黄色に光り輝くソウルジェムを手のひらに乗せて見滝原の町を歩くマミとそれについていくまどかとさやかとほむら+まどかの肩に乗るキュゥべえ。
マミのソウルジェムに反応があれば魔女が現れたという事になる。魔女が現れるだいたいの場所と時間がわかるほむらが時計を見た所、出現するのはもう少しといったところだ…そう考えていたその時!
『~~~よ…ぽ~よ!』
日課の昼寝から目を覚ましたのかカービィの声がほむらの指輪から溢れ出す!急に響いたぽよぽよ声にほむらはハッとなって周りを見渡すが、幸い他の人に聞かれる事はなかったようでホッとする。
「今の声ってカービィ?」
「ええ…今起きたのかしらね。今回の事は伝えてあるから気合いが入っているんだと思うわ」
「…そういえばカービィってほむらちゃんが学校にいる間ずっと一人でいるんだよね…?それは可哀想だよ!ほむらちゃん!」
口元をへの字にして怒った様子のまどかがほむらに顔を近づける。普段おっとりとしている彼女が見せるこの勢いに思わず後ずさりをしてしまうほむら。彼女はたじたじとなりながらも反論する。
「そ、それはそうなのだけど…カービィの姿は人に見えてしまうから家で留守番させて出歩かれたら騒ぎになるでしょう。だから、こうして盾の中に入れて一緒に行動するしかないのよ」
「でも、カービィが喋っちゃうと今みたいに声が外に漏れちゃうんだよね?どうにかなんないの~?また授業中に突然カービィの声が響くのは勘弁なんだけど」
”また”というのは今日の授業中、小テスト中で静まり返った教室に突然カービィの声が響く事件が起きてしまった事である。
その時は以前と同じように電話の着信音と誤魔化したがそう何度も誤魔化す事はできないだろう。それを思い出したのかほむらは苦虫を噛み潰したような顔をしてため息をついた。
「それが出来れば苦労はしないわ…はぁ…」
一応、ほむらが学校に行っている間にカービィを預けられるようなあてはある事にはある。
ほむらも魔女退治がてらそのあてにしている人物を探しにゲームセンターやスーパーなどには行って探しているのだが、一向に見つからないのだ。
「カービィには申し訳ないけれど…まだ当分は盾の中ね」
「じゃあせめて喋っちゃダメっていうのはなんとかならないかな…?」
「…それは…」
「キュゥべえと話をする要領でテレパシーで会話する…というのはどうかしら?キュゥべえとはこうして話せているわけだし」
先導して歩くマミの言葉にハッとするほむら。テレパシーというのは試した事はなかった為、さっそく盾の中にいるカービィにテレパシーを試みる。
『カービィ…聞こえる?ほむらよ。聞こえるなら何か言葉を頭に浮かべてちょうだい』
(╹◡╹)<お…や…つ…
おやつを要求をしてくるカービィの言葉がほむらの頭に響いた!もう少しの辛抱よ…そうほむらは彼に伝えてまどか達に結果を伝える。
「テレパシーは可能みたい。多分、これだったらあなた達もカービィと会話できるはずよ」
「ええ!?私達、もう既にそんなマジカルな力が~?」
「そうよね…キュゥべえ?」
”…僕や君たち魔法少女が間に入って中継すれば出来なくはないね”
という事なのでキュゥべえを中継役とし、まどかやさやかでもテレパシーに参加できるようになった!
学校や外出先でもほむらが中継役となればテレパシーでカービィと会話できるようになる。その事に無邪気に喜ぶまどかを見てほむらもつい頬を緩めていたのだが…
「…っ!暁美さん!」
突如、先導して歩いていたマミが声を上げる。その理由はほむらの指輪となっているソウルジェムが妖しく光を放っている事からすぐに理解した!
