問題児たちと孤独の狐が異世界から来るそうですよ?   作:エステバリス

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結構色々考えたらオクレータ。サーセンフヒヒ。




阿修羅、目覚める

 

「やっぱり……耀、だったんだな……他人の空似でもこの世界が作った幻でもなく……この世界に呼ばれていた、耀」

 

「その通りよ。……それにしても、鈍ちんの貴方がよくわかったわね?私のこと」

 

「……生憎、記憶力と耀のことでのクイズなら負ける気がしないからな……だけど、それも仇になったのかな……」

 

竜胆は自分を落ち着けるために軽くジョークを口にしながら"九頭龍の舞斧"をリップに……否、耀に向ける。

 

竜胆の腕は確かに震えていて、自分自身でも抑えがきかないほどのものとなっていた。

 

(くそっ、……まだギフトが"罪"だった頃なら異世界の耀なんて簡単に殺せたはずなのにっ……!なんで、なんで躊躇うんだよ……!?)

 

ジョークも自分自身に言い聞かせることができず、震える右手を左手で抑えようとして、その左手ごと震え出す。

 

『いくら残酷に振る舞おうとしても、貴方はこの人の中で一番躊躇っている』

 

……そんな言葉を竜胆は不意に思い出す。かつてこの虚構の箱庭とも違う、いわば本当の歴史を歩んだ春日部耀に言われた。

 

あの時はまだ素直になれなかった自分はその事実を必死に拒み続けていた。

 

……だが、時が経って改めて同じような局面の前に立つと、その言葉は真実味を帯びて竜胆の目の前に直面する。

 

「くそっ……くそっ……!」

 

「なに腑抜けた声出してんだ竜胆ォ!」

 

竜胆が集中力を乱して焦燥しているうちに耀は着実に竜胆の元へと近づき、その右腕を振り下ろさんとしていた。

 

だが、その瞬間に秀里は竜胆が実体化させたアームズウェポンを耀に向かって投げつける。耀はアームズウェポンを全てヒトガタへと変えたが、その隙に秀里は耀の腹部に回し蹴りを決め込むと、竜胆のを脇に挟んで距離を離す。

 

「バカか竜胆!?お前あとちょっとで人形に変えられるとこだったんだぞ!?そんな時になんでなにもしねぇ!?」

 

「っ……!くそっったれ!」

 

秀里の一喝でなんとか正気に戻った竜胆はメダガブリューを地面に叩きつけ、それを耀に目掛けて蹴り飛ばす。

 

だがそれも"EL-Shaddai doll makeЯ"でヒトガタへと変えられて無力化される。

 

言い難いジレンマに竜胆はリップのことを考えることをやめ、彼女のギフトの考察に入る。

 

彼女を倒すためには"人形部屋"の人形を全て壊す必要がある。だというのに"EL-Shaddai dollmake Я"が近づくことを許さず、遠距離からの攻撃をまた新たな人形へと変えてしまう。

 

どうしようもない悪循環に陥っている。やはり、彼女に効果的なのは始めに行った波状攻撃だろう。"EL-Shaddai doll makeЯ"は彼女の行動の様子からして、腕に調節触れないと発動しない。

 

だとすれば、速度の秀でた秀里と竜胆の二人が撹乱して両手を防ぐのが効果的なはず───

 

「……危険な賭けだが、これしか方法がないのも事実、か」

 

竜胆は歯がゆそうにしながら横にいる秀里、後ろにいるエイーダとセックに問い掛ける。

 

「耀の……リップのギフトは両手でしか発動できないはずだ。俺と秀里でリップを陽動するから、二人はそのうちに……」

 

「……ああ。少しは切り替えたみたいだな」

 

「うむ。現状はそれしかあるまい」

 

「でも、秀里くんも竜胆くんも、くれぐれも無茶はしないように」

 

「……ああ。無理無茶は慣れている。多少は大丈夫さ」

 

「そういう問題じゃねえだろ……!」

 

軽口を叩き合い、改めて四人は耀と……リップと対峙する。

 

(だけど気掛かりなのは……リップが俺達が虚構の箱庭で誰かから……いや、リップが全ての人間を人形に変えたって言った時点で誰が持ってきたのかはなんとなく察しがつくが……色々と腑に落ちないことがあるのもまた確かだ。

