[二次創作] ジョジョの奇妙な冒険 〜フォールボックス〜   作:ウニ野郎

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前回の続きです。
当たり前か。


II 幽波紋

(からもも)町、三丁目のカフェ「夜露死苦(ヨロシク)」。元ヤンの店長が入れる珈琲は何故か美味いと評判の店である。

「…まず、君にもスタンドについて説明しておこうと思う。」

先程、謎の虫のような生き物を体から出したこの白衣の青年。あの生物についてなにか教えてくれるらしい。

「先程言った、これは幽波紋(スタンド)。その人の精神エネルギーが形となり、本人の背後に現れる。名前の由来は後ろに立つ『像』から来ているとも言われている。…質問はあるかい?」

丈惟は顔を上げた。

「さっき、これは同じスタンド使いにしか見えないって言ってたよな…?じゃあ、なんで俺にも見えてるんだ…!?」

丈惟は霊感が強いわけでも、特殊な能力があるわけでもないのに、スタンドが見えていた。それは自分が普通ではないということだ。

「君の場合、まだ目覚めていないだけで、スタンドはいる(・ ・)。君自身、いることに気づいていないだけさ。」

丈惟はただ彼の話を聞くことしかできなかった。

「…そうだ、自己紹介が遅れたね。僕の名前は

(あかつき )博士(ひろし)。一応18歳。スタンドについて調査しているとある財団の研究員さ。」

 

財団?研究員?何を言っているのかはサッパリだが、彼の言う調査をわざわざこの町にしにきたというのだろうか?そうだとしたらその財団とやらは相当ヒマなようだ。この町には今の今まであんな力を持つ者はいなかった。何処かからきたとしか思えない。

「君、この「箱」を見たことはあるか?」

「何?」

博士が出した写真に写っていたのは、その町の博物館にある[破滅を呼ぶ箱]だとか呼ばれてる展示物だった。いや、とても似ているが、少し真新しいようにも見える。

「これは…町の博物館にある展示物だぜ?これがどうかしたってのか?」

博士は珈琲を啜る。

「…最近分かったことなのだが、この箱はスタンドを目覚めさせる(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ )エネルギーを発していることが分かったんだ。」

「スタンドを…!?」

「そう、そして昨日、この箱が博物館から盗み出されたそうだ。」

丈惟は少し考え、

「急に現れたスタンド使い…スタンドを目覚めさせる箱…盗まれた…まさか…!?」

「そう![破滅を呼ぶ箱]、通称『災害(カタストロフ)』はこの町の何処かで開かれようとしている!!」

それが事実なら一大事だ。はやく町中を探して箱を見つけなければ、大変なことになる。

「丈惟くん、君には[箱]の捜索の手助けをしてもらいたい。君はこの町について僕より詳しいんだから。」

「あぁ、この町は俺も嫌いじゃあない。協力させてもらうぜ。博士…。」

その直後。

 

「ああああああああああ!!」

「「!?」」

店員の一人が大声を上げた。食い逃げでも出たのかと思ったが、そうではなかった。

「なんだこれ!?なんだよこれぇぇぇ!!」

店員に何かがくっついていた(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)。ぱっと見は…ゴキブリのようだったが、その虫が放つ音は、

「コオロギ?こんな時期に?」

今はまだ暑い日が続くような月である。そんなコオロギが現れるような時期ではない。

すると、コオロギから声が聞こえた(・ ・ ・ ・ ・ ・)

『箱を探る者を探している。何か知らぬか?』

 

「ヒィィィィなんか言ってるぅぅぅぅぅう!!」

 

店員はパニックになって答えることはできていないし、虫のほうは『箱を探る者を… と同じことを何度も繰り返している。

「博士、あれって…!」

「ああ!『スタンド』だ!!」

すると、その虫が同じことを5回ほど繰り返したと思えば、『お前は知らないのか?ならば、もういい(・ ・ ・ ・)。』

その瞬間、コオロギ特有の羽音が聴こえてきた。

「へっ…?」

すると、店員の頭が突如膨れ上がった(・ ・ ・ ・ ・ ・)

「へっ…ギャァァァァ!!!」

店員が叫び声をあげると同時に、店員の頭が大きな音を立てて吹き飛んだ。辺りに鮮血が飛び散った。

 

『うわぁぁあああぁぁぁぁぁぁ!!』

 

他の客が一斉に叫び、逃げ出し始めた。先程の虫は一体どこにいったのか、調べようがなかった。

「く…!さっきの虫はどこいった!?」

 

