[二次創作] ジョジョの奇妙な冒険 〜フォールボックス〜 作:ウニ野郎
もう18話!?
とある杏町の住宅街。そこには他の家よりも少し大きい、つまりお金持ちの家があった。
「おはよう、アナタ。」
「おはよう。」
その家は[
「それじゃあ、行ってくるよ、志得。」
「いってらっしゃい!お父さん!」
志得は元気よく父に抱きつく。晴夫は優しく志得の頬にキスをして仕事にでかけた。
晴夫は仕事場への行き道で、一人つぶやいていた。
「志得ももう10歳か……なんだか感慨深いものだ。自分の愛する者がすくすくと成長していくのは…。」
晴夫が仕事場への道を歩いていると、後ろから肩を叩かれる。振り向くと、紫色のパーカーを着た少年が立っていた。
「…ヴィオットか、どうした。」
「…〈シルエッツ〉が敗北した。〈マイリー・サイラス〉と〈ジョン・オーツ〉は無事だがな。敗北した時の戦い方を見る限り、〈クレオパトラ〉に利用されたんだろうな。」
その言葉を聞き、春夫は拳を握る。晴夫の袖から一匹のコオロギが落ちた。次々とコオロギがボトボトと落ち、地面に山のようなコオロギが現れた。それは起き上がり周りをガサガサと動き回り始めた。
「おっと。アンタのスタンドはバレてるんだ、偵察向きじゃないだろ?やめときな。」
「…そうだな。では、本日の夜8時頃に集まれるだけ同志達を集めておいてくれ。次はこちらがどう動くかを決めるぞ。」
「りょーかい。」
その夜。志得は学校で体育の授業をして疲れていたため、晴夫が仕事から帰った頃にはすでに眠っていた。
「志得…起こしては悪いな。静かに食事をいただこうかな、祥子。」
「ウフフ、そうですね、アナタ。」
平穏な家族の光景。
誰もが認めるであろう幸せなこの家族。
だが、そんな幸せにはいつか
「ん…トイレ行きたくなっちゃった……。」
トイレに起きた志得は、普通にトイレに行き戻ってくる。だが、通り道にふと違和感を覚える。
「リビング…電気がついてた…?」
志得がゆっくりリビングに戻る。そこには晴夫がおり、スーツを着ていた。この時間に仕事というのは、志得でも流石におかしいと感じた。
(お父さん、こんな時間にどうしたんだろう?)
晴夫がリビングの電気を消したので、志得はとっさにドアの後ろに隠れる。晴夫はまっすぐ玄関から出ていった。どうしても気になってしまった志得は、パジャマのまま後ろを追いかけた。
晴夫はいつも通りの仕事場への道を途中から外れ、路地裏を何度も通っていった。
「お父さん、こんな道通って何処に行くのかな…ハッ!?まさか、浮気相手の所!?」
少女特有(?)の妄想をしていると、鈴のような何かが動く音が聞こえた。音のした方を見ると、晴夫が薄暗い建物に入っていく所だった。扉の横に[Bar]と書いてあったから分かったが、その店は相当前に営業をやめていると立て看板に書いてある。
「……?」
志得が覗き込むと、そのお店には何人か人が入っていた。晴夫含め、紫色のパーカーを着た男の人、黒いローブを着て顔の見えない男に、一人だけ白髪の黒人男性が混ざっていた。そのbarの真ん中には真新しいテーブルが置かれており、その上には石製に見える、大きな箱が置かれていた。
(何、あれ…っ?)
