[二次創作] ジョジョの奇妙な冒険 〜フォールボックス〜   作:ウニ野郎

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前回の続きです。しかも今回は何と…?




XVI VS!バトルチーム その②

「ウラウラウラァッ!!」

飛んできた黒い石をキューブに変えて跳ね返す。そんなことを先程から何度も繰り返していた。

「キハハハハハ!さっきから全然攻めてきませんけどー!?それじゃ勝てないんじゃないのぉ〜!?」

「うっせ!飛び道具なんか使いやがって!対等(フェア)じゃねえんじゃねえか、ああ!?」

「知るかよぉ〜!近距離に近づいたらテメエの方が有利なんだから、その方がフェアじゃねえんじゃねえかー!!」

「うぐ…っ!」

その言葉で丈惟が一瞬怯んだ隙を見て、〈シルエッツ〉が懐に飛び込んできた。

「何っ!?」

「くらいなぁ!!」

〈シルエッツ〉は〈M2ボックス〉の脇腹に拳を叩き込む。丈惟が短く吹っ飛び倒れた。

「ガハ…ッ!テメェ…!」

「キハハハ…!他の仲間達も、今頃お前みたいになってるかもなぁ?」

「なん、だと?」

敵スタンド使いが不敵な笑いを浮かべる。

「敵が毎回一人でくると思ったら大間違いなんだぜぇ?小僧。すでに何人もの仲間がお前らの周りにいるんだよぉぉ!」

丈惟は立ち上がり周りを見渡す。この辺は建物が特別多いわけではないが、隠れられるところならいくつもある。敵が何処から来るかなど、予測はできなかった。

「だったら、全員ぶちのめしてやるよ…!」

「できるのかぁ?お前みてえな、雑魚に!」

M2ボックスが地面を殴りつけ、キューブになった地面のアスファルトを殴って敵に飛ばす。だが、空中に黒い石のようなものが出現しガードされる。

「これが!俺の!〈シルエッツ〉!てめえが!勝てる!わけ!ねえええんだよおおおお!!」

敵はその黒い石を連続で殴りつけ、丈惟の方に向かって勢いよく飛ばす。

「こんなもの!」

丈惟はひるむことなく石をキューブに変える。

「てめえの能力、どうやってあんな石を生み出してるのかはわかんねえけどよぉ〜、キューブに変えちまえばなんてことはねえなぁーおい!」

すると、敵は不敵な笑いを浮かべた。

「それだけで終われば良い( ・ ・ )なぁ…。」

「何…っ!?」

すると、敵は口元の部分を開け、大きく息を吸った。すると、口をすぼめて息を吐き出した。

「あん?」

すると、突然空中から棘状の黒い石が出現した。敵が吐き出したのは息だけのはずなのに、それは空中に突然、前触れもなく現れた。

「何っ!?」

だが、丈惟はとっさに跳ね返す。

「ケケ…粘るねえ。」

そのまま丈惟と敵はその場で数秒見つめ合う。すると、丈惟は敵に背を向けて走り出した。

「あっ!?逃げてんじゃねえコラァ!」

(あの黒い石…如杏奈と〈クリエティア〉なら形状を変化させて戦える!俺よりも有利に立ち回れるだろう…敵に背を向けて逃げるなんて『フェア』じゃねえかもしれねえ。だが…!こいつを倒すのは!倒せるのは俺じゃねえ!)

