[二次創作] ジョジョの奇妙な冒険 〜フォールボックス〜   作:ウニ野郎

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前回伝え忘れていたことがあったのでここに記載します。
※スタンド名のカッコを『』から〈〉と変更いたしました。
報告忘れ、大変申し訳ございませんでした。
では第9話、お楽しみください。


IX 裏通り その①

…長い。

「ハァ、ハァ…ッ!」

…どれほど走ったか分からないが、いつまで経っても端が見えない。

「ク…クソ…ッ!」

背後から迫る気配はいつまでも消えずに自分を追いかけてきている。振り向いて確認なんてことはできない。そんなことをしてしまえば恐怖で腰が抜けて立てなくなることだろう。

「あ…あぁ…。」

目の前の光景に、これ以上ないほどの絶望を感じる。目の前には自分と共にココに入ったクラスメイトがいた。虚ろな目をして浮いている( ・ ・ ・ ・ ・ )。その体には両足が無かった。

「ああぁ…っ!」

浮いたまま友達がブラブラと左右に揺れる。友の死体の背後には、先程まで自分を追いかけていた怪物が立っていた。友達の頭の両端をつまんだままゆっくりと揺らしていた。

「頼む…助けてくれ…っ。」

その願いを聞く気はないらしく、怪物は少年の右肩に手を伸ばす。すると、木が折れるような音とともに少年の右腕をまるごと捥いだ。

「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

少年は叫ぶが、怪物は少年の右腕を口に運ぶと、不敵な笑みを顔に浮かべ少年の胸に鋭い爪を突き刺した。

…それっきり、少年は何も分からなくなった。最後に少年が見たのは、町に潜む噂になっていた怪物の中の暗闇だった。

 

「ペロペロペロ…ッ」

怪物は血を一滴残らず舐め尽くし、少年たちのいた証拠は落ちている腕時計だけになった。だが、そんな腕時計には全く興味がないらしく、怪物は水のように地面に溶けていった。

何もない、杏町の裏通り。通常の道が広いため、中々使われなくなった裏道である。ここには、杏町の人々が広まる噂があった。

「_一度入ると死ぬ以外に出る方法がない、無限に続く裏通り」があると。

暗い通りで、腕時計を拾い上げ、紫色のパーカーを着た少年は顔に黒い笑みを浮かべていた。

 

 

スタンドが発現してから五日ほど経っただろうか。丈惟は相変わらず平和な日々を過ごしていた。いや、平和に見えるようで、所詮は作られた平和にすぎないのだろうが。

「…えーココの発音は〜…」

カタカナで簡単に書き表せられそうな英語教師のリスニングをボーッと聞き流しながら、丈惟は窓の外を眺めていた。

 

「あーやっと終わったー。あの先生の授業眠くなんだよなぁー。ジョジョー?どうしたー?見えてるか?ボーッとしてるなよなー。」

丈惟がジョジョと呼ばれているのは博士だけではない。男子クラスメイトには大体呼びやすいという理由でジョジョと呼ばれている。

「あーん?いや別に?」

「そっかー…。そういやさ、真一(しんいち)陽介(ようすけ)、今日も休みだな。二人揃って風邪だなんて大変だよなー。」

そういわれ丈惟はクラスにある空席を見た。真一と陽介とは特別仲が良かった訳ではないが、二日ほど前から学校に姿を現さなくなっていた。あの二人はクラスの中でも特に仲が良かったので、一時期は「あの二人はデキている」なんて噂もたつほどだった。

「…さ。」

真一の席から小さな声がする。何やら女子生徒がまた根も葉もない噂をしているのだろう。

「あの二人…裏道に行ったんだって。」

その言葉に丈惟は小さく反応した。いけない事だと分かっているが、耳に神経を集中して聞き耳を立てる。

「え?それってホント?」

「なんかあの二人が裏道に入っていくところ、見かけた人が何人かいるらしいの。もしかしたらアソコに住む妖怪ってヤツに…。」

「まあ人通り少ないからそういう噂多いけど、流石にないと思うよ?」

「そりゃ、私だって完全に信じてる訳じゃないけど…なんだか怖いんだよね。」

裏道…。この町の駅の後ろ側にある、人が全然通らない道のことである。人が全くと言っていいほど通らないため、「アソコには魔物が住んでる」「一度入ると出られなくなる」「魔物に食い殺される」といった噂が昔からあった。丈惟は昔からそういった噂は信じないタチだったが、スタンドが目覚めた今となってはその噂も単なる噂なのか疑わしい。