すると、紫色のパーカーを着た男がテーブルを蹴りつけた。
「どんどんスタンド使いが敗北していくぞ!このままではこの[箱]に近いうち辿りつかれる…そうすれば、[箱]は奴らの物になってしまうぞ!どうするんだ晴夫!」
晴夫はパチンと指を鳴らす。すると、コーヒーの入ったカップがカタカタと揺れながらひとりでに動き出した(実際は晴夫のコオロギ達が運んでいるのだが、志得には見えていないため動いて見えている)。
「な、なにアレ…!?」
「うむ…。この[箱]、スタンドを目覚めさせる以外に何かないのか?」
白髪の黒人男性が箱を眺めながら晴夫に聞く。
「簡単に言えば、我々が人を『超える』には充分なほどの強い『エネルギー』を秘めている…。この力さえあれば、『世界』を支配できるやもしれぬ程に、な……。」
すると、ゴミ箱に向けてパーカーの男が唾を吐き捨てた。
「そんな憶測で動いてるわけじゃねえだろ、確信をつけ確信を。」
「……[箱]の心理を知るのはまだ先だ。今知ったところで、完全に開けることが出来ていない以上意味はないからな。」
志得は話を聞き、ゆっくり後ずさりする。
(お父さんの言っていることが理解できない…世界を、支配?なんで?そんなことをして、なんになるのよ……。もう、帰ろう。家に帰って、明日お父さんに聞いてみよう。今は……周りの人が、怖いから近づきたくないし……。)
志得が店に背を向けて歩き出す。すると、店の中からけたたましい鳥の鳴き声が響き渡る。
「ギョエエェェェェェェッ!!」
志得が店の方を見ると、店の中にあった鳥かごの中にいたカラスがが鳴き叫んでいた。
「『傲慢』!あまり騒ぐな!人が来たらどうす…」
傲慢と呼ばれたカラスはカゴの中にあった止まり木がわりの棒を口で外し、首を捻って投げた。投げられた棒は志得の足元に大きく音を立てて落ちた。
「きゃっ!」
志得は声を出してしまった。口を抑えるが、すでに手遅れになっていた。
「そこにいるのは何者だ!」
志得は手遅れだと気づきていたが、冷静な判断が出来ずそこから走り逃げ出した。
「おい…!」
「お待ち下さい。」
白髪の黒人男性が追いかけようとした晴夫の肩を掴み止める。晴夫はチラリと男性を見る。
「なんだ?アーロンKよ。」
アーロンKと呼ばれた男性は、背中に背負っていたリュックを漁りだした。アーロンはリュックから大きな、だがなんの変哲も無い石を取り出した。
「今の者の『匂い』を、我がスタンド〈ウォリー・ロック〉に覚えさせて追跡させましょう。必ずや始末するには、ソレが一番かと…。」
「……分かった。お前に任せよう。」
追って来ていた者がまさか自分の娘とは思っていない晴夫は、〈ウォリー・ロック〉での追跡を許可するのだった。
あの後志得は家に無事帰る事ができたので、志得はそのまま布団に戻り眠りについたのだった。
次の日。土曜日だったため志得はのんびりしようと思っていたのだが、母におつかいを頼まれ出かけていた。
「昨日のこと…相談できる人がいないなぁ。やっぱりお父さんに直接聞く…?でもなぁ…。」
志得が顎に手を当てて考えていると、足元からゴトリと重い音が聞こえてくる。
「え…っ?」
志得が足元を見てみると、そこには石があった。その石はまるで犬のような形に組み立てられていた。
「これ、何…っ?」
『ゴルルルル……ッ!』
犬の口部分が横に裂け、石の牙が現れる。それは志得のふくらはぎに勢いよく噛みついた。志得の足から勢いよく血が吹き出す。
「キャアアァァァァァァァァッ!!」
志得はその石が口を開けた瞬間に足を引き抜いた。血は止まらず流れ続ける。
「おやおや?君が昨日の覗きかい?」
後ろから声が聞こえ、志得は怯えながら振り返る。そこには、あの時の黒人男性が立っていた。周りには犬と同じく石でできた生き物のような物がいた。
「こんにちは。私はアーロン・K。この子達は私の〈ウォリー・ロック〉。とても優秀な我が能力です。それはそれとして貴女……先日私と仲間のいたBARにいましたね?」
「な、何よそれ、知らないわ!」
志得は涙目になりながらもしらを切る。
「おやおや…ではおかしいですねぇ。私のスタンド〈ウォリー・ロック〉は先日現れた人物の匂いを覚え、ここまで追って来たというのに…勘違いなんて、するでしょうかぁ…?」
「…ッ!!」
すでに正体がバレている…それに気づいた志得は足に力を込めて走り出した。噛み付かれたふくらはぎが、地面を蹴る度に鋭い痛みが走る。
「おやおや、逃げるんですか?匂いを覚えている以上、無駄な行為に過ぎないというのに。」
