問題児たちと孤独の狐が異世界から来るそうですよ?   作:エステバリス

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なんなのこのお気に入り……

なぜ男のスライム◯レイでお気に入り人数が増えているんだ……ええい、変態しかいないのかこの小説のお気に入りは!?(お気に入りが増えてうれしい)




その手の愛好家には重宝されることを否定できない竜胆であった。

「白夜叉様。突然僕を呼び出してどうしたのかと思えば……オークションですか?」

 

「うむ。こういう合法オークションではたまーに違法なものが取り扱われることもあるのじゃ。私は時々神格隠して美女に変装して、こうして取り締まりに来ておるのじゃよ」

 

「美女かどうかについては自分で言ったことだけツッコんでおきますよ。それでどうしてそんなものに僕だけを呼ぶんですか?」

 

東側のほぼ箱庭の外にあたる辺り、そこには一つのオークション会場がある。

 

下層にあるとはいえ、取り扱うのは中層クラス以上のコミュニティや違法を働くコミュニティにしか手にすることのできない、それなりに価値のある物品を取り扱っている。

 

「いやのぅ。"ペルセウス"の小僧が北側に行ってしまったせいでこの辺の辺鄙な場所を統治する者がおらなんだよ。あやつはこういう自分の娯楽に関してはそれを潰されることを良しとせんかったから、このオークション会場周辺はそれなりの治安はあったのだ」

 

「……つまり、僕に"ペルセウス"に代わって見張りをやれと?」

 

「無論、強制はせんよ。お主にはお主のやることがあるじゃろ。……だがしかし、あの小僧がいなくなってここの治安が乱れ始めているのもまた認めたくないが、事実なのだよ」

 

「……本当に認めたくなかったんですね。すっごい悔しそうな顔をしていますよ?」

 

「当たり前だ。私とて"階層支配者"なのだぞ。それがコミュニティ間に著しく問題のあったコミュニティによって治安が守られていたとなると、腹が立つのも自明の理よ……!」

 

白夜叉が静かに怒りの炎を煮えたぎらす。言い忘れたが、白夜叉の変装は確かにそれなりの美女である。黒髪の大人の魅力が出ていて……恐らく本来の姿を知っていて、かつ正体を知っている者からするとロリババァがババァになったと思われるくらい妙に大人びた印象が与えられる。

 

勿論、人に優しい八汰鴉はそんなこと思わない。ノーコメントと言ったが内心では美女だとは思っている。本来の姿を知っているのでそれ以上なにも出てこないが。

 

「まあ……見るだけ見てきますよ。他でもない白夜叉様の頼み事ですからね」

 

「すまぬのう」

 

「すまないと言うのならこんなこと押し付ける候補に僕を上げないでください」

 

「カカカカッ!これは一本とられたわ!八汰鴉よ、お主五月雨達と過ごすうちにジョークのセンスも上がったのう!」

 

「お褒めに預かりどうも。彼らにはこれくらいじゃないと相手してられないですからね」

 

そんな軽いやりとりをした後、八汰鴉はオークション会場のステージを見る。今のところは合法的に手に入れたとしか思えないものを親切心で安く売るコミュニティか、よほど金が必要なのか、珍しいものを必要以上の値段から始めるコミュニティしかいない。

 

「まあ昼だからのう。我々の仕事の本番は夜からじゃ」

 

「そうですね。昼は色々な方がいますから。顧客のタイプが固まる夜辺りが違法オークションが来るところでしょうかね」

 

途中、緑色の粒子を出すコーンのようなカタチをしたものやら宇宙刑事の30分の始まりを告げる人がやたら喋るベルトやらが出品されたが、その辺は特に問題ない。

 

「……さて、八汰鴉よ。恐らく今日のオークション、大きな確率で違法オークションが開かれる」

 

時間も真夜中に差し掛かり始めた時、突然白夜叉が真面目な顔をして告げる。

 

「……根拠は?」

 

「ここ最近、五感がそんじょそこらの神よりも秀で、かつ強力なギフトを持つ希少種族"ゲイザー"の群れが東の外側からやって来ていると聞いておる。

しかも最近ゲイザーを捕まえたとかなんとか言っていた輩がいると裏の手口で聞いての。もしかすれば、ゲイザーがオークション商品として出品されるやもしれん」

 

「……ゲイザー。確か地球には伝承すら存在しないヒト型の獣人生物でしたね。

ええっと……確か彼らがいた場所は、ブラックホールの中。そんな圧迫された環境下だからこそ五感が異常発達したと聞いていますが」

八汰鴉が思い出すように記憶の中の情報を取り出す。三年間も幽閉生活を続けていると覚えていたことも自然に抜け落ちていってしまうらしい。八汰鴉はまた一から勉強し直しだな、と思い飲み物を飲みつつ出品台を見る。

 

「───さて!今度の商品はなんと!ブラックホールの使者との逸話を持つ希少獣人生物!ゲイザーのオスです!繰り返します!今度の商品はブラックホールの使者との逸話を持つゲイザーのオス!」

