[二次創作] ジョジョの奇妙な冒険 〜フォールボックス〜   作:ウニ野郎

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前回の続きでふ。
どうぞ。
(書くこと無くなったという危機)


XIII 〈メアリー・メアリー〉と〈ブルー・ハーツ〉 その③

氷室のそばに、スタンド使いの男が歩み寄る。

「お兄さん…首を突っ込むのはよしなっていっただろ…?危険なんだよソイツは。見ればわかんだろ?」

男性は離れるのを促すように手を出すが、氷室はその手を叩き落とした。

「…あ?」

「人によっては避難させようと聞こえなくもないが、僕には「邪魔だからあっちに行け」としか聞こえないのですが?」

「…分かってんなら、さっさと帰りな。俺はアンタに用はねえ。そこの小娘に用があるんだ。」

メアリーを指差した男性を、氷室は睨む。

「たとえ子供でも、この町の人である以上、僕は彼女を守る。…いや、彼女「達」を守る。」

すると男性は、氷室の胸ぐらをつかみ氷室を至近距離で睨みつける。

「〈メアリー・メアリー〉は本体の「欲望」で動き、その欲望を叶えるまで動き続ける!このまま放っておけば、被害が広がるだけなんだぞ…?そのあたりをしっかり理解した上で喋ってもらいたいね、刑事さん。」

「そうだ、僕は刑事だ。だからだ( ・ ・ ・ ・ )。僕は刑事だからこそ、彼女たちを守る「理由」がある!」

男性は地面に唾を吐き捨て、氷室から手を離す。

「しゃーねえなぁ…痛い目にあってもらう必要があるな、刑事さん…?」

すると男性は、先ほどとは別のポケットから裁縫に使うような細い針を取り出す。

「〈ブルー・ハーツ〉。」

男性が針を手から離す。すると空中に浮いていた矢印に触れた瞬間、瞬発的に氷室に向かって針が射出された。

「〈コールド・プレイ〉!」

迫ってきた針を空中で凍らせ、氷室は攻撃を回避する。

「…っ、お兄さん、もしや報告にあった「スタンド使いの刑事」か…?なら、好都合だ。」

男性はポケットから石を取り出す。

「ターゲットを一人でも多く仕留めて帰れば、リーダー達もさぞかし喜ぶだろう。アイツらは何かと用心深いからな…!」

男性は矢印を踏みつけ、氷室の目の前まで高速で寄ってきた。

「やはり近距離パワー型か…!〈コールド・プレイ〉!応戦しろ!」

『エアァァァァァァァァァァァァッ!!』

RA()VI(ヴィ) IIIIIIIIIiiiiiiッ!!』

互いのスタンドの突き(ラッシュ)がぶつかり合う。氷室の拳から少量の血が吹き出す。

(やはりパワーは相手が上…!)

氷室は瞬時に後ろに跳びのき、〈コールド・プレイ〉で空気を凍らせその氷の塊を飛ばす。

「無意味だ。」

〈ブルー・ハーツ〉の矢印が出現し、氷は地面に叩きつけられた。

「俺のスタンドの矢印の指示に逆らえるものは存在しない。炎だろうと冷気だろうと、全てを操作する能力、それが俺の〈ブルー・ハーツ〉!」

男性は再び矢印に乗り接近する、氷室は回避するのが精一杯だった。

「く…っ!こうなったら…!」

氷室は拳銃を取り出し、男性に向かって発砲した。その銃声は、想像以上に響くことはなかった。

「ぬおっ!」

男性は矢印で頭上に向かって弾丸をそらした。

「警察が拳銃にサプレッサーなんかつけてるとは、珍しいこともあるもんだな。」

氷室は、博士に何かあった時、発砲しては人が集まる危険があると、銃声を小さくするサプレッサーを取り付けてもらっていたのだ。無論、普段は外しているので、今取り付けたようなものだが。

「だがよ…、刑事さん。発砲したのはちょっと失敗( ・ ・ ・ ・ ・ ・ )だったな。」

「何…っ?」

その直後、何かが(くう)を切る音が周りから聞こえてくる。

「なんだ…?この音は…?」

その瞬間、氷室の左肩に向かって、後ろから弾丸( ・ ・ )が命中した。

「うぁ…っ!何故…!」

その弾丸は、おそらく先程氷室が発砲した弾丸だ。上に弾かれてどうやってここまで…

「あ…っ!」

「気づいたか?俺の矢印は「速度を上げて」物を飛ばすんだ。長ぁ〜い矢印に弾丸を触れさせれば、その弾丸は矢印に沿って動く。」

氷室は背後を見る。そこには、男性の頭上から氷室の背後に向かって、青い矢印が長く伸ばされていた。

「射程距離内ならいくらでも矢印は伸ばせる!俺に対して飛び道具は、「襲ってくる剣豪に剣を投げつける」ことと同じ。「俺に遠距離武器を与える」ことと同じってことだよ、刑事さん…!」