アーロンはリュックから石を取り出した。すると、アーロンが持った途端、粘土のように柔らかくなり、アーロンはそれをちぎったりこねたりして形を作っていく。完成したのはスズメのような形をしていた物が3つだった。大きさや形はスズメだったが、クチバシは本来のスズメの何倍も長く鋭利になっていた。
『グルロロロロロロッ!!』
スズメの形の石が低い鳴き声をあげて空に飛び上がった。そのまま旋回し志得の後を追う。
「私の〈ウォリー・ロック〉は元が本物の石なので一般人にも見えるのが難点ですが…。問題はないでしょう。」
すると、アーロンは地面に飛び散った志得の血に手を触れる。手のひらにベッタリと鮮血がついた。
「おやおや、こんな痛々しい…ですが、まさかあの時の人物があんな小さな少女だとは……。」
アーロンは血をしばらく眺めていたと思うと、おもむろに舌で舐め出した。
「ぺろぺろぺろぉ……。ふふふ、あのように小さき子を痛めつけることほど
アーロンが立ち上がると、誰かに後ろから肩を掴まれる。振り向くとそこにいたのは警官二人だった。近くの交番から来たのだろうか。
「君、こんなところで何をしているんだ!その血は一体誰の血だ!?怪我人は何処だ!?」
「……。」
警察があれこれ質問するが、アーロンは聞く耳持たずと言った様子で石を粘土状にしいじっていた。
「おい!聞いているのか!おい!」
警官がアーロンに詰め寄ろうとした瞬間、アーロンの手から何かが飛び出した。それは、粘土状の石を棘の形にしたものだった。それが警官一人の顔に三本、突き刺さった。
「ぐぁっ。」
「き、貴様!警官を襲ったな!公務執行妨害だ!」
もう一人が警棒を取り出そうとした瞬間、頭の上から先ほどのスズメの一匹が降ってきた。形を変えているとしても石は石。脳天から降ってきて無事でいられるはずはなかった。
「ぐあぁッ!」
「おやおや?どうかしましたかー?」
アーロンはとぼけた反応をしながらその場を去っていった。スズメは先ほど同様空を飛び、棘は警官の顔からひとりでに抜け、地面を這っていく。
「匂いを覚えているのは少女一人。さあ捕まえて来なさい!捕まえた後は私が楽しみます…ッ!」
アーロンが指についた血を再び舐めた。
「ハア、ハア…ッ!」
志得は慌てていたため、家とは反対方向の方向に向かって走ってしまっていた。石でできた犬、スズメが素早い動きで追いかけてきていた。
「いや…なんで私がこんな目に!」
志得は、視界の端に入った消火器を持って足に噛み付こうとしてきた犬を殴りつけた。
『グルォッ!!』
犬は粉々に砕け散った。だが、スズメは変わらず追いかけてきている。
「に、逃げなきゃ…!お父さんやあの黒人の男の人にこんな力があるんだから…何処かに、同じ力を持った人たちがいるはず!(確証はないけど…。)その人たちに助けを求めれば、逃げ切れるかもしれない!」
志得が路地裏を抜け、人通りに飛び出す………ことはできなかった。石の棘が人通りの方から飛んできた。
「キャァッ!」
志得はそれをとっさに避けた。すると、何者かに首根っこを引っ張られ路地裏に戻される。
「追いつきましたよ、お嬢さん…。」
「い、いやぁぁぁぁっ!!」
志得を引き戻したのは、アーロンだった。
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〈ウォリー・ロック〉
本体・アーロン・K
28歳男性 ロリコン 口癖「おやおや?」
破壊力B
スピードC
射程距離A
持続力A
精密機動性D
成長性D
能力解説:自身が触れた石を粘土状にし、形を変えて操作する能力。対象の「匂い」を覚えて追跡する遠隔操作型。動いてる間は元の石の硬さとなる。どんな形であろうと低音で「ゴルルッ」という鳴き声をあげる。別に動物型でなくとも良い。
……To be continued
あとがきです。
少し投稿をサボりすぎて、「次は早くしないと!」と思って頑張ったつもりでしたが、やはり自分にはのんびり更新が性に合ってるようです笑。
さて18話、如何でしたでしょうか?そろそろ[箱]にガンガン触れても良いかな?と思い始め、結局触れることになりました。
アーロン・Kに関しては、もう少しマシな性格に出来ただろ…と執筆時の自分にツッコミをかましていました。(変える気0ですが)
まあとりあえず、次の話から更に[箱]について触れて行こうかと思っています!では、次回のあとがきにてお会いしましょう!
(`・ω・´)ノシ