問題児たちと孤独の狐が異世界から来るそうですよ?   作:エステバリス

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いやー時間かかった……こうなったのも全てゴルゴムの乾巧が変身するディケイドの後輩ライダーの絶対に許せないユグドラシルに所属する晴人のせいよ!




幽玄の潜光陰"耀"

そう……貴方はずっとそこにいて。ずっと貴方の幸福に満ちていればいい。

 

貴方の幸福を見るのは私も嬉しい。

 

だけど、貴方の幸福は私の幸福じゃあないの。

 

だったらどうしよう……?そんなの、決まっているわ。

 

そう……私の幸福は、貴方とずっと、一緒にいること……

 

ずっとずっと、私と貴方は一緒よ……竜胆。

 

◆◇◆

 

これは現実じゃあない。

 

竜胆は耀にわけもわからず"アンダーウッド"の露店を案内していた。

 

だが、これが現実じゃないということは簡単にわかる。

 

いつ、俺達はそんな関係になった?そもそも、耀が俺の好意に気づいているのか?

 

そんな感情がグルグルと渦巻き、竜胆の悪癖とも言える口に出さないスパイラルが巻き起こる。

 

「……う、竜胆」

 

「……………ん?」

 

「ん?じゃないよ竜胆。次のところ、案内して」

 

「……あ、ああ。すまない。少し色々考え事があってな……」

 

「少しか色々、どっちかにしたら?」

 

耀はおかしなものを見たかのようにクスクスと笑う。竜胆はそれを直視できず、思わずそっぽを逸らしてしまう。

 

「っ……じゃあ次行くぞ。時間は限られてるんだろ?」

 

「うん。黒ウサギ達には無理言って休ませてもらったからね」

 

竜胆は恥ずかしさを隠すように耀の手を取ってズンズンと歩いていく。

 

「美味いか?」

 

「うん、美味しい」

 

「じゃあこれ」

 

「酸っぱいバナナも新鮮で美味しいね」

 

「えーっと、これ」

 

「挽肉?でも不思議な味がする……」

 

「俺の料理」

 

「一番美味しい」

 

「……自分でふっかけといてなんだが恥ずかしいな、今のは」

 

そうして何軒か回っていくと、やがて耀の表情が無表情になっていく。

 

「じゃあ次は……あっ、あの料理屋だ」

 

「……竜胆。女の子とのデートに食事処オンリーってどうかと思う」

 

「……え?好きだろ?食べるの」

 

余談だが、この高町竜胆という少年は女性の趣味嗜好を理解していない。

 

元の世界ではその容姿故に男という男を焚き付け、元来のカリスマ性溢れる言動と性格、男が望む理想の女の趣味嗜好を地で行くというわけのわからないモテっぷりだった故に同年代の女性には敬遠されがちだった。

 

付き合っていた人もいたが、それでも彼の趣味嗜好は彼からすれば男の趣味嗜好と思い込んでいるため、女性の趣味嗜好がわかっていない。

 

ようするに、恋する乙女(♂)で男にモテたから女性との関わりが極端に少ないのだ。

 

「……気を悪くしたのなら謝るよ。ごめん。こういうのは好きな人の好きなことをすればいいのかと思ってて……」

 

「……私のためにがんばってくれたのはわかったから、いいよ」

 

耀は竜胆に満面の笑みをぶつけ、竜胆はそれに対して周囲に結露現象を起こすほど真っ赤になる。

 

「……悪かったな。出来の悪いカレシ"とやら"で」

 

とやら、この言葉を使っているということは竜胆はこれが現実ではないと認めている証拠だ。

 

だが、認めていても否定したくなるものでもある。

 

「じゃあ今度は私の番。竜胆をエスコートするよ」

 

耀に引っ張られながら、竜胆はとある確信に至る。

 

「……やっぱり、この世界って───」

 

そう、この世界は───

 

◆◇◆

 

「諸君、今日は無礼講だ。好きなだけ飲んでくれたまえ」

 

「団長……俺未成年だぞ?酒なんか飲んで大丈夫なのかよ?」

 

「はっはは。言っただろう?無礼講だと。今回の"鷹狩り"、秀里くんにはとても頑張ってもらったからな」

 

