アナザー・ディメンジョン -異界交流記-   作:誠龍

119 / 152
第112話 大道芸コンテスト開催(後編)

「「おお!!」」

 

観客は熱狂していた。優勝候補のチーム……"火と煙の幻団"がひとり、イザベラの操る"煙"の技に。

妖艶な衣装に身を包んだイザベラが用意した箱を開けるとその中からは虹のように七色に変化する煙がモクモクと立ち上る。

だがこれだけではない。なんと煙が人の形を取り始めたと思うとそれがいくつにも増え、意思を持っているかのように動き始めた。まるでさながら煙がダンスをしているかのようだ。

しかも不思議なことにこの煙、吸い込んでも全く苦しくない。一体どういう性質の煙なのだろうか。水蒸気というわけでもなさそうだが。

 

「さあさ皆様、ご覧あれ……我が煙の技の真骨頂を!」

 

イザベラが衣装のマントをバサリと翻すとそれによって起きた風にあおられて煙の人形達は一瞬で消し飛ばされてしまう。

しかし一度散った煙は再び集い、新たな形を作り始める。それは一本の太い柱のような形になるとさらにいくつもに枝分かれし……なんと"木"が出来上がったのだ。

木の枝には若葉を模した緑色の煙が形成され、さらにその上から色とりどりの花を模したカラフルな煙が形を作っていく。

最後にイザベラが再びマントを翻すと花を模した煙がいくつもの花びらのように立ち上っては会場の空を埋め尽くし、儚く消えていく。

木の煙すらも最後に消え、イザベラが一礼すると拍手喝采が巻き起こり、もはや彼女の勝ち以外には有り得ない状況になっていたのは誰が見ても明らかだ。

相手チームは三人一組で身体を張った派手なパフォーマンスを見せてくれたが、"火と煙の幻団"が相手では分が悪すぎる。投票の結果は言わずもがなであった。

ステージ上で勝利を讃えられるイザベラを裏から目にしつつ、チーム・エデンの二人は眉をひそめた。

 

「……あれ、やっぱり一筋縄じゃいかんと思うんやけど、どう?」

 

「そうやね。でも二回戦勝ち抜かんことには戦うことも出来んし、今は目の前のことに集中しようや」

 

彼等にも何も策が無いわけではない。それなりに作戦は考えてある。

だが今はまだその時ではない。まずは二回戦……準決勝を勝ち抜かなければならない。"最後の作戦"はその時に披露すると決めている。

 

 

 

 

 

 

今は、目の前の戦いに集中しよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっ!ほっ!」

 

「あらよっと!」

 

宙を舞うシェーカー。輝くボトル。それらがナックルとプリンスの間を縦横無尽に飛び交い、観客を熱狂させる。

二回戦・準決勝では日本人同士の対決となった。対する日本チームは島袋の知り合いのダンサー達でこの春に新しくエルフの男性と女性をメンバーとして迎え入れたらしく、様々なジャンルを同時に混ぜたダンスを披露して帝都の人々はもちろん、観光に来ている日本人も大いに盛り上がった。

結果としては審査員達曰くかなり判定は難しかったらしいが、1点という僅かな差でチーム・エデンが勝利した。

迫力ならダンサー達の方が上だったらしいのだが、光る氷……ライトを仕込んだ氷を模したプラスチックを用いた演出と流れるように二人が入れ替わるフレアによってどうにか勝つことができた。これでチーム・エデンの決勝戦進出が確定したのである。

 

 

 

 

 

そして、いよいよ決勝戦の時。

 

 

 

 

 

 

「やはりここまで勝ち残ってきましたね。七色の酒を生み出す男よ」

 

「いやまあ、まぐれですよ。まさか本当に決勝まで来れるなんて」

 

決勝戦が始まる前の舞台裏。やはり相手は火と煙の幻団だった。

そしてハワード、イザベラと単独で動いてきた彼等だが遂にリーダーのマティアスが動き出し、全員で芸を披露するつもりだ。

ここまでマティアスは噂の"七色の酒"を見ていない。恐らくこの男は決勝戦でそれを繰り出してくるに違いないとマティアスは睨んでいた。だがーーーー

 

