貴族としての教育を受けている俺は学校帰りに寄り道などは基本しない…のだが、婚約者であるレイヴェルに放課後デートをお願いされれば断る訳にはいかない。まあ、何だかんだ言って俺も彼女にベタ惚れな訳で……。
「はい、あ~ん♥」
この様に人目があるオープンカフェで差し出されたスプーンも素直に口をつける。この前偶然通りかかった祐斗に見られた時は”フッ”っと笑うだけで通り過ぎていったのは気不味かった。そうこうしているウチにパフェも食べ終わり、後は家に帰るだけ。今日は眷属達との集まりは夜中まで無いのでレイヴェルと二人っきりだ。
「……」
もう、その気になってるのかレイヴェルは俺の腕を胸の谷間で挟みつつ歩く……ええ、気持いいです。その顔は耳まで真っ赤に染まり、俯いたまま無言で歩いていた。まあ、この後ナニがあるかは想像にお任せしよう。ただ言わせて貰うならば、俺達は欲望に忠実な悪魔で次期当主なんだから問題はない、という事だ。
「あ、あの、もうそろそろ我慢が……」
「あと少しだけだから我慢してくれ。……君の肌を他の奴に見せたくない」
二人っきりでエレベーターに乗ったレイヴェルは俺に抱きつきながらモジモジしだす。そのまま急いで自分の部屋に入り鍵を閉めたかと思うと唇を奪われた。
「んちゅく…んっ、れろ……」
発情しきった顔で舌を絡めてくるレイヴェルの絹の様な手触りの髪を手で梳き腰に手を回す。そのままキスをした状態で寝室まで運ぶと俺と同じ赤い髪をした美女が全裸で待機していた。
「はぁいリアス♪ 久しぶりね」
この人の名はサーゼクス・レヴィアタン。四大魔王の一角であり、俺の姉だ。あ、グレイフィア・ルキフグスが普通?にこの人と結婚して、子供も二人いる。え? 女同士でどうヤったって? アルトリア・ペンドラゴンが異母姉妹との間に
「あら、ごめんなさい。私、裸じゃないと落ち着いて眠れなくって。……3Pする?」
「一人でヤっててください」
ちなみにこの人は極度のレズの上に極度のブラコンです。あ、レイヴェルがヤンデレモードに入りそうなのでこの人は無視して浴室にでも連れ込もう。あそこなら鍵をかけられるしな。……なんか俺も大概な気がしてきたが気のせいだな、うん。あれ? 祐斗達からメールだ。
『気のせいでは無いと思うのだがね、マスター』
次は小猫、
『邪眼が疼きます。左手の封印がぁぁ』
ギャスパー、
『WRYYYYYYYYYYYYYYY』
……朱乃
『罵って下さい』
……さて、誰か眷属丸ごとトレードしてくれないかな? あ、レイヴェルは別ね。女王一個を除いて誰か交換してくれないかな? ちなみに朱乃が戦車なのは”頑丈になってあらゆるプレイに対応する為”と言って無理やり持って行かれたからだ。
「つれないわね。昔は一緒にお風呂に入ってくれたのに」
「俺はもう高校生ですよ、姉上。それで今日は何のごようですか? クレーリアさんからは何も聞かされていませんが」
あ、言っておくけど俺はこの街の管理者じゃない。八重垣とクレーリアさんは出会った瞬間に恋に落ち、すぐに信仰を捨てて眷属になったからだ。ちなみに今は赤ん坊が出来ちゃったので一時的な管理を部下に任せて産休を取っている。
「んもう、久々に可愛い弟とエッチスケッチワンタッチ……いや、ハンドレットタッチでも良いかしら? をしに来ただけよ」
「そんな事実は一切ねぇよ、ボケ。一回もしてねぇし、これからもしねぇよ」
「こ~ら! そんな口の利き方したらダメでしょ? まあ、今日は顔を見に来ただけよ。……できれば下も見せて欲しいけど。元気なところなら尚良し」
「帰れ!」
……疲れた。本当に疲れた。あ、レイヴェルは二時間くらい 激しく可愛がったので今は寝てるから大人しい。あいつ、
「じゃあ、帰るわね。今日明日は休みだから三人目を作らなきゃ。あ、四人目も一緒に作ろうかしら?」
グレイフィア・ルキフグスは原作のように真面目な人だ。……性癖さえ、あの性癖さえなければ!
ちなみに寝室に戻ったら復活していたレイヴェルに押し倒され、また二時間ほど絡み合う事になりました。
押っ忍! 俺の名は兵藤一誠! 駒王学園二年生にしてリアス・グレモリーの兄貴の舎弟だ! ちなみに兄貴分や姉御にあたる祐斗の兄貴や小猫の姉御とも仲良くやっている! 俺は実は悪魔なんだが、今はシスターの少女の道案内をしていた。なぜ道案内をしているかって? 旅は道づれ世は情け、義理を忘れりゃこの世は廃れる! 困っている奴は敵だとしても見捨てられねぇ! 義を見てせざるは勇無きなり、だ!
「いやいや、済まないねぇ。アンタも用事があったんだろう?」
彼女の名はアーシア・アルジェント。可憐な見た目に反して気風の良い美少女だ! 先程も転んで泣いている子供に対し、
「男がそのくらいでピーピー泣くんじゃないよ! 泣いて良いのは生まれた時と親が死んだ時だけに決まってんだろ!」
っと、一括して泣き止ませた。押っ忍! さて、しかし教会には敵対している奴らが居る可能性があるが、嘘を言って去るのは漢じゃねぇ! だが、世話になってるリアスの兄貴にご迷惑をお掛けするのは……。俺がそんな事でウジウジ悩んでいやがったのを察したのだろう。アーシアはコチラを見てフッと笑った。
「もう見えてきたし此処まででいいよ。事情は知らないが、教会に近づきたくないんだろ? 良いよ良いよ、世話になったねぇ。んじゃ、またご縁があったら会おう!」
そのままアーシアはケラケラ笑いながら去っていく。くっ! この時ほど俺は自分の不甲斐なさを悔やんだ事はねぇ! よし! 帰ったら修行だ! 歴代所有者の先輩方と組手をしなきゃな! 押っ忍!
『おお! 赤龍帝が眷属になったのかよ! すげぇな! そうだ! 今度模擬戦をしねぇか? 実践はいい経験になるぜ!』
「ああ、頼むぜ、ライザー」
俺は友人の一人であるライザーとの電話を終える。え? ライザーって下衆じゃないかって? 原作主人公だって大勢の前で告白してすぐに他の女子とお風呂に入ったり、各勢力の有力者が自分の娘を喜々として愛人にさせようとしてるけど、大勢の眷属と仲良くやってるからって下衆にはならねぇだろ。むしろ大勢と仲良くやれるってことは気が効いてるんだろう。
原作リアスだって貴族としては愛してくれているって感じていたし、アイツは貴族社会と無縁の原作一誠と違って貴族育ちだぜ? なのに下級悪魔の奴が生意気言って殴りかかってきたのを一撃だけですませ、去り際にアドバイスをし、結婚式に殴りこんできたのに”お前は強くなるから俺が鍛えてやる”って言えるほど器が大きいけど? しかも、昔ながらの伝統を大切にしながら転生悪魔の台頭も容認してるし、むしろ下衆とは真逆だろ。
「……俺は誰に言っているんだ? っと、そろそろ……」
俺の上で必死に腰を振るレイヴェルに対し、本日何十回目かになる愛情やその他諸々を注ぎつつ俺は溜息を吐いた。……疲れてんのかな?
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