鷹狩り。それは秀里が所属"していた"コミュニティ、通称"剣騎士団"で定期的に箱庭の外で行われる危険な幻獣狩りのことである。

 

していた……そう、秀里はもう、"剣騎士団"には所属していないはずである。このコミュニティのリーダーこと団長とのいざこざで……

 

「おら秀里、飲め!今回の"鷹狩り"のMVPはお前なんだから、主役が飲まなくてどうすんだ!」

 

「だから俺は飲む気なんてないって……おいなんだそれ!?そのおかしな色したカクテルはなんだ!?」

 

「ああすまない秀里くん、これは私の自信作でね。誰か被験た……味見を頼みたい」

 

「おい団長!?今さりげなくヤバいこと言いかけただろ!?」

 

ワーキャーワーキャーと、今の流浪人傭兵では考えられないほどの賑やかさ。

 

秀里は久しく、偽物の世界とわかっていながら家族の温もりを思い出していた。

 

「……やっぱり、この世界って……アレ、だよな……」

 

そう、やはりこの世界は───

 

◆◇◆

 

「どうかしたのかえ、エイーダ。儂の顔になにかついとるのか?」

 

「いえ……なんでもないぞよ、爺上。少し、奇妙な夢を見ておったのじゃ」

 

「そうかのぅ……エイーダは一人で考え込む性格じゃからの。あまりコミュニティの同志と上手くいっていないと聞いてはおるぞい」

 

「そんなこと……ない、と思うのじゃ。爺上はコミュニティの頭領にも引けを取らぬ実力故、早く戻ってきて欲しいがためにデマを流しておるのだ」

 

エイーダがふんっ、と顔を背けると、彼女の祖父は優しそうな表情を作り、エイーダの頭を撫でる。

 

「ぬぅっ……儂を子供扱いするでない、爺上」

 

「ほっほっほ。孫なぞいつまで経っても可愛い子供には変わりないぞよ」

 

エイーダは祖父の手をじれったく思いながらもそれを甘受する。

 

「エイーダ。お主の表情は、まるでお日様のようじゃのぅ……」

 

「ぅ……ぬ。もったいない言葉じゃ。爺上」

 

エイーダは祖父とともに屋敷の池が鹿威しの音とともにせせらぐのを聞きながら、思考を一気に現実へと戻す。

 

「……やはり、この世界は───」

 

◆◇◆

 

「あ、セックちゃん!」

 

「……みんな」

 

セックは自分の瞳を疑った。

 

そんなわけがない。あるはずがないと。

 

「どうしたの、セックちゃん。鳩が豆鉄砲食っちゃったみたいな顔してるけど」

 

「あっ……ううん。なんでもないよ。私、ちょっと白昼夢だったみたい」

 

目の前にいるのは、かつてセックの友達だった人間。

 

だった、だ。

 

彼女が幼少期に起こしたとある事故以降、敬遠されて一切出会っていないのだ。

 

その件から、彼女は現実から逃げるようになっていた。

 

忘れようとして、色々なものに逃げた。

 

ギフトゲームに逃げた。下層部に逃げた。笑顔に逃げた。

 

可愛いものに、逃げた。

 

だというのに、彼女の目の前には、そんなことまるでなかったかのようにセックの手を引っ張る友達だった人達。

 

「行こうよ、セックちゃん!」

 

「あっ……ま、待って!すぐ行くから」

 

セックはただ、どうしてこうなったのかわからなかったが、一つだけ、わかったことがある。

 

「これって、まるで───」

 

◆◇◆

 

俺が心の奥底で、

 

俺が"剣騎士団"から去ったあの日から、

 

爺上が亡くなられてから、

 

私がずっと逃げてて、忘れようとしていた、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一番幸せな、世界……

 

 




ぬう、自分の文才の無さが疎ましい。ところどころ露骨なカットをしてしまう。

というかセックちゃんとエイーダちゃんに関しては甲殻類が勝手に設定盛り込んだんですけどね!

こんな背景あったらいいなーって思っただけなんです!biwanosinさんギンレウスさん、なんでもするから許して!

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