってか?」
「そうだな。だが、戦う以上は俺も駒になる。この王みたいにな」
二人は暫し無言のままチェスを打ち合う。
「……で、逆廻……いや、俺もここの一人である以上は名前で呼ぶべきか。十六夜、お前は一定の条件を満たせば『無条件にそのコミュニティに挑戦できる』って制度は知ってるか?
伝説と、旗印に掛けてな」
駒を持った十六夜の手がピタリと止まる。
「……ほう?どういうことだ」
「ま、お前に遠回しに言っても無駄だからな。単刀直入に言うぞ。
お前にその気があるのなら、ペルセウスに挑戦してみないか?」
そら、チェックだ。と竜胆は十六夜の王の前にルークの駒を置いた。
◆◇◆
「「邪魔するぞ」」
それから数日、耀、飛鳥、黒ウサギが話し合っているところに二人が乱入した。因みにドアを蹴り破って。
「い、十六夜さんに竜胆さん!今までどこにって破壊せずには入れないのですか、あなた達は!?」
その言い方だと、耀や飛鳥もそうやって来たようだ。
「だって鍵かかってたし」
「あ、なるほど!じゃあ黒ウサギの持っているドアノブはいったいなんなのですこのお馬鹿様!!!」
ドアノブを力いっぱい投げつけたが、それは竜胆の呪術によって目の前で止まる。
十六夜は大きな風呂敷を持ち、ヤハハと笑う。
「その大風呂敷、なにが入ってるの?」
無表情な耀が珍しくそれに興味を示した。
「ゲームの戦利品だ」
竜胆がそう言うと、風呂敷から一人でにそれが出てきた。当然、竜胆の呪術だ。
「───……これ、どうしたの?」
「戦利品だって言ったろう」
「こ、これって……海魔(クラーケン)とグライアイを!?」
「まさか……あの短時間で本当に!?」
「ゲームよりも時間との戦いだったが、あとはお前次第だ」
肩を竦めて軽薄に笑う十六夜とポリポリと頬を掻き、目を逸らす竜胆
「ありがとう……ございます。
これで胸を張って"ペルセウス"に戦いを挑めます」
「礼を言われる程じゃねえさ。むしろ、面白いのはここからだからな」
「さて、疲れたから俺は寝る」
黒ウサギは二人がコミュニティのためにしてくれたことに涙し、それを拭って立ち上がった。
「ペルセウスに宣戦布告します。
我らの同士、レティシア様を取り戻しましょう」