ケツアゴ作品番外及び短編集   作:ケツアゴ

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霊感を期待の皆様すみません 午後から霊感の執筆に入ります ……感想沢山くればやる気アップするかも


悪魔? いいえ、付喪神です(嘘) ②

不審な行動をしている堕天使共の調査を依頼されたワシとヴァーリは奴らが拠点としている廃教会に侵入する事にした。もう一人の弟子は帰るのに時間が掛かるそうじゃからな。待っとれんわい。

 

「ねぇ、師匠。本当にこんな格好で大丈夫なのかい?」

 

「ふふふ、ワシを信じよ。この格好こそが侵入に最も適した服装じゃ!」

 

ワシとヴァーリは風呂敷を顔に巻きサングラスをかけて顔を隠す。こうする事で顔を完全に隠す事ができるのじゃ! ふははははは! これなら見つかっても逃げた先で顔を晒せばバレルまい!

 

「良いか? 見つかったらこう言えばいいのじゃ。 いえ、自分スパイっすから」

 

「流石です! 師匠ぉぉぉぉおっ!!」

 

さぁ! 侵入開始じゃ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの~、貴方達は?」

 

「クッ、見つかったか!」

 

いきなり見つかった!? ぐぬぅ、まさか侵入して一分で見つかるとはぁ。ヴァーリも慌てておるの。安心せい。ワシがついておる。

 

 

「いえ、自分スパイっすから」

 

「あっ、そうなんですね。お疲れ様です。では、私は」

 

ワシらを見つけた金髪のシスターはペコリと頭を下げると遠ざかっていった。ふむ、いい子じゃのぅ。ヴァーリ達も幼い頃は良い子じゃったんじゃが……。

 

「……まさか本当に通じるとは」

 

信じとらんかったんかい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふふ、もう少しで私は至高の堕天使になれるわ。上を騙してまでアーシアを呼び寄せたかいがあったわね」

 

「そうですな。アーシアもレイナーレ様に神器を捧げてて死ぬのですから本望でしょう」

 

……なるほどのぅ。先程の少女の神器を奪う為にこの街に留まっておるのか。さて、一旦引くかの。しかし、此処は埃ぽくて適わん。ク、クシャミが……。

 

「……師匠。こらえてください。クシャミなんかしたら……ブアックション!!」

 

「! 誰!?」

 

み、見つかってしもた! えぇい! こうなったら……。

 

 

「パ、パォ~ン」

 

「なんだ象か……」

 

ご、誤魔化せたか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んな訳無いでしょう!!」

 

その瞬間、ワシラが隠れていた扉に向かって光の槍が飛んでくる。ふん、この程度の攻撃ワシの体で受けるまでもない。ワシはヴァーリの体を掴み、

 

 

 

 

「弟子ガード!」

 

そのまま盾にした。頑丈なヴァーリの体は槍を通さなかったが、少々衝撃は通ったようじゃ。

 

「ぶはぁっ!?」

 

「「えぇ!?」」

 

ふぅ、助かったの。無事で良かった(ワシが)。うん? どうしたのじゃ? ヴァーリ。

 

 

「……師匠。あんな奴らを許しては置けません。少々痛めつけましょう。あの奥義で……」

 

プルプル震えながら立ち上がったヴァーリはワシの後ろで拳を構える。ま、まさか!?

 

「協力奥義! ハンペンマグナム!!」

 

「「「ぐはぁっ!」」」

 

ヴァーリの拳はワシの顔を打ちぬき堕天使共へと飛ばす。ぐはぁぁぁぁっ!! や、やりおったな!?

 

「さっ、ここは一旦引くよ。アザゼルに報告しなきゃ」

 

「うむ。そうじゃな」

 

ワシらは気絶している堕天使達を放って廃協会を後にした。アーシアとかいう少女を助けるべきかとは思ったがワシらは所詮傭兵。勝手な行動をしては今後の仕事に差し障る。……それが分からん愛すべき阿呆もいるのじゃがな。故にワシらは二人だけで拠点に戻り、アザゼルに報告を済ませた。

 

 

「……マジかよ。よりによって魔王の妹が二人居る街で勝手な真似しやがって。あ~、くそ。これが俺が討伐隊を派遣したら余計な刺激を与えちまうし……頼めるか? アーシアの救出と馬鹿共の討伐を依頼したい」

 

「任されよ。……むっ?」

 

奴からメールが入ったの。

 

 

『悪魔の領地で悪魔がエクソシストに殺されかけており、それを止めに入ったアーシアという名のシスターが殴られそうだったので止めに入りました』

 

「……ちょうど良い。 『その娘は保護対象じゃ』っと。思ったより早く来たの」

 

 

 

 

 

 

 

                ★               ★

 

 

 

「やれやれ、女の子に暴力とは感心しないな。神様だってお怒りだよ?」

 

「あぁん? 俺の前で神の名を出すんじゃねぇ!」

 

な、何だってんだ!? いきなり現れたこの男は……。

 

 

 

俺の名前は兵藤一誠。最近悪魔になったばかりの高校生だ。今起きているを簡単に言うと、

 

① 契約を取りに行ったら依頼者が殺害されている。

 

② 犯人が白髪のエクソシストで俺まで殺されそうになったら、この前知り合ったシスターのアーシアが助けに入ってくれた。

 

③ 怒った白髪がアーシアを殴ろうとしたら韓服を着た少年(イケメン)が止めに入った。

 

全く訳がわからないぜ!

