問題児たちと孤独の狐が異世界から来るそうですよ?   作:エステバリス

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ちょっとばかり書き溜めしてました。

でも基本作者の頭は色々かっとビングしてるので謎の超展開とかあるかもしれません。

因みに今回のタイトルの元ネタは借りぐらしのアリ……うわなにをするやめ(爆



四話 大樹の下のフォックス

「……ん?悪いな白夜叉。俺のせいで変なイメージつけちまって」

 

「構わんよ。それよりも"サウザンド・アイズ"は人命救助のためなら普段は蔑ろにしてしまう"ノーネーム"も助ける、というイメージがついたわけじゃからの。

逆に感謝するわ」

 

「そりゃ、どーも」

 

竜胆は白夜叉と軽口を言い合いながら、内心では違うことが気になっていた。

 

(尾と翼はいつもより治まっている……無茶はできないとはいえ、普通に戦うくらいならできるはず)

 

とはいえ、自分自身その詳細を全て知っているわけではない"人類の罪"しか使えないという状況はかなり危険だ。"呪術"は"玉藻の前"が付近もしくは内部にいないと使えないし、その"玉藻の前"は存在自体が三人目のプレイヤーにしか見えないから当然使えない。

 

竜胆と白夜叉のやりとりを見た黒ウサギはそれで溜飲が下がったのか、宮殿のバルコニーに手を向けて厳かに宣言する。

 

「───それでは第一ゲーム開幕前に、白夜叉様から舞台に関してご説明があります。ギャラリーの皆様はどうかご静聴の程を」

 

会場の喧騒が一瞬で消え、それに合わせ、主催者の白夜叉はバルコニーの前に出て会場を見渡し、緩やかに頷いた。

 

「うむ。協力感謝するぞ。私は何分、見ての通りお子様体型なのでな。大きな声を出すのは苦手なのだ。

さて、それではゲームの舞台についてだが……まずは手元の招待状を見て欲しい。そこにナンバーが書かれておらんかの?」

 

「招待状忘れた奴災難だったな」

 

「ではそこに書かれているナンバーが、我々ホストの出身外門───"サウザンド・アイズ"の三三四五番となっておる者はおるかの?

おるのであれば招待状を掲げコミュニティの名を叫んでおくれ」

 

ざわざわとどよめき、やがて一人の木霊の少年が招待状を掲げた。

 

「こ、ここにあります!"アンダーウッド"のコミュニティが、三三四五番の招待状を持っています!」

 

おお!という上がり、次の瞬間には白夜叉の姿が霧散し、少年の元に一瞬で現れた。

 

「ふふ。おめでとう、"アンダーウッド"の木霊の童よ。後に記念品でも届けさせてもらおうかの。

よろしければおんしの旗印を拝見してもよろしいかな?」

 

少年はコクコクと頷く。そして白夜叉は彼の差し出したコミュニティのシンボルマークをしばし見つめ、それを返すと、次の瞬間にはバルコニーに戻っていた。

 

「今しがた、決勝の舞台が決定した。それでは皆の者、お手を拝借」

 

白夜叉が両手を前に出し、観客もそれに倣う。

 

パン!と会場一致の柏手が鳴ると共に、いつかのように世界が変貌していた。

 

◆◇◆

 

「夜叉の世界……か」

 

暫く億劫な落下感を堪能しながら隣にいるパートナーに目を向ける。すると耀は気まずそうに目を背ける。

 

(……気にしてないのになあ。だいたい、あの時のだって俺が侵食の事隠してただけなのに)

 

そう思うと、バフン、という少し意外な着地音がした。

 

下を見ると樹木。上、右、左も樹木。

 

「この樹……ううん、地面だけじゃない。ここ、樹の根に囲まれた場所?」

 

そう理解できたのは耀の嗅覚が土の匂いを嗅ぎとったからだろう。

 

耀の独り言を聞いていたもう一人が小馬鹿にしたように彼女を笑う。

 

「あらあらそりゃあどうも教えてくれてありがとよ。そっか、ここは根の中なのねー」

 

耀は無関心そうにアーシャから顔を背ける。挑発のつもりはなかったのだろうが、竜胆に口喧嘩で散々言われた彼女を苛立たせるには十分だったらしい。

 

「無闇に自分が獲得した情報を口にしない方がいい。今みたいな無粋な輩が盗み聞きをしている可能性もあるし、それが勝敗を別つ程だったら尚更だ」

 

竜胆はアーシャを無視しながら耀にそう告げる。

 

「……竜胆」

 

「……勘違いするな。俺はアレにムカついただけだし、ジャック・オー・ランタンに期待していた分失望しただけだし、観客の無脳さに呆れただけだ」

 

「それ、ガルドやルイオスの時も言ってた」

 

「……気のせいだろ」

 

竜胆はそっぽを向いてなにも言わなくなった。

 

「……だが、カボチャの化けの皮を剥がしてみたくなった」

 

「え?」

 

「独り言だ。気にするな」

 

そう言った時、突如空間に亀裂が入り、その中から黒ウサギが現れた。

 

その手には"契約書類(ギアスロール)"が握られており、それを淡々と読み上げる。

 

『ギフトゲーム"アンダーウッドの迷路"

 

勝利条件

一、プレイヤーが大樹の根より野外に出る。

二、対戦プレイヤーのギフトを破壊。

三、対戦プレイヤーが勝利条件を満たせなくなった場合(降参含む)。

 

敗北条件

一、対戦プレイヤーが勝利条件を一つ満たした場合。

二、上記の勝利条件を満たせなくなった場合。』

 

「───"審判権限(ジャッジマスター)"の名において。以上が両者不可侵であることを、御旗の下に誓います。

お二人共、どうか誇りある試合を。此処に、ゲームの開始を宣言します」

 

黒ウサギの宣誓が終わり、試合開始のコールとして二人は距離をとりつつ、初手を探る。

 

暫しの睨み合いの後、アーシャが小馬鹿にした笑いを浮かべた。

 

「睨み合っても進まねえし、先手は譲るぜ」

 

「………?」

 

「ま、さっきの件もあるし、後でいちゃもんつけられても面倒だし?」

 

ツインテールを揺らし、肩を竦める。

 

耀は無表情で暫し考え、一度だけ口を開いた。

 

「貴女は……"ウィル・オ・ウィスプ"のリーダー?」

 

「え?あ、そう見える?なら嬉しいんだけどなぁ♪

けど残念なことにアーシャ様は」

 

「そう、わかった」

 

「少し突けばボロが出る。阿呆の典型だな」

 

嬉しそうに語り出すアーシャ。しかし二人は会話をほっぽり出して背後の通路を疾走した。

 

「え……ちょ、ちょっと……!?」

 

自分から投げかけてきた会話を完全無視し二人仲良く木の根を走る。アーシャは暫し唖然とする。

 

ハッと我に返ったアーシャは怒りのまま叫び声を挙げた。

 

「オ……オゥェゥウウケェェェェェイ!!とことんバカにしやがって!

そっちがその気なら加減なんざしてやんねえ!行くぞジャック!木の根の迷路で人間狩りだ!」

 

「YAHOHOHOhoho~!!」

 

カボチャとゴスロリと、無口とツンデレ。四者四様のメンバーによる追いかけっこが始まった。






ザ・フリーダム&姑息。なんて奴だ竜胆くんよ。

姑息な手を……(今後の竜胆くんの修羅場について考えながら)

あ、姑息ってその場しのぎとか一時凌ぎとかそういう意味らしいですよ。

つまりバリアンの(面)白き盾さんはあのインテリな見た目なのに間違えていると……
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