「ウラウラァ!」

丈惟は〈M2ボックス〉を出現させ、地面を殴りつける。そしてできたキューブを背後に壁にして積み上げ、キューブ同士の接する面をつなぎ合わせる。

「そんなことしても無駄だブァカめぇ!!」

敵は拳で殴りつけ壁を破壊した。

「…ッ!」

破壊した壁の先に、丈惟の姿はなかった。辺りをいくら見渡しても見当たらない。

「何処行きやがった?あの野郎…!」

男は地面に触れるギリギリまで姿勢を落とし、耳を澄ます。

「…何か、音がするな…。」

男は地面にあった一部のアスファルトに違和感を覚え、力を込めて拳を振り下ろした。アスファルトはキューブ状になり、地面に長い空洞が現れる。空洞の奥からは、小さく丈惟の声が聞こえる。

「あの小僧、スタンドの能力で地面に穴を開けてやがる!まさか、仲間と合流するつもりかぁ?そうはさせねえ!アイツはここで始末する!」

男は地面を蹴って走り出した。

「来たか…。」

丈惟は仁王立ちしたまま空洞の奥で待っていた。

「見つけたぞ…!てめえはどちらにしろ死ぬんだ…手間かけさすんじゃあねえぜ!」

敵はそう叫び、丈惟に向かって突進してくる。

「それは悪いことをしたな。これからもっと手間かけさせちまうから。」

「何…ッ!?」

丈惟は男の攻撃を右に避け、男は背後にあった壁にぶつかった。すると、壁は細かくキューブ状にバラけ、別の縦長な空洞に繋がった。

「これは…マンホール!?」

「マンホールから下水道に落ちる時、怪我しねえようにせいぜい気をつけな。」

先程〈シルエッツ〉が突き抜けた場所のキューブが戻るところから、丈惟の言葉が響く。

「この、クソガキャァァァァァぁぁぁぁぁぁっ!!」

敵は下水道の通路に叩きつけられ、下水に落ちる。

「ガホッ!」

一時スタンドを解除し水から出る。

「ハア、ハア…!あのガキ!ふざけたマネを…!」

本体が下水から上がりきると、マンホールから女性が降りてきた。

「何してるのよ、優也。」

〈シルエッツ〉の本体、優也は顔を上げる。

「なんだ…『嫉妬』かよ。わざわざここまで降りてきたのか?ったくよぉ…。」

すると、嫉妬と呼ばれた女性の袖から、一匹のコブラが現れた。金色のコブラで、機械のように関節が決まった位置にあり、その関節一つ一つに丸いガラスのようなものがあった。その中にそれぞれ別々の色がついた水が入っていた。

「あんた、さっきの戦い遊んでたでしょ。」

「あ?なんでそんな

「遊んでないならこんなくだらないミスしないって言ってるの。」

「ッ!テメェ…!」

女性の胸ぐらを優也が摑む。

「調子にのるなよ小娘が…!ここで!今すぐテメェを殺したって俺は構わねえんだぞ!?」

すると、優也は首筋に痛みを感じた。

「…ッ!」

先程嫉妬と呼ばれた女性が出したコブラの尻尾の先が透明な注射のようになり、優也の首に刺さっていた。中には赤い色水が入っていた。

「アンタが戦いにガチになれるように、手助けしてあげる。まあ、理性がしっかり機能するかはアンタ次第だけどね。」

「ア…アガガ…ッ!!」

優也は嫉妬から手を離し、頭を抱えて苦しみだした。息を荒くし、目は焦点が合っていなかった。

「〈クレオパトラ〉の『赤の色水』は怒りの感情を刺激する。アンタはあいつらに、何の意味もない怒りを覚えて襲うことになる。」

「ウガアアァァァァァァァァッ!!」

優也は〈シルエッツ〉を身に纏い、マンホールを飛ぶように登っていった。

「ふん、人間なんて感情に振り回されるだけで、動物以上に扱いやすくて助かるわね。」

嫉妬の女性は下水道の奥へと進んでいった。

 

 

「ここまで来れば大丈夫かしら…?」

息を切らしながら、如杏奈は博士と氷室に問いかける。〈マイリー・サイラス〉から一度逃げ、先ほどの場所とは遠くの路地裏に隠れていた。あのまま道路付近で戦っていれば、一般人に被害が及ぶ可能性があった為だ。