「我等は他人には真似の出来ぬ芸を武器にこの世界を生きて、旅をしてきた。その過程において今回のコンテストのように他者と芸で勝負をしたことも一度や二度ではない。貴方方の芸も確かに美しい。目を見張るものがある。それは認めましょう」

 

「……何が言いたいんです?」

 

それまで愛想笑いを浮かべていたナックルだが、礼儀正しいマティアスから高圧的な雰囲気を感じ取ったナックルは眼鏡を光らせて彼を睨み付ける。

 

「単刀直入に言いましょう。あの程度の芸で勝とうなどと思わないでいただきたい。子犬が獅子に戦いを挑むなど無謀にもほどがあるというもの。我々にも芸を生業とする者としてのプライドがある」

 

「……」

 

「……言いたいことはそれだけです。それでは、私達は準備があるので」

 

言いたいことを言って背を向けるマティアスの背中を黙って見つめ、その姿を見送るナックル。

そして入れ違いにプリンスの姿が見え、最後のショーに必要な道具を準備している。

 

「およ?今のあちらさんのリーダーでしょ?確かマティアスとか言ったっけ?なんか話してたん?」

 

「……ああ。俺等のフレアを"あの程度"だとさ」

 

「……は?」

 

その言葉にプリンスもピクリと眉を歪ませる。

自分達はフレアバーテンダーとして長年腕を磨き、その技術と酒の味で多くの人々を楽しませてきた。そこに至るまで多くの苦難があったのも事実だ。それを"あの程度の芸"などと一蹴されて黙っていられる二人ではない。

こちとらこの技と知識で長年飯を食ってきたのだ。何様のつもりが知らないが、こうなればとっておきの技を見せるしかないだろう。

 

「……ちょっと聞き捨てならないセリフやんね」

 

「おうよ。やけんちょっと案がある。決勝戦までにはまだ時間があるけどこの作戦はかなりの急ごしらえなんよ。やから手伝ってほしい」

 

ナックルは自前の"作戦"をプリンスに耳打ちした。おそらく火と煙の幻団はリーダーのマティアスが動く以上とんでもないショーを見せてくるはずだ。

迫力ではまず勝てない。ならばフレアの強みを最大限に活かすしか観客の心を掴む方法はない。

幸いにも相手や観客は自分の切り札が"七色の酒"ことレインボーショットだと思い込んでいる。予想を覆すとしたらここを突くしかないだろう。

 

「……プリンス、やれるか?」

 

「当たり前田のクラッカーよぉ!任せんしゃい!」

 

彼は言うなればエデンのお笑い担当だがここぞというところで一番頼りになる。やはり自分にとって最高の相棒とはこの男を置いて他にはいないはずだ。

二人はまず急ピッチでボトルに"仕掛け"を施す。正直言ってこの作戦が通じるかどうかは賭けだ。こんなフレアをやるのは最初で最後かもしれないと苦笑するナックルであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「"さあ、いよいよコンテストも決勝戦だ!泣いても笑ってもこれが最後!両者、悔いのないように戦ってくれ!"」

 

島袋の司会進行で最後の決勝戦の舞台が始まろうとしている。最後の戦いは優勝候補である"火と煙の幻団"とチーム・エデンの一騎討ちとなる。"火と煙の幻団"からはリーダーのマティアスが、チーム・エデンはナックルが前に出て試合前の言葉を交わした。

 

「よくここまで勝ち残れたな。それだけは賞賛に値する。だが無駄だ。優勝は我等"火と煙の幻団"がもらう」

 

「そうですか。まあ、お手柔らかにお願いしますよ」

 