氷室はすぐに立ち上がり、銃を改めて男に向ける。

「何をしている?そんなことをしても無意味だと、たった今判明したと言うのに…。」

「それは、どうかな…?」

氷室は再び、銃弾を一発発泡する。

「〈コールド・プレイ〉!」

氷室のスタンドが、腕から冷気を勢いよく噴射する。すると、弾丸と同じように氷の塊がスピードに乗って飛んできた。

「何っ!?チッ!」

男性は矢印を何本も出現させ、氷室の弾丸と氷塊の軌道をそらす。だが、軌道をそらしそこねた氷塊の一つが男性の脇腹をかすめる。

「ぐ…っ!やるじゃねえか…、だが!」

氷室が先ほど発砲した二発目の弾丸が、氷室の右膝に命中する。そこから鮮血が吹き出す。

「ぐ…!」

氷室はふらつき、膝をつきそうになるが持ちこたえた。傷口に冷気を当て、傷を凍らせ止血する。

「やはり、いくつも攻撃をすれば、反射神経が追いつかないようだな…!」

「…図に乗るなよ、刑事さん?ダメージはこっちはかすり傷に過ぎねえが、あんたはボロボロだ、本当ならもう降参するほどの怪我さ。銃弾が二発、しかも普通よりスピードが増してるときた。それを食らって…何故立つ?何故そこまでする?」

「…理由なんかないさ。いや、強いて言うなら、僕は警察となった時からこの町の人たちを守ると心に決めていた。それが…理由だ…!守る相手がいる限り、僕は何度でも立ち上がる…!」

「……。」

男性は〈ブルー・ハーツ〉の矢印に乗り、氷室の目の前に現れる。そして、胸ぐらを掴む。

「だがお前は今、俺に殺される以外に未来はないぞ…?それでどうやって、あの小娘を守る?」

「…っ」

氷室は何も答えなかった。すると、男性は目つきを鋭くし、叫ぶように語りかけてきた。

「お前は今の警察の現状に納得しているのか?昔と違い、犯人から賄賂を受け取って見逃す者や、警察そのものが犯罪を犯すこともある!挙句に公務員としての権力を悪用して金を巻き上げる野郎も…少なくとも俺はそういったやつを沢山見てきた!どんなに正義のためにって働いても!所詮人間なんだ…何処かで…結局は壊れるものなんだ…遅かれ早かれ…誰で、あろうとな…。」

氷室は胸ぐらを掴む腕を逆に掴み返した。男性は急な行動に戸惑い、手を引こうとする。だが、氷室は手を離さなかった。

「貴方の言う通りだ。僕がやってることは、単なる偽善に過ぎない…。 だけど、偽善だって良い( ・ ・ )じゃないか…!もし壊れる日が必ず訪れるなら!僕はその日まで偽善を貫き通す!何処までも、いつまでもだ!」

男性は足掻くのをやめ、氷室の言葉に耳を傾けていた。

「…羨ましいな、偽善を、信念を貫いている奴は。」

男性は空き地にあった鉄骨に腰かけた。氷室は掴んでいた手を離す。

「アンタみてえに、俺も偽善者なりに頑張ってやったんだ。だが、もう遅い。人間の意思なんていう「狂った」概念に振り回されて、俺は悪に堕ちた。結局、「狂った」人間の1人に過ぎねえんだ、俺は。」

氷室はスタンドを消し、男性の前に立つ。

「そうえば、先ほどの質問についてなんですが。」

「さっき…?ああ、世の中が「狂ってる」って話か?その話はもう…

「答えが出たような気がします。」

「…何?」

「たしかに人間は下らないことで争ったり、人を妬んだり恨んだらします。確かに、自然の動物達よりはなにもかもが狂っていると思います。でも、狂っているからこそ、その余計な知恵が余計な考えがあるから、他人のことを想ったり優しくしたりできるんだと思います。だからこそ、人間は狂ってるから( ・ ・ )人間なんだと、僕は思います。」

