問題児たちと孤独の狐が異世界から来るそうですよ?   作:エステバリス

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はい、どうも。問題児たちと最後の幻想風魔道士が異世界から来るそうですよ?のかっこうむしです。

絶滅したと思いました?いいえ、まだ生きてます。

主人公に関しては真・ゼルガーの部屋にて投稿してあるもう一人のボク(天上天下)の設定を基準としています。一部展開などがわからなければそちらをご覧ください(ちゃっかり宣伝)。

では、はじまりはじまり〜。


ウサギに呼ばれた俺は異世界に。まあ、異世界とか慣れっ子だけど。
一話 INVOKE


その日、高町竜胆は最悪の気分だった。

 

その理由は竜胆が親と兄弟姉妹を失う日の夢を見てしまったからだ。

 

家族が全員死んだ日のことは何時だって鮮明に思い出せる。

 

家族が死に、自分だけ生きた時は周りの人間には死神とまで呼ばれた。

 

勿論、親の友人や、親しい仲の人達は手を差し伸べてくれた。

 

だが、竜胆はそれを全て拒否し、友人の家がどれだけ全力で探そうと見つからないような場所に住んでいた。

 

一応、親に貰った命であるからには生きることは義務であると考える彼は最低限の生活はしている。

 

だが時折、その鮮明すぎる映像が夢にまで出て来て、彼にその日生活というものを忘れさせてしまう。

 

そんな中、偶然彼は見つけた。

 

目の前にある封筒を。

 

なんとなく、気になったのでそれを見る。それには、見事な行書体で「高町竜胆殿へ」と書かれていた。

 

「なんだ……これ」

 

自分宛の手紙?"あの家"が総力を挙げても見つけられないような場所に?

 

竜胆はそれに疑問を感じながら、封筒を開けた。

 

そこには、こう書かれていた。

 

『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。その才能(ギフト)を試すことを望むのならば、己の家族を、友人を、財産を、全てを捨て、我らの箱庭に来られたし』

 

「……なに、これ───ッ!?」

 

竜胆はその手紙が突然光出したことに、驚愕した。

 

次に瞳を開けた瞬間、竜胆は空に放り出され、目の前の景色は完全無欠に異世界だった。

 

◆◇◆

 

現在位置、空。後方から三人+一匹。男一人に女二人、オス一匹。そのうち一匹は現在絶叫を挙げてる。……煩い。

 

これで死ねるなら仕方ないな、と思いながらも下方を見ると、そこには緩衝材のように水膜が幾重にもある。

 

「……どうやらカミサマは、俺にまだ死神引退させてくれないみたいだな……」

 

そんなことを呟きながら、俺は着水した。

 

◆◇◆

 

「し、信じられないわ!まさか問答無用で引きずり込んだ挙句、空に放り出すなんて!」

 

……尻尾は、出てないな。耳も。問題ない。

 

「右に同じくだクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜコレ。

石の中に呼び出された方がまだマシだ」

 

「……いえ、石の中に呼び出されては動けないでしょう?」

 

「俺は問題ない」

 

「そう、身勝手ね」

 

男と長髪の女はフン、と互いに鼻を鳴らし、服の端を絞った。少し遅れ、短髪の女は猫を抱えて服を絞る。

 

「ここ……どこだろう」

 

「さあな。まあ、世界の果てみたいなのが見えたし、どこぞの大亀の背中じゃねえか?」

 

確かにそんなものは見えた。まあ、そんなの俺にはどうでもいいことなのだが。

 

金髪の男は軽く髪を掻き上げて、

 

「まず確認しておくが、もしかしてお前らも変な手紙が?」

 

「そうだけど、まずはオマエって呼び方を訂正して。

私は久遠 飛鳥(くどう あすか)よ。以後は気をつけて。

それで、そこの猫を抱えている貴女は?」

 

「……春日部 耀(かすかべ よう)。以下同文」

 

「そう、よろしく春日部さん。じゃあ、そこの可愛らしい姿をした貴女は?」

 

「俺は男だ……それに、名乗る必要性なんてない」

 

純然たる事実だからな。

 

「女の頼み事くらい、聞いてやったらどうだ?」

 

これ以上ここにいる必要性を感じなくなったので、その場から去ろうとすると、金髪の男が俺の肩を掴んできた。

 