より高圧的な口調になるマティアス。最初の頃とはまるで違う彼に対し、ナックルは無難な態度でさらりと適当に流す。

遂に決勝戦が始まった。先攻は火と煙の幻団、小道具担当のハワードからだ。

再び小さな小箱を取り出すハワード。独特の語りと共に箱を開けると中からはパァンという破裂音と共に紙吹雪がまるでクラッカーのように飛び出した。突如として広がった音と色鮮やかな紙吹雪に観客達は驚きの声を上げる。

 

「さあさ皆様、続いては煙のイザベラの術をご覧あれ!」

 

ハワードがそう叫ぶと同時に箱の中からピンク色の煙がモクモクと立ち上る。煙はまたたく間にステージを覆い尽くし、何も見えなくなってしまう。

煙が晴れたころ、ステージにハワードの姿はなく、イザベラが代わりに立っていたことに気付いた観客から再び歓声が上がる。

 

「煙よ、舞い踊れ!」

 

煙は意思を持っているかのように一ヶ所に集まると渦を巻いて上空へ立ち上る。空へと舞った煙が空中に塊となって留まり、さらにイザベラが振った杖から発せられた風が煙を切り裂いてバラバラに四散させる。散った煙はそれぞれが号砲のように天高く登ると虹色に輝きながら美しい情景を生み出した。

ここからいよいよリーダーのマティアスの出番だ。煙に包まれた舞台にはいつの間にかマティアスと消えたはずのハワードの姿もあり、彼は小箱を開けて得意技の(くれない)を披露する。それに続いてイザベラが杖を振り上げて再び虹色の煙を生み出すとついにマティアスが動き出した。

マティアスが腕を振り上げると彼の身体の回りを炎が渦のように取り囲み、イザベラの煙を追うように天へと立ち上る。

 

「出でよ、我が竜よ!!」

 

炎が一ヶ所に集まるとそれは形を作って(ドラゴン)となり、その回りをイザベラの煙が彩り、ハワードの(くれない)がまるで火の粉のように周囲にきらびやかな光を演出した。

三位一体の彼等の技に観客は大興奮で、天を舞う竜が弾け飛び、炎も煙も光も消え失せると会場は拍手喝采の渦に包まれる。

これこそ"火と煙の幻団"の真骨頂だ。彼等のこのとっておきの技で熱狂しなかった者は一人もいない。頭上を舞う竜、煙、紅い光が消え失せ、彼等が一礼した後も歓声は止まなかった。

"火と煙の幻団"が終わったあとはいよいよチーム・エデンの出番だ。異世界の国ニホンの酒場からやってきた彼等が作るという"七色の酒"の噂を聞き付けてわざわざ帝国まで来た者もいるという話だ。これは期待に応えねばならない。

 

「それでは皆様、大変お待たせいたしました。今から我等チーム・エデンの最後のパフォーマンスを開始します!」

 

ナックルの宣言と共に音楽が流れ始め、まずは掴みのフレアを披露する。ここまではまずまずだ。

次に練習用のプラスチックのボトル。これには二段階である仕掛けを施している。一つめはまずボトルの表面に巻き付けられたサイリウム。かなり発光が強いタイプのもので三本のボトルに赤・青・黄の三色が取り付けられていた。

これらがフレアによって空中で回転することにより光の輪を生み出してきらびやかな演出となる。これはナックルにとっても初の試みだ。

 

「おや?お酒より先に何だか凄いものが出来上がったような……」

 

ナックルはわざとらしくボトルに耳を当て、ボトルのフタを開けた。……観客からは特に何も変化は見当たらないため、人々は首を傾げて困惑している。

 

「ああ、そうだ。材料をひとつ忘れていました。プリンス、例のものを」

 

「あいよっ」

 

するとプリンスが三つのボトルに何か小さな塊のようなものを入れた。彼等曰く「魔法の薬」らしいが……。

するとそれを入れた瞬間、ボトルの中から大量の茶色い液体が吹き出して人々を驚かせた。まるで噴水のようなそれが飛び出してくる様はまるで魔法のようでサイリウムによって光るボトルがまた彩りを豊かにする。