「魔女…ね。離れた場所じゃなくて運が良かったわ。行きましょう!」
「ええっ!鹿目さん、美樹さん!絶対に私か暁美さん、カービィでもいいわ。とにかくそばを離れない事、いいわね?」
「「はいっ!!」」
そうして、彼女たちは近くの見滝原総合病院の外れにて不気味に輝きを放っている魔女結界を発見。中から漂うその異様な雰囲気に魔法少女ではないまどかとさやかは息をのみ肩を震わせていた。
そんな二人を元気づけるかのようにマミが微笑みかけると…一瞬にして魔法少女の姿に変身をする!まどかとさやかに向かってウインクしているマミに続き、ほむらも素早く変身を済ませた。そして…
「出番よ。カービィ!」
∩
c(╹◡╹)<ぽよっ!
「わっ!カービィ!なんだかすごいやる気だね…」
盾からカービィの手を掴み、取り出すとカービィはハァイ!とポーズを決めて現れる。どうやら気合いは十分のようである。というよりもまだかまだか…ともう待ちきれないようであった。
(カービィにはどんな魔女が相手かは伝えてある。どういう場所かも…!そりゃあやる気も出すわね)
「うふふっ…カービィも暁美さんも準備万端ね!さあ、いきましょ!」
とマミが言うやいなやよだれを垂らしたカービィが風のように速く魔女結界へ飛び込んでいった!なぜ、よだれ…?なんて考えていたほむらを除く他の者たちだったが結界に入った事でその理由を理解する。
「あ、あははっ…」
「あのずんぐりピンク君が飛び出す訳だわ~」
結界を越えた彼女たちを待ち受けていたのは…なんと人の大きさをも上回るであろうプリン!ドーナツ!そういったスイーツの数々がそこら中に溢れかえるお菓子の世界だった。
ちなみにカービィは片っ端からそのお菓子を吸い込み、美味しそうに食べている。既にほむら達がいる入り口にあったお菓子は全て食べ尽くされており、一直線に見える道の先にあるお菓子を全て食べ尽くす勢いでカービィは進んでいた。
「み、見ているこっちが胸焼けしそうな食べっぷりね…でもよく見てみるとあの子、使い魔も一緒に吸い込んでる!」
丸っこいネズミのような使い魔が巨大ショートケーキの後ろに隠れていたのだが…カービィは壁としている巨大ショートケーキもろとも後ろの使い魔をも飲み込んでいたのだ。これにはマミも苦笑いである。
「す…すっげ~もうカービィ一人でいいんじゃないかな?」
「でも、あ…あんなの飲み込んで大丈夫なのかな…?カービィ…」
”彼は味はともかく吸い込める物ならなんでも飲み込み、その物の持っている能力を扱う事ができるんだ。だから、問題はないはずだよ”
”ちなみにあの使い魔は何の能力も持っていないからコピー能力は使えないみたいだ”なんて解説するキュゥべえの話に耳を傾けていた一同だが、そろそろ先に進むべくほむらはカービィに声をかける。
「カービィ!もう結構食べたでしょう?そろそろ行きましょう!カービィ?」
片っ端から食べ尽くしているカービィに声をかけたほむら。しかし、カービィはその声が届いていないようで夢中になってお菓子と使い魔を頬張り続けている。
その想像以上の食い意地にはほむらも呆れて頭に手を置き、空を仰ぎ見ていた。
「カービィ!いこうよ~!カービィ!!」
「あらら…転校生はともかくまどかの呼びかけでもダメか…」
「…もう彼はほっといてあげましょう。私と暁美さんだけでも魔女の相手は務まるわ」
そう口にしたマミはお菓子を吸い込むカービィの横を通り過ぎる。さやかは慌ててマミについていくが、やはりまどかはカービィが気になる様子。ほむらと共に残っていたのだが…
「…まどか、行きましょう。カービィならすぐに追いかけてきてくれるはずよ」
ため息をついたほむらに連れられ、名残惜しそうなまどかも先へと進んでいった。
そして、この場には吸い込みの恐怖に怯えるネズミの使い魔とそれをお菓子ごと吸い込むピンクの悪魔だけが残された…
タイトルにはこう書いたもののまだ肝心の魔女は出てこないという…
そして、カービィ預け先でちらっと出てくるその人物とは…いったい…???