若干、酔った頭に浮かんできたこの考えを愚かにも勢いに任せて書きなぐってしまいました笑
つまり、この作品は深夜テンションの産み出した悲しき怪物だったりします。
「なあ、天堂っていつもあんな気張った感じなのか?」
早めの夕食を終え、各々がだらだらと会話をしていた中で出てきたふとした双葉の疑問。
このなんとなしに出てきた質問が、後に大きな?騒動に発展することは誰も予期できていなかった…
最初にその質問に答えたのは、真矢と(本人は赤面し否定するが)仲の良いクロディーヌ。
「そうね。いつでも舞台の上に立ってるみたいな隙の無さよね。でも、意外と食べ物の話題の時は少し饒舌よ真矢は」
「そうやね~ビシッて効果音がつきそうな動きはうちに似て可憐やと思うでぇ~」
「お前にどこに天堂の要素があるんだよ…」
だらだらと話しているなかの一過性の話題。この話はここで終了するに思えた。
…が
「そういえば、この前フランスから送られてきたものの中に凄いものが入ってたのよ」
「え~なんなん?おいしいものやとええなぁ」
「食べ物だったとしても、クロ子はあげるとは一言も言っていないぞ」
「ええ~美味しいもの食べたい~。うちにも分けてぇな」
「一応、食べ物とは言ってないんだけど…まあ、
・・・
「こっこれは!?」
「そう!ご察しの通り。これらはワインの原産地から直送されたワインよ!ボルドーからシャンパーニュの有名所まで全部抑えているわ!…どうやら両親が間違って送ってきちゃたみたいなの」
「はあ、凄い量だな…それで、これを持ってきた理由はなんなんだクロ子?」
「これで、真矢を酔わせてみない?」
全員に衝撃が走る。まず、学校の寮で飲酒をすることが問題だ。ばれたらとんでもない罰が発生することは目に見えている。
現在、リビングには双葉、香子、クロディーヌの三人。実は、この3人は同期の中でもイタズラ好きの人種だったりする。
「面白そうじゃん…」
「でも、片付けとかは大丈夫どすか?さすがに飲酒はリスク高いと思います…先生にばれたら拳骨じゃすみません」
「そこは、抜かりないわ。…というか香子、今日は金曜日で平日よ!見回り点呼はないじゃない。忘れたの?」
「あっ、香子~先生に怒られるのが怖いんだろ~だから、動揺してんのか?」
「もう!そんななじゃありません!うちは、天堂はんがそんな簡単にお酒を飲むかどうか考えてただけどす!」
「はいはい。悪かったよ…でもたしかに天堂がそう簡単にお酒なんか飲むか?」
「ええ、一応、ワイン受けの良い料理のレシピ結構知ってるの。それを作ってせっかくだからって体でワインを振舞いましょう。そして、2、3杯付き合った後で私がワインの早飲みの勝負を仕掛けるわ!!(※よい子はマネしちゃいけません)」
「割と考えてはるのね。結構前から考えってはったんとちゃいます?」
「あらあら、偶然よ。たまたま思い出したの」
「確かに、絶対反対しそうな委員長がいないときに提案するあたり仕組まれたものをかんじるなぁ」
「なっなによ!確かにバナナの情報によると純那の帰りは遅くなるらしいけど…偶然よ!!」
「本当かなぁニヤニヤ?まあ、それは置いといて、その作戦穴大きすぎないか?まず、いくら天堂の風呂が長いとはいえ後一時間もしないうちに出てくるぞ。料理なんか作れるか?それに、天堂がこっちに合わせて飲んでくれるかも分からないし、第一、早飲み勝負って…天堂より先にお前がつぶれたらどうすんだよ?(※よい子はマネしちゃいけません)」
「そこは心配ないわ。作る料理は簡単なもの…一品20分あれば作れるわ。実はこう見えて結構お酒強いのよ私(※お酒は20歳を過ぎてから)。フランスは食の本場だからね。ワインの味を知ることも大事ってことでたまに飲んだりしてるのよ。それに真矢は意外と食へのこだわりは強い…ワインによって旨味を堪能できると説明すればこっちのものよ!!」
(天堂のことよくシュミレートできてんな…観察しすぎなんじゃねえか?)