……でも、余計な邪推をして士気を下げるわけにもいかない、か)

 

「行くぞ秀里!捕まるなよ!」

 

「言ってろ竜胆!速度なら俺の方が上だ!」

 

竜胆は神格を解放、秀里はギアを三段階まで引き上げ、二人は挟撃するカタチでリップに強襲する。

 

もちろんこのカタチでの攻撃でリップが狙ってくる方は……竜胆。

 

「ずぇあっ!」

 

「あぁああ」

 

竜胆の"九頭龍の舞斧"による一撃をリップは髪の根元の原子をオルトロスの触手に、先の原子をオリハルコンへと変えて受け止める。だがその間に秀里はリップの右腕に"五行の神刀"を振り下ろす。

 

「くたばれ!」

 

「っジャマ……!」

 

秀里の一振りをリップは躱す。その弾みで竜胆を抑えていた髪が解け、再び竜胆が動き出す。

 

「スイッチ!……なんてな」

 

「一言余計だ秀里。だが、いいアシストをしてくれる!」

 

竜胆は今度はリップの足を払い、体勢を崩したところでアームズウェポンの山を召喚し、リップを滅多刺しにする。

 

「まだこれで終わりだと思うなよ……!呪法・鎖錠緊魂魄!」

 

そして竜胆は手元に取り出した呪札から鎖を四本呼び出し、リップの両手足を抑える。

 

「やれ!二人とも!」

 

「委細承知じゃ!」

 

「行きます!」

 

続けてエイーダが"八岐の雅槍"に水の力を乗せ、投擲の構えを取る。

 

「くらうがよい!」

 

エイーダはそのまま槍を投げつけ、無防備なリップの土手っ腹に風穴を開ける。だが、その風穴も"影人形の人形部屋"の力で即座に消える。

 

「ですがっ……まだ!終わりません!」

 

エイーダに続くようにセックは"六道の偃月輪"を二つに分割し、片方に炎を纏いながら投げつける。

 

それがリップに当たると同時にセックは駆け出して偃月輪を引き抜き、二つの刃で踊りでも踊るかのようにリップを斬りつけ、締めに二つの偃月輪に高熱を纏わせブッピガンとでも言うかのように振り下ろした。

 

「せやぁああああ!!」

 

セックの一振りがリップの身体を斬り裂いた瞬間、秀里も動き出す。自身の刀と"五行の神刀"の二振りを同時に振り下ろし、遠心力によってリップを"叩き潰す"。

 

「くらっとけ……白虎!」

 

そして締めとでも言わんばかりに竜胆は右手に高熱源体を召還し、リップの顔面を悲痛そうな顔で掴み、熱源体にエネルギーを加えていく。

 

「っ……はぁああああああああああ……!!ヒィィイイイイト!エンドッ!!」

 

そしてリップを掴んでいた右手の熱源体は大爆発を起こし、リップが"影人形の人形部屋"の加護がなければ死んでしまいかねない状況を作り出した。

 

「……リップ、」

 

竜胆は右腕に残った彼女の感覚を思い出す。……やっぱり、まごうこともなく、リップは春日部耀なのだとはっきりと理解させられた。

 

竜胆がリップを掴んでいた時、彼女のゴシックな服の内側に木彫りのペンダントを見つけた。

 

そのペンダントには微かだが、ギフトが働いている感覚があったし、耀は自身のギフト"生命の目録"がなければ歩くこともままならないのだ。

 

そして、彼女は耀とはっきり理解してしまったことが……竜胆に大きくのしかかる。

 

「っ……くそっ、耀……なんて後味の悪い世界だ……」

 

竜胆は自分の右手についた感触をさっさと忘れようと腕を振り、地面を殴る。しかし、その痛みを持ってしてもこべりついた感触は離れない。

 

「……ちっ」

 

現実を認め、受け入れたのか、やがて竜胆はその行為をやめて爆煙の先へと警戒を移す。

 

まだ、リップを倒したとは限らないのだ……だから、こうしていたこと事態が悪手でもあった。

 