いわゆるコーラガイザーというやつでラムネや粉末のビタミンCなどをコーラに入れることで噴き出す現象をアートとして利用したものだ。

そしてここからいよいよ観客が心待ちにしていた"七色の酒"を作り始める。観客席で見ていたヒューイット伯爵とベルスティード公爵、シルヴィア公爵令嬢も期待に胸を膨らませながらその時を待っている。

だが、何かが違う。ナックルは複数のシェーカーを用意してそれぞれに酒を入れ始めた。確か"七色の酒"は一つの容器で混ぜたものが色と共に味も変化していくはずだったが。

ある程度の行程を終えると彼は七つのグラスの前に置いた七つのシェーカーを全て積み重ねると踏み台の上に上がり、テーブルに設置したグラスに向かって蛇腹状に積み重なったシェーカーを傾けた。

 

「はい、皆様ご注目ー!こちらが"レインボーショット"でーす!」

 

すると七つのシェーカーから注がれたまごうことなき"七色の酒"がグラスを並々と満たしていき、それを見た観客達から歓声が次々と上がり始める。

 

「おおー!"七色の酒"だ!」

 

「俺はこれが見たかったんだ!このためにわざわざ帝国まで来た甲斐があったってもんだぜ!」

 

ステージの裏からそれを見ていたマティアス達は"七色の酒"を目の当たりにし、流石に驚きを隠せなかった。特にイザベラは「素敵だわ!」と手を叩いて喜んでいる。

 

「(チーム・エデン……なかなかに不思議な技を持っているな……だがお前達の"七色の酒"は我等の技には及ばない。いかにその技が切り札と言えどな)」

 

あれだけ摩訶不思議で派手な技を披露したのだ。それに比べれば奴等の演技など児戯にも等しい。それに既に奴等は一番の見せ所である"七色の酒"を既に披露してしまった以上勝ち目はない……マティアスはそう思いながら競技の行く末を見守る。

だがマティアスの予想はその後覆されることになる。これで終わりかと思われたチーム・エデンは今度は"七色の酒"よりも多くのグラスをテーブルに並べ始めたのだ。

新しいテーブルも繋げて横に長くし、グラスの数はなんと30にも登った。さらにナックルは大きなグラスの縁の上に小さなグラスを用意し、大きなグラスには透明な酒、小さなグラスには微かに色のついた酒と光る氷を入れ始めたのである。

 

「おい……"七色の酒"で終わりじゃなかったのか……?一体あいつら何を始めるつもりなんだ?」

 

「さあ……」

 

観客達は困惑の表情を隠せない。てっきりこれで終わりかと思っていたからだ。

ナックルはプリンスと協力して全てのグラスに酒を注ぎ終えると音楽を変更し、空になったボトルを一本手に取り、それを掲げて観客達に叫ぶ。

 

「さてさて皆さん!これからお見せするのはとっておきの技!その名も"カクテルドミノ"です!どうぞご覧ください!」

 

"カクテルドミノ"とは一体何なのか。"七色の酒"でさえ不思議な催しだというのに異世界から来たあの酒場の男はまだ何かをやろうというのかと観客達は期待せざるを得ない。

そして……ナックルが一番端の小さいグラスをボトルでカチンと小突くと目を疑うような光景がそこに広がった。

大きなグラスの縁に乗った小さなグラスが連鎖的にカチンカチンと小気味良い音を立てながら倒れていき、溢れた中身が下の大きなグラスに注がれると同時に透明だったはずの酒がまるで魔法のように色を変えていくのだ。

その色は赤、青、紫、黄、水色、緑と色とりどりのカラフルなカクテルが出来上がり、あの色を変えて光る氷が元々彩り豊かなカクテルをさらに幻想的に演出する。

 

「うおおお!!すげー!!なんだあれ!?」

 

「何て綺麗なの……あんなに美しいお酒初めて見たわ……!」

 

観客席は"火と煙の幻団"に負けず劣らずの拍手喝采が大きく響く。陰で見ていた流石のマティアスもこれには度肝を抜かれた。ハワードは惜しみない拍手を送り、イザベラに至っては跳び跳ねて熱狂している。