(クロはんと天堂はんは、とっても仲良しやねぇ。べったりってのは、互いによくありませんえ)
「まあまあ、双葉はん。とりあえずやってみましょうな。な!な!」
「こいつ、料理がでてくると急に乗り気になるな。」
「あらぁ。食い意地が張ってるみたいな言い方しないでおくれやす。私はお酒もたしなめる大人な女やさかい。昔からお酒かて飲んでましたしね」
「へえ、香子もいける口なの?」
「いや、クロ子…こいつの言ってるお酒って甘酒だぞ」
「(そうやけど)勝手に決めつけないでおくれやす!!」
・・・
「あら皆さん、何を召し上がっているのですか?」
「ああ、真矢。お風呂あがったの?少し小腹がすいたからみんなに手伝ってもらって、一品料理をつくってみたの。あなたもどう?」
「あら、こんな短時間でこれだけの数を作れるとはさすがは西条さんですね。勿論、喜んでいただきますわ」
「んん~この鯖トマトおいしいぃわぁ~。手伝ったかいがありましたわ」
「お前、たしかサバ缶開けただけだったよな…しかし、このアヒージョもうめえな」
「あらあら、おいしい料理ばかりですね。やはり、食は喜びがなければいけませんからね。食べていて楽しめる料理は心を元気にしてくれます」
(確かにいつもより饒舌になってる…か?)
早速、クロディーヌの予言が当たって期待が高まる双葉。ちなみに香子は正直、当初の目的を忘れているのでは?と思われるほど幸せそうに料理に舌包みをうっている。
「それでね、真矢。これ、フランスから送られてきたんだけど、あなたもどう?」
「あら、ワインですか?一応、確認しておきますが私達はOO歳ですよ。法律を破ってでしか見えない景色があるということですか?」
「一人の食の探究者として、この料理をワインと合わせないのはありえない。
「そうですね。あなたがそこまで勧めるということは、そのワインは本当にいいものなのですね」
「え?別にワインの銘柄とかは言及してないけど?」
「あなたが私に中途半端な品を渡す訳がありませんからね。演技の時だって、いつだってあなたは完成されたものを提出しますもの」
「あら、分かってるじゃない」
「いやぁ。本当に天堂はんとクロはんは仲がよろしいどすな~。目の前でイチャイチャされたらかなわんわぁ」
「あら、すいませんでしたね花柳さん。ですが、私達に負けないくらい花柳さんと石動さんはイチャイチャしていますよ」
クロ・香子・双葉「「「イチャイチャして(ない!)(ないどす!!)(ねーよ!)」」」
「では、あなたのおすすめをいただきましょうか?」
「そうね。初心者は飲みやすい白ワインがおすすめ。ほら、あなた達にも注いであげるわ」
「おおきに~♪」
「おおぉ!聞いてたより匂いもすっぱくなくてうまそうだな!」
「あら、双葉はすっぱいのは苦手?だったら、ソフトドリンクもあるからカクテルのほうが飲みやすいわよ?」
「そうなのか?じゃあ、クロ子のおすすめで頼むよ」
「
「双葉は~ん、ちゃんとお酒の素の味も楽しまないとだめどすえ?」
クロ「それでは、
双葉「すげーうまいな。確かに料理が進むな!」
香子「うーん。思ってたよりもすっぱいどすなぁ。クロはん、うちも双葉はんといっしょのやつにしてくれへん?」
双葉「おい!さっきお前、私馬鹿にしてたろ!何が“素の味も楽しまないとだめどすえ?”だお子様舌が!!」
香子「今、素の味は楽しんださかい。せやから、カクテルにしても問題ないどす。」
双葉「なんて、都合のいいやつ!」
クロ「それであなたはどうなの?ワインの味は舌に合った?…真矢?」
うつむき、返事がない真矢にクロディーヌが心配そうな問いかけをする。
真矢「ふっふっふふふふふふふふふっふふふふふふふふうふふふふふふふふふふふふふふふうふふふふふふふふふふふふっふふふふふふふふふふふうっふふふふふふふふふふふふふふ」
クロ・双葉・香子(((!!!!)))