そして爆煙が晴れたその一瞬、その隙にリップは今までの狂気じみた鈍足から一転、竜胆ですら反応できないほどの速度をもって接近してきた。

 

「なっ───」

 

「……♪"EL-Shaddai doll───」

 

リップの右腕が竜胆の身体に突き刺さる───その、今際。

 

竜胆の身体がバランスを崩し、尻餅をつくカタチでリップの右腕を回避した。

 

だが、リップの右腕はなにも掴まなかったわけではない。その腕にはしっかりと、竜胆を突き飛ばした人物───セック・ズルグが捕まっていた。

 

「───!?セッ───」

 

「ぐっ……ぁあ!」

 

竜胆が確認するように、かつ受け入れられないように彼女の名を呼ぶ。セックの悶え声に掴んだモノが竜胆ではないと悟ったリップは途端に嫌悪感を露わにし、最後の言葉を吐き捨てた。

 

「makeЯ"」

 

その言葉を紡いだ瞬間、セックの身体は量子に包まれ、手足が見えなくなる。恐らく、人間という情報を原子ごと書き換えるのにはそれなりの時間を要するのだろう。

 

「っ……竜胆、くん……!これを……!」

 

セックが苦し紛れに投げた、手が手とも言えないモノから放られた物を竜胆は掴む。

 

其れは───この世界で手にしたセックのギフト。"六道の能輪"。

 

「勝って……!勝って、貴方の未来と希望を───」

 

その一言と共に、セックは小さな人形へと変貌した。その人形は可愛げのあるものでありながら一種の狂気が醸し出され、改めて竜胆達にリップの引き起こしたことの末路の悲惨さを認知させるには、充分すぎるものだった。

 

「……嘘、だろ……!?」

 

竜胆を手早く回収した秀里もうわ言のように呟いた。エイーダも言葉にすることのできない戦慄に口を噤み竜胆に至っては瞳孔を開いて閉じない。

 

しかし、そんな彼らを余所に、リップは人形へと変えたセックを乱暴に掴むと、竜胆の手元に放り投げた。

 

「ほうら竜胆……?それ、貴女のお友達なんでしょう……?返してあげるわ」

 

「……………………」

 

竜胆は言葉を紡ぐこともできず、膝下に投げつけられたセックだった人形に目を向ける。

 

「……いい顔になったね竜胆。じゃあ……面倒だけど、竜胆は最後にしてあげよう」

 

リップはわざとらしく"耀"の口調に戻してそう呟く。その言葉を聞いた瞬間、竜胆は彼女が言った言葉を理解できずに彼女の初動に対応することができなかった。

 

「っぁ!」

 

そして竜胆が反応したのは神珍鉄へと変えたリップの脚と剣と刀を交差させてそれを防いだ秀里の、両者がぶつかり合う音を聞いた時だった。

 

「ッ!?秀里!?」

 

「でぁゃあ!」

 

「フフ、フフフ……」

 

秀里の剣とリップの身体が幾度となくぶつかり合い、幾重にも火花を散らす。

 

秀里が左に突きを出せばリップはそれを無視して左手で秀里の身体を掴みかかり、それを"五行の神刀"でいなす。

 

そしてそのせめぎ合いの中、秀里はとある確信をした。

 

(間違いねぇ……氷や炎みてぇな非生物ですら人形にできるくせにさっきの竜胆の"舞斧"を防いだ時もセックを人形にした時も"能輪"ごと人形にする選択肢もあったはず……だが、コイツはそれをしていない……!

だとすれば、『"世界の鎖"を砕く手掛かりに四つの神器』っていうのも……コイツと戦うことが必然とわかっていて、なおかつ四つの武器は"EL-Shaddai doll makeЯ"の影響を受けないんだ!なら俺がやるべきことの最低限のことは───)

 

そう思った瞬間、右手の剣が弾かれる。最早左手の"神刀"でガードをする時間すらなくリップの手が迫る。

 

ここまでか、そう思った瞬間だった。

 

「そう簡単に、諦めるでないぞ若僧!」

 

秀里とリップの間に入り込むように激しい水流が現れたのだ。水流に阻まれたリップの腕は一瞬で水流を人形へと変えるが、秀里の速度を以ってすれば距離を離すには充分すぎる隙を与えた。