……ほう、面白い。常人なら今ので何本か折れてるな。

 

「……気が変わった。その要求を了承しよう。

俺は高町竜胆。関わった人間は死ぬ自称死神だ」

 

「随分堅苦しい言い方だな。息苦しくねえのか?」

 

「少なくとも、誰かと馴れ馴れしく過ごすよりはマシだ。

それより、名乗らせたからには名乗るのが筋合いじゃないのか?」

 

「ヤハハ、そりゃそうだ。俺は逆廻 十六夜(さかまき いざよい)。野蛮で凶暴で快楽主義と、三拍子揃った駄目人間なので、用法と用量を守った上で接してくれよ、死神サン」

 

「……覚えておこう。取扱説明書でもくれたなら、な」

 

「ハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけ、死神サン」

 

心からケラケラ笑う逆廻十六夜。

 

傲慢そうに顔を背ける久遠飛鳥。

 

我関せず無関心を装う春日部耀。

 

興味なさそうにする高町竜胆。

 

そんな彼らを物陰から見ている人物が一人。

 

(うわぁ……なんか問題児ばっかりみたいですねぇ……)

 

彼らを召喚した張本人、素敵なウサミミがチャームポイントの黒ウサギは召喚しておいてアレだが、彼ら、特に竜胆が協力する姿は客観的に考えられなかった。

 

◆◇◆

 

十六夜は苛立たしげに言う。

 

「で、呼び出されたのはいいが、なんで誰もいねえんだよ。この状況だと、招待状に書かれていた箱庭とやらの説明をする奴でもいるんじゃねえのか?」

 

「そうね。なんの説明もないままでは動きようがないもの」

 

「……この状況に対して落ち着きすぎてるのもどうかと思うけど」

 

「心底どうでもいいな」

 

四者四様の感想を述べる。まあ、竜胆に関してはただの独り言に近いが。

 

「そもそもだ。お前らも気づいているんならそこに隠れてる不埒者を拷問して尋問すればいい」

 

竜胆が黒ウサギの隠れている場所に視線を動かす。それに呼応するように四人の視線が黒ウサギに集まった。

 

「なんだ。貴方達も気づいていたの?」

 

「当然、かくれんぼじゃ負けなしだぜ?」

 

「あんなもの、ただの騒音にすぎん」

 

「風上に立たれたら嫌でもわかる」

 

「……へえ?面白いな、お前ら」

 

十六夜は軽薄そうに笑うが、目は笑っていなかった。

 

その究極はやはり竜胆で、「出て来なければ殺すぞ」とでも言わんばかりだった。

 

「や、やだなあ、御四人様。そんな狼みたいな怖い目で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ?

ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。

そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を聞いていただけたら嬉しいでございますヨ?」

 

「断る」

 

「却下」

 

「お断りします」

 

「なら勝手に死ねばいい」

 

「あっは♪取り付くシマもないですね♪

って最後の酷すぎません!?」

 

「真の英雄は眼で殺すと聞く。なら俺の視線は人を殺せるか試してみたいな」

 

バンザーイ、と降参のポーズ。

 

しかし、その眼は冷静に四人を値踏みしていた。

 

(肝っ玉は及第点。この状況でNOと言える勝ち気は買いです。

まあ、特に最後の方が目立って扱い辛いのが難点ですけども)

 

黒ウサギはおどけつつ、四人との接し方を考えていると……

 

「えい」

 

「フン」

 

「フギャ!」

 

耀と竜胆が黒ウサギの耳を全力で引っ張った。

 

「ちょ。ちょっとお待ちを!触るまでなら黙って受け入れますが、まさか初対面で遠慮無用に黒ウサギの素敵ミミを引き抜きに掛かるとは、どういう了見ですか!?」

 

「好奇心の成せる技」

 

「人を値段で換算するようなその眼が気に入らないだけだ」

 

その後、ウサミミが本物とわかった十六夜と飛鳥も全力で引き抜きに掛かったとか。

 

 




ご覧いただきありがとうございました。

またいつ私のガラスなハートがギガドリルブレイクするのかは定かではありませんが、どうか生暖かい目で、そんな目で私を見ないで!

……失礼、どうか暖かい目で私を見守ってくれると幸いです。
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