「今思うと、噂に流されて裏道を通らねえってのはどーも「フェア」じゃあねえな…。何事もフェアじゃあねえといけねえってのに…。」

「お、出た。ジョジョのフェア精神。それ生き物だけじゃなくて噂にも反映するのな、不思議。」

放課後、丈惟はすぐに裏道に向かうことを決意した。

「お、ジョジョ見ろよ。行方不明者見つかったんだってー。」

丈惟の友人が新聞を開きながらそう言った。

「なんで学校に新聞持ってきてんだオメーは。」

 

 

「てなわけで、噂の裏道に来たわけだが…。」

表通りとは真逆の、人っ子一人いない道が目の前に広がっていた。コンクリートの地面にいたミミズを咥えて、小鳥が飛び去っていく。まるで殺風景な田舎の道路のように静かだった。

「…この辺に人はいない。でもここに入ったって話があるってことは、ここに形跡くらいは残っていると思うんだが…。」

丈惟は地面を撫でながら周りを調べ回る。だが、人間の身体の一部や血痕などは何一つ見つからなかった。

「ここには何も無しか…。」

丈惟は水筒に入れていた紅茶を飲みながら、裏道に背を向けて歩き出す。すると、後方から何かが落ちたような音がした。

「ん、なんだ?」

少し遠くに落ちたそれを拾い上げる。それは丈惟の通う学校の生徒手帳だった。だが丈惟のものではない。所狭しと貼られたアニメのシールには見覚えがあった。丈惟は自分の生徒手帳に貼らずに挟んであったシールを見る。それは真一がくれたものだった。

「真一の生徒手帳…?」

裏側の写真を見てみると、確かに真一のものではあった。だが写真があった面には赤いベットリとした液体がこびりついていた。この匂いは…。

「血…血だ!この血はまさか真一の…!?」

丈惟は冷や汗をかきながら真一の生徒手帳を道路の端に置いた。すると、突如頬に触れられたような感触が現れた。触れた感触の感じからして、頬を舐められた( ・ ・ ・ ・ ・ )ようだった。

「誰だっ!?」

咄嗟に後ろを振り向くが、そこには先ほどと同じ何もない平穏な道路があった。自分以外の人の気配は一切しない。

「気のせいか…?とにかく帰ろう。帰ってから博士や氷室さんに相談して…。」

丈惟はブツブツ言いながら裏道を通って自宅方面へ歩いていった。

 

 

「…………ん?」

違和感を感じ、丈惟は後ろを振り返る。だが特別何が違うというわけでもない、何の変哲もない道路があるだけだ。

「気のせいか?いや…。」

丈惟は早歩きで道を進む。 車両禁止の標識を見上げる。この裏道は広くないため、昔は交通事故が絶えなかったと母からは聞いていた。

「…これは。」

丈惟は突然走り出した。3分ほど走ってから、目の前にあった。先ほども見た車両禁止の標識だった( ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)。こんな短距離に同じ標識があるのは、本来おかしい。

「これで分かった!俺はこの道路を、回ってるのか( ・ ・ ・ ・ ・ ・)ッ!!」

丈惟が自身の状況に気づいた瞬間、暗く淀んだ邪気のようなものが周りを埋め尽くした。目に見えるわけでもないのに、その威圧感は裏道全体からピリピリと伝わってきていた。

「すでに俺は噂の中に入ってたってワケか…!」

すると、丈惟の目の前にスズメが降りてきた。

「俺以外の生物も入ってきているのか…?」

すると、スズメの口から赤い液体が垂れた。丈惟がギョッとしてスズメを見ると、目は充血しているかのように真っ赤に染まり、血の涙のようなものを流していた。口からうがいをするときの音のような鳴き声を出し、血を流したまま空に飛んでいった。丈惟はそれをただ目で追った。見えなくなったところで、深呼吸をする。

「落ち着け俺…。恐怖でありもしないモノが見えてるだけだ…。」

丈惟は少し歩きながら周りを見渡すが、特に変わったことはない、なんの変哲もない裏道だ。スタンドがいるとは到底思えない。

「…スタンドではない何かなのか…?」

その直後、丈惟の左足に激痛が走った。咄嗟に左足を見ると、そこには大きなワニがかぶりついていた( ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ )

「な、何イィィィィッ!?」

杏町にはワニなど生息するような場所はないはずだが、そこにはワニがいた。

「…ッ!〈M2(ミントメイト)ボックス〉!」

『ウラウラウラァ!』

ワニをスタンドで攻撃するが、ワニは拳が当たった瞬間煙のように消滅した。ワニが噛み付いた傷から血が吹き出す。

「……ッ!このスタンドは…ヤバイッ!」

丈惟は座り込みワイシャツの一部を裂き傷に巻いた。応急処置にすぎないがしなりやりはマシだろう。

「本体の数が一人なら「フェア」なんだが…調べようがねえからな。今は気にするだけ無駄だな。」

まさか自分から生き様を無駄ということになるとは。そう思った丈惟は小さく笑った。だが激痛ですぐに笑顔を歪めた。

「どこにいやがる…スタンドと本体は…!」

すると、空から何かがすごい速度で落下してきた。丈惟は瞬時に察知し回避する。落ちた場所のコンクリートは粉々に砕け、煙を放っていた。

「今度は何だよ…。」

隕石のように落ちてきたソレは、カエルだった。動くわけでもなく潰れたわけでもない。その地面に普通に跳ねて着地したかのように佇んでいた。

「ゲルッ、ゲルロロロ…。」

カエルはピョンっと跳ねてそのまま草むらに入っていった。

「い、意味がわからなすぎる…。これは、俺がおかしくなっているのか…?」

丈惟は自身を疑い始めたが、後ろからした気配に振り向いたことにより一つの疑問が確信に変わった。

『フウゥゥゥゥゥゥ…ッ』

そこにいたのはいうまでもなく〈スタンド〉だった。灰色の両腕は筋肉が大きく発達しており、頭からローブのように薄汚れた白いボロ布を被っていた。赤く鋭い目は殺意がにじみ出ていた。

「…まるで亡霊みてぇに不気味なスタンドだなおい…。本体の顔が見てみてぇよ…。」

『フウウゥゥゥゥゥゥゥゥ…ッ』

するとその〈スタンド〉は走り寄ってきて、丈惟に拳を放つ。〈M2ボックス〉でその拳を弾き、敵スタンドの胸に拳を叩き込んだ。

『ウラァッ!!ウラウラウラウラウラァ!』

そのまま連続でラッシュを放ち、敵スタンドは吹っ飛んだ。だが壁にぶつかった瞬間煙となり消え去った。

「ぶっ飛ばしたがまだ解放はされてねえ。それくらいは周りの雰囲気はわかる…。」

すると丈惟は痛みが引いていることに気づき、左足を撫でる。すると、傷が無くなっていた( ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)。引き裂いたシャツは巻きついたままだったが、裂けた傷口もズボンも元どおりになっていた。

「どういうことだ?あのスタンドと何か関係があるのか?」

周りを見渡してもあるのは平凡な裏道だった。先ほどカエルが落ちてきてできた穴もスッカリ…

「え?」

丈惟はそこで違和感に気づく。先程までたしかにあった穴は綺麗さっぱりなくなり、普通の道路が続いていた。

「どういうことだ…?あのスタンドは一体、なんの能力を持ってるというんだ…!?」

 

そして丈惟は一人、謎多き敵スタンドと対決することとなったのだった________

 

 

 

「丈惟が裏道のスタンドと交戦を始めた。」

ヴィオットはラムネを飲みながらそういった。先程まで本を読んでいた男性が顔を上げる。

「裏道…ああ、〈ブラックストリート〉ですか。奴の能力にハマれば出る方法はない…つまり?」

前回晴夫と呼ばれていた男性が、チェスの兵士のコマをコトンと倒した。その上に一匹のコオロギが乗る。

「まずは一人、だな…。」

「奴は俺たちの仲間の中でもかなり強い奴らの一人だからな。えっとあの七人、なんて呼んでたっけ?」

「ヴィオット、お前もう忘れたのか?」

「だって物事を覚えるのは苦手なんだよ。」

晴夫は小さくため息をつくと、コオロギを七匹召喚し目の前に置いた。

「奴らは『七つの大罪』。七つの大罪につらなった異名と能力を持つ者たち。俺たちの仲間の中でもかなり頼りになる者たちだ…。もっとも、〈ブラックストリート〉の場合は「協力」ではなく「利用」だがな。」

三人は丈惟の死に様を想像し、不敵な笑みを浮かべていた……。

 

 

______________________

 

スタンド〈ブラックストリート〉

本体・不明

破壊力?

スピード?

射程距離?

持続力?

精密機動性?

成長性?

 

 

 

……To be continued




第9話後書きです。
今まで出したくても出さずにいた「七つの大罪」をついに出せることができました!いやーそれにしても9話…遅いやら早いやら。
まあネタ切れってことはそうそう無いと思われます。オリジナルのスタンドを考えるのが楽しくて、もう80〜90くらいいますから()!
では、次回ついに第10話!更新までゆっくりお待ちください!
ではでは!
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