 

「っつぁ……助かったぜ、エイーダ」

 

「いつまでもボサッとしている時間もなかろう。儂らには元の世界に帰らねばならぬ理由もある」

 

 

秀里が目を向けた先にいたエイーダは"八岐の雅槍"を構えており、そこから自分のギフトで作った水流を撃ち出したのであろう。

 

秀里は加速を加え続け、リップに剣を弾かれた影響でほとんど動かなくなった右手を抱え、ニタリと笑う。

 

(っても、首の皮一枚繋がったってトコか……最悪、竜胆かエイーダのどっちかに刀を渡して俺の方は終了か……?)

 

秀里は一瞬浮かんだネガティヴな考えにすぐさま否定し、自分に喝を入れ直すために使い物にならなくなった右腕を地面に思い切り叩きつける。

 

「っつぅ……!?でも、コイツで目ぇ覚めた……!」

 

秀里は涙目になりながら腕を振り、"神刀"で身体を支えて立ち上がる。

 

「……オイ竜胆。テメェメンタルぶれぶれすぎだろ。凹むのはいいが、立て直せ……でないと、死ぬぞ」

 

「……悪ぃ。でも……理解と覚悟は違うもんだな……ゴメンけど、もうちょっと時間かかるかもしれない」

 

竜胆は自嘲ともとれるようなカラ笑をすると、その目線を"舞斧"とセックに渡された"能輪"……そして、彼女自身に落とす。

 

「っ……まぁいい。アイツにゃこの世界で受けた刺激が俺達以上なんだ……コミュニティの仲間が敵って時点でデカいだろうにな……」

 

「だが、いつまでもそのような泣き言を許すつもりも毛頭なかろう。竜胆が立ち上がるまで、儂ら二人で彼奴を倒そうぞ……セックの分も、な」

 

秀里が左手を、エイーダが右手を前に、それぞれの神器を構える。リップが竜胆を狙わないと公言した以上は竜胆を護りながら戦う必要性はなくなったが、逆に言うなら竜胆以外に狙いを絞ったということ……ある意味では戦いにくくなってしまったのだ。

 

「……!"三重加速"!」

 

「"アクアサーファー"!」

 

二人は己のギフトの力を限界近くまで引き出し、リップと音速の域に達しかねない速度を叩き出しながら果たし合う。

 

(奥義は無闇に使えば隙を晒すだけだ……小技だけで倒すのが理想だけど……!)

 

秀里の威力を抑えた突きを躱され

、完全に動かない右腕目掛けてリップは左手を突き出す。

 

秀里はそれを"神刀"を横薙ぎに振るって発生した遠心力で強引に回避する。

 

(そうも言ってられない……!確実に当てて逃げれるタイミング……僅かな、コンマ一秒未満だろうが見つけ出す!)

 

秀里は自身の感覚を極限にまで引き延ばし、リップと自身とエイーダ、三人の一挙手一投足の全てを完璧に把握することが可能なほどの動体視力を一時的に保有する。

 

これぞ、秀里のありえないまでの"加速"の副産物……その速度について行くために自然と己の身体が生物の限界を超え始めているのだ。

 

だが当然、"三重加速"を行うだけで肉体を傷つけている以上、そんな荒技をしてしまえば秀里の身体は無事では済まない。その証拠に彼の眼球は彼自身の行いが原因でどんどんと傷つき、着実に視覚がきえていく。

 

だが、それでも秀里は執念で傷ついた眼球を機能させる。焦点もバラバラ、高低の見分けもつかない。この場の広さも不明瞭……しかし、その瞳は真っ直ぐにリップを見据えていた。

 

一方のエイーダも秀里とリップに速度で劣る分、"雅槍"の特徴たるリーチの長さを利用してリップの攻撃をトリッキーに防ぐ。時に水を盾にして防ぐが、その行為は秀里の動きを阻害しかねないので本当に限界の時にだけ。

 

さらにリップもメチャクチャに見えてかなり考え込まれた動きで二人を追い詰める。秀里とエイーダの牽制に身体を得物と合わせて動くことによってダメージを最低限にまで減らし、攻撃で吹き飛ばされたリターンの足技もきっちりと行う。

 