 

「……オスオスオスオスうるせえよ。そんなに女に見えるのか?」

 

ブハッ!と八汰鴉はミネラルたっぷりの水を盛大に吹いた。

 

なぜなら、商品説明の時にゲイザーと呼ばれた彼は明らかに聞き覚えのある声だったのだ。

 

「……買うならさっさと買え。キズモノでよければ嫌々ながら奉仕してやる」

 

ぶっちゃけると目隠し+両手を後ろ縛りにされている竜胆だった。というかなにをキズモノなんて衝撃発言してくれているのだろうか。

 

周りからはそんな彼のそっけない態度になにを感化されたのか、次々と値段が張り付いてくる。

 

「ほれ。予想通り……って、お主はなにをしておるのだ?」

 

「いえ……ちょっと知り合いだったからビックリしただけです。このオークション、さっさと取り締まりましょう」

 

「うむ。言われずともそうするつもりだったが……お主の知り合いと言われると個人的私情込みで更に許せんの。というかなんじゃあの美少女は!本当に男かえ!?」

 

「今は取り締まりですよ。白夜叉様」

 

八汰鴉がそう言うと、白夜叉は黒髪の美女から元の幼女の姿に戻り、パンパンと手を叩く。

 

「聞けぃ!私は白夜叉だ!今回オークション商品として指定されているゲイザーはオークション商品の対象外!いわば違法品だ!これより白夜叉の名の下に違法狩猟者に拉致の実行犯、及び違法売買の現行犯の罪で判決を下す!

ゲイザーを出品、入札した者全てに箱庭追放の刑だ!そこで商品にされているゲイザーの身柄は"サウザンドアイズ"が保護した後に帰るべき場所に帰す!繰り返す───」

 

白夜叉がそう告げると、その違法者達は揃って逃げ出す。

 

「逃しはせんよ!八汰鴉!」

 

「承知しました!」

 

白夜叉が八汰鴉にバトンを渡すと、八汰鴉の羽根が逃走者達の身体に直撃し、身動きがとれなくなった。

 

「即興でつくってさたシビレ羽根ナイフが役に立つとは思いませんでしたよ」

 

逃げようとした違反者は全て捕らえられたのであった。

 

◆◇◆

 

「……お。あったあった。ギフトカード」

 

それから。竜胆は白夜叉と八汰鴉に礼を言うと、ギフトカードを探し出したのだ。

 

曰く、「そうとうすごくてギフトカードが隠されたことしか頭に入って来なかった」なにがすごいのかはきっと睡眠薬かなにかだろう。あのままスライムっぽいなにかに放送コードに引っかかる行為をされていたわけではないのだろう。きっと。絶対。

 

「まさか種族間違えられてここまで大事になるとはなぁ……たまげたよ」

 

「たまげたのはこっちです。突然貴方が商品として出て来るんだからビックリしない方が変ですし」

 

よっと、と竜胆は"太陽神の表情"で呪術を使い衣服をいつものものに変える。

 

「はぁ……まあ、助けてくれたのはありがとう。結局これで帰れるってわけでもなさそうだし、もうちょっとここにいることになるのか……?」

 

「だったら"ノーネーム"のお屋敷にいてください。流石にこんなことが起きるとNOなんて言わせておけませんからね」

 

「だよな……悪い。世話になる」

 

竜胆が八汰鴉を見て微笑んだ瞬間、二枚の黒い封書が二人の手元に落ちてきた。

 

「……黒い封書、だと……!?」

 

「……まさか、魔王……!?」

 

『ギフトゲーム 流星の少女

 

・プレイヤー一覧

高町 竜胆

八汰鴉

 

・プレイヤー側勝利条件

凍える流星の中、詩人の母の幻影をうつつのものとせよ。

魔王の討伐。

 

・プレイヤー側敗北条件

詩人の母が凍える流星の中で息絶える時。

 

・プレイヤー側注意事項

詩人の母が受ける痛みとプレイヤーの痛みは繋がっているため、詩人の母の死はプレイヤーの死を意味し、プレイヤーが一人でも死亡すればその時点でこのギフトゲームは主催者側の勝利となります。

また、勝利条件と敗北条件が同時に達成された時、敗北条件の方を優先されます。

 

宣誓

上記を尊重して"詩人の作品たる母"はギフトゲームを開催します。』




そして唐突に始まる魔王のギフトゲーム!

ぶっちゃけこのギフトゲームは魔王のギフトゲームとしてはかなり異質なものとなつています。

この魔王の元ネタが調べずともわかった人、勝利条件の意味を理解した人はその元ネタを読み漁って、作者がその作品を作った理由なども知っていると断言できるでしょう。

あっ、因みに今回の感想はかなりアレでしたね。男のスライムプレ◯に反応するなんて点てやはり変態じゃないか!(前書きにも書いた通り感想貰ったことですごい喜んでいる)
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