「おそらく、逃げ切ったかな?」

「…逃しはしない。必ず始末する。」

「「「!?」」」

声がした方向に振り向くと、粘着質にした壁を貫通して男が現れた。

「バカな…!粘着質の壁を限界まで押して貫通までできると言うのか!?」

「〈コールド・プレイ〉!」

氷室がすかさずスタンドで攻撃するが、男性も落ち着いた様子で〈マイリー・サイラス〉を出し攻撃を受け止めた。

「ク…ッ!」

「フンッ!」

〈マイリー・サイラス〉で〈コールド・プレイ〉の胸部に拳を叩き込む。氷室がふらついた背後から如杏奈と〈クリエティア〉が飛び出し、〈マイリー・サイラス〉の脇腹に拳を入れる。

(入った!確実に奴に一撃入れることが…!)

だが、空中から当然飛んできたモノに、〈クリエティア〉の拳は弾かれてしまった。

『何イィィッ!?』

それは、三発ほどの弾丸だった。〈マイリー・サイラス〉の開けた穴から、一人の男性が現れる。その手には、名前は分からないがピストルを持っていた。

「手を抜かずに仕留めろよ、ラーヴ。」

「…ふん。こんな奴ら、本気を出すまでもないと思っていたのでな。」

「そうかい。」

すると、〈クリエティア〉が地面を殴りつける。すると、地面に使われている物がトゲのような形に変わり、ラーヴと呼ばれた男ともう一人に迫った。

『お喋りしてる暇があったら!これを避けてみやがれぇ!!』

すると、先程現れた男性のスタンドが姿を現し、トゲを殴りつけ破壊する。

「調子に乗るなよ、小娘のスタンドごときが…。」

男性は拳銃を自身のスタンドに向けて二発、発砲した。弾丸は男性のスタンドの背中に命中することなく、弾数を増やして( ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)貫通した。

「〈ジョン・オーツ〉。一発の弾丸を3つ、二発だから六発に『複製』した。」

『何ッ!?弾丸を複製!?』

スタンドを貫通し増えた弾丸は、その射線に立っていた〈クリエティア〉に向かって飛んできた。クリエティアは咄嗟に急所に向かってきた三発は弾けたが、残りの三発が命中する。

「『ああっ!」』

如杏奈と〈クリエティア〉は同時に叫び声を上げ、地面に膝から崩れ落ちた。

「く…っ!」

如杏奈はすぐに立ち上がろうとするが、膝から下の地面が粘着質になり、足を貼り付かせていた。

「し、しまった!逃げられないッ!」

すると、先程スタンドを〈ジョン・オーツ〉と呼んだ男性が弾が入ったマガジンを装填する。

「これで始末は完了だなラーヴ。やはり完璧にこなせるってのは、気分が良い…。」

「油断をするな馬鹿野郎。自分のスタンド能力を自分からベラベラ喋りやがって。」

「お前は相変わらず俺に反論してばっかだなぁ〜。なんだあ?俺のこと嫌いなわけ?」

「少なくとも好きの部類には絶対に入らん。」

「かぁ〜、そういうとこだぞ、お前の悪いとこ!俺が来てなかったら勝ててたのかぁ?ん〜?」

「時間はかかっていただろうが、勝っていた。」

「けー!この自信過剰がよぉ〜!」

如杏奈達そっちのけで、二人は会話を交わしていた。

(今のうちにどうにかして…!)

その瞬間、氷室に向かって弾丸が発砲された。弾は氷室の〈コールド・プレイ〉の肩を貫き、氷室にダメージを与える。

「ぐあぁ…ッ!」

「動くな。今度は確実に急所を撃つぞ。」

氷室はそのまま動くことができず、膝をついた。博士も動くつもりだったらしいが、抵抗できないと分かり動きを止めた。

(どうしよう……私一人が動けない以上、二人にどうにか動いてもらわないといけないのに……。このまま何の抵抗もできずに逃げるなんて、私はまっぴらごめんだわ!)

