問題児たちと孤独の狐が異世界から来るそうですよ?   作:エステバリス

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いやー、なんかすんません。更新遅れましたぁ!

これは……あれです、伊達じゃないガンダムとか、スイカバーガンダムとか使うのが楽しかったんですよ!ガンダムのせいだ!

……いや、すんません、普通にこの虫ケラのせいです。はい。




やさしいうそ

 

 

氷が炎を燃やし尽くし、炎が氷を凍てつかせる。そんな表現が正しいのだろうか。

 

二人のセックは目の前にいる自分に向かって互いに本気の殺意を飛ばす。時には互いに凍てつく炎と燃え盛る氷を纏って殴り合う。

 

「"ローゲ・フィアンマ"!燃やし尽くして!」

おもちゃの号令一つで凍てつくような炎は不可解な動きをしながらセックに向かっていく。

 

「"ホワイト・アース"!凍てつき燃やせ!」

 

セックの氷は炎などまるでなかったかのようにあっさりと空間ごと氷結させる。しかし、おもちゃはその氷に溶けてしまうのではないかというほどの熱を感じて戦慄する。

 

「……こんなのがロキの悪戯を受けたの?なんというか……拍子抜けです。こんなのに悪戯したロキも、そんなロキと相討ちになったヘイムダルも弱々だったんですね、どうせ」

 

「っ……言ってくれますね……!私もこんなのに悪戯したロキは目が節穴なんじゃないかと疑ったこと、ありますよ……!」

 

おもちゃは自嘲気味に笑いながらゆっくりと立ち上がる。両腕には黒い炎を纏って殴り合い宇宙といった感じだ。

 

だがしかし、セックはそんな彼女を見つめて可哀想なモノを見るかのような冷ややかな瞳を送る。

 

「……バカみたいですね。そうやって自分を受け入れないつもりですか?貴女は。

そんなに友達程度に裏切られただけで、ただただ逃げ続けて……貴女と共にこの場所に来た三人も迷惑な女に目をつけられたものです」

 

「うるさい……!貴女に何がわかる!?信じてた人達にただ嘘つきの悪戯を受けたせいで、ただそれだけなのに!それだけなのに……それだけでコミュニティから追い出された私の気持ちが!

その友達といられる貴女に!コミュニティの一角を担ってるエイーダちゃんに!自分からコミュニティを抜けたヒデくんに!……私とおんなじなのに、コミュニティの仲間に助けられた竜胆くんに!わかるわけないんだッ!!」

 

「ええ、わかるわけないですよ」

 

自分が持てなかったものを"その程度"とあざ笑ったセックに、まるでそれがトリガーとなったようにおもちゃは叫び出す。

 

どうして自分だけ、どうしてお前達は、なんでこんなにも違うんだと……それがただの八つ当たりに等しい行為であろうと彼女は叫ばずにはいられないのだ。

 

なんで自分には自分を理解してくれない人ばっかりなんだ。どうしてお前達の周りには理解者に恵まれているんだ。

 

……どうしてお前達は、私みたいにならないんだ。

 

なんでお前達にも自分は自分だと主張できるようなものがないのに、なんでお前達の周りの人間はそんなものを受け入れてくれる。

 

自分に向けられることのなかった想いを向けられている彼らに彼女は叫ぶ。どうして貴方達や偽物に全部あって、私だけなにもないんだ、と。

 

だが、そんな彼女の慟哭をセックはただ一言、"わかるわけがない"と一蹴する。

 

「貴女は彼らになにも言っていない。貴女が望んでいるもの、求めているもの……なにも言わなくてもわかってくれるだなんて、甘ったれるな!」

 

セックは半狂乱になって自分を見ていないおもちゃに向かってゆっくりと歩を進め、ギフトもなにもない、純粋な拳で彼女を殴り飛ばす。

 

その拳にはつい先ほどまでのヘイムダルの加護の影響で殺しにかかっていた時の物騒な想いはなく、哀しみに満たされた拳だった。

 

「自分から動こうともしないくせに、口だけは達者……境遇がおんなじでも結果が違うのは貴自身の、そのなにも言おうともしない性格のせいに決まってる」

 

「っ………」

 

殴られた頬を抑えるおもちゃにセックは冷ややかに見下す。まるで彼女が自分と同一の人間であることそのものを、ロキとかヘイムダルとかそういうのを抜きに嫌っているようだった。

 

「貴女は誰も信じていないんだ。たった一度裏切られただけで、人間全てがそういうのなんだって勝手に絶望して」

 

「……違う」

 

「違わなくない。貴女はとても弱い人間です」

 

「違う!私は……私は弱くなんかない!」

 

「そして同時に、私も、貴女と共にここに来た彼らも、とても弱い」

 

「……え?」

 

必死に自分を責め立てるセックから耳を背けるように違う、違うと首を横に振り続ける。

 

だが、そんな中に彼女から届けられた言葉はとても意外で、信じられない言葉だった。

 

「人間は弱いから群れるんです。群ようとしない人は強くなんかない……強情で弱さを認めないだけ」

 

途端に、セックはいつもの白々しい表情でも、ついさっきまでの殺意に満ちた表情でもない、月明かりのような微笑みを見せる。

 

「ふふ。どうやらこの世界やこの世界の私を造った人はどうしても貴女をこの先に進めたくなかったようだけど……思惑が外れたようね」

 

「………………どういう、ことなの……?」

 

一人で現状に納得するセックに、"セック"はまるで理解できないとばかりに目を丸くする。

 

「うーん、なんというべきでしょうか……例えもなにもないですが、本来貴女をここに閉じ込めるのが役割だったはずのこの世界は貴女に現実でここのような幸せを追い求めることを望んで、敢えて貴女に対して真逆とも言える立場の私を造って遣わした……みたいな?」

 

「………」

 

つまり、簡単に言うとこの世界のセックとこの世界は、セックをこの世界に永住させるために生み出されたはずなのにその真逆のことをした、ということだ。

 

「きっと貴女の心からできた世界だから貴女のことが好きで好きでたまらないんですよ。この世界も、私も……どうでした?迫真の演技だったでしょう?」

 

この世界のセックの笑顔にセックは毒気を抜かれ、同時に今まで自分が感じていた劣等感や確執がどうでももいいものに思えてきた。

 

「……はい。とても凄い演技でした」

 

「そっか。それじゃあここからは私がいなくても頑張れるね。

貴女のいるべき世界はこんな与えられた幸せじゃなくて、幸せを掴み取る世界だから……」

 

セックに背を向けさせたもう一人のセックは彼女の背中を押し出す。振り向いたセックが目にしたのは、いつか自分が忘れた自然な微笑みを向けてくるもう一人のセック。

 

「……私、頑張るよ。幸せをもらうんじゃなくて、幸せを掴み取るために───」

 

だから、今だけは……いつもの作り笑いをセックは浮かべていた。

 






こんなに時間かけた上にこんな体たらくな文しか書けないなんて、私は小説家のとんだ鼻つまみ者だ……!

マジで文才がほしぃー!
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