無論、それらは距離をある程度離したエイーダと動体視力で動きを読んでいる秀里には通しない。

 

このままでは確実に消耗戦になるだけ……そしてそれは"影人形の人形部屋"を持つリップが圧倒的に有利だったが、チマチマと戦っている現状にリップは飽き飽きしていた。

 

「もっと動きなさいよ!前菜が長いとメインディッシュがつまらなくなるでしょう!?」

 

だんだんとリップの動きが苛立ちに任せた単調なものとなって行く。それはまさに秀里が望んでいた状況なのだが───リップはここに来て秀里の見当違いな行動に出た。

 

「───!もうつまらない!貴方達はヒトガタにもしない!する価値もない!」

 

そう言うとリップはあろうことか、未だに立ち直ることのできない竜胆に向かって駆け出した。

 

「なっ───」

 

「不覚───!」

 

一瞬その行動に呆気をとられたが、二人の行動は早かった。

 

「"四重加速"───いや、"神速"だ!」

 

「頼むぞ"八岐の雅槍"!全力を以って竜胆の下へと馳せ参じるのじゃ!」

 

二人はその言葉を紡いだ瞬間、人間の加速限界───殺人的と形容すべき領域までの速度を叩き出し、竜胆に迫る二本の腕を弾いた。

 

「ッ!!どこまでも私のジャマを……!」

 

だが、秀里もエイーダも、それに全ての力を注ぎ込んだせいか、最早動くこともかなわない。

 

そしてそれを見たリップは猟奇的な笑みと共に両手にその恩恵の力を宿す。

 

「狙い通り動いてくれたね。さようなら……ゲームオーバーだよ、ヒデサト、エイーダ。

"EL-Shaddai doll makeЯ"」

 

そしてその腕は無情にも二人の肉体を貫き、秀里とエイーダの身体は量子ごとカタチを変えていく。

 

「……秀里?エイーダ……?」

 

そして事にようやく気づいた竜胆はゆっくりと二人の名を呼ぶ。

 

「……ちっ、こんなヘナチョコのために命張ったのかよ俺ら。マジ最悪な気分だ」

 

「これで立ち上がれなければ同感じゃな……だが、最早後は託して祈る他あるまいて」

 

エイーダがそう言うと、秀里の持っていた"神刀"とエイーダの"雅槍"が彼女の水を伝って竜胆の手元に来る。

 

それを恐る恐る受け取った竜胆を見ると、二人は満足したような表情を作った。

 

「後は……お主の問題じゃ。帰るのじゃろう?元の世界に……お主が知るあの者の下へと」

 

「だったら……今は後ろは振り向くな。終わったらいくらでも振り返ればいい。俺にこの世界で戦う理由を渡したのはお前だ。

ならば今、ここで!お前の決意を見せてみろ!高町竜胆!」

 

「ッ……!」

 

竜胆は秀里とエイーダの二人の言葉に、否、秀里とエイーダ、そしてセックの三人の言葉に竜胆は起き上がった。

 

四つの"神器"を呪術で浮かび上がらせ、再び神格を呼び起こし、現れた九尾の姿を変える。

 

中央の一尾を残し、四尾は金色の腕に、二尾は灼熱の翼と共に寄り添うような翼に、そして残りの二尾はその姿を鬼たる酒呑童子と大天狗たる崇徳上皇……そして彼が従えていた玉藻の前の魂を刻みつける。

 

両手と変幻した尾……合計六本の腕はそれぞれ"九頭龍の舞斧"とメダガブリュー、二本の剣状に分割した"六道の能輪"、そして"五行の神刀"と"八岐の雅槍"を掴んだ。

 

そして竜胆はその姿になると同時に、全ての躊躇いを捨て去ったかのように、かつての彼そのものたる冷酷な瞳をリップに向ける。

 

「リップ……俺はお前に手加減することは、もうできないぞ……」

 

そう、この時……日本三大悪妖怪の力を権限させた阿修羅はその地に現れたのだ。

 

 




あー……えっと、その……なんと今週からテストがあってですね……ええ、その。とりあえず、来週の日曜日までは何一つ更新できそうにないです。孤独の狐もオーズの方も!

みなさんサーセン!
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