双葉「おっおい、天堂どうしたんだよ?」
真矢「このワインとてもおいしいわね!Delicious!!すぐにおかわりを注いでいただける?」
香子「天堂はん…もしかして、もう酔ってるんとちゃいます?」
クロ「え!?まだ一杯目よ!?はやくない?」
双葉「いやー完璧超人の天堂にもお酒に弱いという弱点があったんだな~なんか、安心したよ」
ちなみに双葉は知らぬ間に、真矢のもうひとつの弱点に近づいてはいたりする。本人は気づいていないが。
香子「まあ、たまにはハメをはずさんとなぁ。天堂はんも舞台少女とは言え、息抜きは必要や。ほれほれ♪もっと飲んでぇな」
クロ「ちょっと、香子!!これは想定外に弱いわよ!ハイペースで飲ませたらどうなるか分からない…ってあああ、ワインは一気飲みするものじゃないのよ!!」
真矢「ふふふふふ、私の心配をしてくれるのですか?クロディーヌは可愛いですわね♪」
クロ「ふぁあ!!可愛いってなによ!?」
頬をほのかに紅くし、妖艶な雰囲気の真矢がクロディーヌの耳元に体を寄せる。
真矢「私のクロディーヌ。私はあなたのことが好きですわよ」
クロ「
周りの二人には聞こえない音量で真矢がつぶやく。テンパったクロディーヌは心を落ち着かせようとワイングラスに手が伸びてしまう。
香子「クロはんあんな慌ててどうしたんやろなぁ?双葉はん」
双葉「さあ?…てか、いくら強いといってもあのペースで飲むのはやばくないか?」
・・・
「ううぅ、天堂真矢は負けてない!来年は私と!!そう私と主役をとるわ!そうよね真矢!」
「ふふふふふふ、そうですわね」
あきらかに、ペース配分を間違えたふらふらなクロディーヌ。そして、そんなよっぱらいと心底愉快そうに話す真矢。
ちなみにほか二人は、あまり酔えてなかったりする。二人とも自分より酔っ払ってる人がいると酔えない体質のようだ。
「うう…華恋にひかり!見てなさい!来年は私と真矢がぁ…zzz」
「あーあ、寝ちまった。」
「主催者が寝てしまったんならどうしようもあらへんどすなぁ。今日のところはお開きということで。双葉はん片付けよろしゅう」
「馬鹿。お前もやるんだよ」
「いえ、まだお開きではありませんよ」
さきほどまで、ふたりとは少し離れたところにいた真矢がすぐ隣にいることにおどろく二人。
「花柳さん。石動さん。あまり飲んでいないご様子でしたし、私と一緒に飲みましょう。」
「いや!これ以上は委員長とか帰ってくるだろうし…今日のところは香子の意見通り、お開きがベスト…」
「双葉はん。今回は天堂はんの言うことを聞くべきや」
「はあ!?お前もお開きにしようっていったじゃん!?」
「いや…せやけど、天堂はんの雰囲気みてみ?(小声)」
双葉は真矢をまじまじと見る。普段、舞台の上で出されている天堂真矢という舞台少女の覇気。
それが二人に向けられているように感じる。確かに表情は、天使のような…なにものも迎え入れてくれそうな慈愛を包括したような笑顔だ。
しかし、その裏の隠されたーーしかし、はっきりとでている修羅の顔。この顔…マジだ。
――飲まなきゃ殺される。
「そっそうだな!!それじゃ~お言葉に甘えて飲んじゃおっかなぁ~あははは」
「そうどすね。まだ、料理も余ってるさかい。続けましょ」
「ふふふふふふふふふ、そうですね。たまにはこういうのも悪くはないでしょう」
「とにかく、天堂を早くつぶすぞ。この様子なら近いうちに寝るはずだ(小声)」
