マテリアル三冊で4800円 サイトによっては二冊で10000円 転売屋めぇ
元値で注文できて良かった 入金したし待つだけだ
弟に色々うるさく言っている俺だが、まだまだだと思い知らされる事が結構有る。ハニーとの組み手では1%の力を出されただけで一分程度で惨敗だし、悔しいぜ。
「私、これでも神の中でも強い方デース。気にしないで、レーカン。貴方は絶対私より強くなれるから」
聞いた話じゃ昔はハーデスとかと互角だったとか。だけどよ・・・・・・・男なら惚れた女くれぇ守りたいじゃねーか。頑張って強くならねーとな。
「ンー! やっぱりレーカンの料理は最高ネ。いくらでも食べられるヨ!」
「そーかい、そりゃ結構だ。好きなだけ食べな。俺はハニーの食べる姿も好きだからよ」
休日はダチと遊ぶかイッセー達の相手をしてやるか、こうしてハニーとのデートに使うかが殆どだ。この前は映画館でハニーが観たがったラブロマンス観て、その前はハニーのお気に入りの湖で泳いだっけな。
俺しか居ねぇからって素っ裸で泳ぐハニーについつい見惚れちまって、視線に気付いたハニーが手で胸を隠しながらスケベとか言ってきたりと楽しかった。あー、うん。照れてるハニーも最高だな。
「・・・・・・・そーいう事、他の女の子にも言ってない?」
「ん? 惚れた女はハニーだけなのに何で言う必要が有るんだ?」
知り合いの女は大体ダチだし、ダチにはそういうこと言わねーだろ、普通。
「馬鹿・・・・・・・」
ハニーは俺の肩に顔を押し付けて隠しながらペチペチと叩いてくる。なーんか変な事言ったかねぇ。惚れた相手に惚れただの好きだの言うのが恥ずかしい事か? イッセーだってチビの時、彼奴に告白してたしよ。・・・・・・・今はヘタレだがな。
「ねぇ、お願いが有るのだけど。・・・・・・・膝の上に座って良い?」
俺が無言で膝を指さすとハニーはぎこちない動きで足の間に座り込む。背が高い野を気にしてるハニーはこういうシチュエーションを小説やらドラマで知って憧れてるんだっけな。まあ俺の方がデケェから何の問題もない。
「今の私の顔、絶対に見ないでね。真っ赤になって酷くなってると思うから・・・・・・・」
俺はそんな程度で気にしたりしねぇんだが、ハニーが見て欲しくねぇんなら我慢しますかね。直ぐ近くにいるのに顔が見られねぇのは残念だがな。
あの後、お返しにってハニーの膝枕で昼寝したり、ボートに乗ったりしたんだが、帰りに急に雨が降り出しやがった。予報では降る確率は低かったのによ。
「折りたたみ傘持ってきて良かったネ」
相合い傘をしながらゆっくりと歩く。二人の肩が触れあう距離で、俺は傘を片手に家を目指していた。しっかしハニーは準備が良いな。でも、少し小さいか?
ハニーが濡れないように傘を傾ける。俺の肩が少し濡れるが、まぁ構いやしねぇ。・・・・・・・でも、ハニーはお気に召さないようだ。不機嫌そうな顔を向けて来やがった。
「もー! レーカンは乙女心が分かっていないデース! こういう時は他にも方法が有りマース! 肩を抱き寄せるとか・・・・・・・こうするとか」
ハニーは俺の腕に抱きつくと肩に頭を乗せるようにして密着してくる。腕に伝わる胸の感触やら鼻孔を擽る良い匂いやらで俺は胸が高鳴るのを感じていた。勿論、俺の分だけじゃなくて・・・・・・・。
・・・・・・・そーいやハニーって雨と風の神だったよな。
「あの、イッセー先輩。本当に大丈夫なのでしょうか・・・・・・・」
心配そうに訊いてくる小猫ちゃんに多分大丈夫と少し情けない顔で笑いかける。これから俺達がやろうとしているのは、限りなく黒に近いグレーな行為。言い訳は出来るけど、絶対部長は怒るだろうな・・・・・・・。
「堕天使の幹部コカビエルが教会からエクスカリバーを強奪してこの街に侵入した。此方の要求は一つ。悪魔は今回の件に関わるな」
久々に会った幼なじみのイリナと、其の相方のゼノヴィアは教会からの使者として俺達時にそう告げた。口元にアップルパイの食べ滓が付いていたが、余りに一方的な言い分に俺達は指摘が出来ず、部長は要求が気に入らないのか不機嫌に言い返す。だけどあっちは悪魔がエクスカリバーを教会から奪う事で特をするからと手を組む可能性を指して話を一方的に切り上げた。