男性はその言葉を聞き、少し顎に手を当てて考えていた。そして立ち上がり、氷室に背を向けて歩いて行った。

「…どうしたんですか?」

「ここに、〈メアリー・メアリー〉も[箱]について嗅ぎ回っている奴もいなかった( ・ ・ ・ ・ ・ )と、他の連中には説明しておこう。」

「え…っ?」

「俺はアンタを殺す気はない。かと言ってその小娘を見逃せば確実にぶっ飛ばされるのは俺だろう。」

「じゃあ…何故?」

「お前が出した質問の答えさ。この質問に今まで答え奴は質問そのものが下らないとか言ってたような奴らばかり。答えが返ってきたとしても「仕方のないこと」だとか何だとか…ありきたりな答えばかりだった。だがアンタは違う。マトモで、納得のいく答えを返してくれた。だからアンタは見逃す。」

「…次会ったら、殺すってことか?」

「ああ。次は殺す。その前に死んだら…そうだな、墓参りくらいは行ってやるよ。」

「余計なお世話だよ…。」

男性は氷室とメアリーに背を向けて歩き去っていった。少しの間、静寂が続く。

「お兄さん、お怪我痛くないの…?」

メアリーが涙目でそばに寄ってくる。多分こちらは本体の方だろう。

「ごめんなさい、私のせいで…!」

涙を流すこちらはスタンドの方だろうか。何度も謝罪をしながら、氷室の腕にすがりつく。

「僕は何も問題ないよ、メアリーくん。…ほら、お母さんが来たようだよ。」

何人かの警察と、以前会ったメアリーの母親が懐中電灯を片手に現れた。その中には優也もいた。

「優也…無事だったか。良かった良かった。」

「無事だったかって…いやいや!先輩その怪我、何があったんすか!?」

メアリーは母親に抱きつき、母親もメアリーを抱き返す。

「え?僕の傷?…通り魔みたいなのに襲われそうだったこの子を、僕が助けたんだ。それだけだよ( ・ ・ ・ ・ ・ ・ )。他には何も無かった。」

〈ブルー・ハーツ〉の男については何も語らなかった。語ったところで、スタンドが見えない優也にはなんの意味もないだろう。

「と、とりあえず救急車…!」

「大丈夫だよ、病院くらい。自分で行くよ。」

「そうっすか…じゃあ自分、他の人たちにも連絡するっす。」

そう言って優也は離れていった。

「帰ったら如杏奈に叱られるな、コレは…。」

 

 

「…メアリーを見逃すってのはどうなんだ?青泉(あおいずみ)。」

〈ブルー・ハーツ〉の男は、電話越しに説教を受けていた。

「本名で呼ぶんじゃねえよ。大体、黙ってれば別にバレねえだろうが。」

「…今回は見逃してやるよ。だが、次同じように敵を生かすようなことをしてみろ。次に始末されるのはお前に並んだぞ、凉夜(りょうや)。」

「…名字がダメなんだから一緒だわ。…次はお前が行くのか?」

「ああ。俺はしっかりトドメを刺す。お前と違って、な。俺のスタンドに弱点はない。」

「慢心は身を殺すぞ、優也( ・ ・ )。」

「…ほざいていろ、じゃ、仕事に戻る。」

男性の電話がブツッと途切れる。

「…あの外道が行くのか…せいぜい足掻けよ、刑事さん。あの頃の俺のように、足搔けるだけ足掻きな。」

男性は手元にあった手帳を開いた。それは、警察官が持つ縦に開くタイプの警察手帳だった。そのなかには、男性の写真が入っていた。

「…ふん。」

 

______________________

 

〈ブルー・ハーツ〉

本体・青泉(あおいずみ)凉夜(りょうや)

27歳男性

破壊力A

スピードA

射程距離C

持続力A

精密機動性B

成長性C

能力解説:全身が青い肌色をした人型のスタンド。床や壁、空気中などに青い矢印を設置し、その矢印に触れたモノをその矢印が指す方向に吹っ飛ばす。矢印の先に矢印を設置することでドンドン速度を上げながら吹っ飛ばすことも可能。

 

……To be continued




第13話の後書きでえございます。
今回は更新を早くしようと意識しました。
次回はもしかしたら、もしかしたら。
[箱]の秘密がわかるかも!?
な回でございます。
それはそれとして、次回と「全然」関係ない話なんですが…
裏切りってロマンですよね。
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