問題児たちと孤独の狐が異世界から来るそうですよ? 作:エステバリス
甲殻類の謎の妄想力が生み出した謎の産物。
天が呼ぶ地が呼ぶ人が呼ぶ……貴様を屠れと俺を呼ぶ!
その九つの尾に覆われた少年の名は、仮面ライダーフォックス!!(ドーン☆)
さあ、ここからはツンデレのステージでショータイムだ!
注意!仮面ライダーとかほとんど関係かりません!
箱庭県名無市(はこにわけん ななし)、日本のどこにあるとも知れないよくわからない県。
そこは、社会から生きていくにはこの世界そのものが狭すぎると判断された少年少女達が政府に隔離された土地。
かといっても、当の少年少女はそんな隔離ライフを結構満喫しているため、この土地は特に問題視されることはなかった。
そんな箱庭県名無市東区なんたら番地(やたら長いので省略)にはとある屋敷がある。
別名"名無しの館"。この土地に送還された一人の少年が一晩で作り上げたという色々な意味で曰くつきな館である。
無論、住人はいる。それも結構な数が。
「おはよ……」
この、いかにも眠そうな顔をして右肩のパジャマがはだけている見た目美少女の少年こそが、この名無しの館を作った張本人、高町竜胆である。
送還された理由はありえないレベルの不幸。更に不幸の伝染と人為的に遺伝子操作を受けたからである。
伝染と言っても、この名無市にやって来てからは伝染した結果自分にしかツケが回ってこなくなる不幸となったが。
また、彼の特長で一番目を見張るのはその圧倒的な女子力である。
現在のように服をはだけるサービスは勿論のこと、料理も世界チャンピオンにでもなっとけと言われるレベルで得意とし、掃除も大好き洗濯も心が綺麗になるから大好き特売デーは全速力で駆け抜ける超節約者であり料理は普段使われない場所を美味しく使うを信条に……など。ここまでできた奥さんもそうそういない。
だが男だ。
高町竜胆の朝はキッチンで始まる。お気に入りのエプロンを身に纏い、送還される以前に様々な場所を巡り歩いて入手した極上の鉄鉱石から作り上げた包丁を手に、残像を残すほどの速度で動き回り複数の作業を一人で同時にこなす。
残像とか非常識とか言われるが、最早この家では調理中の残像は常識となっている。
「今日はサービスディ〜皆にサービスディ〜ごはん沢山山盛りポテトのサービスディ♪」
……どうやら作曲センスは皆無のようだ。しかし、こんな歌を楽しそうに口ずさむのだからなんとも言えなくなる。
一通り料理を作り終えた竜胆はその辺にあるボタンを押す。
『朝六時三十分!六時三十分!ズバッ!』
打ち切り食らってもニュースでもやりそうな目覚ましアナウンスが響き、やがて上の階から複数人……数十名の人間が降りてきた。
「全員いるかー?」
「リンねーちゃん、いつものー」
「だから、俺はねーちゃんじゃなくてにーちゃんだっての……って、いつものって……アイツはいつまで寝てるんだよ……起こしてくるから適当に食べててくれ。準備はできてるから」
竜胆はいつもの、と呼ばれると頭を抱える。やはり、この子供だらけの環境になにかしら影響を受けたのだろうか。
竜胆は館の階段を登り、三階の竜胆の部屋のすぐ隣にある『眠り姫るーむ』と書かれた部屋をノックする。
「おい、起きてるか?」
返事はない。
「寝てるんだな。だったら勝手に入るぞ」
竜胆が扉を開け、ちょっと動物のコーディネイトが施されている部屋に見向きもしないで布団に向かう。
「おーきーろー」
布団を揺するが反応はない。
「ごはんだぞー」
返事がない。やはり先日ごはんだと嘘をついて起こしたせいで言葉じゃ起きてくれないようだ。
「はー……本当にマイペースなヤツ……」
竜胆は布団の中に腕を差し込み、巻き上げる。すると中から竜胆とさほど変わらない身長の少女が出てきた。無論寝ている。竜胆はそのまま少女の背中と膝の裏を腕で抱えてそのまま部屋から出る。
「……ま、いつも気づけばされてるのは俺の方だからな。偶にはお返しもいいだろ」
竜胆はちょっとした子供心から覗かせるイタズラ心を出し、階段を降りる。
ぶっちゃけイタズラして楽しかったかと言われるとお姫様抱っこをしてる方が恥ずかしかっただけなのだったが。
あれ、おかしいな。されてる時も相当恥ずかしかったのに、してる方が恥ずかしい。
竜胆はそう思いながら食堂に入る。
「よっこらせっく……っと」
途中いけないセリフを吐きそうになったので急いで訂正する。少女を椅子に座らせ、の食材を少女の目の前に置く。
「……いただきます。おはよう」
「おはよう……お前の頭と腹は一体どうなってるのか小一時間程問いただしたいよ」
少女はつい先ほどまでの眠気もなんのその、どう一瞬で目を覚ましたのだ?と聞きたい。
「ごはんの匂いがすれば起きる」
「変な奴だな……ホントに。天地神明の神でもお前のことはよくわかんないだろ」
「……天地神明?」
「天と地の神々ってこと……俺達人間には及ぶところなんてナシ」
「へぇ……でも私はその神様でもわかんないなんてね」
「わかんないよ……お前のことだけは」
はたから見れば普通の会話だが、この二人からすれば『恋人の会話』のつもりだ。
そも、この名無しの館を竜胆が作ったのは彼女のためである。たった一人の少女がお腹減ったと竜胆の前に現れた時、気まぐれで助けた。
その後、生活らしい生活をしていなかった竜胆に彼女はやたらと世話を焼いた。その甲斐?あってか竜胆はいつの間にか彼女にデレていた。
そして、何年かして告白。すんなりOK。以上。
「リンねーちゃん……今日は医大で講義あるんでしょ?耀ねーちゃんに構ってるヒマなんてないんじゃないの?」
「あ……そうだった。んじゃ耀、チビ子達は任せたからな」
「うん。行ってらっしゃい」
そうして竜胆は名無しの館を出る。出るとすぐカブトムシの角が生えたコウモリが飛んできた。
「ご主人、今日は何するつもりなんだ?」
「医大の講義だよ……言っとくけど勝手に出てくるんじゃねーぞ」
「ケケケ。ご主人にそう言われちゃ従うしかないねぇ……だけどご主人、俺の仕事みたいだぜ?」
「……マジか」
竜胆は少し速足で駆ける。コウモリが指し示した方向に走る。
駆けた先には、ありえないサイズの巨龍がいた。
「……まためんどくさそうなやつだな……行くぞ、"キバットゼクター"」
「あいさ、ご主人」
これは、お屋敷と町の平和を守る一人の少女風少年とツノ付きコウモリの物語……
仮面ライダーフォックス、
「……っていうお話を考えてみたんだけど」
「どんな物語だ!?そもそも俺とお前が恋人とかおかしくない!?」
「……なんで?」
「……そ、それは……俺達まだそういう関係じゃ……あーーーーもう!!兎に角これは却下だ!」
「……つまんないの」
「真剣に却下!」
というわけで嘘予告でした。決して始まりません。
特に設定してませんが、仮面ライダーフォックスは簡単に言えばクロックアップとコンボチェンジできるキバって感じです。