帰る時、アーシアに何か言おうとしたゼノヴィア。多分アーシアが元々聖女って呼ばれて崇められていたからだろうけど、兄貴に拳骨落とされた部分が痛んだのか、兄貴が消えたドアを一瞥して帰って行ったんだ。
本当は部室で話し合う予定だったけど、向こうが俺の家が分からずに迷った事と兄貴手製のアップルパイと紅茶でのんびりしていたから、アップルパイ目当てに早めに帰った部長と遭遇して話し合いが始まったからって木場と小猫ちゃんには夜に部室で話したんだけど・・・・・・・木場の様子が一変した。
「僕は復讐の為に生きてきた。エクスカリバーを破壊する事だけが生きる理由なんだ」
部長が止めたにも関わらず二人に戦いを挑みそうだった木場は朱乃さんの雷で気絶させられ、頭を冷やすためにって謹慎を言い渡されている。そして、俺は木場の過去を聞かされた。エクスカリバーの適合者となるべく集められて、失敗だからって処分されたって過去を。
・・・・・・・聖書の神様ってのは何をしてるんだよ! アーシアだって悪魔を癒やす力が有ったから癒やしたんだし、其の実験だって教会の人間がやったそうじゃねぇか! 偉そうに崇められてる癖に、人を不幸にする口実にしかなってねぇ神様なんている意味有るのかよ!?
「・・・・・・・おい、木場。聞いてるか? お前の復讐に力を貸させろ」
次の日、俺は木場のマンションまで小猫ちゃんと一緒にやってきた。部長には嘘ついて合い鍵借りて、椅子に座って死んだような顔してる木場に告げたんだ。
「君達には関係ないよ。これは僕の問題だ」
木場がそういうのも分かる気がする。特に俺はレイナーレに殺されて転生するまで一般人として平和な国で呑気に生きてきた。だから苦しんできた此奴の気持ちなんて分からない。・・・・・・・いや、そもそも自分の苦しみは自分にしか分からない。だから俺は思う。
どんな辛い目にあったって、怨み続けるより耐え抜いて前に進もうって。だからレイナーレを殺さなかったんだ。
「勘違いすんな。俺は俺の為に力を貸すんだ。エクスカリバーの話を聞かされた時、お前は本当に辛そうだった。・・・・・・・俺はもう悪魔だ。両親や兄貴に守ってもらってりゃ良いだけの学生じゃない。だから、本当はお前を止めなきゃならねぇんだろよ。でもな、木場。俺は仲間にあんな顔させる奴を絶対に許せねぇんだ!」
木場は俺達に力を貸させてくれることを承諾して、俺は他に力を貸してくれそうな奴に連絡を入れて待ち合わせ場所で待っていた。
「其れで作戦は有るのかい? 闇雲に探しても部長や教会の妨害にあうだけだよ」
木場も小猫ちゃんも心配そうに俺を見てきている。はっきり言って無茶だと思うけど、目的の物はちゃんと見つけているんだ。
「この先の店に神父服、っぽい服を売ってる店が有るんだ。俺達はこの街に住んでる訳だし、あくまで似ている服を着て街を散歩するだけだ。其れで襲ってきたのを撃退しても約束を破った事にはならねぇよ」
自分でも屁理屈の悪知恵だと思うけど、屁理屈も理屈で悪知恵も知恵の一種だ。最初は悪魔の力じゃなくって伝説の龍の力を貸すって二人に近付く予定だったけど、聖書の陣営って其れまで神聖な扱いが多かった龍を悪役にしたりしたって兄貴から聞いたのを思い出したし、そもそもドライグ自体が結構やらかしたから無理だっただろうなぁ・・・・・・・。
「・・・・・・・幾ら何でもザル過ぎやしないかい?」
あっ、やっぱり? 仕方ないのでもう一人が来てから作戦を考えようってなった時、そいつがやって来た。
「待たせたな、兵藤。そうそう、さっき妙な二人組の美少女が神の僕に御慈悲をって物乞いしてたんだけど、ガラの悪いオッサン達連れた双子っぽい美人に連れて行かれてたぜ」
呑気に話すのが協力者候補の匙。俺は間違っていてくれと願いながら尋ねた。
「・・・・・・・其の双子、タイガーとかジャガーとか呼ばれてなかったか?」
「よく分かったな。栗毛の方にそう呼ばれてたぜ。知り合い?」
ああ、知り合いだよ、畜生!!
意見 感想 誤字指摘お待ちしています
タブレットでかいていると予想外の所に入力されているときが・・・・・・・何故? 指先が触れていたかな