「じょ、丈惟くん!!こっちだ!」

博士が指差したのは、先程の店員の死体だった。何があるのかと近づこうとした瞬間、死体が少し動き、こちらはとっさに動きをやめた。

『お前らは我々が見えているのかぁぁぁっ』

「我…我々?」

すると、死体の中から無数のコオロギが姿を現した。数は見る限り500近くはいる。その光景に恐れおののき、鳥肌がたった。

「な、これが全部、スタンドだっつうのかよ…!」

「スタンドには軍隊型も存在する。これは…遠隔操作型か!」

すると、そのコオロギの集団が一斉に羽音を出した。

『砕けよ…!』

すると、店の壁がメキメキときしむ音を立てながら砕け散った。

「っ!?コイツ…羽音が武器なのか!?」

『逃すなっ!』

そのコオロギのようなスタンドは、一斉に空中に飛び、丈惟と博士に向かってきた。

「丈惟くん!一度逃げよう!!」

すぐに店の扉を突き抜けて走り去る。振り向かなくても虫共がすぐそこまできていることは気配と羽音で察することができた。

「どうするんだ!あれも潰せば本体にダメージが行くのか!?」

「遠隔操作型の複数タイプ…恐らく、2、3体潰したところで本体は痛くも痒くもないと思う!」

「とりあえず、人が少ないところに逃げよう!」

 

 

「はぁ、はぁ…っ!」

三丁目の路地裏。壁にはヤンキーがかいたと思われる低レベルな悪口とヘンテコならくがきでイッパイだ。

『見つけたぞ…!』

「「!?」」

500近くのコオロギの集団に追いつかれた。こうしてみると、ただのゴキブリの集団にしか見えない。

「お前のスタンド…ペンディング、だっけ?それでこいつらを追っ払えねえのか!?」

 

「すまないが、僕の『ペンディング』は相手からきた衝撃を保留にして放つ能力。自分だけの攻撃は速度も足りないしそもそも威力が絶望的なんだよ。」

すると、虫どもが突如進行を止めた。そして、先頭にいた一匹が話しかけてきた。

『汝らが[箱]への関与を止めれば、ここで我々は襲撃をやめよう。ただし、次に発見した時はその場で殺す。』

博士は冷静に考えながら、内心は焦っていた。

(僕のペンディングは、相手の攻撃の衝撃を「保留」して別のところに放つ能力。はっきりいって物理攻撃ではないこの虫達にはとてつもなく相性が悪い。丈惟くんはスタンドを持っていないし、この状況、僕たちがかなり不利だ……!)

『特に小僧。お前はまだ学生であろう?こんなところで大切な人生の幕を閉じるのはどうなのだ?』

博士が丈惟の方を見ると、丈惟は何やら悩んでいた。

(何を悩んでいるんだ!?ここで襲うのをやめたとしても、スタンドが見える以上いつどこで殺されるかわからないんだぞ!?いやそもそも、ここで見逃すという言葉すら信じていいのか怪しい!どうするんだ!?丈惟!!)

 

「…俺の名は、停城 丈惟(ていじょうじょうい)。歳は17だ。好物はグラタンで、焼き魚がいまだに苦手で食えねえ。」

「『は?』」

その虫と博士は、まったく同じ反応をした。それもそうだ、突然自己紹介を始めたのだから。

「10月生まれのサソリ座で、何事も最後まで取り組むってところが長所だ。まあ、なんでか学校はそこまで真面目に取り組めねえんだけどよ…。」

『貴様、意味のわからんことを続けるのなら、この場で即、攻撃するぞ!』

虫が脅した瞬間、丈惟は頭を掻いてから叫んだ。

 

「そんな俺が嫌いなものはっ!!人を平気で傷つける( ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ )お前のような奴が(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ )ヘドが出るほど嫌いだ!!」

 

叫んだ丈惟に、虫が少しひるんだ。

「…博士。手、出すんじゃぁねえぞ……。」

そう言うと、丈惟はまっすぐ虫達の方に歩いていった。

『ふん!バカめ!』

虫達が飛び上がっても、丈惟は自己紹介のようなものをやめなかった。

「俺のポリシーは、どんな強い相手だろうと弱い相手だろうと公平(フェア)な状況で相手することだ!」

そう叫んだ瞬間、丈惟の背後から、ソレが現れた(・ ・ ・ ・ ・ ・)

「っ!あれは!」

『ムッ!?』

それはところどころに正方形の鎧をつけた、屈強な男性のような()だった。

「スタンドは一般人には見えねえ!俺は見えるだけだった(・ ・ ・ )!それはどう考えても…!」

丈惟のスタンドは、すごい速度で右の拳を虫達にぶつける。その直後にすぐさま左の拳を叩きつける。

 

「フェアじゃあねえよなぁぁぁぁぁっ!!」

 

『ウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラァッ!!』

ものすごい速度で拳が放たれ、虫を一匹、また一匹と叩き潰していく。みるみる内に虫たちは減り、ついに10数匹だけが残った。

『バ…バカな…!?』

博士がすぐに丈惟のもとへ走っていった。

「丈惟くん!どうやってスタンドを…!?」

「ん?ああ、これ?なんか…あの虫を一つ残らず叩き潰したいと思ったら…なんかでた(・ ・ ・ ・ ・)。」

「…はあ?」

そんな無茶苦茶な。だが事実こうして出ている辺り、本当に無意識に発現したのだろう。

「…俺のこいつにも、特殊能力ってあんのかねぇ…。」

丈惟が一人でブツブツいっていると、虫の一匹がこっそりと逃げ出した。それをすぐに博士が気づいた。

「丈惟くん!虫が逃げるぞ!!」

「なにぃ!?させるかよ!」

そう叫んだと同時に、残っていた虫10数匹が邪魔をしようと飛び上がった。

『足止めさせてもらうぞ!』

「…ウラァッ!」

すると、丈惟のスタンドは何故か虫たちではなく、壁を殴りつけた(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)

ゴゴゴゴッ…

『!?』

すると、壁に正方形の線が現れたと思ったら、壁が沢山のキューブ状にばらけた。それが降り注ぎ、虫を次々に潰していった。

『何!?まさか!これが丈惟のスタンド能力!【殴った物をキューブ状に解体(・ ・)する能力!!】』

 

そう叫んだ最後の虫も、落ちてきたキューブに潰され、なにも言わなくなった。

「チッ、一匹逃しちまったようだな。」

 

「すごい…直感だけで、スタンド能力を上手く使いこなすなんて…!」

すると、丈惟は振り返って笑い、

「これで、俺は戦いから逃げられなくなったな。」

「丈惟くん…。」

博士は、驚いていた。これから、命をかけた戦いに巻き込まれると分かった上で、その笑顔を見せられる彼の心の強さに驚いた。

「あ、博士。仲間になった上で言っときたいことがあんだけど…。」

「ん?なんだい、丈惟くん。」

「その、一応歳近いわけじゃん?」

「うん…。あ、もしかして。」

「丈惟「くん」じゃなくてさ、丈惟で良いよ。俺もその方が話しやすいし。」

案外どうでもいいことを気にする彼に、つい笑いがこみ上げた。

「な、なんだよ。」

「ふふっ、いやなんでないよ。呼び方か…そうだなぁ…。」

すると博士は、丈惟に向けて手を差し出した。

「…おん?」

「信頼の証拠の握手さ。宜しくね、ジョジョ(・ ・)。」

「はあ?ジョジョぉ?なんだそりゃあ?」

「『停() ()惟』だからジョジョさ。あれ、気に入らなかった?」

丈惟は少し黙ってから

「いや、良い。おしっ!俺はジョジョだ!宜しくなぁ!博士!」

「僕はそのまんまかい?」

「俺あだ名のセンスねーからな!」

「ははっ!」

すると、背後から岩がひきづられるような音がした。振り向くと、先程丈惟のスタンドがキューブにした壁が、元の状態に戻り始めていた。

「へえ、キューブにしたものは元の状態に再構築されるんだ。証拠隠滅にはいいね。…あ、そうだ。」

博士がパンッと手を合わせる。

「ん?どうしたよ。」

「君のスタンドの名前!今思いついたんだよ!」

「俺のスタンドの名前か…よし!聞かせてくれ!」

丈惟はワクワクしながら耳を傾ける。

「君のスタンドの名前は…『ミントメイトボックス』…でどうだい?」

「ミントメイト、ボックス…うん、気に入った!よっしゃぁ!宜しくな!M2(ミントメイト)ボックス!」

 

こうして、新たな力を手に入れ、益々危険な世界に足を踏み入れたジョジョであった______

 

______________________

 

スタンド「ミントメイトボックス」

本体・停城(ていじょう)丈惟(じょうい)

18歳男性 口癖:「対等(フェア)に」

破壊力B

スピードA

射程距離C

持続力A

精密機動性B

成長性B

 

スタンド「保留(ペンディング)

本体・(あかつき)博士(ひろし)

18歳男性 長所であり短所:探究心のつよさ

破壊力D

スピードC

射程距離C

持続力A

精密機動性C

成長性B

 

________________________

 

 




どうもアトガキです。
第2話、如何でしたでしょうか。
虫のスタンドについては
いつかわかるので、ご安心を。(なにを)
誤字脱字などの報告してくださるととても嬉しいです。
では、第3話のあとがきにてまたお会いしましょう!
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