すると、銃を持った男性が銃口を博士に向ける。

「とりあえず一人…このヒョロッちい奴、頭良さそうなこいつを先に殺るか。」

「勝手にしろ。俺は…この女を殺ろう。」

「不味い…ッ!」

如杏奈が咄嗟に頭を庇う。

「うーん、この辺だと思うんだけどなぁ。」

この季節には合わない、黒いコートを羽織った男性が路地裏に顔を覗かせる。軽い口調の割に顔はイカつく、ぱっと見はヤクザの若頭、と言った風貌だった。

「…あ?」

「ひえっ。」

〈ジョン・オーツ〉の男は銃口を向け、その男性にゆっくりと近づいていった。男性は小さな悲鳴を上げたが、何処かふざけたようにも聞こえた。

「おいテメェ。会って急に悪いが、どっか行ってくんねえかな?今取り込み中なんだよ。」

「ええ、そんなこと言われたって自分たまたま通りがかっただけですし?」

〈ジョン・オーツ〉の男は黒い男性の額に銃口を押し付けた。

「ああ?俺の言うことが聞けねえのか?」

「ああ…どうしてもそれは聞けませんねぇ。」

男性は腰につけたベルトから銃を取り出す( ・ ・ ・ ・ ・ ・ )

「博士くんの手助けに来たからね。」

「何ッ!?」

男性はすぐさま発砲し、〈ジョン・オーツ〉の男はそれをスタンドで弾く。すると、軽やかな動きで黒い男は相手の右腕に触れる。

「コオォォォォォォォッ!」

すると、男性の身体から光が走り、敵の男の腕に電撃のような衝撃を与えた。

「ぐああぁぁぁぁぁぁ……ッ!!」

黒い男は男性から離れ、ラーヴに向かってまっすぐ蹴りを飛ばす。

「ぬぅっ!」

黒い男は博士の横に立ち、助け起こした。

「ほれ起きな、博士君。寝てる暇ないよ。」

「あ、アンタ…誰?」

如杏奈は膝から上の体をどうにか起こし、男性に向かって問いかけた。

「ん?俺?あれ、博士君から聞いてなかったかな。新しいスタンド使いの助っ人がSPW財団から派遣されるって。」

「す、助っ人!?」

すると博士が頭を掻き、バツの悪そうな顔をする。

「さっきはそれを話そうとしてたんだよ。でもまさか、貴方がこんな早く来るなんて思わなかったよ、アルファさん( ・ ・ ・ ・ ・ ・ )。」

「ハハハッ、俺は早めに動く人なのよ。」

「アルファ…?」

これが、ジョジョ達の新たなる仲間、「アルファ」との最初の出会いだった______。

 

 

______________________

 

〈クレオパトラ〉

本体・哀川(あいかわ)緋雨(ひさ)

17歳女性 性格:卑屈。嫉妬深い。

破壊力E

スピードC

射程距離A

持続力A

精密機動性A

成長性D

能力解説:金でできたコブラ型のスタンド。身体に内蔵された色水を相手の体内に注入することにより、相手の感情の一部に干渉し操作する。中の色水によって刺激する感情が違う。

 

〈ジョン・オーツ〉

本体・ニル・パトリック

破壊力B

スピードA

射程距離D

持続力B

精密機動性C

成長性B

能力解説:触れたものや自身を貫通したものを「複製」する人型スタンド。殴りつけた拳を複製し、殴りつけた後即座に消す、といったことを繰り返すことで、2倍の回数攻撃することができる。

 

 

 

……To be continued




ハイ。
16話のあとがきでございます。
いやーもう16話って、なんだか早い気がします。
もっとしっかり日時とか決めて投稿すればもっと多いんでしょうけど笑
私は基本ノンビリ屋なのでご了承ください。
では今回のあとがきはこの辺りで。
誤字の報告や「ここ変じゃね?」「ここ直した方が…」などのコメントをくだされば、作者のモチベに繋がるのでよろしくお願いします。
では。

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