「そうやね。先生じゃなくても委員長だとしても、怒られるのは堪忍や(小声)」
「そ、それじゃ改めまして乾杯!!」
・・・
「香子~。私ももう酔っ払っちまったみたいだぁ~」
「天堂はんがなかなかダウンしないんや。もうちょい頑張って!双葉はん!さすがに天堂はんとタイマンは厳しいものがあるで(小声)」
なかなか、倒れない真矢。限界が近い双葉。意外と酒に強い香子。毛布を被せてもらい就寝中のクロディーヌ。
「グスグス。うぅ…香子~」
「おわぁ!!双葉はん何で泣くん!?」
「あらあら、石動さんは泣き上戸なのですね。」
冷静にコメントしつつ、すかさずワインを一気飲みする真矢。
「ううぅ香子~私は結構お前に感謝してるんだ。」
「急にどうしたんや!双葉はん!?」
「私…お前に誘われなかったら、普通に高校に入って漠然とした毎日を過ごしてた。でも、お前に誘われて入ったこの高校で毎日キラめいてる!お前のおかげだよぉ~うわぁあん!」
「涙ふいてな…でもそういわれると嬉しいどすな。なんだか、小恥ずかしいけど」
「私と…」
「ん?どうした双葉はん?」
「私と一緒にトップスタァになるぞ!香子!いつでもヒック、私の傍を走っていてくれよヒック」
「勿論どす!!双葉はんこそ、うちから離れたらあきませんえ!!」
ここまで酔っている双葉に返事しても、翌日には覚えていないだろうが若干酔っている香子も全力で応える。
「約束だぞ…zzz」
「あぁ~寝てもうた!!双葉はん!!起きてや!!」
「花柳さん?」
「ヒィッ」
背後から優しく問いかけられたが、香子は本能的な恐怖を感じていた。
これから、行われるであろう
「それでは、私と花柳さんだけになってしまいましたし一緒にペースを合わせて飲みましょう!そうすれば、連帯感も強まって一石二鳥ですね。ふふふふふふふ」
「か、堪忍どす…」
・・・
「も、もうだめぇ」
香子がソファに倒れこみ、可愛い寝息を立て始める。
「ふう、こんなものですかね」
それを確認した真矢がスッといつもの調子で立ち上がる。
「全く…あなた達の目論んでることはお見通しでしたよ。私のほうが舞台少女として一枚上手だったということですね」
そう、真矢は終始酔ったふりをしていただけだったのだ。風呂上りに唐突にはじまった食事会に違和感をもっていた真矢は、クロディーヌの勧めたワインから思惑を読んだのだった。
「愛城さんではありませんが、舞台少女は日々進化しなければばりません。酔っ払いの演技というのも良い勉強になりました」
真矢は自分のグラスだけ片付け、証拠を隠滅。最後に香子に毛布を被せて自分の部屋に戻った。
・・・
「ああっ!!この子達は!!!」
「わあ、すごいことになってるね」
帰宅した純那とななの前にはからの瓶や皿が並んでおり、匂いも酒くさい。
高校生の寮でこれを放置するのは大問題だ。
「~~~っ!!片付けるわよ!至急!説教は後でやるわ!なな!片付け手伝って!!」
「了解です♪私はお皿を片付けておくね」
・・・
時計の針はとっくに深夜の時間帯を指し示したころ。
数時間前とは違い、静かになったリビングに一つの影。
その影が、置物のうらに置いていたスマホに手をかける。
???「ふふふっ♪、よく撮れてる♪みんな、楽しいそうにしてるね♪」
慣れた手つきでスマホを操作して、クロディーヌ主催の主演の様子をチェックする影。
???「真矢ちゃんも酔っ払いの演技上手にできました♪」
そういって、影は満足そうに笑った。