 

「(チーム・エデン、か……俺達はとんでもない連中に喧嘩を売ってしまったのかもしれんな)」

 

いよいよ結果の発表だ。決勝戦だけあって審査員の四人もかなり悩んでいる。勝者に輝くのは派手な幻を操る"火と煙の幻団"か、それとも美しい酒の芸術(アート)を描いたチーム・エデンか。

決勝戦はそれぞれが獲得した点数が同時に表示される。出演者も観客も息を飲んだ。

 

「発表します!アルカ帝国・秋の異世界フェス大道芸コンテスト、優勝は…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「火と煙の幻団38点、チーム・エデン39点で……色鮮やかな芸術の酒を作り上げた二人の男……チーム・エデンです!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優勝はチーム・エデンだった。島袋が優勝者を発表したと同時に大きな歓声が上がる。一方で優勝候補だった火と煙の幻団が敗北したことでどよめきも同時に上がっていた。

無理もない。各地で芸を競っては無敗を誇ってきた彼等が初めて負けたのだ。火と煙の幻団目当てにやってきた人々も決して少なくはない。むしろそちらの方が多いだろう。

審査員の四人に話を聞くとトレヴァーは「芸と芸術、その両方の美しさを感じた」と語り、ノエルは「あの色鮮やかなカクテルに魅了された」と話した。タマラは「仕立屋としては芸術的な部分に何か共感するところがあったねぇ」と語り、レベッカは「お酒があんなに人を惹き付けるなんて感動の連続だった」と酒場で働く身として思うところがあったようだ。

そして遂に表彰式だ。チーム・エデンにはトロフィーが手渡され、惜しみない拍手が観客から送られる。

するとトロフィーを抱えたナックルに対してマティアスがずいと出て語りかける。

 

「負けたよ、チーム・エデン。まさか我々が負けるとはね」

 

「いえ、まぐれですよ。私達の勝ち目は限り無く低かった」

 

「そんなことはない。あれだけのものを見せられては観客も魅了されるというもの。それから……試合前の非礼は詫びよう。すまなかった」

 

「ったく、マティアスの悪いクセだよね」

 

「そうよ、本心じゃ相手のことをこれ以上ないくらい認めてるくせに」

 

「ばっ……!お前達……!」

 

ハワードとイザベラが傍らからからかうようにマティアスと肩を組む。

どうやらマティアスは勝負の場では相手が全力でぶつかってくるようにわざとああいう挑発的な態度を取ることが多いらしい。本当は誰よりもチーム・エデンの力を認めていたのが他ならない、マティアス自身であったこともハワードとイザベラによって暴露された。

 

「いい勝負だった。いつかまた競えるといいな」

 

「ええ。こちらこそ」

 

ナックルとマティアスは互いに握手を交わす。この絵面を見て更なる拍手が送られ、スマホやカメラを持つ者達は写真を撮るシャッターの音を響かせて撮影に夢中になった。

 

「そうだわ、ナックルさん。私、お酒が好きなの。このあと是非お酒を飲みたいわ」

 

「抜け駆けは良くないな、イザベラ。……僕にも頼むよ。カクテルってヤツをね」

 

「全くお前達は……ナックル、すまないがこの後もよろしく頼む。かく言う俺も是非口にしてみたくてね」

 

コンテストの後はチーム・エデンは前回のフェス同様、バザー通りに出店を出すことになっている。そんな彼等のためにナックルもプリンスも自分達の酒を振る舞うことを約束した。

 

「オーナー、こりゃコンテスト以上に失敗出来んくない?責任重大だ」

 

「そうやね、確かに責任が重いな。……ええ、飛びっきりの酒をご馳走しますよ、火と煙の幻団の方々」

 

ナックルはそう言いながらトロフィーを傍らに置いて代わりに空のボトルを手にして片手でボトルを回しながら余裕の表情で語る。

 

 

 

 

 

 

 

「ご注文は……"七色の酒"……レインボーショットでよろしいですか?」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。