 

 

 

「さて、先生から君を保護するようにと言われているんだ。ちょっと大人しくしていてくれるかい?」

 

「わ、私を保護ですか!? は、はい!」

 

イケメンはアーシアを部屋の隅に避難させると白髪の方に向かって拳を構える。

 

「危ねぇ! そいつ銃を持ってるぞ!!」

 

「はん! 今更教えても遅いんだよ! 死ねぇぇ!」

 

白髪はイケメン目掛けて引き金を引く。俺は思わず目を閉じたが何時まで経ってもイケメンの悲鳴も倒れる音も聞こえてこず、恐る恐る目を開けるとイケメンの手には光り輝く槍が握られていた。

 

「甘いね。その程度なら打ち落とせるんだ。さぁ、この最強の神滅具である『黄昏の聖愴(トゥルー・ロンギヌス)』を恐れぬならばかかって来い!」

 

「ち、ちくしょう!」

 

白髪はヤケになったように光の剣を構えるとイケメンに飛びかかって行き、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「米真拳奥義! 米突き!!」

 

イケメンの拳がその腹に突き刺さると同時に……米が出たぁ!? ど、どうなってんだ!? 何で米が!?

 

 

 

 

 

「さ、行こうか? そこの悪魔君にも迎えが来たようだし、逃げさせてもらうよ」

 

「……は、はい!」

 

イケメンの槍を見てから心此処ににあらずといった様子のアーシアだったが、槍が消えた途端に正気に戻る。そして、イケメンに抱き抱えられ真っ赤になりながら去っていった。……畜生!

 

 

「イッセー! 大丈夫……どういう状況?」

 

部屋には足から血を流す俺と惨殺死体。そして米に埋もれて気絶している白髪の姿があり、助けに来てくれた部長達も状況が飲み込めないようだ。……ですよね~。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                   ★       ★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ~、悪かったな嬢ちゃん。俺の部下が酷い事してよ」

 

「い、いえ」

 

ハンペンのアジトに連れて替えられたアーシアは画面越しにアザゼルと会話をしていた。その後話し合われたのは今後の彼女の事。普通ならこのまま堕天使の組織に残るという選択肢を取るのだろうが、ハンペンは一つの提案を出してきた。

 

「のぅお主、ワシの弟子にならんか?」

 

「えぇ~! わ、私が弟子ですか!?」

 

「うむ! ワシの見立てではお主にはとある真拳の素質がある。ワシも師範として一つでも多くの真拳を伝承せねばならぬからの」

 

今回の事で流石に堕天使の組織にいるのが怖くなったらしいアーシアは迷いだすが、ハンペンはさらに囁く。彼はアーシアが助けて貰ったことで自分の弟子に惚れたという事を見抜いたのだ。

 

「お主を助けたワシの二番弟子……曹操とも一緒に居られるぞ。それに堕天使の組織と違って神への信仰をとやかく言う奴もおらん。どうじゃ?」

 

「よ、よろしくお願いします、先生!」

 

こうしてハンペンに新たな弟子ができた。だが、全ての真拳を伝え抜くにはまだまだ弟子が足りない! 頑張れハンペン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~おまけ~

 

そして、アーシア引き抜きの条件としてレイナーレ達の処分を無償で引き受けさせられたハンペンとヴァーリは教会前に来ていた。そこには殺気立った堕天使達が待ち構えており今にも襲いかかって来そうだ。

 

「アーシアを攫ったのは貴方達ね? さぁ! 命が惜しかったら返しなさい!」

 

「ふん! 誰が返すものか! それに、ワシらは今、アザゼルにキサマらの処分を依頼されて来ておる。ほれ、この通りにな」

 

「う、嘘よ! 私は完璧に上を騙して……」

 

ハンペンはそう言って依頼書を見せ、それを見たレイナーレ達は狼狽し出す。もはや自分達に帰り場所はない。そして絶望して立ち尽くす彼女達に同情するほどハンペン達は甘くなかった。

 

「行くぞ! ヴァーリ!!」

 

真紅の手品(レッドマジック)真拳奥義! ナイフの魔術!」

 

『ギャァァァァァァ!!』

 

ヴァーリがナイフを投げると堕天使や手下のエクソシスト達は上に引き飛び、ハンペンは両手の人差し指と親指でコの字を作り、他の指は立てた状態で真っ直ぐ突き出す。

 

 

「吹き飛べ! W・ハンペン承!!!」

 

ハンペンが放った長方形の衝撃波は全ての者達を飲み込み、塵も残さずに消し去った……。

 




意見 感想 誤字指摘お待ちしてます

ヴァーリは真紅の手品真拳 曹操は米真拳 アーシアは……

なお、ヴァーリはアホ化してます

ギャグは難しい!

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